メラブの連続テイクダウンは、そういう練習を常にしているから
ーーメラブ・ドヴァリシヴィリといえば、UFCでのピョートル・ヤンのバンタム級戦を現地観戦しましたね。練習仲間のドヴァリシヴィリの実戦の動きをどう感じましたか。
「いやあ、すごいですよね。スタミナ、精神力……」
ーー5R、ずっとテイクダウンし続けられる。ちょっと考えにくい動きです。
「練習でももうずっと、あの感覚でタックル来ますよ。自分も体感できています。僕もずっとあの練習をさせてもらってました。前回もだし、今回も。だから彼のスタミナ、精神力は本当にすごいです」
ーーなぜあれが可能だと感じましたか。
「そういう練習を常にしているから。練習からずっとタックル、タックル。あとは彼が言っていたのは『すべてに力を使っていないんだ。コントロールしている』と。相手を疲れさせるタックルと、本当に取りに行くタックルを使い分けているんです。相手としては様々な意識も下がるし、疲れるしっていう。でも……普通できないですよ、あれは。体感できたのは凄いし、僕の練習としてもすごく自信になりましたね、そこを切る練習だったりが。あそこまでテイクダウンのパワー、技術が高い人ってなかなかいないから」
ーーそういう話を聞くと、朝倉海選手のケージでの試合も見たくなりますね。
「そうですね。ケージもやりたいですね。ROAD FCではやってますけど、RIZINでは1回もケージでやっていないので、いつか」
──2021年の大晦日以来、実戦から離れていたなかで、実戦形式のスパーリングはどのように行ってきましたか。
「アメリカでも8割くらいの強度でメラブらUFCの選手とかとやってきたので、そこは問題ないですね」
──手術した右の拳についてもフルパワーで打つことに不安無く出来ていると。
「楽しみな気持ちしかないですね。直近3試合は全部骨折していた状態で躊躇してましたから、完璧なコンディションで試合に出るのは……トーナメントの2回戦(バンタム級GPアラン“ヒロ”ヤマニハ戦)の前くらいですかね。溜まっているものを全部ぶつけます。今回は不安なことはないです。思いっきり出来ます」
──さて、今回の対戦相手の元谷友貴選手は何でも出来る選手です。どうとらえていますか。
「5連勝している強い選手で、全体的に全部こなせますよね。相手によって自分の戦い方ができる選手。ただ、何でもできるからこそ勝負してくれる。そこを突けるんじゃないかなと思います」
──バックを取らせたら危険な相手に対して組みの部分での自信は?
「寝技で一本を極めきれる力をもっているのでそこを一番警戒していますが、その部分もずっと練習してきましたし、それこそアメリカで元谷選手よりもっと組みの強い選手と練習してきましたから問題ありません。それにフィジカル面でも、まず練習で同じ階級の選手と組んであまり組み負けたことがないので、そこはすごく自信を持っています」
ーー元谷選手のことを「雑なときがある」と言っていたのは、スタンドでも組みでも?
「両方ですね。結構あります。雑に、強引に行って試合を決められたり、テイクダウンから寝技も結構無理やりなときがあるんで。寝技が強いですが、テイクダウン能力がめちゃくちゃ高いわけではない。なので僕もそういう雑な瞬間を絶対逃さない自信がありますし、僕を相手にそのミスをしたら一撃で倒せる自信はあります」
ーー2021年9月の瀧澤謙太戦では、元谷選手を相手に瀧澤選手が、蹴りと近い距離でのサイドに移動しての左フックを当てています。空手の間合いを活かしていましたが、あの試合は参考に?
「なりましたね。まあでも本人も警戒していると思います、自分のミスという部分で。なのでそこだけに固執していることはないです」
──相手の分析は万全のようですね。
「そうですね。元谷選手の最近の試合動画はたくさんあるので研究が出来ました。一方で僕は試合間隔は空きましたが、その間に増えた引き出しは分析出来ない。相手は驚くことになると思います」