MMA
インタビュー

【RIZIN】「恐怖を感じた」パク・シウ戦から再び試合に向かう浅倉カンナ「海外でやっていたMeiさんが帰ってくるなら、自分が迎え撃ちたい」

2023/04/19 11:04
 2023年4月29日(日)『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』(東京・国立代々木競技場第一体育館)のスーパーアトム級(5分3R)で、V.V Mei(フリー)と対戦する浅倉カンナ(パラエストラ松戸)が18日、公開練習を行った。  浅倉の兄がレスリングの同期で、太田の妹が浅倉と同級生という太田忍(vs.倉本一真)と組み技の動きを見せた浅倉。  公開練習後は、2022年7月の前戦パク・シウ戦を「打撃で恐怖を感じた」と吐露し、「もう無理かもしれない」と感じた試合後から、約10カ月ぶりの試合に向かう思いを語った。 ホノカ、KARENと若い子も入ってきて万智ちゃんも来ている──こういうとき自分もあったな、負けられない、って ──UFC女子世界フライ級の世界戦に向かう前に、ヴァレンティーナ・シェフチェンコ選手がここパラエストラ柏で合宿を積んでいました。浅倉選手も階級下ながら練習に参加していたようですね。 「結構、一緒に練習に参加させてもらって組んだりもしたんですけど、今まで向いあった中で一番、怖かったですね。練習でもやるべきことが決まっていて、練習に取り組む姿勢も勉強になりました。練習中に絶対に気を抜かず、ずっと動き続けている。抜いたりしない、“強い人はこうなんだな”と感じました」 ──いまパラエストラ千葉ネットワークには、PANCRASEストロー級王者のKAREN選手、柔道出身の重田ホノカ選手、出稽古組でもHIME選手に一本勝ちした福田万智選手が来られているようですね。 「今までにないくらい女子が増えたので、すごくいい環境になってますね。ホノカ、KARENと若い子も入ってきたので自分も負けられないな、っていう。なんか、見ていてキラキラしているんですよね(笑)。“こういうとき自分もあったな”って思いながら、“負けられない”“一緒に勝ちたい”と思えてすごく楽しいですね」 ──MMAの厳しさを教えている、という話も伝わってきます。 「いやいや、そんなことないですよ」 ──出稽古組では万智選手も、さきほども柏に練習に来ていて、いい練習が出来ているようですね。 「万智ちゃん、強いですね。めちゃくちゃ強い。感覚がいいし、すごくいい子で。自分も組んでいていい練習になるし、ここに来て、ほんとうにより女子にとってもいい環境になってきました」 ──今回の対戦相手のV選手とは練習したこともありますね。 「はい。日本でも昔から試合をしていて、海外での試合経験もある、すごく強い選手だなと思っています。組んだときもトータル的に強いファイターだなと思ったので。全力で自分の持っている力を出さないと、結構厳しい相手なのかなと思っています」 ──キャリアが豊富で空手の飛び込みの右、柔術の寝技も強いです。2月のジヒン・ラズワン戦も接戦でした。しかし、鶴屋浩代表はテイクダウン出来ると話していました。 「テイクダウンは絶対出来ると思います。そこは自信を持っていますね。それに今回、打撃も──前回の試合は逆にこだわりすぎて出来なかった部分もあったんですが、打撃も自信を持ってこれでもいけるぞ、というくらいのものを出せると思います。その方がテイクダウンも行けますし」 ──打撃といえば、パク・シウ戦の前半はいい間合いで戦えてたように感じましたが、強いテイクダウンディフェンスと打撃に後半で効かされた、あの試合をどうとらえていますか。 「正直、全然、覚えていなくて……ほんとうやられているイメージしかなくて、効いていてよく分からなくなっていたのかもしれません」 ──……。 「テイクダウンを切られて、打撃でも怖さがあって行けなくて、あのパターンが一番地獄です。恐怖、そうですね、恐怖を感じましたね」 ──コーナーに釘付けになり、最後にハイキックも浴びた。あの試合後、そこからもう一度、試合に向かうというのは相当、大変だろうなと感じた試合でした。 「あのハイは覚えてなくて、扇久保さんから『最後のハイキック、効いたか?』って聞かれて、ハイなんてもらってないと思ってたから『いや、効いてないですよ』って答えてたんですが、(動画を)見直したら、思いっきりハイキックもらっていて(苦笑)、あれ効いて倒れてるんですよ。試合後も気持ちが悪いし、翌日もすごく頭が痛くて……あんな怖い経験は初めてだったんで」 ──正直、よくそこからもう一度、という気持ちに持ってこれましたね。 「ですよね……自分でも不思議です、ほんとうに。もう無理かもしれない、と思ったけど、試合やります、と言っちゃう自分が怖いです」 ──そう言えるためには、自信が持てる練習が出来ていないと出来なくないですか。 「そうですね。ほんとうにパクちゃんに負けて、練習もダメージを抜くためにも1カ月くらいは離れて、気付いたら練習に来て、みんなと練習して。ここでは誰かしら試合が決まっているから、そのサポートもしながら……みんなが頑張って試合に向かっているなか、自分は練習だけしていてちょっとカッコ悪いなって。なんのために練習するのか、やっぱり強くなって試合で勝つためで。  でも、今回、試合オファーが少し時間があったので、覚悟できましたけど、オファーが来てすぐに『やります』とは言えなくて……周囲からいろんな人たちが応援してくれて、サポートしてくれる人がいて、練習をすることで背中を押されて、今回、試合が出来ます」 ──なんの改善もなくすぐに次のオファーを受ける人の方が怖いです。今回、あの敗戦に向き合ってその上で次に進むのは、やりたいことがあるからではないですか。 「“なんで試合するんだろうな”と思うときもありましたけど、いまはそういう迷いはなく、試合が楽しみなんです。休息を置いて、友達と息抜きするのも楽しいんですけど、ほんとうになぜか練習に来てしまうんです。あんな思いをしても、やっぱり格闘技が好きなんだなって。辛いことも含めて格闘技を楽しんでいますね」 ──志成ジムで、パンチのみの技術練習をしている姿も見受けられます。 「志成ジムでは2カ月間くらいボクシングの指導も受けて。前回、打撃でやられたので、自信を無くしていて、怖さを無くしていくために、打撃を習うようにしています。パンチだけ、を習うことはあまり無かったので、今思えば、なんでやってなかったんだろうって。いろいろと考えることがあってすごく楽しいです」 ──浅倉選手にとって、2019年12月の『BELLATOR JAPAN』でのジェイミー・ヒンショー戦での一本勝ち以来のケージとなります。2019年には『DEEP JEWELS』の前澤智戦で見事なケージレスリングも見せた。前戦のリングでのパク・シウ戦ではたしかにパク・シウ選手のテイクダウンディフェンス強かったですが、序盤のテイクダウンの攻防でロープ下に足が出てスプロール出来ていたことが何度かあって、あの時間帯にあの形で切られるのはキツいなと感じていました。 「そうですね……リングとケージは全然違うと思います。自分もケージの感覚は毎回いいですし、ここでも壁レスリングをずっとやっていますので、ちょっと楽しみな部分があります。その分、Meiさんもケージ慣れしているのでその部分でも強いですけど、私も楽しみです」 ──V.V Mei選手がキャリアの最終章として、日本に戻って戦う。そういう相手に負けられないという気持ちも? 「そうですね、Meiさんに恨みはなくて、試合ができることはすごく嬉しくて、海外でやっていたMeiさんが帰ってくるなら、自分が迎え撃ちたい。自分も復帰戦になるので、しっかり結果で返したいと思っています」
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