2023年12月14日(日本時間15日)、元UFC世界ミドル級&ウェルター級王者の“GSP”ことジョルジュ・サンピエール(カナダ)がUFCのマットに帰ってくることが発表された。ケージではなく、グラップリング大会の『UFCファイトパス・インビテーショナル』に参戦する。
「12月14日にサブミッショングラップリングの『UFCファイトパス・インビテーショナル』で競技復帰する」と動画で語ったGSP。
UFC史上4人目の二階級制覇王者で、UFC殿堂入りも果たしているGSPは、2017年11月の『UFC 217: Bisping vs. St-Pierre』で、マイケル・ビスピンを相手に3R、リアネイキドチョークで一本勝ち。ウェルター級に続いてミドル級の王座獲得に成功し、2019年2月21日、地元モントリオールでの会見で、MMA(総合格闘技)からの引退を発表していた。
引退後は、いじめを減らし、若者のスポーツ参加を奨励することを目的とした慈善団体「GSP財団」を設立。さらに俳優としても活躍し、映画『キックボクサー リジェネレーション』ではジャン=クロード・ヴァン・ダムと共演。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』では、ジョルジュ・バトロック役で出演している。
その間も、MMA時代からのコーチであるジョン・ダナハーのもとでグラップリングを練習する姿が確認できていたGSPだが、今回の発表の2日前の7月5日には「ADCC2022」88kg級優勝のジャンカルロ・ボドニとトレーニングする姿をSNSにアップしていた。
本誌『ゴング格闘技』2021年7月号(NO.314)インタビューでは、「チャリティとか誰かの役に立てたりするなら、グラップリングなら機会はあるかもしれない」と語っていたGSP。約6年ぶりに戦いの舞台に戻ってくることになった。
「やめたと思った矢先、彼らに引き戻された。プロフェッショナル サブミッションレスリングと柔術に」と記したGSPは、MMAファイターでありながら、2005年のADCC世界大会では77kg級に出場し、ベスト16入りしている。しかし、日進月歩のグラップリング界において、果たしてMMAのような強さを見せることが出来るか。
GSPは、“現代グラップリングの完成形”といわれるボドニ、レアンドロ・ロと戦い『UFCファイトパス・インビテーショナル』でもOTで勝利しているニコラス・メレガリらとの練習、さらにフィラス・ザハビとの足関節の動画もアップし、ROKAジムでの練習風景に、「柔術はちょっとファッションのようなもので、変化と進化が早い。 退化しないように、ゲームに残るためには絶えずアップデートが必要だ」と記している。
『UFCファイトパス・インビテーショナル』はサブミッション・オンリールール。本戦で決着がつかなかった場合には、攻撃側と防御側に分かれて腕十字の体勢かバックの体勢を選択、互いの極めとエスケープの速さを競う「EBI」形式のオーバータイムで勝敗を決める。