5年前に敗れたピケオーを挑戦者に迎えて2度目の防衛戦を行う和島
2023年7月17日(月・祝)東京・両国国技館『K-1 WORLD GP』にて、K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級タイトルマッチ3分3R延長1Rで挑戦者にジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym)を迎えて2度目の防衛戦を行う王者・和島大海(月心会チーム侍)のインタビューが主催者を通じて届いた。
和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントでは準優勝。その後3連続KO勝ちを飾ると、2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、9月はメレティス・カコウバヴァスを1RでTKO。2023年3月には最強の挑戦者と目されていたジョムトーンを延長戦でKOし、K-1では6連続KO中。戦績は19勝(16KO)4敗。
毎回タイトルマッチの方が緊張感があっていい
──和島選手の前回の試合は3.12『K’FESTA.6』でジョムトーン・ストライカージム選手を相手の防衛戦(延長RにTKO勝利)でした。振り返ってみていかがでしたか?
「防衛できて素直に良かったなっていうのと、勝ってホッとする間もなくまた強い選手が来たなという感じで、そんなに余韻に浸れていない感じですね」
──ジョムトーン選手は世界的に有名な選手でした。昨年からK-1に参戦して、その強さを見せていましたが、やる前は危機感みたいなものはありましたか?
「今までのキャリアで一番強い選手が来たなというイメージでした」
──K-1での三階級制覇をぶち上げていたジョムトーン選手の野望をいきなり最初に挫く結果でした。それについてはどう思われますか?
「一番最初で良かったです。下の階級から順番に階級を制覇してこられて、最後が自分やったらもっとプレッシャーがかかったと思うので、順番的に良かったです」
──その防衛戦後、新たに練習などで取り組んだりしていることはありますか?
「引き続きテクニック的なことをやっているんですけど、やっぱりこれからも外国人選手との試合が多くなると思うので、フィジカル面も頑張っていますね」
──海外からも選手が来られるようになって、K-1への外国人選手の参戦も以前のように増えてきました。やはりチャンピオンとしてこれからドンドンそういった外国人選手と試合をしていかなければいけないという想いはありますか?
「外国人選手にも来てもらえますし、逆に自分も海外で試合をしてみたいなという気持ちもありますね。そういう部分でもフィジカル面は強くしていきたいです」
──そして今回はジョーダン・ピケオー選手とのタイトルマッチが組まれました。
「スーパーファイトで負けたら、次はタイトルマッチみたいになることが多いじゃないですか? 僕はどうせやるなら、毎回一発勝負じゃないですけど、毎回タイトルマッチの方が緊張感があっていいなと思いますね。もちろんどの試合も真剣に死ぬ気で勝ちにいくんですけど、ベルトが懸かっているのと懸かっていないのとでは違うと思うんですよね。自分がベルトを獲りに行く側だった時は獲りに行ったろうっていう感じで挑んでいたんですけど、守る側はプレッシャーもあるし、凄く大変だなと思っていますね」
──その対戦相手がピケオー選手だと分かった時はどう思われました?
「ずっとやりたい選手でしたし、やっと再戦できるという感じでした」
──ピケオー選手とは5年前にKrushのリングで戦っているわけですけど、このタイミングでの再戦はどのようにお考えですか?
「良かったんじゃないですかね? 僕は基本的にやれと言われた相手とやるのがスタイルというか、今までも自分に用意された相手に勝ってきたんで、中村さん(拓己K-1プロデューサー)がやれと言うならばやるしかないですよね」
──中村プロデューサーも記者会見で「今の和島選手はキャリアで一番いい時だし、やるなら今が一番いい」とおっしゃっていました。実際2020年の9月から7連勝で、うち6KOという抜群の成績ですよね。連勝できている要因はご自分で何だと考えていますか?
「1試合1試合、自分の中の感覚は良くなっていっているというか、試合を重ねるごとにできることも増えていますね。前回のジョムトーン選手はサウスポーで、サウスポーの相手は初めてだったんですけど、その経験も積めたので、今が一番いい時期というか、まだまだいけるっていう感覚が自分にはありますね」
──まだ伸び代があると実感できているわけですね。では、改めてピケオー選手の印象を教えてください。
「なんでも出来るなっていう印象ですね。パンチで前に来るスタイルのイメージなんですけど、前蹴りもヒザ蹴りも出来て、凄くバランスのいいファイターという印象があります」
──ピケオー選手は『K’FESTA.6』で約3年ぶりに日本で試合をしました。久々に見て、以前との違いは感じましたか?
「特になかったですね。やっぱりパワーが凄いなというか、強い選手だなというふうに思いました。確かに前に対戦した5年前と比べれば強くなっていると思うんですけど、自分もこの5年でレベルが上がっていると思うので、今回は超えたいですね」
──和島選手はご自身で5年前とどこが一番違うと思っていますか?
「トーナメントも経験しましたし、大きな舞台を経験したりと、単純に試合経験をかなり積めたというのはありますね。当時もKOがずっと続いていたんですけど、今もKOが続いているし、倒せる感覚もあるんですよね。だから、5年間でいいキャリアを積めているなという感じはします」
──では、この防衛戦でピケオー選手に5年前とは別人だよというところを見せたいですか?
「この5年間をぶつけたいですね」
──今回の防衛戦は日本でも強さを見せてきたピケオー選手が相手ということで注目のカードになりましたけど、チャンピオンとしてどんな試合をしたいと考えていますか?
「やっぱり70kg(スーパー・ウェルター級)のチャンピオンらしい試合を見せたいですね。K-1って軽量級が注目されているし、重量級より軽量級の方が盛り上がっていると思うんですけど、70kgはパワーがしっかりあって、しかもスピードもあるし、一番バランスの良い階級だと思っているんですよ。その70kgの良さが出る試合を見せたいです」
──チャンピオンとしてこの階級をK-1の看板にしていきたいと思いますか?
「そうですね。70kgは伝統的な階級というか、黄金の階級と言われていたので、70kgで盛り上げていきたいですし、もっと強い選手を呼んでもらって試合をしていきたいなと思いますし、もっと注目されたいなと思います」