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2023年4月29日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』の第8試合フェザー級(66.0kg)5分3Rで、平本蓮(剛毅會)に判定勝利した斎藤裕(パラエストラ小岩)が3日、RIZIN公式YouTubeの『榊原社長に呼び出されました 2023』のゲストとして出演。平本戦の判定が割れた瞬間「正直に言って“ウソー”って感じでした。そんなマジか!?」と、信じらなかったと明かした。
MMA20勝7敗2分の斎藤と、K-1で活躍後にMMAに転向し2勝2敗の平本のフェザー級戦は、間合いを詰めた斎藤がクリンチからケージ際でテイクダウンの攻防を仕掛け、コントロールしつつ打撃もヒット。平本も剛毅會空手で培った重心でテイクダウンを凌いだが、得意の打撃が待ちからのカウンターが多くなり手数が出ず、勝敗は判定に持ち込まれた。
判定コールは、先に平本が1票のコールも、残り2票は斎藤に。斎藤が2-1で勝利し、2021年6月のヴガール・ケラモフ戦以来、1年10カ月ぶりの勝利を掴んだ。
番組進行のくるみから、その瞬間の気持ちを問われた斎藤は、「本音で言いますよ」と前置きしてから、「“ウソー”って感じでした。そんなぁ、マジかよ? と思いました」と、1票が平本に入ったことに驚きがあったという。
それでも、「判定に行く、というのはそういうこともあるので、やっぱり一本・KOで勝つというのが一番スカッとするんですけど、“マジか”とヒヤヒヤしました」と、勝敗をジャッジに委ねたことで“ヒヤヒヤ”したと吐露した。
RIZINのジャッジはラウンド毎の10点法(ラウンドマスト)ではなく、「15分間の試合全体で評価」するトータルジャッジ。その評価基準は下記の通り。
◆RIZINの判定基準の優先順位
1. 相手に与えたダメージ(50%)
↓
2. アグレッシブネス(30%)
↓
3. ジェネラルシップ(20%)
※イエローカード(減点)はマイナス20%。口頭による「注意」「警告」は判定に影響しない。
今回の斎藤vs.平本戦は、アグレッシブとコントロールで斎藤が上回っていると思われたが、RIZINジャッジは「ダメージ」と「アグレッシブネス」に優劣が無い場合、「O%」をつけることも可能だ。平本に1票を入れたジャッジは、ダメージとアグレッシブネスをいずれも「0」とし、平本の空手のジェネラルシップを「20」とつけたことも考えられる。
榊原信行CEOは、このスプリット判定について、「RIZINは明確にレフェリー、ジャッジ陣が(第三者機関=JMOC)独立しているから、彼らには公平にレフェリー、ジャッジをしてもらっている。僕ら主催者の顔色を見てジャッジをしてもしょうがないじゃないですか。そう言われている団体もあるかもしれないけど、それは嫌。選手は命がけでやっているのだから。終わった後にレフェリングやジャッジの説明を聞くことはあるけど、今回、この試合で誰がジャッジをしたかも僕は聞いていない」と、判定に忖度はないとした。
割れた判定に驚きはあった斎藤だが、MMA5戦目の平本の成長を認めており、「この試合のすべてが財産になると思う。次の試合でどう奮起するか。正しくステップアップしてほしい。有望だから」とエールを送っている。
また自身と朝倉未来との3戦目については、会見では「僕と朝倉選手が目指している方向が違うような気がするのでどうなんだろう。クレベル選手のことで言うと僕は機を逃したと思っているので、そこまで彼を追いかけるってモチベーションは今はないです」と語っていたが、今回の番組では、「朝倉選手はクレベル選手とやりたいと言っていますし、クレベル選手も鈴木千裕選手の試合(6月24日・北海道大会)が決まっている。(朝倉とは)タイミング、お互いの機運が高まったときにやれるのが良いと思います」と、余地を残した。
追記・公式結果(※5月8日公開)