キックボクシング
レポート

【GLORY】ヘビー級トーナメントはタリック・オサロが連続KOで優勝、エンディ・セメリアは3度のダウンを奪いウェルター級王座防衛

2023/05/01 23:05
GLORY 852023年4月29日(土・現地時間)オランダ・ロッテルダム Ahoy arena※U-NEXTにて見逃し配信あり ▼メインイベント(第8試合)ヘビー級トーナメントファイナル 3分3R〇タリック・オサロ(ナイジェリア/同級8位)TKO 3R 2分08秒 ※3ノックダウン×ムラット・アイグン(トルコ/オランダ)※オサロがトーナメント優勝。  優勝者には年末のGLORYヘビー級グランプリ出場権と、今夏に行われる予定のアントニオ・プラチバット(クロアチア)とのGLORYヘビー級暫定王座決定戦にも出場する権利が与えられる今回のヘビー級トーナメント。  決勝戦はジャウファー・ウイルニスに2RでKO勝ちしたオサロと、エンバー・スリーバーに1RでKO勝ちしたアイグンで争われる。  1R、オサロがワンツーと左ミドル、アイグンは右ボディと右フックを打つ。身体ごと打つような右ストレートで前に出るオサロ。左フックからの右ヒザでオサロがアイグンをコーナーへ詰め、ワンツーからキャッチしての左ヒザを顔面に突き上げてダウンを奪う。  2Rも身体ごと行くような右ストレートを放つオサロに、アイグンも左右フックと左ボディを返す。右ボディ、右フックでオサロを下がらせるアイグン。右フックを被弾する場面が増えてきたオサロは疲労の色が濃く、アイグンは前へ出ていく。しかし、コーナーを背にしたオサロが左フックを空振りしたアイグンに右フック。これでフラフラと下がるオサロに右フックで畳み込み、オサロがダウンを追加する。かなり披露しているオサロだが、アイグンの右ボディストレートに右ストレートを返してダウンをさらに追加する。  3R、巨体を躍らせて左右フックを繰り出すオサロ。アイグンも負けじと右フックからの連打を繰り出す。オサロは前蹴り、ジャブで距離をとるが、アイグンの右フックをもらう。アイグンが力強い右ボディ、右フックで攻め込んだところで、オサロが強烈な右フックでダウンを奪う。これで合計4度目のダウンとなり、トーナメントルールによってオサロのKO勝ちとなった。  スタミナには難があったものの、アイグンに逆転を許さない攻撃力を見せつけ、オサロが優勝を飾った。 [nextpage] ▼コ・メインイベント(第7試合)GLORY世界ウェルター級タイトルマッチ 3分5R〇エンディ・セメリア(オランダ/王者)判定5-0 ※50-42×5×マーセル・グローエンハート(スリナム/挑戦者)※セメリアが初防衛に成功。  1R、ジャブから右ローで前へ出るセメリアにグローエンハートはワンツーから飛びヒザ蹴り。グローエンハートの右ローにセメリアは右ストレートを合わせる。もつれ合うような場面になったところでセメリアが右のショートを打ってダウンを奪う。ワンツーと右ローの応酬。グローエンハートはワンキャッチからヒザを高く突き上げる。1Rから激しい打ち合いが繰り広げられた。  2R、ジャブを突いて右ローにつなげるセメリアが前に出ていき、グローエンハートもジャブを突いて左右ミドル。セメリアの右ローが目立つ。右フックからの飛びヒザでグローエンハートを下がらせたセメリアは、バランスを崩したグローエンハートに左ストレートを浴びせてこの試合2度目のダウンを奪う。冷静なセメリアは攻めすぎず、右ストレート、右ローで確実にダメージを与えていく。右フックでセメリアがグローエンハートを大きくグラつかせた。  3Rも右ローを蹴っていくセメリアは右ストレートを顔面とボディに打ち分ける。セメリアが右ストレートからの右フック、グローエンハートも左右ボディを繰り出すが、セメリアが頭を振ってかわしながらしっかりパンチを当てていく。  4R、手数を出すグローエンハートだが、右ストレートからの左アッパーでヒットを奪うのはセメリア。ジャブから左右のボディも叩く。右のパンチと右ロー&左インローを的確に当てていくセメリアに、グローエンハートは前へ出て攻めるがなかなかセメリアからクリーンヒットを奪うことが出来ない。  5R、グローエンハートはワンツーからの飛びヒザもセメリアは余裕をもってかわす。セメリアは右ボディとワンツー。左アッパーから右ストレートを打ち込む。グローエンハートの攻撃はバックステップや左右の動きでかわし、セメリアは右を当てる。グローエンハートのワンツーをサイドに動いてかわしたセメリアは、すかさず右ショートを打ち込んでダウンを奪う。グローエンハートは大の字となったが、カウント8で立ち上がる。セメリアが多彩なパンチで追い込んでいき、右を当てて圧倒。  多彩なパンチのテクニックを見せ、3度のダウンを奪ったセメリアがジャッジ5名とも50-42の大差をつけて判定勝ち。圧勝で王座防衛に成功した。 [nextpage] ▼第6試合 ライトヘビー級 3分3R×マイケル・ドゥート(オランダ/同級5位/GLORY45ライトヘビー級トーナメント優勝)判定5-0 ※30-27×2、29-28×3〇ムハマド・アミン(モロッコ)  アミンは真っ直ぐに伸びるワンツーと強烈な右フックを駆使し、何度もドゥートをロープまで吹っ飛ばす破壊力を見せ、判定5-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼第5試合 フェザー級 3分3R×ベルジャン・ペポシ(アルバニア/同級7位)判定5-0 ※30-27、30-25、30-23、29-25、28-26〇ヤン・カッファ(オランダ)  カッファはキックボクシングを5歳から始めて“ラモン・デッカーの再来”と呼ばれているという。2022年8月にRISEに初来日し、山田洸誓と対戦するもKO負けを喫している。これがGLORYデビュー戦。  1Rはローブローが多く、2Rに激しいパンチの打ち合いとなり、左右の大きなフックで攻めるペポシにカッファがバックハンドブローを決めてダウンを奪う。しかし「ダウンじゃない」とアピールしたペポシが強烈な左右フックでカッファをグラつかせる。  3Rも激しい打撃戦となり、カッファは疲労の色が濃いが最後まで打ち合い、逆転を狙ったペポシだったが、カッファが勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第4試合 ヘビー級トーナメント・セミファイナル2 3分3R×エンバー・スリーバー(ボスニア)TKO 1R 3分00秒 ※2ノックダウン〇ムラット・アイグン(トルコ/オランダ)※アイグンが決勝戦へ進出。  アイグンはRISE、HEATに来日経験のあるヘビー級ファイター。  1R、右ストレートから右ロー、右ボディストレートのアイグン。スリーバーはじりじりと前に出てくるアイグンに下がるが、距離に入って来ると右フックで迎え撃つ。ワンツーから右ボディストレートを打つアイグンにスリーバーはクリンチを繰り返す。  アイグンは一歩踏み込むと同時に左フックを見舞い、グラついたスリーバーに右フック、そして左アッパーを突き上げてダウンを奪う。アイグンは右ボディストレートからの左フックでダウンを追加。トーナメントルールにより、2ノックダウンのKO勝ちでアイグンが決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼第3試合 ヘビー級トーナメント・セミファイナル1 3分3R〇タリック・オサロ(ナイジェリア/同級8位)KO 2R 1分26秒 ※右フック×ジャウファー・ウイルニス(オランダ/同級7位)オサロが決勝戦へ進出。  1R、前に出てくるウイルニスにオサロはジャブ、左インロー。ガードの上からでもお構いなしにパンチを打って行くオサロに、ウイルニスはいきなり右ストレートを放つ。オサロはヒザ蹴りからワンツー、左ボディストレートからの左アッパー。ウイルニスはガードを高く上げて手数は少ないが、いきなり左右フックを打つ。オサロは前蹴りでウイルニスのボディを連続して蹴る。  2Rも同様にガードを高く上げて前へ出ていくウイルニスに、オサロは左アッパー、ワンツー、ヒザ。ガードが高いウイルニスに対し、オサロはボディを狙い撃ちにしていく。ウイルニスの右フックを一発もらったオサロは、まるでスイッチが入ったように次の瞬間ラッシュを仕掛ける。  左右フックとアッパー、さらに飛びヒザ。耐えるウイルニスに右フックを何度も叩き込み、これでもかとばかりに右フックを打ち込む。最後は顔面をヒザで突き上げたところに右フックを入れ、レフェリーがストップ。その直後にウイルニスはダウンした。オサロがトーナメント決勝へ進出。 [nextpage] ▼第2試合 ヘビー級 3分3R〇ファビオ・クワシ(オランダ/スリナム)判定3-0 ※29-27×3、28-28×2×ニコラ・フィリポビッチ(セルビア)  クワシは左ミドルを軸にヒザとパンチでボディを攻める。クリンチの多かったフィリポビッチだが、3Rに右フックでクワシをグラつかせると右フックの追い打ちでダウンを奪う。クワシが立ち上がったところでゴングとなり、ジャッジ2名はドローならも各ラウンドをほぼ支配していたクワシの逆転判定負けとなった。 [nextpage] ▼第1試合 ミドル級 3分3R×マキシミアン・ブラカオビッチ(ポーランド)TKO 3R 2分33秒 ※レフェリーストップ〇ブリース・コンボウ(カメルーン)  2Rにブラカオビッチの前蹴りへコンボウが右フックを合わせて強烈なダウンを奪い、3Rになるとブラカオビッチはダメージと疲労でフラフラに。必死にパンチを繰り出すブラカオビッチだがすでに力はなく、何度もバランスを崩して転倒する。コンボウの右ストレート、右フック、右アッパー、右フックでダウンするブラカオビッチ。  日本なら間違いなくレフェリーストップになる状態だが、非情な女性レフェリーはカウント8で立ち上がったブラカオビッチに試合続行の指示。右ハイキックを放つブラカオビッチだが足元はフラフラで、コンボウの右フックを連続してもらいコーナーに詰まったところでスタンディングダウン。ここで10カウントが数えられ(裁定はレフェリーストップ)、コンボウのKO勝ちとなった。
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