2023年5月20日(日本時間21日・日曜朝5時~U-NEXT/UFC Fight Pass配信)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night: Dern vs. Hill』が開催された。
その第1試合で、米国フロリダのキルクリフFCでトレーニングを積む佐藤天(日本)が出場。ウェルター級で元EFC Worldwideウェルター級王者のテンバ・ゴリンボ(ジンバブエ)と対戦した。
佐藤は、UFCデビューから精緻な打撃と強い組みを武器に、北米修行も経て2勝1敗と好スタートを切っていたが、無敗だったミゲール・バエザ、強豪グンナー・ネルソンとの緊急対戦で敗れ、2022年8月の前戦ではTUF優勝のブライアン・バトルにもKO負けで3連敗中。今回、背水の陣でオクタゴンに向かう。
ゴリンボはMMA10勝4敗で6つの一本勝ちを誇るグラップラー。長い手足(身長185cm、リーチ194cm)を活かした打撃にも注意が必要で、UFCでは2023年2月にAJ・フレッチャーに2Rギロチンチョークで敗れており、オクタゴン初勝利を狙う。
▼ウェルター級 5分3R〇テンバ・ゴリンボ(ジンバブエ)11勝4敗 170lbs/77.11kg[判定3-0] ※30-27×3×佐藤 天(日本)16勝7敗 170.5lbs/77.34kg
1R、サウスポー構えから右ジャブ、左ストレートで先に圧力をかける佐藤に、右ハイ、左で差して組むゴリンボは金網に押し込み右ヒザ。小手巻き払い腰で倒す佐藤に、すぐに立つゴリンボは、ダブルレッグで崩してバック狙うが、スイッチ狙いからそこで小手に巻いて後ろは取らせない佐藤がいったんは体を入れ替えるも、ゴリンボが再び押し込み。
左で差す佐藤の小外がけにケージを蹴って際でバックを奪うゴリンボ! 両足を4の字ロックに胴に組み、背後から両脇を差すも極めには至らず。
2R、ゴリンボの一瞬、頭を下げての右オーバーハンドを浴びて後方にダウンした佐藤! ゴリンボの鉄槌連打に、足を効かせて脇を差して立ち上がり。左で差して金網までドライブして押し込み。四つで左で差して体を入れ替えるが、佐藤は払い腰テイクダウン!
佐藤は投げるも脇は差せておらず、下からゴリンボは外掛けで外ヒールフック。足を外して上を取りに行く佐藤にレッスルアップするゴリンボはシングルレッグで立ち上がり。押し込むと、佐藤の突き放しに、クリンチボクシングで前に出てシングルレッグで詰めてホーン。
3R、ゴリンボの右ハイに左ストレートを打ちこむ佐藤。左で差して組むが、すぐに体を入れ替えるゴリンボが左で差して金網に押し込むとダブルレッグテイクダウン。尻を着かせてゴリンボは佐藤のバックを狙う。いったんはガードを取る佐藤の立ち際にバックを奪ったゴリンボは4の字ロック。腰をズラして正対を試みる佐藤の右手首をコントロールしいて向き直りをさせず。長い足でしっかりボディトライアングルを組むゴリンボに、残り30秒で正対し、上を取った佐藤は必死のパウンド、最後の10秒でヒジを落とすもホーン。
判定は3-0(30-27×3)でゴリンボがオクタゴン初勝利。佐藤は厳しい4連敗となった。
ゴリンボは「夢がかなった。2R目のオーバーハンドが決まったときに行けると思った」と語り、ジェイソン・ハウスらに感謝の言葉を語った。
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23歳チェイス・フーパーがUFC勝ち越しの判定勝ち
今回からライト級に出場のチェイス・フーパーはパンアメリカ柔術優勝者。UFC3勝3敗の23歳で、3勝はすべてフィニッシュ勝利(ヒールフック1勝、2パウンド)。対するフィオーレは2023年1月にUFCデビューもマテウス・レベッキに判定負け。柔術黒帯の25歳。
▼ライト級 5分3R〇チェイス・フーパー(米国)12勝3敗(UFC4勝3敗)156lbs/70.76kg[判定3-0] ※30-27×2, 30-26×ニック・フィオーレ(米国)6勝2敗(UFC0勝2敗)154lbs/69.85kg
1R、サウスポー構えからワンツーで組んで左で差して崩すフーパー。スタンドバック狙いから左足をかけてトラックポジション狙いも、反転して足を抜き上を取りに行くフィオーレ。
小手巻き投げを放つフィオーレが上に。立つフーパーは左右を振って詰めるが、首相撲にとらえるフィオーレ。剥がして左ハイキック、右サイドキックはフーパー。フィオーレは右ヒジ。組むフーパーのクルスフィック狙いを外してスクランブル。フーパーは残り10秒強で左右を振るとフィオーレは動けずガードを固めてホーン。ダメージがあったか。
2R、左右で前に出るフーパーの左の蹴り足を取って軸足払いでテイクダウン。パスガードからマウントになるフィオーレ。そこにシザーズから外ヒールで切り返すフーパー! 足を抜くフィオーレのバックは奪えず。スタンドで左右を連打するフーパー! ガードを固め防戦一方のフィオーレはマウスピーズを吐き出すと、レフェリーは中断、口に入れ直す。
右サイドキック、左ハイはフーパー。左で差して崩すが、そこで内股を合わせてテイクダウンするフィオーレ。際でフーパーが上になる。
3R、フーパーの蹴り足を掴んでテイクダウンすうフィオーレ。いったん体を離すとフーパーは立ち上がり。左ミドルを打つフーパーの足を掴んで後方に倒すが、起き上がりこぼしのように立ち上がるフーパー。フィオーレをテイクダウンすると、フィオーレは下から腹固め、クルスフィックを狙うが、抜いたフーパーがパウンド。すぐに立つフィオーレだがフーパーは軸が乱れながらも最後まで手数を止めず。ダブルレッグテイクダウンで決めると、亀になったフィオーレのサイドバックからパウンドでホーンを聞いた。
判定は3-0(30-27×2, 30-26)でフーパーはが勝利。「とても疲れる試合だった。この階級で長く戦いたい」と語った。