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【Level-G】“レッグハンター”須藤拓真、“日本最高のアナコンダチョークの使い手”竹内稔も参戦!「初代ライト級王座決定トーナメント」、高橋“SUBMISSION”雄己代表が、RENAが極められたヒザ十字も語る=6月11日(日)GEN

2023/05/11 12:05
 2023年6月11日(日)、東京・GENスポーツアカデミーにて開催されるサブミッションオンリーグラップリングリーグ『Level-G』第2回大会の追加カードが発表された。  これまで平田直樹(トライフォース柔術アカデミー)、峯岸零弥(パラエストラ小岩)、鈴木真(CARPE DIIEM AOYAMA)の3選手の出場が決定していた「初代ライト級王座決定トーナメント」に、2021年JBJJF全日本ノーギオープン王者の須藤拓真(X-TREME EBINA)と、竹内稔(CARPE DIEM MITA)の参戦が発表された。  須藤は、MMAで7勝1敗。うち足関節での一本勝ちが実に6回を数える“レッグハンター”。2022年4月の『RIZIN TRIGGER 3rd』で渡部修斗に判定勝ち。前戦、2022年11月の修斗では、後藤丈治を戦慄の内ヒールフックで極めている。  竹内は、プロ修斗、ZST等で必殺のフロントチョークを武器に活躍。プロ・アマGT-Fでは戸井田カツヤを破り、準優勝。2023年3月の『Finish10』では白木アマゾン大輔にアナコンダチョークで一本勝ちしている。 『Level-G』プロデューサーの高橋“SUBMISSION”雄己は、追加参戦発表となった須藤について、「須藤選手の魅力は言わずもがな、優れた足関節技のスキルです。今回トーナメントで数少ない“下からの仕掛け”を軸に戦う選手なので、台風の目になるのではないかと。試合の時の狂気を思わせるような、落ち着いていながらも大胆不敵な振る舞いや雰囲気も素敵で、期待を寄せたくなってしまう選手で、個人的にも大変楽しみです」と、コメント。  また、竹内についても、「国内で僕の知る限り、最高のアナコンダチョークの使い手です。先の『FINISH』で、あの獣のような反応の良さを持つアマゾン選手から一本勝ちを収めたのは印象的でした。必殺技のある選手が大好きなので、6月も強豪をチョークで斬って落とす姿が観たいです!」と期待を寄せている。  8人参加の「初代ライト級王座決定トーナメント」は、これで5選手が決定。いずれも実力者ぞろい。残り3枠はどんな選手が参戦するか。同トーナメントはサブミッションオンリー7分1R。未決着の場合はマスト判定によって勝敗を決める。優勝者にはチャンピオンベルト&優勝賞金も贈呈される。  同大会では、すでに山田崇太郎(PANDA GYM)vs.グラント・ボクダノフ(ALMA FIGHT GYM LIFE)が決定済みで、さらに、Level‐Gプロへのオファー獲得をかけたトライアウトマッチ(八木隆志vs.室谷勇汰)なども続々と発表されている。今後のカード発表にも注目だ。  LevelG グラップリングルールは、タップアウトかジャッジによる総合評価によってのみ勝敗を決する「サブミッション・オンリー」のルールセットを採用。判定になった場合の重要度は、「ニアフィニッシュ、ゲームコントロール>ポジションコントロール>ポジション奪取への有効なアタック>効果的なカウンターアタックとダイナミックなエスケープ>受動性>反則」となる。 [nextpage] 高橋SUBMISSION雄己「RENA選手はヒザを内側に向けたかった」  この大会をプロデュースする高橋“SUBMISSION”雄己自身も、グラップラーとして、世界で活躍中で、2022年6月に英国で行なわれたプログラップリング大会「Polaris 20」で判定勝利したのに続き、2023年2月には、米国フィラデルフィアで行われた「Finishers Kombat04」でラミロ・ヒメネスから内ヒールで21秒勝利も収めている。  今回の6月11日の『Level-G』開催に向けてのコメントを求めた際に、4月29日の『RIZIN LANDMARK 5』で、RENAに足がらみによるヒザ十字で一本勝ちしたクレア・ロペスの動きについても高橋は語ってくれた。下記にその解説も紹介したい。 「あの両足で極めるオーバーアンダーのニーバーは、グラップリング界ではゴードン・ライアンやクレイグ・ジョーンズらが使っており、日本の大会では『QUINTET.1』で元UFCのマーチン・ヘルドがテオドラス・オークストリスに極めていた事が印象深いです(※公式動画の3分08秒~)。  それ以前でも有名な柔術家では、ベルナルド・ファリアが使っていました。ファリア曰く、『ノーリスクで仕掛けれるサブミッションなので極まればそれでいいし嫌がってきたらパスしやすくなる』との事で、ゴードン・ライアンも海外の柔術技術動画サイトのYouTube内で同様の言及をしています。  ちなみに、“パス”とは何か? という点についてひと言だけ補足しますと、寝技の攻防において下の人の攻守の要となるのは“ガードワーク”と呼ばれる足の動きですが、この“ガード”の届かない完全に有利なポジション、(相手の両足を越えたマウントやサイドポジション)を上の人が取るべく、ガードを越える動作を指します。  関節技や絞め技が得意なRIZINの選手達が下から三角絞めや腕十字を極めている時、足を相手の身体に何かしら引っ掛けたりして形を作っているかと思います。ギロチンチョークなども、極まっているときはほとんどの場合、相手の身体は下の人の“足の中”にあるでしょう。それが下の人の生命線である“ガード”です。  さて、話をロペス選手のヒザ十字に戻します。『ブルドッグニーバー』『ドッグバー』『オーバーアンダーニーバー』などと呼ばれるこの技術、極まる理屈としてはヒザ十字そのものなのですが、見ての通り、相手の足先側に自身の頭がくるように足を抱える通常のヒザ十字とは形が異なります。  ヒザ十字とは、その名の通り腕十字の要領でヒザの皿に股間を押し当てて足先をその逆方向に引っ張る事で主にはヒザの周辺の靭帯を破壊する技です。  今回、RENA選手が極められたヒザ十字は、通常手で引っ張るはずの足先を自身の足先で(今回は最終的にはヒザ裏で引っ掛けているような形になっていましたが)引っ張り上げている点が特徴的な形ですね。  更に細かい話をすると、腰を固定するために用いた上半身はオーバーアンダーパスの形(右肩で相手の足を担ぎ、左手は上から下へ腰を抱いて相手の腰の動きを制限するパス)を取っています。  ヒザの圧迫と足先へのフックが完成してしまった時点で、ヒザの皿の向きを相手の股間に向き合っている状態から内側にズラす事でヒザの破壊を防ぐ事が出来ます。  この試合のRENA選手の場合は外側に開くようにヒザの向きを変えようとした為に、相手が足先のフックとオーバーアンダーのクラッチを用いてついてきてしまい、極め切られてしまった形になりますね。  これ以上はRIZINでの攻防の中に無かった話しなので蛇足にはなりますが、皆様がいま考えたであろう“じゃあ、ヒザを内側にズラした場合にはどんな攻防が生まれるの?”という点についても少しお話しします。  ここで、ファリアやゴードンの発言にあった『パスと組み合わせる』という点に繋がります。ヒザを内側にずらした場合、横に倒れているヒザを相手が身体でドミネイト出来る状態になります。ここから、ボディロックパス(腰を抱えて骨盤の動きを殺してポジションを取るパス)や、レッグドラックパス(相手の足を自分の腿の上に乗せて腰の動きをコントロールするパス)に移行出来るわけです。  下の人は自身の腕のフレームを用いて相手の上半身を押し、潰されている足を逃がせるスペースを作る事、逃す事が出来たならニーシールドハーフガード(半身になり、上の足のスネを相手の身体側に向け、相手の進行をヒザとスネで止める形のガード)を作る事が必要になります。  ちょっと、半分競技者向けの技術教則のような細かさの話しになってきてしまいましたが……『オーバーアンダーニーバー』の対処について要点を整理すると、 ・仕掛けられた場合、気付いた時点でヒザを内側に向ける。・内に向けた時点でパスを狙われるので、フレームを用いて肩口を押してエビを切る、ニーシールドを作り直す。・そもそも論、あまり無防備に相手のシッティングガードの下に足を投げ出しておかない。  ですね! ひと言コメントを求められただけのハズが、何だか分かんないほど話が細かくなってしまいました(苦笑)。じゃあ、みんな、明日からグラップリング練習しましょう!」
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