睨み合う風音(左)と政所だが、実は相手を笑わせにかかっていた
2023年7月2日(日)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)『RISE WORLD SERIES 2023 1st Round』の記者会見が、5月18日(木)都内にて行われた。
「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」のリザーブマッチとして、RISEスーパーフライ級1位・風音(TEAM TEPPEN)と4位・政所仁(魁塾)が対戦。
風音はプロキャリア前半は関西を中心に活躍し、2019年3月にTEAM TEPPENに移籍。他団体王者キラーぶりを発揮して頭角を表し、2021年の「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では江幡睦、政所仁、志朗にいずれも“番狂わせ”の勝利を収めて優勝。2022年4月には那須川天心のRISEファイナルマッチの相手に抜擢され判定2-0で惜敗したが、6月の『THE MATCH 2022』では黒田斗真に延長戦で勝利した。10月には大﨑一貴のRISEスーパーフライ級王座に挑戦も、判定2-0で惜敗。今年3月の田丸辰戦で敗れトーナメント本戦出場を逃した。戦績は17勝(6KO)8敗とした。
政所はバルカン砲とも評される回転の早い打撃と相手の意表を付く技を武器に多くの強豪を破りJ-NETWORKフライ級王座、WBKF世界スーパーフライ級王座を獲得。2021年9月のDoA-53kgトーナメント一回戦で田丸辰にリベンジを果たすも準優勝で風音に判定負け。その後、佐藤執斗と無効試合、花岡竜にはTKO負けと白星から遠ざかったが、2022年12月に滉大から判定勝ちで再起。戦績は16勝(4KO)10敗1無効試合。
2人は長年の友人関係にあり、2021年9月のDoA-53kgトーナメント準決勝で対戦した時には親友対決として話題となった。伊藤隆RISE代表は「見たくないような見たいような複雑なカード。駆け引き抜きの気持ちのぶつかり合いが見せられるのでは。8月26日が準決勝になるのですが、1カ月半しかないので勝者は(欠場者が出て本戦に繰り上がる)可能性がある。その可能性も含めて戦って欲しい」とした。
親友と再び拳を交える時が来た政所は「風音とは仲も良くてこの前は負けてしまったので、友だちだからこそ負けたままでは終われない。リベンジマッチでしっかり倒して勝ちたいと思います」、風音は「絶賛プレオープン期間中のTEPPEN GYM大阪から来た風音です。このタイミングで仁と組んでもらえたことに対して感謝します。楽しんでめちゃめちゃいい試合が出来ると思っています」と、再戦にあまり複雑な胸中ではなさそうなコメント。
改めて互いの印象を聞かれると、政所は「坊主です」のひと言。風音は「格闘技をずっとやっていると普通の感覚とはバグってるような感じがするなって自分で分かる時があるんですけれど、これもそういう感じで友だちの仁と本気で殴り合いするというのも変な感じなんですが、それも仁とほんまに潰し合いするのが誰とやるよりも清々しいし、言い方は違うかもしれませんが気持ちいい。だからこそ真剣に真っ向勝負したいなって気持ちではあります」と話した。
トーナメントで一度きりかと思われた友情対決が再び行われることはどういう心境か。そう聞かれた政所は「最初にオファーをもらった時は“またか”って感じでしたね。どうしようかなとも思いましたけれど、風音がランキング1位で大﨑選手とやるためにも風音に勝たないとダメやし、友だちやからこそ負けたままでは絶対に終わりたくない気持ちが強くて。誰よりも負けたくない相手というか。一番強いと思いますし、その中でも絶対に負けたくない相手なので、オファーをもらったのでやらせてもらうしかないかなと思ってOKしました」と、一瞬躊躇したが負けたままで終わりたくないとの想いから受けたという。
風音は「僕もここで組まれるのかと思いました。前の試合が終わってどうしようかと思っていたところに話が来たので、そういう感じかって思ったんですけれど、ここやからこそやるべきやろなと。相手が仁で大きい大会で、向こうもやる気だと聞いていたので、ここでやるしかないっていう。だからやるって決めたからには本気でやろうと決めました」と決意したとする。
大阪にオープンしたTEPPEN GYMで合宿が行われており、風音もそこに参加。政所は大阪在住ということで会う機会はなかったのかと聞かれた風音は「当初、試合が決まる前は仁もオープニングスタッフ的な感じで入ってもらうみたいな、スタッフやるみたいな話をしていたんですけれど、これ決まった瞬間になくなって。連絡もとってないので今日久しぶりに喋りました」と、もうすでに意識し合っているとした。
トーナメント本戦に出る選手に対してはどんな気持ちがあるか。そう聞かれた政所は「誰一人負ける気はしてないです。リザーブマッチですけれど、ワンマッチだと思ってやりますし、トーナメントの誰よりもいい試合で誰よりも強いと思われる試合になるんじゃないかなと思っています」と対抗意識メラメラ。
風音は「僕は(田丸に)負けちゃっているので何とも言えないんですけれど、この大会のどの試合よりもおもろい試合をする自信はあるので注目してもらいたいです」と、親友と最高の試合をやってみせると宣言した。