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【K-1】ハッサン・トイが42秒で松倉信太郎をKO、初代ミドル級王座に就く。金子晃大が豪快KO勝ち、与座優貴が蹴りまくっての完勝、黒田斗真がアラブの神童を退ける

2023/06/03 13:06
K-1 WORLD GP 20232023年6月3日(土)神奈川・横浜武道館 ▼第18試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・決勝戦 3分3R延長1R×松倉信太郎(team VASILEUS)KO 1R 0分42秒 ※左フック〇ハッサン・トイ(トルコ/Team Toy)※トイが初代ミドル級王座に就く。  K-1 WORLD GP初代ミドル級王座が8名の選手によってワンデートーナメントで争われ、決勝には松倉とトイが進出した。  松倉は1回戦が1RでTKO勝ち、準決勝は判定勝ち。トイも1回戦が1RでKO勝ち、準決勝は判定勝ち。  1R、トイは右ローから右横蹴り。松倉もローを返すとトイは右ストレートを打つ。この右ストレートを多用したトイだが、松倉が下がったところへトイは左ボディのフェイントで松倉のガードを下げさせての左フック一閃。この一撃で松倉がダウンし、立ち上がることが出来ずトイが秒殺KOで優勝を飾った。 トイはマイクを持つと「最高のカムバックになったと思います。日本のファンの皆さん、日本の環境が好きでK-1のリングに立つのは子供の頃からの夢でした。そのK-1の王者に慣れてどう言葉に表していいか分からないくらい嬉しいです。ありがとうございます。トレーナーのヴィンセントありがとう。K-1の皆さんにも感謝します。そして彼女に愛していると伝えたいです」と語った。 [nextpage] ▼第17試合 スーパーファイト -56kg契約 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)KO 1R 1分48秒 ※3ノックダウン×エムレ・カラジャ(トルコ/Emre Karaca Fight Club/WAKO欧州選手権スーパー・バンタム級優勝)  金子は2006年9月にKrushでプロデビュー。無敗のまま6戦目で軍司泰斗を破りKrushバンタム級王座を奪取、第3代王座に就いた。卓越したテクニックと攻撃力で9連勝を飾っていたが、2020年3月に玖村将史に判定で敗れ初黒星。2021年3月に1年ぶりの復帰を果たすと連続KO勝利を収め、2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝してK-1王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』ではRISE王者・鈴木真彦に判定負けを喫したが、その後は2連続KOで再起。2023年3月に最強の挑戦者と目されていたコンペットを破り初防衛に成功した。戦績は17勝(10KO)2敗。  カラジャはボクシング、キックボクシング、ムエタイと様々な立ち技格闘技を学び、2022年にはWAKO欧州選手権スーパー・バンタム級で優勝。プロ戦績は10勝(2KO)無敗の32歳。中村拓己K-1プロデューサーは「ボクシング経験者らしくパンチの回転が速いので、金子選手とは噛み合う試合になると思う」と評した。  1R、左ボディを打ってきたカラジャに右ストレートで金子が鮮やかなダウンを奪う。金子はさらに圧をかけ、左ボディから左アッパー。右ヒザから右ストレート、そして左ボディと左フックを連打すると2度目のダウンに。  金子は飛びヒザ。左ボディから左ミドル、さらにジャブから狙いすました右ストレート。そして右の連打からの左フックで3度目のダウンを奪い、金子が圧勝を遂げた。  マイクを持った金子は「前回のコンペット戦で塩試合になっちゃって、相手は違うけれどしっかり倒そうと思って。格闘技界が混沌としていますけれど、僕は突き進む道をブレずにやっていこうと思います。今年中に玖村選手ともやるので期待してください」と宣言した。 [nextpage] ▼第16試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R〇与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPライト級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×アーロン・クラーク(アイルランド/ISKAライト級アイルランド王者、Cage Legacy -59kgアイルランド王者)  与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。2021年12月にKrush初参戦を果たし、蓮實光を左ハイキックで豪快KO。2022年2月のK-1でいきなり朝久泰央と対戦すると、延長戦で勝利する番狂わせを起こした。8月には篠原悠人をKO、12月にはエークピカートに判定勝ち。2023年3月の朝久との再戦で勝利し、第6代K-1 WORLD GPライト級王座に就いた。戦績は14勝(6KO)2敗。  クラークはISKAライト級(-61kg)アイルランド王者、Cage Legacy -59kg アイルランド王者で戦績は15勝(6KO)3敗の24歳。世界各国で試合をし、59kg~67kgと幅広く階級を問わずに試合をしている異色のファイターだ。中村拓己K-1プロデューサーは「戦い方も自由奔放な選手でキャラクターも濃い。賞金稼ぎというニックネームが付いている。K-1に出てきたら面白いと思う」と太鼓判を押した。  1R、クラークはガードを固めて右ロー、与座は前蹴りと右カーフ。与座が左三日月と左ミドルをクリーンヒットさせ、右カーフにつなぐ。クラークは前に詰めてパンチを打つが、与座の三日月に身体がくの字に。それでもすぐに前へ出てパンチを繰り出すが、与座はボディへ蹴りを集中させ、後ろ蹴りや与座キックも放つ。ボディと右足を攻めていた与座はいきなり左ハイ、顔面ヒザ蹴り。コーナーへ詰めての左右フックも見舞い、与座が攻めまくってラウンドを終えた。  2R、与座の右カーフに左右フックで前へ出るクラーク。与座は二段蹴りから左ミドル、左フックからの左ボディ。クラークはバックハンドブローから左ボディを繰り出すが、与座は後ろ蹴りを返す。与座は右カーフの連打から、ガードを固めて前へ出ると左ロー2発。さらに左ボディ、右ヒザと一方的に攻めまくる。それでもタフはクラークはヒザを返し、右ストレートも打つ。手数を増やしていくクラークがワンツーの連打、声を挙げながらパンチを打って行った。  3Rはクラークが前に出てワンツー、すぐに与座が右カーフで反撃する。クラークは与座のブロックの上からパンチをまとめ、ガードを上げさせておいてボディを打つ。さらに至近距離で回転してのバックハンドブロー。与座は左ハイキック、右インロー。与座はどんどんローを蹴っていくが、クラークはパンチを出すことを止めない。与座のヒザをもらっても打ち返してくる。与座が左ローを連打して、クラークもパンチを出し続けて試合終了。  判定は3-0で攻め続けた与座の勝利。しかし、与座に笑顔はなかった。 [nextpage] ▼第15試合 スーパーファイト K-1バンタム級 3分3R延長1R〇黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1 WORLD GPバンタム級王者)判定3-0 ※30-29×3×ラマダン・オンダッシュ(レバノン/IFMA世界ジュニアムエタイ王者)  黒田は小学3年生で少林寺拳法を学び、その後キックボクシングを始める。しかし次第にドロップアウトし、格闘技から離れていた時期もあったが、兄・勇斗からの『お前と一緒に格闘技をやりたい』という手紙をきっかけに再び格闘技の道へ。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では圧倒的な強さで優勝を果たした。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの風音に延長戦の末に判定負けしたが、12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いた。戦績は11勝(4KO)3敗1分。  オンダッシュは4歳からムエタイを学び、中国・アジア諸国のアマチュア大会で活躍。アマチュアでアラブ・ジュニアムエタイ選手権2016~2018年三連覇など108勝3敗5分の戦績を持ち、SNS上で“天才ムエタイ少年”や“怪物”や“神童”と紹介され、プロデビュー後も3勝(2KO)無敗。の16歳。中村拓己K-1プロデューサーは「名前を検索してもらえれば子供の頃から試合している映像がたくさん出てくるのでぜひ見てもらいたい。他の選手とは持っているものが違うと思わせる才能あふれる選手です。未来のスター候補と言ってもいい選手がK-1のリングに上がることになった」と期待をかける。  1R、オンダッシュは伸びる右ハイで先制。サウスポーの黒田は左ローを蹴っていき、オンダッシュは右ロー蹴る。黒田はジャブから飛びヒザ、さらに必殺の左ストレートから左ハイキック、オンダッシュはスウェーでかわす。オンダッシュが入って来る前に長い距離での攻撃を伸ばしていく黒田。オンダッシュは踏み込んでの鋭い左ロー。  2R、オンダッシュは構えを右に左にと変え、ジャンプしての前蹴り。速いパンチが交錯するが、互いにヒットは奪えない。オンダッシュは蹴りからパンチを繰り出し、黒田は左ストレートを伸ばす。黒田のヒザにオンダッシュもヒザ。黒田は左インローを蹴り、左ストレートにつなげる。オンダッシュは前に出るが、黒田はそのタイミングで左を当てに行った。  3R、黒田が左ハイで先制し、オンダッシュが右ハイを返してくるとすかさず黒田がワンツーを叩き込む。黒田が左インローから左ストレート、オンダッシュの右は空を切る。黒田の左ボディストレートも当たるが、オンダッシュの返しのワンツーは当たらない。黒田が距離を支配し始め、ヒザ蹴りも突き刺す。さらに左ストレート、左インロー。オンダッシュが入ってくるところへカウンターの左を合わせる。自分の攻撃は当て、オンダッシュの攻撃はかわす黒田。最後にオンダッシュが右をヒットさせたが、3Rは黒田が横綱相撲。  判定3-0で黒田の勝利となった。 [nextpage] ▼第14試合 K-1バンタム級 3分3R延長1R〇池田幸司(ReBORN経堂/Krushバンタム級王者)延長R 判定2-1×ペットモンコン・スーンキラーフォイトム(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者)※本戦の判定は30-30、30-29、29-30。  池田は幼稚園から始めた空手をバックボーンに持ち、アマチュアでは無敗を誇り、2019年にはK-1カレッジ優勝。同年10月にKrushでプロデビュー。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で黒田斗真にKO負けを喫したが、その後は連勝して2022年3月に壬生狼一輝を判定で破りKrushバンタム級王座に就いた。7月には野田蒼をKO、今年2月には松谷桐をKOして2度の防衛に成功している。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝で石井一成に敗れて3位に。戦績は10勝(6KO)4敗。  ペットモンコンは元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者の肩書きを持つ22歳で、戦績は59勝(11KO)12敗2分。中村Pは「パンチと蹴りのコンビネーションが得意で、アグレッシブなスタイル。K-1ルールでやっても普段のムエタイとスタイルが変わらないのではないか」と紹介した。  1R、池田は右へ回り込みながらの徹底した右ロー。体格で劣るペットモンコンは左ミドルを蹴っていく。池田は顔面前蹴り、左ミドル。ペットモンコンは池田の右ローをカットしようと左足を上げるが、池田は右足を蹴る。さらに池田は右ストレート。  2R、左ミドルを蹴っていくペットモンコンだが、池田はジャブを出して左へ回り込みながらパンチを打つ。ペットモンコンは右ロー、飛び込んでの右ヒザ、そして左ミドルと攻撃の手数を増やしていく。ペットモンコンの右ローに右を合わせる池田だが、逆にペットモンコンの右ローをもらい始める。さらにアッパーを交えたパンチのコンビネーションを繰り出すペットモンコン。池田は右ロー、飛びヒザを繰り出すがペットモンコンはヒザを突き刺す。  3Rは池田が前へ出て右フック、右ローもペットモンコンは左ミドルと左ヒザ。前に出てくる池田へ左ミドルをどんどん連打していく。さらにヒザ蹴り。池田はパンチでペットモンコンを下がらせていくが、ペットモンコンは蹴りを返している。採点は難しそうだ。  判定は三者三様のドロー。延長戦へ突入する。  延長R、前に出るペットモンコンは左ミドルとヒザ蹴り。池田も右ローと右ストレートで反撃する。池田の右ローで下がるペットモンコン。最後は池田が攻めて終わった。判定は2-1と割れ、池田が競り勝った。 [nextpage] ▼第13試合 スーパー・フェザー級 3分3R延長1R×大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定0-2 ※28-28、27-28×2〇横山朋哉(リーブルロア)  大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。2021年11月には第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。2022年4月、江川優生に判定勝ち。9月の「第5代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では準決勝でレオナ・ペタスに敗れた。今年3月に國枝悠太をKOして再起。戦績は23勝(8KO)9敗。  横山はK-1甲子園2017 -60kg準優勝の実績があり、2018年6月からK-1 JAPAN GROUPの大会に出場。「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では優勝候補と目されるも、2022年1月の決勝で中島千博に敗れ戴冠ならず。9月の「 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では1回戦でスタウロス・エグザコスティディスを左ハイでマットに沈めて見せたが、準決勝で朝久裕貴にKO負け。今年2月にペットサムイから2度のダウンを奪っての判定勝ちで再起。戦績は14勝(7KO)4敗。  1R、サウスポーの横山は自分から下がって前へ出てくる大岩へ飛びヒザ蹴り。さらに前に出てくる大岩に左ミドル、左インロー、回り込みながらの右フック。大岩はじりじりと距離を詰めながら左カーフ、右インローでのカーフキック。終盤、コーナーに詰めた大岩は右オーバーハンド。  2R、さらに圧を強める大岩がコーナーへ詰めての左右ボディ、左右フック。横山はもすぐに左ストレートで反撃する。大岩が前へ出てくるタイミングで押すような左で大岩が後方へ倒れ、横山がダウンを奪う。さらに左連打で畳み込む横山だが、大岩は前へ出てくる。そして大岩の右フックで横山がやはり押されるようにして倒れてダウン。横山は右フックを狙い、大岩は右オーバーハンド。さらに横山が左右フック、左ハイを叩きつけるが大岩は構わず前へ出て右を打つ。大岩の左右ボディに横山は左フックで応戦。激しい打ち合いが繰り広げられた。  3R、前に出る大岩に横山がバックハンドブロー。大岩の右インローにはヒザを返す。二段蹴りから左右フックの横山に大岩は右を狙い続ける。横山はジャブを出し、右へ回り込む。やや大岩の手数が少ないか。ジャブ、左ミドルを当てるのは横山だ。さらに前へ出てくる大岩へ飛びヒザ蹴り。右フックを狙う大岩だが、横山は攻撃を当てては回り込み、大岩の突進をかわす。最後は大岩が横山にロープを背負わせて打ち合いにいった。  判定は2-0で横山が殊勲の勝利。ダウンの応酬を制した。大岩のセコンドに就いていた武尊は横山と会話をかわす。優勝トロフィーを受け取った横山は嬉し泣きした。 [nextpage] ▼第12試合 スーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇中島千博(POWER OF DREAM/Krushスーパー・フェザー級王者)KO 2R 1分06秒 ※左ボディ×ハン・ギョンミン(韓国/RAON GYM)  中島は極真空手で2017年第34回全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017年オールアメリカン大会無差別級3位、2018年USウェイト制軽重量級優勝などの実績を引っ提げてキックボクシングに転向。2019年5月にプロデビューし、2勝(2KO)を飾ったが2020年2月に横山朋哉に敗れプロ初黒星。9月も山本直樹に敗れ連敗となったが、2021年5月大会で伊藤健人からダウンを奪って勝利。2022年1月「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』では笠原友希に判定負けを喫したが、12月の初防衛戦では西元也史に判定勝ち。戦績は7勝(4KO)3敗。  対するギョンミンは頑丈な身体と前に出る突進力が特徴的な韓国人ファイター。どんな相手に対してもパンチとローで削り勝つスタイルで、韓国キックボクシング界の新世代として注目を集めているという18歳。戦績は17勝5敗。 ギョンミンは前日計量を規定時間内にパスすることが出来ず、試合はギョンミンに1R減点1が与えられて行われる。  1R、前に出るギョンミンはパンチを連打してのロー。中島はジャブを出しながら前蹴り、ギョンミンのジャブに右を被せる。中島は左ミドルからの左フック、サイドキック、後ろ蹴りと縦横無尽に動き回る。左ハイを蹴っておき、同じ軌道で左ミドルをクリーンヒット。前に出るギョンミンだが中島の蹴り技で手が出ない。  2R、中島は後ろ蹴り、左ボディ。前へ出てくるギョンミンはパンチをまとめるが、中島は左ハイを蹴ってガードを上げさせての右フックから左ボディ。ギョンミンはうずくまってダウン。そのまま立ち上がることが出来ず、中島が鮮やかなKO勝ち。  リングサイドで観戦していたK-1スーパー・フェザー級王者レオナ・ペタスへ向けてインパクトあるアピールとなっただろう。 [nextpage] ▼第11試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R延長1R〇松倉信太郎(team VASILEUS)判定3-0 ※30-27×2、30-26×ムスタファ・ハイダ(イタリア/Fight Club Firenze)※松倉が決勝戦へ進出。  1回戦でディオニツィオに初回TKO勝ちした松倉と、MIKE JOEに苦戦を強いられ判定2-0で勝利したハイダが準決勝を争う。  1R、サウスポーのハイダは右ジャブ、松倉もサウスポーに構えて左ローを蹴る。松倉はパンチを出しながら左ローを狙い撃ち、ハイダは右ハイから前蹴り。松倉がワンツーを放つところへハイダが蹴りを放つがこれはローブローに。再開後、松倉の右ミドルがクリーンヒット、続く左ローも。またも松倉の右ローが綺麗に決まる。  2R、松倉の右三日月がみぞおちに突き刺さり、ハイダがダウン。畳み込む松倉が左右ボディ、右の三日月蹴り、左ロー。ハイダは下がりながらもジャブ、右ローを返すが、松倉の右ハイがヒット。さらにハイダのワンツーに左ヒザ。松倉の右三日月が突き刺さるが、ハイダは耐える。ハイダは左ボディも松倉は右ボディを返す。さらに右ミドル。タフなハイダはこのラウンドをしのいだ。  3R、身体を丸め気味に構えるハイダはジャブ、松倉は右ミドルと左ロー。松倉は右ミドルを狙い撃ちにし、左ローもしっかり当てる。ハイダは左ハイで逆転を狙うが、松倉の左右ボディ連打に下がる。ハイダも強気に左右ボディを返すが、松倉の右ミドルが鋭く決まる。さらに左ロー。松倉は飛びヒザも放つ。ハイダも最後までハイで逆転を狙ったが、松倉がかわして終了。  判定3-0で松倉が殊勲の勝利、ハッサン・トイが待つ決勝戦へコマを進めた。 [nextpage] ▼第10試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R延長1R×リー・ホイ(中国/CFP)判定0-3 ※28-30、29-30、27-30〇ハッサン・トイ(トルコ/Team Toy)※トイが決勝戦へ進出。  1回戦で神保に延長戦で勝利したホイと1R1分35秒でザノリニをKOしたトイが準決勝を争う。  1R、トイはいきなりの顔面前蹴り。左右ハイキックも連発する。ホイはジャブを突いてローとボディで崩しにかかるが、トイはジャブ、左ボディ、右ストレート。ホイはパンチの連打を見せてからのロー、ヒザに行くが、トイは顏までヒザを突き上げる。さらに左右ハイキックで脅かす。ホイのジャブを頭を振ってかわし、飛びヒザ蹴り、顔面前蹴りを放つトイ。  2R、ホイは左フックから左ボディの連打。トイは右ハイを蹴っての右フック。1回戦では手数の多さが目立ったホイだが、トイは手数でも負けていない。トイが左ローから左ハイ、ホイが左ローを返すとすぐに左ローを返す。トイはここへ来て左ローを狙い撃ち。パンチを繰り出すホイだが、トイは頭を振ってかわしていき、ラウンド終了間際の左ローではホイが腰を落ちかけた。  3R、前に出るトイはサウスポーになって右顔面前蹴り。ホイは左ボディを打っていくが、トイは左ローだ。左右連打のホイにトイが左フックでグラつかせ、パンチをまとめるが無理して倒しにはいかない。ホイが打ち返して前へ出るとトイは左フック、左ロー。そして飛びヒザ蹴りからのワンツー。ホイも諦めず右ロー、左右連打を繰り出すがトイはかわして右ストレート、左フック、最後は右ヒザ蹴り。  判定3-0で“ドミネーター”の異名を持つトイがその名の通り試合を支配し、決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼第9試合 スーパー・ライト級 3分3R延長1R×佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第8代Krushスーパー・ライト級王者)延長R 判定1-2 ※10-9、9-10×2〇パコーン・P.K.センチャイムエタイジム(タイ/P.K.センチャイムエタイジム)※本戦の判定は29-29×2、29-30。  佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者(2度防衛)となった。2020年2月にはスーパー・ライト級王座を奪取し、2階級制覇に成功。同王座は3度の防衛に成功して返上した。2022年9月のK-1スーパー・ライト級タイトルマッチでは王者・大和哲也に敗れて王座奪取ならず。3月のRISEとの対抗戦では白鳥大珠に判定負けと連敗を喫した。戦績は32勝(7KO)19敗1分。  パコーンは9歳からムエタイを始め、2008年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座、2013年にタイ国プロムエタイ協会ライト級王座、2014年にルンピニースタジアム認定ライト級王座、同年にはWMCライト級王座とYOKKAO -65kg級王座も獲得。さらには2016年にWKU世界-67kg世界王座とThairathTVのウェルター級王座、2017年にフェニックスファイティングチャンピオンシップ王座、2022年にはBOMウェルター級王座とWPMF世界ウェルター級王座も獲得。2013年にはタイ・スポーツ局が選ぶMVPにも輝いた。2022年からはエイワスポーツジムにてトレーナーとして日本人選手を育成しながら選手活動も行い、今年3月のK-1初参戦では第7代Krushスーパー・ライト級王者の鈴木勇人に判定勝ち。戦績は191勝(7KO)45敗5分。  1R、パコーンは右カーフを狙い撃ち、佐々木も右ローを返しながら左ミドル。蹴り合いが続く。佐々木はジャブを突き、左インローを蹴っていく。パコーンもジャブを突くと右ミドル。ジャブを伸ばす佐々木にパコーンは右ロー。佐々木の右ストレートもパコーンは右ローを返す。佐々木が右ミドルを蹴るとパコーンは横にかわしながらのワンツー。  2R、前に出る佐々木をいなしながら細かくパンチを当てていくパコーン。さらに右ローを徹底的に蹴っていく。佐々木が前に出るタイミングでジャブや右ストレートを当てていくパコーンに、佐々木はなかなかペースがつかめない様子。  3Rも前に出るのは佐々木だが、パコーンは右ミドルとジャブで自分の距離をとる。佐々木は右ストレート、左ミドルからの右ストレートでパコーンをコーナーへ詰めるが、パコーンはさっと脱出。佐々木の蹴りの前に右ミドルで先手をとるパコーン。そしてジャブと右ミドルで距離をとる。佐々木が前へ出ようとするとその前足へ足払い気味の右ローだ。  佐々木に攻め込ませない上手さを見せたパコーンだが、判定はドロー。延長戦へ突入する。パコーンは右インローから右ミドル、佐々木が入るタイミングに合わせての右ショート。サウスポーにスイッチした佐々木は左ストレートを伸ばして左インローから右ストレート。ロープを背負うパコーンに佐々木は飛び込んで左右のボディ。パコーンは強い右ミドルを当てるがホールディングが多く警告を与えられる。パンチで勝負をかける佐々木にパコーンも大振りのフックで対抗した。  判定は2-1でパコーンが勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第8試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R〇椿原龍矢(月心会チーム侍/第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-29×森坂 陸(エスジム/Krushフェザー級王者)  椿原はK-1甲子園2017 -55kg王者。2020年9月、K-1で江川から番狂わせの勝利を奪い、2021年3月のタイトルマッチでの再戦でも返り討ちにして第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者となった。5月の王者としての第一戦はノンタイトル戦で玖村修平に判定で勝利したが、12月の初防衛戦で軍司に敗れて王座を失った。2022年8月の「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で斗麗に敗れ、12月には兼田将暉にも判定負けで連敗中。戦績は13勝(3KO)6敗1分。  森坂は2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、ムエタイ仕込みの蹴り技とバックハンドブローなどの回転技を駆使するトリッキーなファイトスタイルで戦績は16勝(3KO)12敗2分。江川優生、椿原龍矢、軍司泰斗ら後にK-1王者となる選手たちとしのぎを削り、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では準優勝。2022年は4戦全勝し、2023年3月に玖村修平を破り第7代Krushフェザー級王座に就いた。17勝(3KO)12敗2分。  1R、両者軽快なステップを踏む。前へ出るのは森坂で右ローを蹴りつつバックキックやジャンプしてのミドルキック。椿原はジャブを突き、回り込みながらの右ロー。  2Rも前に出るのは森坂でジャブと右ロー&左ミドル、椿原はジャブを突いて右に繋ぐ。森坂は右ハイからそのまま回転してのバックハンドブロー。互いに右ローを蹴り、椿原はパンチをまとめるとヒザ蹴り。前に出る森坂に合わせる椿原の攻撃が当たり始める。  3R、椿原が左フックからの右ロー、ジャブ、右フックと攻撃を的確にヒットさせていく。森坂が左ハイを蹴ると椿原も左ハイ。真っ直ぐの椿原のジャブが何度も決まり、右ストレートもヒット。さらにヒザ蹴り。森坂は前に出るがそこへ椿原が右で先手をとる。ステップで動く椿原を追っていく森坂だが、椿原は下がりながらもしっかり攻撃を当てていく。残り10秒、椿原のワンツーに森坂が下がる。  判定は3-0で椿原が上手さを発揮して勝利。連敗から脱出した。 [nextpage] ▼第7試合 K-1バンタム級 3分3R延長1R〇壬生狼一輝(力道場静岡/第7代Krushバンタム級王者)判定3-0 ※29-28×2、30-28×白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)  壬生狼は幼稚園から日本拳法を学び、のちにキックボクシングに転向。九州のキックボクシングイベント「大和」のバンタム級王座も獲得した。高校卒業時に福岡を離れ、力道場静岡に入門。2020年8月にKrush-EXで勝利を収めると、同年11月のK-1福岡大会で元Krushバンタム級王者・晃貴を撃破。2021年3月には吉岡ビギンをも破り第7代Krushバンタム級王座を獲得した。しかし、5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では決勝へ進出するも黒田斗真にKO負けで初黒星。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」でも準決勝で黒田に敗れた。戦績は14勝(2KO)4敗。  白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。2019年12月1日にはMuayThaiOpenスーパーフライ級王座を獲得。2021年2月にはKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座も奪取した。2022年3月、RIZINで吉成名高に挑むもTKOで敗れている。2023年2月にKrush初参戦で第6代Krushバンタム級王者・吉岡ビギンを再三の偶発的なローブローがあったものの判定で破った。戦績は13勝(1KO)4敗1分。  1R、白幡はサウスポー。白幡の左インローがローブローとなっていきなり中断。白幡はサウスポーの定石である右回りではなく左回り。壬生狼は左ローを蹴り、白幡は左ミドルを蹴る。回り込む白幡、追いかける壬生狼。白幡は左ミドルと左インローを蹴っていき、壬生狼もローを返す。  2R、白幡は徹底して左ミドルで壬生狼の右腕を蹴る。壬生狼は右インローを蹴ってのワンツー。蹴りから右ストレートにつないで入っていく壬生狼。左回りの白幡は右ボディ。今度は壬生狼のインローがローブローとなり中断に。再開後、やはり大きく回り込む白幡だが、壬生狼が左フック&右ストレートでコーナーへ詰めたところで白幡が飛びヒザ蹴り、そこへ壬生狼が右ストレートを合わせ、白幡は倒れかかる。壬生狼はさらに右を追加してダウンを奪う。  審判団の協議が行われたが再開。変わらず回り込む白幡は左ミドルとヒザ、壬生狼は前へ出て右ストレートを打っていく。  3R開始前、ダウンがあったところで壬生狼が倒れた白幡への攻撃があったことで注意が与えられた。このラウンドも白幡は左へ回り込みながらの左ミドル、壬生狼は蹴りで距離を詰めて右ストレート。右ミドルも蹴る壬生狼は白幡の左ストレートの返しをしっかりブロック。白幡が左ストレートと左ミドルで勝負を懸けたが時すでに遅し。  判定3-0でダウンを奪った壬生狼が勝利を収めた。 [nextpage] ▼第6試合 K-1バンタム級 3分3R延長1R×大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/Krushフライ級王者)延長R 判定1-2 ※10-8、9-9(マスト齊藤)〇齊藤龍之介(ドージョー☆シャカリキ)※本戦の判定は30-29、30-30×2。 大久保は第11回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kg優勝、第37回K-1アマチュア チャレンジAクラス -55kg優勝、K-1甲子園2021 -55kg優勝とアマチュアで経験を積み、2022年2月のK-1でプロデビュー。6月の『THE MATCH 2022』ではオープニングファイトに抜擢され、那須川龍心に判定勝ちしている。2022年9月の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いた。その後は大学受験のため戦列から離れていたが、今回バンタム級に階級を上げての復帰。戦績は4勝無敗。  齊藤は5歳でキックボクシングを始め、数々のアマチュア大会で優秀な成績を収めると、高校在学中にプロデビュー。2021年のK-1甲子園では東日本予選と全日本の決勝で大久保と対戦し、いずれも惜敗。プロ戦績は4勝(2KO)1敗の18歳。  1R、大久保はジャブ&ロー、齊藤は左フックから右ストレートを狙う。大久保は右ミドル、前蹴り、ワンツーも。ジャブをしっかりと突く。ミドルを蹴り合い、右ストレートを打ち合う。右の打ち合いが見られると、大久保はヒザも突き刺した。  2R、齊藤の右ローに左フックを合わせる大久保。ワンツー、右ローも入る。齊藤の左右フックにワンツーを打つ大久保だがバッティングになってしまい一時中断。再開後、ワンツーで前へ出る齊藤。大久保もワンツーから右ロー。大久保は左ミドルを蹴り、齊藤は前蹴り。  3Rも互いにミドルを蹴り合い、ワンツーを打ち合う。大久保が見合いから右ストレートをヒット。ボディを狙う齊藤に大久保が左右フック。齊藤のジャブに大久保が左ミドルのカウンター。さらにワンツー。齊藤もすかさず左右フックを返す。  延長R、齊藤は右フックからの左ミドル、大久保の右へ右ヒザを突き刺す。両者接近すると齊藤が組み際にパンチを入れるが、大久保はバックハンドブロー。足を止めての打ち合いでは齊藤が左を当てる。前へ出るのは大久保で先手をとっていく。齊藤は度重なるホールディングで痛い減点1。最後は両者激しく打ち合って試合終了。  判定はジャッジ1名が大久保を支持したが、2名が9-9でマストでは齊藤。跳びあがって大喜びする齊藤。大久保にプロ初黒星を付けた。 [nextpage] ▼第5試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・一回戦(4) 3分3R延長1R〇ムスタファ・ハイダ(イタリア/Fight Club Firenze)判定2-0 ※29-29、30-29×2×MIKE JOE(フィリピン/BATTLE FIELD/TEAM J.S.A)※ハイダが準決勝へ進出。 ハイダはキャリア初期は世界の70~72kg戦線で活躍。2012年にWAKO-PROインターコンチネンタルミドル級(72kg)王座を獲得すると、2014年のKunlun Fight World MAX Tournamentではアンディ・サワーに勝利して、ベスト4にまで勝ち進んだ。2016年からはべラトール(キックボクシング)に定期参戦し、地元イタリアの格闘技イベントOktagonではISKA世界ライト・ミドル級(72.5kg)王座に就いた。2019年からはONE Championshipに参戦。ダニエル・ドーソンにKO勝ちすると、ニッキー・ホルツケンやレギン・アーセルといったチャンピオンクラスの選手たちと鎬を削ってきた。K-1には今回が初参戦。戦績は54勝(25KO)11敗2分。  JOEはアマチュアボクシングからキックボクシングに転向し、MMAにも挑戦した184cmの長身選手。2020年8月のKrush、2021年3月のK-1で共に勝利を収めている。2021年12月のBOMでクリスチャン・ジョセフを5Rに左ボディでKOし、第4代Bigbangスーパー・ウェルター級王座に続きWMCインターコンチネンタル・ミドル級王座を獲得すると、2022年9月には喜多村誠をTKOに破りWPMFインターナショナル・ミドル級王座も獲得して三冠王となった。今年4月にはBOMミドル級王者決定戦に臨んだが、ヨックペットに判定負け。戦績は10勝(5KO)6敗5分。  ハイダはキャリア初期は世界の70~72kg戦線で活躍。2012年にWAKO-PROインターコンチネンタルミドル級(72kg)王座を獲得すると、2014年のKunlun Fight World MAX Tournamentではアンディ・サワーに勝利して、ベスト4にまで勝ち進んだ。2016年からはべラトール(キックボクシング)に定期参戦し、地元イタリアの格闘技イベントOktagonではISKA世界ライト・ミドル級(72.5kg)王座に就いた。2019年からはONE Championshipに参戦。ダニエル・ドーソンにKO勝ちすると、ニッキー・ホルツケンやレギン・アーセルといったチャンピオンクラスの選手たちと鎬を削ってきた。K-1には今回が初参戦。戦績は54勝(25KO)11敗2分。  JOEはアマチュアボクシングからキックボクシングに転向し、MMAにも挑戦した184cmの長身選手。2020年8月のKrush、2021年3月のK-1で共に勝利を収めている。2021年12月のBOMでクリスチャン・ジョセフを5Rに左ボディでKOし、第4代Bigbangスーパー・ウェルター級王座に続きWMCインターコンチネンタル・ミドル級王座を獲得すると、2022年9月には喜多村誠をTKOに破りWPMFインターナショナル・ミドル級王座も獲得して三冠王となった。今年4月にはBOMミドル級王者決定戦に臨んだが、ヨックペットに判定負け。戦績は10勝(5KO)6敗5分。  1R、両者サウスポー。強いワンツーを打ったハイダにJOEはムエタイ式の左足払いで転倒させる。ハイダはジャブ、右ストレート、右ボディストレートといかにも強打という打ち方。JOEは前蹴りを多用し、左ローを蹴る。さらに左ストレート、ジャブを突くJOE。  2R、JOEは右フックから左ストレート。長い距離をとり、ハイダが左を打って来るとバックステップでかわす。ハイダが右フックからの左ボディ、JOEは前蹴り。右足を上げるフェイントも駆使するJOE。ハイダは突っ込んでの右フックをヒットさせるも、JOEはボディへヒザ。JOEがワンツーからヒザ、さらにムエタイ式の崩し。ジャブもしっかり当てていく。  3R、前に出るハイダが左ボディ、前蹴りでJOEを下がらせる。JOEも鋭いジャブを突く。ハイダの強い左ボディもJOEはすぐにジャブを当てる。ハイダの右インローにもジャブを返すJOE。ハイダは飛び込んでの左右ボディ。ハイダは右膝を大きく上げて入り込み、右ジャブを出すフェイントからの左ハイキックを蹴り、これにJOEが大きくバランスを崩す。まとめに行くハイダは左ストレートも叩き込み、ロープ伝いに逃げるJOEだったが、ハイダが攻め込んだ形でラウンドを終えた。  判定は2-0でハイダ。JOEのテクニックに苦しめられたが、最後はJOEを振り切った。 [nextpage] ▼第4試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・一回戦(3) 3分3R延長1R〇松倉信太郎(team VASILEUS)TKO 1R 2分19秒 ※レフェリーストップ×ヴィニシウス・ディオニツィオ(ブラジル/ブラジリアンタイ)※松倉が準決勝へ進出。 松倉はK-1甲子園70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、『RIZIN』にも参戦。2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも、5R判定負けで王座戴冠を逃した。2020年9月の『スックワンキントーン』ではWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得。12月にT-98を判定3-0で降し、2021年3月にトーナメントを制してKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座に就いた。10月にはK-1クルーザー級トーナメントに出場した武来安をKOしている。2022年4月にK-1に復帰するとジュリオ・セザール・モリに判定勝利。戦績は33勝(17KO)16敗。  ディオニツィオはFight Dragonの80㎏王者となり、昨年12月のホーストカップに初来日。アーネスト・ホーストの愛弟子で、ONE Championshipにも参戦していたサンティーノ・ヴェルビークに勝利した。2023年3月のK-1に初参戦すると、神保克哉の連勝をストップしてみせた。戦績は15勝(9KO)5敗。  松倉のセコンドには盟友・武尊が就く。1R、松倉はジャブと左ミドル。ディオニツィオは前へ出てジャブ。松倉は右カーフを蹴り、右アッパーを突き上げて打ち合いに持ち込む。ディオニツィオの右が入るが、松倉に押される形で倒れたところでダウンをとられる。  松倉は一気に詰めて連打をまとめ、左ミドルと与座キック(内股への前蹴り)を効かせると一気に左右の連打。ディオニツィオが棒立ちとなり、レフェリーがストップ。松倉が準決勝に進出した。 [nextpage] ▼第3試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R延長1R×ダニロ・ザノリニ(ブラジル/ブラジリアンタイ)KO 1R 1分35秒 ※2ノックダウン〇ハッサン・トイ(トルコ/Team Toy)※トイが準決勝へ進出。  ザノリニはブラジルから日本に移住し、スーパー・ウェルター級戦線で活躍。K-1 MAXで佐藤嘉洋とも対戦し、ISKA世界スーパー・ウェルター級王座、第2代HEATキックミドル級王座、第2代HOOST CUP日本ミドル級王座、初代RISEウェルター級王座と4本のベルトを巻いた。2019年8月にはRIZINでジョン・ウェイン・パーに勝利。しばらく試合から離れていたが2022年2月27日のK-1に参戦。神保克哉に判定負けを喫したが、9月にはパク・ヨハンに判定勝ち。戦績は44勝(24KO)13敗。  トイは2015年WFL武林風 -65kg級王座、2016年WFCA -68kgヨーロッパ王座を獲得。K-1でも活躍したイリアス・ブライドにも勝利している。184cmの長身から繰り出す強烈なフックと鋭いヒザ蹴りを武器とし、圧倒的な試合運びで勝つ姿から“The Dominator”(支配者)と呼ばれている。2019年12月のK-1名古屋大会では野杁正明に判定で敗れたものの、試合後の野杁に「シンプルにすごく強かった。また日本で見たい選手」と言わしめた。野杁戦以降は新型コロナウイルスの問題もあり、コンスタントに試合ができない状況が続いていたが、ミドル級に階級を上げて、初代王座決定トーナメントに出場する。戦績は44勝(8KO)12敗。 1R、前に出るトイがジャブ、ワンツー、前蹴り、左ミドル&ハイとどんどん攻める。ザノリニは右カーフで応戦するが、トイがジャブを突き刺して見美アッパーから右フック、さらにヒザ蹴り。ザノリニは左右フックからの右ローを返すが、トイはザノリニのジャブに右フックを返してテンプルでダウンを奪う。最後は左ハイを3連発し、ガードの上からだったがダメージのあるザノリニはダウンし、トイが初回KO勝ちで1回戦を突破した。 [nextpage] ▼第2試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R延長1R×神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)延長R 判定0-3 ※9-10×3〇リー・ホイ(中国/?西大秦騫秋ジム/CFP)※ホイが準決勝へ進出。本戦の判定は30-30×3。  神保はK-1アマチュアを経て2015年6月にKrushでプロデビュー。2019年6月にはKrushスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーに挑戦したことも。2020年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」に抜擢されたが、1回戦敗退。2021年3月より-75kgの階級設立をアピールして体重を上げると、ジュリオ・セザール・モリに判定勝ち、ブハリ亜輝留にKO勝ち、EITOにKO勝ち、ダニロ・ザノリニに判定勝ち、植村真弥にKO勝ち、松倉信太郎にKO勝ちして6連勝。しかし今年3月、ヴィニシウス・ディオニツィオに判定で敗れて連勝がストップ。戦績は15勝(8KO)7敗1分。  ホイは中国の格闘技大会『武林風』の新人王といえるタイトル=スーパールーキー-75kg王座、IPCC中国-75㎏王座の2本のベルトを獲得。頑丈な身体とパンチ主体・突進力を生かしたブルファイトから“大魔王”と呼ばれ、中国ミドル級最強の呼び声も高い27歳(※試合時は28歳)。戦績は18勝(5KO)5敗。  1R、ホイの右カーフで神保が大きくバランスを崩す。神保は左ボディに狙いを定め、ホイはワンツー。神保は右カーフを意識して足を上げるが、ホイはその足が着地したところを狙って蹴る。ホイの前蹴り、右カーフになかなか近付けない神保。大きなパンチからジャブに変更した神保に、ホイは右ボディストレートと左右フック。上下に散らせるホイの攻撃が目立った。  2R、ホイが左右連打からの右ストレートをヒット。さらにジャブも伸ばす。左右連打と右カーフを織り交ぜるホイに神保は左ボディで応戦。右ボディも打つ。いいタイミングで左ボディを打つ神保は右ストレートからの左アッパー。神保の左ボディ、左ミドル。ホイは左右を打つがペースは落ちてきた。神保は左三日月を突き刺す。  3R、左フックと右カーフで前に出るホイに神保は左ミドルと左ボディ。ワンツーを繰り出すホイに神保は左ボディ。連打される神保だが退かずに左ミドルを蹴る。しかし、ホイは右ストレート、左右ボディ、さらに前蹴りと手数が多くヒットも多い。残り10秒でホイがラッシュを仕掛けてダメ押ししたかのように見えたが、判定はジャッジ三者とも30-30でドロー。  延長戦、ホイは左右フック、ワンツーと手数を出して攻める。神保は左目上から流血し、ドクターチェック。ワンツー、左右フック、左ミドルと手数を出しホイに神保は左ボディ、右ストレートを返すが圧倒的な手数の差。神保は左ボディ、左ヒザ、左ミドルでホイの背中を丸まらせるが、ホイはジャブ、前蹴り、ヒザで応戦。さらに左右を連打する。最後は足を止めての打ち合いとなり、ホイがヒットを奪った。  判定は3-0でホイがミドル級新設の提唱者である神保を破り、準決勝へコマを進めた。 [nextpage] ▼第1試合 K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R〇ブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)KO 2R 2分11秒 ※左右連打×吉野友規(K.Y.T)※ブハリがリザーバーに決定。  ブハリは中学でボクシング、高校でキックボクシングを始め、グローブ空手の試合でキャリアを積む。大学卒業後に渡米し、現地ではガソリンスタンドの経営者としても活躍。帰国後にプロデビューし、K-1 JAPAN GROUPには2021年2月から参戦。夜叉猿をKOしたが2戦目で神保克哉にプロ初黒星。11月には今回再戦するモリにKO負けと連敗を喫する。2022年6月にはEITOにTKO勝ちで再起。11月にジュリオ・セザール・モリも破った。戦績は5勝(4KO)2敗1分。  吉野は剣道(高校3年生時に国体で優勝、大学4年生時には団体戦で全日本選手権3位)からキックボクシングに転向し、KNOCK OUTを主戦場として豪快なパンチでデビューから5戦5勝4KOと負け知らずの重量級期待の新星だったが、2021年3月大会で田村聖から先制のダウンを奪うも逆転TKO負けを喫してプロ初黒星。2022年1月に復帰戦を行い、新日本キックボクシング協会日本ミドル級王者の斗吾を得意の右ストレートで1RにKOしたが、7月のRIZINで宮城寛克に判定負け。戦績は7勝(5KO)2敗。  1R、吉野はワンツーから右ロー、ブハリは軽快なフットワークから両腕ブロックをガッチリと固めて前へ出てジャブを突く。吉野が詰めると右フックを打つブハリ。吉野はジャブを突き、ワンツーを打つ。ブハリも右を返す。強いワンツーはブハリ。吉野も右カーフを蹴るが、ブハリの右カーフで吉野の足が流れる。ボディへヒザも突き刺す。ワンツーを打ち合う両者。  2R、吉野はワンツーからヒザ、ブハリはステップインしてのジャブを多用。ワンツーを起点にしてローやミドルを蹴る吉野に、ブハリは右カーフを蹴って吉野に確実にダメージを与え、ジャブを打つ。そして右カーフからの右フックでグラついた吉野に左ボディ連打からの左右連打を決めてダウンを奪うと、吉野は立ち上がることが出来ず。ブハリのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1ミドル級 3分3R×夜叉猿(力道場静岡)KO 1R 1分17秒 ※右前蹴り〇大石昌輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  フルコンタクト空手界で活躍した大石は4歳で空手を始めジュニア時代から頭角を表し、中学・高校と数々の大会で優勝。2015年から2017年までJKJO全日本一般重量級では3連覇を達成。フルコンタクト空手の統一大会であるJFKO全日本選手権大会でも上位に進出している。空手時代は内廻し蹴りを得意に。2023年3月のKrushでデビューし、1Rわずか52秒でKO勝ちしている。  1R、空手出身の大石は左右に頻繁に構えを変え、右カーフ、内廻し蹴り、左ミドルと多彩な蹴り技を繰り出し、右ミドルからすぐの左ボディ(空手で言うクイックという技)でダウンを奪う。さらに右の中足前蹴りをボディに突き刺すと夜叉猿はボディをおさえてダウンし、大石が圧巻のKO劇を見せた。夜叉猿は担架で運ばれた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1フェザー級 3分3R△橋本雷汰(BFA-SEED/K-1甲子園2022 -60kg王者)ドロー 判定1-0 ※30-29、30-30×2△寺島 想(AX GYM/K-1カレッジ2020 -60kg王者)  1R、橋本はサウスポーから左ミドル。互いに前手を出してけん制し、互いに入りづらそうだが寺島は右三日月、右ストレート。両者とも距離がつかみづらそう。  2Rも前手を出してけん制する両者。互いにミドル、インローを蹴る。橋本は左のダブルストレートから突っ込んでの右ストレートを当てるが、両者ともパンチではなかなかヒットを奪えない。  3R、寺島は右のガードをガッチリと固めての右ミドル、右インロー。左フックを打っていく橋本だが、寺島の右ミドルに阻まれる。飛び込んで左ストレートを伸ばして当てる橋本。積極的に前へ出るのは橋本で左ミドルを打つが寺島はクリンチが多い。  判定は両者決め手なしのドローとなった。
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