RISE 1672023年4月21日(金)東京・後楽園ホール
▼メインイベント RISEライト級(-63kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R×直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/第7代RISEライト級王者)判定0-2 ※48-49、48-48、48-49○中村 寛(BK GYM/挑戦者・同級3位)※中村が第8代王座に就く。直樹は初防衛に失敗。
直樹は伝統派空手出身で、2015年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級で優勝後、独特の間合い操作と当て感の良さでRISEライト級の上位選手として長く活躍。2019年11月にはムエタイ大会『スックワンキントーン』でスーパーライト級王座決定戦に勝利し、プロ初戴冠を果たした。2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」では準決勝で優勝候補の白鳥大珠をTKOで破る番狂わせを演じ、決勝では原口にKOで敗れるもインパクトを残した。2021年1月には第7代ライト級王座に就き、9月には白鳥との再戦で返り討ち。2022年4月に山田洸誓との王者対決でKO負け、8月にはGLORYのドイツ大会で判定負け、10月にチャド・コリンズにKO負けと3連敗中。戦績は19勝(10KO)8敗。
中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。しかし、10月のチャンヒョン・リー戦では2RにTKO負け。12月の再起戦では伊藤澄哉を2RでKOした。戦績は13勝(11KO)5敗。第6代DEEP☆KICK -60kg王者。
1R、右カーフを蹴るサウスポーの中村に、直樹は右ミドル&右ハイ、そして右インローを蹴っていく。飛び込むような左ストレートを放つ中村。直樹は右ハイを浅くヒットさせた。オープンスコアはジャッジ1名が中村を支持。
2R、直樹はジャブを出し、左手を前に出して中村をけん制。強い右インローを蹴る。中村も左インロー、直樹はすかさず右ボディを打つ。中村が前に出てくると直樹は右ボディ。そしてジャブを突いて右インロー。中村も左インロー。直樹は左手を伸ばして中村の突進をけん制する。左へ回り込み、右の蹴りを放っていく直樹。中村は右カーフから前へ出ようとしたが、直樹がジャブ、右ストレートでそれを許さない。間合いを操作する直樹が右ストレートをヒット、さらに細かくパンチを当てていく。中村は入り込もうとするもそこへ直樹が左を伸ばす。ジャッジ1名ずつが直樹と中村をそれぞれ支持。
3R、一気に入り込む中村とそこへ左右のパンチを合わせに行く直樹。中村は強烈な左インローで直樹の体勢を崩す。ジャブと右ストレートで中村の侵入を防ぐ直樹に中村は不敵な笑みを浮かべる。すると直樹はボディへヒザ。細かく中村の顔面にパンチを当てていく直樹に中村が左ストレートの強打。しかし、直樹も右フックで逆襲。この右フックが何度も中村を捕らえる。一発の強打か、手数のヒットか。ここはジャッジ3名とも直樹を支持。
4R、左でけん制して間合いを操作する直樹は右ストレート、左ミドル。中村は飛び込んでの左から焦ったかつかんでのヒザを連打して注意を受ける。直樹はヒザ蹴りから左右連打も、ヒザがローブローと判断された。さらに細かく左右のパンチを当てていく直樹。右ストレート、左フック、ヒザ蹴り、またも右ストレートと直樹がヒットを奪う。
しかし、中村の左フック強打に直樹がグラリ。前へ出て勝負をかける中村に直樹は左フック。これに中村が多きくグラつく。中村も左ストレートで逆襲。直樹は右ストレートを連打、中村も左ストレート。互いに被弾してグラつく。互いのパンチがヒットするたびに場内から大きな歓声が沸き上がり、両者とも相手の攻撃を被弾。直樹はヒザをボディへ突き刺す。ジャッジ1名が中村を支持。
5R、中村の左ミドルに直樹は右アッパーを連続で突き上げる。中村は前蹴りから左ストレート、直樹が大きくグラついて後退し、中村は左ストレート、左フックの追撃。直樹は右で反撃も中村の左フック、左ストレート、ヒザをもらう。直樹の右ストレートは力がなく、中村の力強い左フックが目立つ。
勝負を懸けて左フックを大振りする中村。さらに左インロー。が、今度は直樹の左フックで中村は棒立ちに。一気に連打をまとめる直樹。中村も打ち返し、激しすぎるシーソーゲームに場内は割れんばかりの大歓声に包まれる。両者打ち合いで中村の左フックがヒット。それでも立ち続ける直樹。最後まで打ち合いが続き、終了のゴングが鳴ると場内は悲鳴のような歓声に包まれた。
判定は2-0で中村の勝利に。大激闘を制して王座を奪取した。両者は笑顔で抱き合い、言葉を交わす。敗れた直樹はリングを降りる寸前、こらえきれず涙も場内は大きな拍手で元王者を称えた。
中村はマイクを持つと「俺は1RでKOして俺以外が比べ物にしてる人に証明すると言ったんですが、直樹選手は尊敬する人で認めています。直樹選手はもちろん、直樹選手を応援に来てくれた皆様に俺の応援団から拍手を送ってください。元チャンピオンだとは思っていません。チャンピオンを受け継ぎました」と、試合前は舌戦を繰り広げた直樹を称えた。
続けて「僕、足が外に向いて生まれて立つことも出来ないと言われて。0歳の時に母親が必死こいてリハビリしてくれて僕は健常者になることが出来ました。この場を借りてかあちゃんに言いたいです、産んでくれてありがとうございました。もっともっと成長してやりたことを必死こいてやったら王者になれると証明したので、これから日本の期待を背負ってもっと強くなります」と、脚に障害を持っていたという意外な過去を打ち明けてさらなる成長をしていくとマイクアピールした。
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▼セミファイナル ISKAオリエンタルルール 世界フライ級(-53.5kg)王座決定戦 3分5R○大﨑一貴(OISHI GYM/第2代RISEスーパーフライ級王者)KO 4R 0分28秒 ※後ろ廻し蹴りדWeedy”ニコラス・リヴァース(Fight Center one/RING OUT-54kg級王者)※大﨑が新王座に就く。
オリエンタルルールは顔面へのヒザ蹴りが禁止、首相撲は短時間のみ認められる。フリーノックダウン制の3分5R。
大﨑はタイ・ルンピニースタジアムで8連続KO勝利を飾り、同スタジアム王座に挑戦したこともある。2018年には「KING OF KNOCK OUT初代フライ級(51kg)王座決定トーナメント」で準優勝。RISEには2020年2月に初参戦し、9月に田丸辰を破ってスーパーフライ級王座を奪取。2022年10月に「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」優勝者・風音に判定勝ちして53kg最強を証明した。今年2月にはムァンコーンをKO、3月にはハビエル・セシーリオもKOして驚異の17連勝中。戦績は39勝(20KO)5敗2分1無効試合。
対するリヴァースは13勝(1KO)4敗の戦績で、昨年6月には『Ring Out challenge 4』でRING OUT-54kg級のタイトルを獲得している。
1R、いきなりワンツーから右ロー、ヒザ蹴りと攻め込んでいくリヴァース。気合いの声を発しながらアグレッシブに攻撃。ジャブをガードで受けながら右ローを返すのは大﨑。そしてリヴァースが組んでのヒザ蹴り連打。大﨑は左フックを返すが、リヴァースはすぐに左右フックで反撃。これをブロックした大﨑は強い右、そして右カーフ。早い連打から左ボディ、再び連打から右カーフとつなげていく。大﨑の左右のボディに下がるリヴァースへ大﨑が後ろ蹴り。リヴァースもすぐに左右フックで反撃するが、大﨑の左右ボディが鈍い音を立てて決まる。オープンスコアは2-1で大﨑。
2R、左右ローを蹴るリヴァースに大﨑が右ローを蹴るとリヴァースは大きくバランスを崩す。大﨑のガードの上からパンチを叩きつけるリヴァースに、大﨑は右カーフ。大﨑は左ボディから右ロー、打ち合いに来たリヴァースの左右フックをガードしながら左ボディを打ち込む。大﨑の左フックからの右ローにリヴァースも右ローを返すが、明らかに威力が違う。さらにワンツーで吹っ飛ばす大﨑。リヴァースは接近戦の左右フック&右ローも大﨑の右カーフにグラつく。ならばとリヴァースは首相撲からのヒザ。ジャッジ3名とも大﨑のラウンド。
3R、うなり声をあげながら右フックを叩きつけるリヴァースだが、大﨑は冷静にブロックして左ボディをめり込ませる。しかし、リヴァースの左フックを連続して被弾。動きが止まる大﨑だがすぐに左フックからの右ローで反撃。このコンビネーションが何度も決まる。リヴァースのヒザがローブローとなって試合は一時中断。再開後、大崎は左ボディと右ロー、左右連打からの左ボディとヒザ。大﨑の左ボディに身体を丸めるリヴァースだが、それでも打ち返してくる。大﨑はヒザに行くがリヴァースも左ボディと左フックで反撃。大﨑の左ボディに口を大きく開けるリヴァース。ジャッジ3名とも大﨑のラウンドに。
4R、リヴァースの左右フックをブロックした大﨑は後ろ蹴り。リバースも後ろ蹴りを返した次の瞬間、大﨑が意表を突く後ろ廻し蹴り。カカトが見事にリヴァースの頭部を捉え、リヴァースはダウン。そのまま立つことが出来ず、大﨑がKO勝ち。世界王座を獲得した。
満面の笑顔の大﨑は「本当はもっと早いラウンドで倒すつもりだったんですが、やっぱり世界のベルトはそんな簡単じゃないと思い知らされた試合でした。ニコラス選手はめちゃくちゃ気持ちが強くて試合中ずっと僕の目を見てきたのが印象的でした。本当は狙っていた技が違ったんですが、練習してきた技が決まってこのベルトは僕の格闘家人生でも大きなベルトになると思います。格闘技、キックボクシングを始めて絶対に世界王者になると決めてやってきたので、ここで獲れたのが凄く嬉しいです。
ここまで来れたのは本当にたくさんの方々のサポートや応援が毎回力になってます。会長を始め、弟の孔稀とか後輩、みんなで頑張ってやっているのでOISHI GYMに世界のベルトを持ってくるごとが出来て嬉しいです。皆さん本当にありがとうございました。目標だった世界のベルトは撮ることが出来ましたが、次は7月に-54kgのトーナメントもあるし、RISENの世界のベルトもあるので ここで終わらずに本当の意味で世界一になれるように頑張り続けます」と語った。
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▼第7試合 スーパーライト級(-65kg) 3分3R延長1R○KENTA(HAYATO GYM/ライト級7位、第4代DEEP☆KICK -63kg王者)判定3-0 ※30-29×3×山畑雄摩(心将塾/ライト級5位、第3代DEEP☆KICK-63kg級王者)
KENTAは長身を活かした豪快な攻撃が武器で、2021年9月の山畑雄摩戦から4連勝を記録していたが昨年10月のRISE大田区大会で小川翔に判定負けを喫し連勝がストップ。『DEEP☆KICK』では2022年3月にDEEP☆KICK-63kg王座を獲得し、12月には足利也真登を判定で下し王座を防衛している。今年3月には元Jリーガーの安彦考真に勝利したばかり。戦績は18勝(6KO)4敗1分。
山畑は関西を中心に活躍し、2020年11月にはRIZINに出場。大雅に敗れるもフルラウンド戦い抜いた。さらに2021年6月のRIZINでは髙橋聖人とドロー、2022年3月のRIZINでは小川翔にKO負けを喫した。RISEでは2021年2月に大石健作とドローに終わるも、DEEP☆KICKで再戦して勝利を収めている。
前述の通り両者は2021年9月にDEEP☆KICKで対戦しており、KENTAが判定勝利を収めている。KENTAが返り討ちにするのか、山畑が再起戦でリベンジを果たすのか。
1R、右ミドルを主体に組み立てるKENTAにサウスポーの山畑は左ストレート、左ボディストレートを打つ。山畑は左三日月を蹴り、KENTAの右ミドルに左ストレートを合わせるタイミングがあって来る。ならばとKENTAはワンツーも山畑の左をもらう。
2Rも左三日月を蹴る山畑。KENTAは前に出て右ミドル、右ロー、右ストレートを放つも動き回る山畑にクリーンヒットをなかなか奪えない。独特なサイドへの動きでKENTAをかわしていく山畑に、KENTAはラウンド終了間際に右を連打して前へ出ていった。
3R、山畑を何とか捕らえようと前へ出ていくKENTA。山畑は動き回りながらのジャブ、左ストレート。KENTAの右は空振りに。それでも右を当てようと前へ出るKENTA。サイドへ動いてかわす山畑。KENTAの右ミドルからの右ストレートがヒットし、一気に前へ出るKENTAへ山畑がカウンターの左。KENTAは右ミドル、右ハイ。山畑がラスト30秒でラッシュをかけ、山畑が左をヒットさせていく。
前へ出て手数を出していったKENTAか、ディフェンスに優れたところを見せて左をヒットさせていった山畑か。判定はアグレッシブをとったか、KENTAが判定3-0で勝利を収めた。
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▼第6試合 オープンフィンガーグローブマッチ -46kg契約 3分3R○平岡 琴(TRY HARD GYM/アトム級2位)判定3-0 ※30-28×3×菊地美乃里(GONG-GYM坂戸)
平岡は極真会館の『全日本女子ウェイト制空手道選手権』軽量級優勝の実績を持ち、多彩な蹴り技が持ち味の選手。2020年2月には3連勝でRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑み、ダウンの応酬の末に判定で敗れた。その後、泥沼の4連敗を経験するも2021年9月の奥脇奈々戦で勝利をつかみ復活の狼煙をあげると2022年2月には田渕涼香、6月に百花を破り3連勝。2022年12月にはRISE女子初のOFGマッチに臨んだが、小林愛理奈に判定で敗れた。歯に衣着せぬ発言で話題を呼ぶ“怖いお姉さん”。戦績は12勝(3KO)8敗1分。
OFGマッチ初挑戦となる菊地も平岡と同じくバックボーンに空手を持ち2021年9月にプロデビュー。果敢に前に出て打ち合いに行くスタイルで7戦2勝4敗1分の戦績を持つ20歳。昨年12月には田村潔司率いるGLEAT MMA旗揚げ戦に参戦し、女子プロレスラーの福田茉耶に勝利している。
1R、平岡がジャブで先制していくと菊地が左右フックで果敢に打ち合いにいく。一度離れると平岡は左ミドル、右ロー。菊地も右ローを返す。平岡がワンツーからバックハンドブロー、菊地はすかさず前へ出て左右フック。右フックから左ボディの平岡に菊地は右フック。
2R、菊地は果敢に前へ出て左右フックを繰り出していくが、平岡がよく見て右を打つ。平岡が左ボディから左フック、さらにヒザ。平岡の左ボディからの左右フック、そしてヒザのコンビネーションが次々命中し、菊地はロープを背負う。離れると右ローを蹴る平岡は右アッパーも突き上げる。被弾する菊地だが、それでも左右フックを強気に打ち返す。
3R、右のパンチを当てていく平岡に菊地はガムシャラな左右フック。平岡は後ろ廻し蹴り、離れると右ロー、左ボディからヒザ。菊地は一歩も退かず手数を出すが、平岡のヒザがボディに突き刺さる。ラッシュをかける菊地に平岡はヒザとロー。
的確にパンチを当てた平岡と、ガムシャラに前へ出て手数を出した菊地。判定は3-0で平岡のOFGマッチ初勝利となった。
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▼第5試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R×小野幹晃(IGGY HANDS GYM/同級4位)延長R 判定0-3 ※9-10×3○澤谷大樹(HAWK GYM/フェザー級4位、KC2022 -57.5kgトーナメント優勝、DEEP☆KICK-60kg級王者)※本戦の判定は19-19×3。
小野はDEEPアマチュアキックトーナメントで優勝した実績を持つテクニシャン。2021年8月にはRIZINで大雅とフルラウンドを戦い抜いた基山幹太から延長Rにダウンを奪う金星を挙げると、同12月にはアマチュア6冠の実績を誇る奥平将太からもダウンを奪い勝利。昨年4月にはベテランのSEIDOを判定で下し4連勝をマークしていたが、10月の岩郷泰成戦で偶然のローブローで岩郷が試合続行不可能になり延長R1分24秒までの途中判定で引き分けて連勝がストップした。
対する澤谷は2021年7月にDEEP☆KICK 60kg王座を戴冠し、昨年7月に行われた肘無しキックルールでのCKC 2022 -57.5kgトーナメントでは松井大樹、翔、松山和弘を下し優勝。5連勝を記録していたが昨年12月の平野凌我戦では1Rにダウンを奪われ敗戦。再起戦となった今年3月のHOOST CUP日本ライト級王座決定トーナメントでは準決勝でRISING大輝を下し決勝戦へ進むも泰良拓也に判定負けを喫し今回が再起戦となる。
1R、サウスポーの澤谷は飛び込んでの左フックをヒットさせていき、小野は右ミドルを蹴っていく。澤谷のパンチを被弾して早くも鼻血を出す小野。澤谷は飛び込んではクリンチで相手の反撃を許さない。
2Rも同様に左を一発当てに行き、入りすぎるとクリンチする澤谷。小野は突き放して右ストレートに行く。
3R、左をボディにも打つ澤谷に小野は右ミドル。しつこく右ミドルを蹴る小野に澤谷は左インロー、左ストレートを返す。両者決め手なく、判定はドローで延長戦へ。
延長戦、右フックの澤谷に小野は右ミドル。延長戦でも噛み合わない両者はホールディングが続く。その中で澤谷が左ヒザをボディへ突き刺す。小野は再三、胴廻し回転蹴りを出すが空振りに終わり、両者揉み合うようなホールディングで試合終了。判定3-0で澤谷が勝利した。
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▼第4試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R△戸井田大輝(戸井田ジム/同級11位、MA日本スーパーバンタム王者)ドロー 延長R 判定1-1 ※10-9、9-10、10-10△濱田祐生(フリー/DEEP☆KICK-57.5kg級3位)※本戦の判定は29-28、29-29、28-28。
濱田は前日計量にて58.20kgの700gオーバーでパス出来ず。本来なら公式ルールに基づき当日再計量を実施するところだが、戸井田陣営より「引き続き減量を行って体調不良により試合が不成立となるより、現時点のまま再計量を行わず何としてでも試合を成立したい」という強い要望があったという。
これを受けて戸井田陣営、濱田陣営、RISEコミッションを含む3者で協議を行った結果、当日計量は行わず、減点1+グローブハンデ(戸井田6オンス、濱田8オンス)で3者合意のもと試合を実施する運びとなったことが発表された。
1R、前に出る戸井田が右フック、濱田がジャブを出すと戸井田は左フックをかぶせようとする。濱田の右ハイが左目に当たったか、目をつむる戸井田だが強気に打ち合いに行く。戸井田はコーナーへ追い詰めての左ボディ、濱田もノーガードの戸井田に左右フックを浴びせていく。濱田はさらに飛びヒザ。
2R、戸井田は潜り込むように左ボディ、濱田は右ストレートからの右ロー。ジャブで距離をとり始める濱田は、戸井田が体勢を低くしてボディを打って来るとヒザを突き上げる。それでもガムシャラに前へ出る戸井田。ノーガードの戸井田はワンツーを被弾するが、前へ出て打ち合いに行く。
3R、左カーフと右ミドルにグラっとなる戸井田。しかし、すぐに打ち合いに行く。ジャブを被弾しながらも前へ出る戸井田へ濱田は右フックと左ロー。もらってももらっても前へ出る戸井田に濱田は右ミドル、ヒザ、ジャブ。ヒザや右ハイをもらってグラつきながらも立ち続け、左右フックを繰り出す戸井田。
判定はドローとなり、延長戦へ。ジャブと右ローで距離をとる濱田に戸井田は大きく振りかぶってのフックを繰り出すが空を切る。前へ出る戸井田にヒザを突き上げる濱田。戸井田は左ボディから左フック、飛び込んでの左フックと前へ出て攻め続け、さらに左ボディをめり込ませる。濱田は前蹴り連発で戸井田を寄せ付けず、右ストレートも。
判定は三者三様のドローとなった。
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▼第3試合 -61.5kg契約 3分3R×藤橋 光(フリー)判定0-3 ※29-30、28-30×2○小出龍哉(TEAM TEPPEN/新空手K-2 GRAND PRIX 2018中量級準優勝)
1R、両者サウスポー。マッチョな小出はパワフルな左ミドル、右フックを打っていく。さらに身体ごと前に出るような右ストレート。藤橋は頭を振りながらジャブ、右フック。
2R、右ミドルからパンチにつなげていく小出に藤橋は左ロー。小出の蹴りをかわして左ローを蹴っていく藤橋。小出は右ミドルを命中させていく。
3R、ジャブの突き合いから左ストレートを打つのは小出。後ろ蹴りで藤橋を転倒させる。リングサイドに陣取った那須川天心が声をからせてアドバイスを送る中、小出は右ミドルを連打していく。最後は左右フックで攻めようとする藤橋に、小出は左ストレートから後ろ蹴り。
判定3-0で勝利した小出はリングサイドの那須川天心、そしてセコンドの白鳥大珠と那須川会長と共に勝利を喜んだ。
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▼第2試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R×叶和(チームドラゴン/JAPAN CUP 2022 -60kgトーナメント優勝)TKO 1R 2分26秒 ※レフェリーストップ○簗 丈一(TEAM Aimhigh/KNOCK OUTアマチュア アダルト60kgトーナメント優勝)
1R、左右フックを回転させながら前へ出る簗に叶和は両腕ブロックしながら左フック、ヒザを返す。しかし、ガードを固める叶和に簗は左ボディを叩きながら顔面へ左右フックの連打。ガードの上からでもお構いなしにフックを叩き込んでいき、スタンディングダウンを奪うと、さらにラッシュをかけたところでレフェリーがストップ。
デビュー戦を初回KO勝ちで飾った簗は「デビューということで緊張はしていたんですが、RISEの大きい舞台で戦えたことを光栄に思います」と語った。
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▼第1試合 オープンフィンガーグローブマッチ -53kg契約 3分3R×鳩(TSK Japan/WMCインターコンチネンタルバンタム級王者、MuayThaiOpenスーパーバンタム級王者)KO 1R 2分48秒 ※右ストレート○Novo(TARGET SHIBUYA)
鳩はムエタイで合計5本ものベルトを獲得、18勝のうち14KOと高いフィニッシュ力を持つが、RISEでは4戦して3敗1分と勝ち星がない。今回のOFG戦で初勝利を狙う。ONEムエタイのオープンフィンガーグローブ戦ではKOUMAとGANG-Gに引き分けている。
YA-MANと同門のNoboは2022年2月に初開催されたオープンフィンガーグローブ大会『RISE FIGHT CLUB』で初回KO勝ち。入場式では対戦相手と顔を合わせるなり乱闘するなどかなりデンジャラスなファイターだ。戦績は2勝(2KO)2敗で、前戦は松本天志にKOで敗れており、今回が再起戦となる。
1R、前に出て右のカーフを連打していくNovo。鳩は右ストレートを放つが右カーフを蹴られる。ジャブから右カーフを連発するNovoに鳩は構えをスイッチさせて打ち合いに持ち込む。これにNovoも待っていましたとばかりに笑顔で打ち合う。ここは共に被弾するが、Novoが右ストレートをヒット。一度落ち着いて距離をとったNovoは狙いすましたワンツーの右ストレートをクリーンヒット。
吹っ飛ぶようにダウンした鳩はそのまま動けず、Novoの豪快KO勝ちとなった。
Novoはマイクを持つと「前回は松本天志選手としょうもない試合をしたのにまた後楽園に立たせていただきありがとうございます」と言うと、SNSで挑発されたという塚本望夢と大阪大会でOFGマッチで戦いたいとアピール。
すると観客席にいた塚本がリングに上がり、「俺からしたらメリットないけれど、盛り上がっているからやりましょう」と対戦を受諾。
Novoは「格闘技はやっぱりここがいいところだと思うんですよ。俺みたいなメリット無いヤツがコイツを喰って一晩で変われるところを先輩で見ているので」と、先輩のYA-MANのように自分も成り上がると宣言した。果たして、7月の大阪大会でNovoと塚本のOFGマッチは組まれるのか。
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▼オープニングファイト RISEチャレンジマッチ フライ級(-52kg) 3分2R○宮原華音(TARGET SHIBUYA/FIRST ORDER AGENT)KO 1R 0分39秒 ※右ストレート×金子久美子(NEXT LEVEL渋谷)
宮原はRISEのラウンドガールユニット「R-1SE Force」のメンバー。全日本少年少女空手道選手権大会(全空連主催)優勝の経歴の持ち主で、今年1月に行われたアマチュア大会『RISE Nova』に初参戦するとミドルキックで秒殺KO勝利を飾っている。
対戦相手はRISEフライ級王者・小林愛三を始め数々の女子選手を擁するNEXT LEVEL渋谷が満を持して送りこむ金子久美子だ。宮原と同じく今大会がデビュー戦となるが着実にアマチュア大会で経験を積んでおり、注目度の高い宮原との1戦でインパクトを残したいところ。
1R、宮原がワンツー、左ミドルからのワンツーで先制するが、金子がワンツー・左フックで前へ出る。ボディもヒザと左フックで攻める金子に宮原は下がるが、宮原がカウンターの右ストレート。これで棒立ちになる金子へ宮原が続けて右ストレートを2連発。一瞬置いて倒れる金子。レフェリーがすかさずストップし、宮原が衝撃KOでデビュー戦を勝利で飾った。金子はしばらく立ち上がれないほどのダメージを負った。
宮原はマイクを持つと「不安はあったんですけれど出るからには選手の一人として見てもらえるように、こんなに大勢の人が見に来てくれるので絶対にやってやろうと思っていました。この後もラウンドガール見てください!」と高らかに叫んだ。宮原はこの後、本戦にラウンドガールとしてリングに立つ。