2023年5月28日(土)東京・後楽園ホール『RISE 168』で開幕する「RISE QUEENバンタム級(-55kg)初代王座決定トーナメント」。その1回戦で対戦する村上悠佳(TEAM TEPPEN)とスック・ワンキーントーン女子スーパーフライ級王者・KOKOZ(TRY HARD GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
村上は極真空手をバックボーンに持ち、破壊力抜群の蹴りを武器にアマチュアキックでは1年弱で11戦全勝6KOの戦績をあげてプロに転向。デビュー戦ではダウンを奪って勝利したが、2戦目でいきなりJ-GIRLSフェザー級王者・空手こまちと対戦して判定負け。その後は4連勝したが、2020年9月に浅井春香に判定3-0で敗れた。2021年4月には『HEAT』で鈴木万李弥と女子の年間ベストバウト候補と言われた熱戦を展開し、判定2-1で勝利。10月にはシュートボクシングでも勝利して12月に浅井との再戦に臨んだが一歩及ばずリベンジ失敗。2022年10月に聖愛を判定で破り戦績を8勝(1KO)3敗とした。
村上悠佳「ここで負けるわけにはいかない」
――トーナメントの準決勝になりましたが、トーナメントの話を聞いた時はどうでしたか?
「今まで57kgとかでやっていて相手がいないという問題の方が大きくてトーナメントとかの話が出るところまで行かなかったんですけど、私でもそういうところまで来れたんだなというのが嬉しいですね」
――RISE QUEENのバンタム級(?55kg)の王座決定トーナメント準決勝ということで解釈を変えたら王座決定戦の一つ前ってことになりますね。
「ここで負けるわけにはいかないなと思ってます」
――前回でも既に経験してますが57kgより下の階級はどうですか?
「私の感じだと55kgの方が動きやすいので55kgに落として良かったなというのはあります」
――55kgだったら減量にナーバスになったりしないですか?
「55kgでも57kgでもナーバスになります(笑)」
――先日大阪合宿に行ってましたが大阪は美味しいものがたくさんあるので、体重大丈夫かなと少し不安にはなりましたが大丈夫でした?
「みんな色々なところにご飯行ったりしてるんですけど、私はジムで一人でコンビニで買ってきたものを食べたり、行ったとしても会長がよく行ってる和食屋さんに行かせていただきました」
――じゃあ食欲に負けて色々なところを食べ歩きはしてないんですね。
「負けそうにはなるんですけどギリ耐えてます(笑)」
――大阪合宿もですが新しくオープンしたばかりのTEPPEN GYMの大阪はどうですか?
「やっぱり綺麗だし広いし新松戸のジムと違ってペイントとかもあって全然雰囲気が違うなって思いました」
――大阪は大阪で練習やってたら気持ちが乗ってる感じはありますか?
「ちょっと違う場所で練習するのも気分転換にもなったし、きつかったんですけど良い雰囲気で波に乗れてるような感じがするので行って良かったです」
――大阪は好きになりそうですか?
「大阪は旅行で行きたいですね(笑)。 練習はもう行きたくないです(笑)」
――相当しごかれたんですね。
「今もまだ考えるときついですね(笑)」
――じゃあ大阪合宿を終えた時点でもう55kgになってたんじゃないですか?
「自分の中では落ちてると思ったんですけどそこまで変わらなかったですね(笑)」
――試合までカウントダウンになりましたけど体重の方は順調ですね。
「そうですね、順調に落ちてます」
――今回準決勝を争う相手がKOKOZ選手になりましたが選手としての印象はどうですか?
「凄い綺麗に戦う選手だなというのはありますね。ガンガン前に出てくる時もあるけど、相手をしっかり見てそれに返してっていう印象が強いですね」
――KOKOZ選手の戦いのベースはムエタイですがそちらはどうですか?
「ムエタイだからというのはあまり意識したことはないですね」
――身長やリーチは村上選手の方が高かったり手足が長かったりすると思うんですが、その辺を生かして戦いたいですか?
「中に入らせたくないのでそこをうまく使って戦いたいと思います」
――村上選手のセコンド陣営も対策はバッチリ練ってますか?
「色々私も考えながら教えてもらったりして順調です」
――もう一方の準決勝のことも気になりますか?
「気になります、すごく」
――神谷選手はRISE初参戦になりますが、聖愛vs.神谷はどうですか?
「私は両方の選手と試合をしているんですけど、どっちが勝つのかなというのはあまり予想が出来なくてとても楽しみです」
――神谷選手のことをよくわからないRISEのファンの方々もいるんですけど、どんな選手ですか?
「空手ベースでガンガン前出てくるタイプです、やりづらい」
――村上選手も空手出身じゃないですか。
「そうなんですけど、相手が空手になるとこんなにもやり辛いんだなっていうのがこの前戦ってあって、空手ベースの人が多いと思うんですけど、やっぱりキックボクシングになっていくじゃないですか? それがほぼ空手の感覚だったんですよ、神谷選手と戦った時に。もう上段前蹴りバンバン蹴られて、『久しぶりに上段前蹴りなんてもらったな』っていう感じだったんで。キックボクサーってあんまり上段前蹴りを蹴るイメージがないので、こういう子苦手だなっていう(笑)」
――じゃあ村上選手のマインドはもう空手からキックボクシングにチェンジしてる訳ですね。
「癖とかは空手らしいんですけど自分の中ではもうキックボクシングになっちゃってますね」
――今回の大会ですが、このトーナメントの準決勝の他にも女子の試合がたくさん組まれていてメインも女子ですが、この辺は同性として意識するものはありますか?
「RISE GIRLS POWERと違って普通の興行で女子の試合がたくさん組まれてるので、みんなで一緒に盛り上げたいというのはあるんですけど、やっぱり一番目立ちたいのは自分かなっていうのも思ってます」
――自分が一番目立つために減量も頑張れますね。
「そうですね…(笑)」
――食事は減量モードに入った食事なんですか?
「一カ月ぐらい、先々週ぐらいから始まってます」
――計量が終わったらまず何を口にしたいですか?
「計量終わってもそんなに食べれないんですけど、試合が終わったらドーナツとか食べたいです(笑)」
――体がスイーツを欲してるんですね。
「欲してます(笑)」
――最後に村上選手のファンそしてRISEファンの皆様に熱いメッセージをお願いします。
「今回トーナメントの準決勝に出させていただいて、約7カ月ぶりの試合でちょっと期間が空いちゃったんですけど、次の試合は絶対に落とせない試合なので皆さんの応援がすごくパワーになるので、会場でもABEMAでも応援よろしくお願いします」
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KOKOZはムエタイとももいろクローバーZを愛し、2019年6月に無敗のままスック・ワンキントーン女子ミニフライ級王座を獲得。その後、スーパーフライ級も制して二冠王を達成。RISE初参戦となった2020年2月にはいきなりRISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵と対戦。接戦を展開し判定で敗れたが、パワフルなパンチを印象に残した。9月には「初代RISE QUEENフライ級(-52kg)王座決定トーナメント」に出場するも準決勝で小林愛三に敗れ、2021年11月の前戦ではS1レディース2021スーパーフライ級王座決定戦でルイに判定負けで王座獲得ならず。2022年2月には聖愛に勝利も、その後は2連敗。戦績は7勝6敗。
KOKOZ「試合で楽するために練習でキツイことをやる」
――RISEの試合は久しぶりですね。
「そうですね、前回は去年2月の聖愛戦です」
――1年3カ月ぶりですか。
「全然やってなかったです」
――いつもはオーソドックスなキックボクシングルールで、それからRISEルールというのはアジャストするのは大変じゃないですか?
「首相撲有りか無しかというので練習がプラスされるぐらいなので、RISEルールだと減っただけなんで全然問題がないかなって思います」
――2022年4月のルイ戦が残念ながらKOKOZ選手の怪我で不戦敗になってしまいましたが怪我はもう完治されてるんですか?
「もう完治して今後そういうのがないようにしっかりケアをしています」
――今回初めての55kg級での戦いになるんですか?
「一回56kgでやったんですけど、相手も身長が小さかったのであんまりそこはやったって言わないのかなっていう感じで、今回が初めてになります」
――これから55kg級でやっていくという意向で今回この階級にチャレンジするんですか?
「メインを55kgでするつもりはないんですけど、52kgの小林愛三選手にタイトルマッチを挑みたいっていうのがRISEでの目標なので、そこに行くためにまず結果としてしっかり55kgで獲って強さを見せる為に試合を受けさせていただきました」
――プラス3kgの差という部分ではどんなメリットがありますか?
「もう普段の体重のままなので、しっかり食べてしっかり追い込むことができるので元気だなっていうのはありますね」
――映像のせいかもしれませんが顔がどことなくふっくらしてるように見えます。
「もともと52kgでもそんなに減量ないんで、55kgは本当にナチュラルですね」
――2023年初戦になると思いますが今年はどういう風に巻き返したいと思いますか?
「今年が本当に自分の中で勝負の年だと思ってて、獲れるベルトをしっかり獲って世界に繋げていかないと自分の今後の格闘技人生が変わってくるので、ここで獲って今後に繋げたいと思います」
――そういう意味では同じTRY HARD GYMに所属してる宮﨑姉妹とか平岡琴選手の活躍は刺激になりますか?
「みんなトップで戦ってる選手たちなので、そういうメンバーと一緒に練習できるのはすごく力になりますし刺激を沢山貰ってます」
――TRY HARD GYMの女子部からはどんなアドバイスとか激励を受けてますか?
「みんなでベルトを獲りたいって話は前々からしてるので、小雪が獲ってそこに自分が次に獲ってみんなで獲れる環境をどんどん作っていきたいというのはあります」
――所属するTRY HARD GYMが町田駅前に引っ越して新しい環境は練習環境としてはいかがですか?
「ジムとして何も困ることがないというか出稽古とかもほぼ行かなくても大丈夫ですし、筋トレもできるし練習の時にサンドバックが足りないとかも一切ないので、前のジムと比べたらすごく練習が充実してるんだなっていうのは感じます」
――練習環境は以前にも増して良いんですね。
「そうですね」
――今回55kg級でトーナメントの準決勝として村上悠佳選手と対戦することになりましたけど、対戦相手として見て印象はどうですか?
「55kgなので身長は自分より全然大きいですし、やってみないとわからないけどパワーも元々の階級よりはあるのかなっていうのはあるので、そこは警戒しなきゃいけないですけど、テクニックとしては負けてるところは無いのでそこをしっかり出して自分の戦いができたらなと思ってます」
――どちらかといえばテクニック合戦に持ち込みたいですか?
「打ち合うにしても打ち合ってる中でのテクニックを見せていきたくて、打ち合うっていうとお互いでパンチを当てて当てられという感じを思い浮かべると思うんですけどそうじゃなくて、自分の攻撃だけを当てていきたいです」
――打たせずに打つ戦法ですね。
「そうですね、それがベストだと思います」
――それはジムメイトとかタイ修行で行くムエタイの一流選手から刺激を受けてそういう思考になってるんですか?
「そういうのもあると思いますし普通に単純に自分がビビりなんで、貰いたくないというのもあります(笑)」
――そのために一生懸命たくさん練習するんですね。
「なるべく貰わないで、安全にじゃないですけどしっかり自分だけが当てるというのがベストな戦い方だと前々から思ってるのでそこを目指してます」
――先程も言っていた村上選手の方が身長も高くてという事ですが、フィジカル対策もバッチリですか?
「村上選手より身長も大きくてプロ志望の男子の選手とスパーリングをバシバシやってるので、そういう面はもう大丈夫かなっていうのはありますね。試合で楽するために練習でキツイことをやるっていう」
――少し気が早い話になりますが、決勝戦はもうどちらが勝ち上がってくると予想しますか?
「申し訳ないんですけど聖愛選手の相手の選手(神谷優良選手)の方を全く知らないので何とも言えないですけど、聖愛選手は一回やってるので分かるんですけど神谷選手の方は分かんないので、どうなのかなって感じですね。勝敗が決まってから考えることになります」
――以前取材させていただいた時に、タイレストランでアルバイトしてる話とかいろいろ聞いた記憶があるんですけど今も続けてるんですか?
「一応在籍はしてるんですけど練習に集中するためにあまり行けてないです」
――今1日練習に専念してるんですね。
「朝起きて朝錬してちょっと休憩して昼ジムで練習して、夜できたら出稽古行ったり走ったりしてます」
――大好きなタイに行くのもこの試合終がわってからになりそうですか?
「タイはすぐにでも行きたいんですけど今飛行機めっちゃ高いんで(笑)」
――安いオフシーズンになるまで待ちますか?
「でも自分はこのRISEのトーナメントが終わった後も試合がすぐ決まってるので、どうしようかなって今予定立てているんですけど、タイ語の勉強だけはしてます」
――タイ語の会話は以前にもましてだいぶ上達してるんですね。
「新しく来たタイ人のトレーナーも自分と同じ家に住んでて、その人はまだタイ語しか喋れないのでそこでコミュニケーション取れてるので結構いいのかなと思ってます」
――近くにタイ人がいたら一番会話上達するじゃないですか。そのタイ人トレーナーのアドバイスや指導はどうですか?
「もともと自分がタイにいたときに教えてもらってた選手でまだ25歳なので選手としても全然やってて、一緒に練習もしてるっていう感じなんですけど。もともとタイで教えてもらった時に日本に合うなと思って、来て欲しいってHIROYAさんに言って来てもらったトレーナーなのでやっぱり合うとは思います」
――最後にKOKOZ選手のファン、RISEファンの皆様にこの試合に対する熱い意気込みをお願いします。
「私は今回初めての階級(55kg)でやるんですけど、しっかりここで獲って階級の差とか関係ないところを見せたいのと、やっぱり自分が行きたいのはRISEもそうなんですけどその先の世界を見据えてるので、そこに行くための第一歩として今年は一戦も落とせないと思ってるので、そういう覚悟を見てほしいです。覚悟を決めた試合を見ていただいてしっかり応援してもらえるように頑張るのでよろしくお願いします」