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レポート

【修斗】リオンがヘルフォートに完敗、ONEから凱旋・佐藤将光、高橋遼伍が勝利。黒部がイェジを失神チョーク葬。倉本が平川を35秒KO! 田丸は新階級で勝利、内藤が青井とのスクランブル戦を制す

2019/07/15 18:07
◆プロフェッショナル修斗公式戦2019年7月15日(月・祝)後楽園ホール ▼メインイベント・第11試合 フェザー級 5分3R×リオン武(65.8kg/日本/同級第5代&第8代世界王者/RISING SUN)2位[判定0-3]※27-29×3○デュアン・ヴァン・ヘルフォート(65.6kg/オランダ/グレイシーバッハ・ネーデルランド) ヨーロッパ修斗から自信をもって送り込まれたデュアン、宇野との一戦では両者ともに試合終了まで止まらないグラウンドワークで大いに会場を盛り上げ、そして常にイニシアチブを握り続けたデュアンが勝利。日本デビュー戦を白星で飾り、早くも再来日を果たす。 対するリオンは史上初の世界王座返り咲きを果たす等、修斗史に燦然と輝く数々の記録を残すレジェンドの1人。2018年は現世界王者の斎藤裕には敗れたものの、環太平洋王者・TOMA(TK68)との対戦では完封してみせる等、デビューから16年を迎える今でも国内トップレベルの実力を誇る事を見せつけた。 大晦日のRIZINでは朝倉未来のヒザ蹴りにKO負けを喫し、年齢的にはキャリアの終焉を迎えつあるるだろうが、リオンの心の火はまだ消えてはいなかった。 そして再び戦う場所に選んだのはホームである修斗。対戦相手は宇野を破ったデュアン。宇野との試合ではスクランブルからバックを奪取し、パウンドを当てたデュアンだが、スタンドでの打撃は未知数。リオンの細かいステップ、角度をつけた打撃にデュアンは得意の組みの展開に持ち込むことができるか。リオンは、スタンドに加え、パウンドも含む打撃のなかでデュアンの寝技を封じ込めるか。リオンが勝利を手にし、復活の狼煙を上げるか、デュアンに“レジェンドキラー”の称号を与えてしまうのか。 1R、ともにオーソドックス構え。右の打ち合いからいきなり詰めたヘルフォートはヒザ蹴り、さらにがぶりから首を狙うが、頭を上げるリオンは四つに。リオンの右ローに右ストレートを合わせるヘルフォート。再びスタンドで首をがぶるヘルフォート。首を上げるリオンは右の得意の足払いテイクダウン! 寝技にはいかないリオンは上体を離しパウンドも立つヘルフォート。詰めるヘルフォートはバックフィストから組んでヒザ! 右で小手に巻いての投げはリオンは切る。 右のニータップを見せるリオン。長身を活かし首相撲からヒザはヘルフォート! さらに離れ際に右ヒジ、前蹴りも! 左右のラッシュにリオンは防戦に。鼻頭をカットする。 2R、右ロー、左ボディストレートはヘルフォート。リオンは右ジャブが長い。さらに右ストレートにリオンはケージを背に。しかしヘルフォートの左ジャブにリオンは得意の右! しかしヘルフォートもすぐに右ストレートを返していく。 自らの蹴りでバランスを崩すが立つと首相撲から高いヒザはヘルフォート。リオンは再び右の足払い! 深追いはせず。互いにジャブの刺し合い。金網背にするリオンは手数が足りない。右ストレートから首を掴みにいきながらヒザはヘルフォート! そのヒザに反応するリオンは後手に。 3R、前に出るリオンだが、圧力をかけなおすヘルフォート。さらにジャブから右のダブル! 後退するリオンに首相撲からヒザ! さらに小手に巻いて崩して頭を下げさせギロチン狙い。頭外すリオン。走りながら左ヒザを当てるヘルフォート! さらにいきなり右ストレートを打ち下ろしてくる。さらに右ヒジも! ワンツーで前に出るヘルフォート。ラスト1分。右ストレートはヘルフォート! その入りに右を返すリオンだが、打ち合いにも応じるヘルフォートは下がらず。ホーン。 宇野戦とはうってかわってグラウンドを封印し、新たな引き出しを開けて見せたヘルフォートが判定3-0(29-27×3)で勝利。「ありがとうございます。とてもとても楽しんだよ。この大会は世界でもベストだと思います。プロモーターの坂本さんありがとうございます」と挨拶し、笑顔でケージを降りた。 世界ランク3位のリオンを下したヘルフォート。今後、フェザー級でいかに王座戦にからむか。 ▼セミファイナル・第10試合 バンタム級 5分3R○佐藤将光(61.1kg/日本/同級世界王者/坂口道場一族)[1R 4分23秒 KO]×ファン・チャン・ファン(61.0kg/韓国/TEAM FINISH・ROAD FC) 佐藤将光はバンコク大会で修斗の世界王者らしく落ち着いた試合運びで難敵マーク・アベラルドをパウンドアウト。ONEChampionshipデビュー戦で完璧な初陣を飾った。ホームである修斗でどんなパフォーマンスを見せるか。 対戦相手は若干23歳ながら MMA、キックと併せて40戦を越えるキャリアを持つ韓国のファン・チャン・ファン(TEAMFINISH/ROAD FC)。ファンはキックで韓国内の様々なプロモーションで数多くのタイトルを獲得し、30勝6敗という実績を引っさげMMAに転向。現在までに4勝1敗と適応力を見せ、非凡な才能を発揮している。ファンの打撃テクニックも不気味ながらも、やはり注目は佐藤の凱旋試合。世界王者となってからもコンスタントに試合を重ねる佐藤に死角は見当たらないか。 1R、ともにオーソドックス構え。チャンファンの下がりながらの右、さらに左フックに佐藤がダウン! しかしすぐに立つ佐藤は詰めてチャンファンをボディロックで背後に回りながらテイクダウン。レッグドラッグで抑え込み回復を待つ。足を越えマウントを奪う佐藤。 チャンファンの左腕を挟みクルスフィックで固めてパウンドを連打する佐藤! 蹴り上げでスペースを取るチャンファン。しかし佐藤は腰を突き出し、中腰から強いパウンド! 足を払いパスガード! 再びクルスフィックでパウンドを入れると、亀になるチャンファン。佐藤がパウンドを入れ続けるとチャンファンは防戦一方に。レフェリーが間に入った。 佐藤「バンタム級でワンデートーナメントをやりませんか」 「実力差見せつけようと思っていましたが、もらっちゃいました(苦笑)。いま修斗のベルトを持ってONEに出ていますが、10月にもONEがあるし、しばらく防衛戦ができなくなるので、ベルトを持ったまま他団体挑戦がいいのかと悩むところがあって、自分がランカーだったら防衛しろよと思う。いったんどうなるか、ベルトを返上というわけじゃなく相談したいなと。もちろん修斗の防衛戦のタイミングがあえばやりますし。 それと、いまバンタム級がすごく面白いんでトーナメントやりませんか? ワンデーで1日2試合か3試合やりたいです。ハッシュタグ、#修斗バンタム級トーナメント で皆さん盛り上げてください」 ▼第9試合 フェザー級 5分3R○高橋遼伍(65.8kg/KRAZY BEE)[2R 2分13秒 TKO] ※レフェリーストップ×高橋孝徳(65.7kg/リバーサルジム新宿Me,we) 1年7カ月振りとなる復帰戦をONE Championshipで行ったばかりの高橋遼伍も参戦決定。いま注目のカーフキックで対戦相手の足を破壊するファイトスタイルは正に示現流さながら。ONE Championshipデビュー戦でもケアヌ・スッパにヒザ下ローキック=カーフキックを蹴りまくり、スッパの放った蹴り足をヒザのガードでまっ二つに叩き割り、パウンドアウトでKO勝利。既にローキックで足が破壊されていたのでは? と思わせる程の衝撃を残した。 迎える対戦相手は現在修斗フェザー級の中で安定した強さを見せる実力者・高橋孝徳(リバーサルジム新宿Me,We)に決定。高橋は引き分けを挟みながらではあるが、ここ6戦負けなしと絶好調。打投極はもちろん、攻守のバランスにも非常に長けたファイターだ。 6月に試合を終えたばかりでの緊急オファーにも関わらず即答で応えた高橋孝徳。難敵や強敵といったレベルを超えた高橋遼伍との対戦は世界を見据える上で必ず越えなければならない大きな壁だ。この試合は高橋孝徳にとって格闘人生における大きなターニングポイントを迎えることになるだろう。 1R、ともにオーソドックス構え。右のカーフキックを狙う遼伍。左ボディから右と対角に攻める。遼伍のワンツーはかいくぐる孝徳。しかし遼伍は右のローキック! 組み行く孝徳を首相撲からクリンチボクシング! さらに遼伍は右のカーフキック! 孝徳は足払いでこかされる。首相撲に組みに行くのは遼伍だが、外からダーティボクシングは遼伍!  さらに右ロー。孝徳もカットするが効かされる。さらに左フックは遼伍! 右ローに孝徳は倒されるも立つ。 2R、詰める遼伍はワンツーを外から。遠間から足を触りにいくが切られる。ワンツーから右ローは遼伍! 崩れる孝徳。右のカーフキックに孝徳は立てず倒れるが、遼伍はスタンドを待つ。さらに遼伍は右ロー、右フック! 崩れた落ちた孝徳にタオルは投入されず、レフェリーが試合を止めた。 遼伍「お久しぶりです。去年病気やいろいろなことがあって、支えてくれた周囲のおかげでここまでモチベーション枯らすことなくできました。ありがとうとかそんなチャチな言葉じゃ伝えきれないです。いいことも悪いこともフルコースで味わって、魂のステージがひとつでもふたつでも上にいければ、去年も悪くなかった思います。ONEの日本大会(10月)出たいのでアンディ(ONE日本)社長お願いします。結局、ここ(ハート)なんで」 ▼キッズ修斗 64.1kg契約 3分1R×高本哲至(高本道場)[判定0-3]○野澤エディ(野澤道場) [nextpage] ▼第8試合 48kg契約 5分3R○黒部三奈(47.9kg/マスタージャパン)※元DEEPJEWELSアトム級王者[2R 4分48秒 リアネイキドチョーク]×イ・イェジ(47.9kg/韓国/TEAM J) 修斗の女子王座制定の機運が高まる中、「初代修斗女子王者」の称号を得るべく修斗に電撃参戦する元DEEPJEWELSアトム級王者・黒部三奈。7月15日(月・祝)の18時から開催される修斗・後楽園ホール大会では、韓国のイ・イェジ(TEAM J)と対戦する。 国内外のトップ選手と凌ぎを削ってきた黒部だが、修斗は初参戦。所属するマスタージャパンの弘中邦佳、松本光史など修斗の歴代王者の戦いを目の当たりにしてきた黒部にとって、「修斗の世界王者」には特別な思いがあるのだろう。 対するイェジは柔道、キックボクシング、韓国の打撃あり柔術ゴンコンユスルをバックボーンに持ち、過去に渡辺久江、しなしさとこら日本の強豪と対戦。しなしとの再戦では勝利も収めている。黒部からDEEP JEWELSのベルトを奪った前澤智とも2017年に対戦しており、判定0-2で敗れたが打撃で圧倒する場面もあった。黒部にとっては勝つことはもちろん、勝ち方でも実力を測られる一戦になりそうだ。 1R、ともにオーソドックス構え。黒部の前進を右に回りさばくイェジは左ジャブ、右の関節蹴りも。詰めて首相撲ヒザは両者イーブン。左で差して詰める黒部。シングルレッグへ。 そこにノーアームギロチンチョークはイェジ! 首を外す黒部は再びシングルレッグへ。そこからダブルレッグへ移行して尻下でクラッチしてテイクダウン! 抑え込まれる前に立つイェジ。そこに首相撲ヒザは黒部。突き放してさばいて右ミドルがイェジ! しかし黒部はボディロックからバックに回りテイクダウン! 亀のイェジに背後から黒部はパウンド。 2R、頭を下げて左右で前に出る黒部はボディロックテイクダウン! ギロチンを狙うイェジの対角に回り首を抜くと、背後から腕を取り、コントロール。足を刈り、右手でパウンド。さらにサイドを奪いパウンド。腰を切り足を戻すイェジ。黒部は中腰からパウンド。シングルレッグから立とうとするイェジをがぶる黒部。 パウンドからバックを奪い、アゴ上からリアネイキドチョーク。パームトゥパームにクラッチを変え、イェジの足を伸ばし喉元に腕を入れるがイェジはタップせず。最後は組手を再び頭後ろに変えて絞めると、イェジは白目になり、失神した。 修斗とONEのパートナーシップ契約により、修斗王者がONE参戦権を獲得するなか、黒部はプロモーションを変えて王座を目指し、その先を見据える。 黒部「右腕がパンパンです。私の周りの人はいつも厳しくて褒めてくれないので、試合が終わったら褒めてください。初参戦でプレッシャーあって勝ててホッとしています。女子のベルトを作る噂がちらほら聞こえてくるので、そのベルトを狙います」 ▼第7試合 バンタム級 5分3R×平川智也(60.9kg/同級世界6位/マスタージャパン)[1R 0分35秒 KO]○倉本一真(61.0kg/修斗GYN東京) 1R、サウスポー構えの平川は遠い距離をバックステップで保つ。オーソドックス構えの倉本は近距離からさらに詰めると平川は右ストレート。 そこに倉本は頭を下げて左でヒザを触りながら右フック! まともに食らった平川は後方に倒れた。 倉本「たまたま自分のパンチが当たって。これからもこんなパンチやジャーマンだったり、誰よりも強い倉本一真でやっていくので、応援よろしくお願いします」 ▼第6試合 バンタム級 5分3R○田丸 匠(61.0kg/NASCER DO SOL)[1R 3分39秒 腕十字]×一條貴洋(61.1kg/ブレイブハート) 昨年11月17日後楽園ホール大会の計量前日に脱水症状で搬送され、試合を行うことが出来なかった田丸匠(NASCER DO SOL)が復活の時を迎える。前回は最悪の形でファン、関係者を落胆させる事となったが、今回はきちんと準備期間を設け、1階級上のバンタム級に対応できる身体を作ってきたか。 迎え撃つのは2016年に新人王に輝き、技能賞も獲得した東北の実力者・一條貴洋(ブレイブハート)。上位ランカーとの対戦では肉薄するも納得のいく結果は得られず、昨年3月から戦線離脱。約1年間の充電期間中に欠点を見直し、練習環境を整え今回の再起戦に挑むこととなった。 両者共にリスタートとなるが、状況は異なり、一條としては絶対に負けられない一戦であることは間違いない。今や修斗の黄金の階級となったバンタム級は佐藤将光を頂点に世界ランキングを見渡して見ても、実力もさることながら個性豊かなキャラクターの宝庫。そこに天才田丸匠が加わる事で更なるカオスを巻き起こすのか? それとも一條が田丸を止めるか? 1R、田丸の跳びヒザにシングルレッグは一條。そこにノーアームギロチンは田丸。外す一條をがぶる田丸だが差して押し込む一條。しかしその際で上を取るのは田丸! 左で差す田丸はハーフからパスガード、マウント! ハイマウントにシザースを狙う一條。しかし背中を見せる一條にバック。さらに正対した一條に腕十字! 身体を起こした一條に最後は田丸がうつ伏せで腕十字を極めてタップを奪った。 田丸「勝てたけど、前回オニボウズ戦前に水抜きで倒れ、ご迷惑をおかけしました。ここに戻ってきたのは総合がMMAが好きという気持ちです。今後はまだ何も考えていないです。いいカードがあれば戦いたいです」 ▼第5試合 フェザー級 5分3R○仲山貴志(65.7kg/同級世界6位/総合格闘技津田沼道場)[判定3-0]※29-28×3×稲葉 聡(65.7kg/同級環太平洋10位/秋本道場JungleJunction) 2017年インフィニティリーグ覇者の仲山貴志(総合格闘技津田沼道場)と復帰以来、上位陣と肉薄する戦いを見せる好調のベテラン・稲葉聡(秋本道場JungleJunction)が激突。 仲山は2019年1月、新世代の旗手と言われる青井人(BLOWS)を相手に1R2分16秒、電光石火のリアネイキドチョークを極めて一本勝ち。得意技できっちり仕留めて健在ぶりをアピールしている。 対する稲葉は2018年7月に工藤諒司に判定0-0ドロー、2019年3月にも高橋孝徳に判定1-0ドローと実力者たちと競り合っている。極めパターンに入れば必ず一本を取る仲山相手に稲葉はバックを取られずに打撃戦に持ち込めるか? 稲葉の下克上か、仲山が今回もきっちり首を狩るか? 勝負の鍵は組みの展開にあるか。 1R、ともにオーソドックス構え。右で差して押し込む稲葉。仲山は左で小手に巻いて体を入れ替える。右で差して回して外無双でテイクダウンは仲山! レッグドラッグから背中を見せた稲葉のバックに回る。立つ稲葉に左足をかける仲山。正対する稲葉に払い腰テイクダウンは仲山。クローズドガードの稲葉は足を解き蹴り上げから立つと、すぐに追う仲山は左で差して押し込みホーン。 2R、詰める稲葉にカウンターのダブルレッグから右で差してテイクダウンは仲山。稲葉は蹴り上げからスペースを作り立つと両脇を差して押し込むと低いダブルレッグテイクダウン! 右足を両足で挟む稲葉は腰を殺しにいくが足を抜き片ヒザまで立てる仲山は立つ。右を差して押し込む稲葉だがブレーク。仲山は右ロー、さらに右の跳びヒザから着地前に右のスーパーマンパンチ! 後方に倒れた稲葉は体を入れ替え上を取り返すがホーン。 3R、左右で前に出る稲葉。しかし右一本を差す仲山は押し込む。体を入れ替える稲葉はテイクダウン。互いにリストコントロールからギロチン狙いは仲山。スクランブルから立つとバックテイクからシングルバックへ。腰をずらし立つ稲葉は足を手繰りテイクダウン!ここも立つ仲山。稲葉はダブルレッグテイクダウン。蹴り上げの足をさばきパスする稲葉がヒジを落とすが仲山は下からオーバーフック、スペースが足りない。 判定は3-0でダウン気味の打撃を当て、組みでも負けなかった仲山が勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級 5分3R×青井 人(65.7kg/同級世界7位/BLOWS)[2R 3分22秒 TKO]○内藤太尊(65.6kg/同級世界10位/roots) 青井人が1月に続き後楽園ホールに再登場する。高橋遼伍の持つ環太平洋王座に挑み骨折しながらもフルラウンド戦い抜く根性は見事。その怪我からの復帰戦では仲山貴志を相手に手痛い敗戦を喫したが、ここで3連敗するわけにはいかない。何故なら同大会には田丸匠、石井逸人らニュージェネレーションの2人も試合を行い、階級は違えどフェザー級は青井、と期待する声も多いだけにスッキリとした勝ちが求められるだろう。 とはいえ、対戦相手の内藤太尊(roots)は鋭い打撃と有利なポジションを取りながらもサブミッションを狙いに行くアグレッシブなファイトスタイルで誰と対戦してもスイングするハズレのない試合をいつも見せてくる。しかし、それが勝ち星に結びついていないのも事実で、2018年12月に鈴木淑徳に1R KO勝利も、2019年3月には工藤諒司に判定0-2で敗れている。ランキングも世界ランキング10位とギリギリで踏みとどまっており、今回が背水の陣である事は間違いない。 勝ちにこだわらなくてはならない両者だが、持ち味を出そうとすれば必然的にスイングした試合になるだろう。 1R、ともにオーソドックス構え。右ローから入る青井。内藤も左ローを外からヒット。左右フックで詰める青井は金網詰め四つから小外でテイクダウン! 内藤の立ち際に右を振る青井はすぐにバックへ! 正対際で腕十字を狙う内藤。起きて外す内藤にさらに右で差して払い腰で投げる青井! 再び腕十字へ! 外す内藤もボディロックテイクダウン! 下から潜り外がけサドルロック狙いからヒザ十字は青井。ここも蹴って外す内藤。 青井のギロチンに首抜く内藤。スクランブルの連続の展開ながら際で青井は打撃を入れる。ワンツーの右は青井。しかし内藤も左ミドル! 押し返す青井は右フック!さらにダブルで右フック! 内藤は胴廻し回転蹴りで応戦ゴング。 2R、左から右フックを振る青井。近づく青井はヒザ十字からヒールフック! 潰す内藤は背後からパウンド! 右の相打ち! ヒザが落ちたのは青井。 しかし亀から立つ青井はアームロックも引き込み気味に。潰す内藤が上に! ハーフから右腕を踏みつけてパウンド。ハーフになる青井だが背中をつける。 ヒップアタックも内藤は足をさばきマウント&パウンド! レフェリーが間に入った。目まぐるしく攻守が入れ替わる激闘は、スタミナ勝る内藤が相打ちの右からラッシュ。しっかりポジションを奪い打撃でフィニッシュした。 ▼第3試合 バンタム級 5分3R×加藤ケンジ(61.0kg/K.O.SHOOTO GYM)[判定0-3] ※28-29,28-30,27-30○小野島恒太(61.1kg/Combat Workout Diamonds) 6月8日新宿FACE大会で約2年振りの試合で金物屋の秀を相手に判定勝利し、リング上から参戦を直訴した小野島恒太(CombatWorkoutDiamonds)の連続出場が決まり、浜松のハードパンチャー・加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM)との対戦が決定。加藤は前戦まで5連勝も2019年5月の魚井フルスイング戦で2R KO負け。今回が再起戦となる。 1R、ともにサウスポー構え。ダブルレッグから金網に押し込みテイクダウンは小野島。加藤は金網背に立とうとするが、小野島は足の下に足を入れて接地面を無くし立たせない小野島。腰を引き立つ加藤は四つから右ヒザを突く。ブレーク。小野島の右の額が内出血で膨れている。ワンツー打ち下ろしの右ローは加藤。小野島は右を振るがそこにカウンターのヒザを合わせる加藤! 2R、ドクターチェック後、左右を振ってすぐに組んでボディロックテイクダウンは小野島。しかし立つ加藤は突き放す。左ハイを狙う加藤。しかし待ちの状態。そこに小野島は詰めていく。ブレーク。距離を詰める小野島。右のオーバーハンドで飛び込み金網詰める小野島は左を差すと離れ際に右ヒジ! バックを狙いながらボディロックテイクダウン! 立つ加藤は金網背に。右で差して左は足を抱えてテイクダウンを狙う。さらに片ヒザを着いて尻下でクラッチを組むと、リフトしテイクダウン! しかし加藤は立つ。右ミドル、右ローは加藤。 3R、サウスポー構えを見せる加藤はオーソに。左から右を見せるがかわす小野島。右ヒジで飛び込む加藤をかわして詰めてダブルレッグで押し込む小野島。シングルレッグに移行し、右でパンチを突きながらさらに押し込む。 ブレーク。小野島は左インロー。加藤は左ミドル。ジャブ。小野島も左で飛び込むがかわす加藤は左ヒザ! 小野島もその打ち終わりに右フックをかぶせると左ハイから左ロー。加藤は跳びヒザもかわした小野島が左。右を振って押し込む小野島はスタンドでバックテイク。投げにすぐに立つ加藤だが、小野島は再度投げて手を着かせる。立つ加藤だがボディロックされたまま。 判定3-0で小野島が額の内出血の厳しい状況を凌ぎ、勝利。 ▼第2試合 ライト級 5分3R○AB(70.2kg/同級世界7位/和術慧舟會駿河道場)[1R 4分25秒 腕十字]×泉 彰洋(69.9kg/BLOWS) 2015年11月の対戦でABに三角絞めで負けて以来勝ち星に恵まれていなかった泉だか、今回の再戦で過去の悪夢を払拭できるか? それともABが得意の三角絞めで再び返討ちにするのか? 連敗脱出を賭けた両者の戦い。 1R、早々にボディロックから小外でテイクダウン、バック奪うAB。マウンからリアネイキドチョークを狙うが凌ぐ泉。 正対する泉にABはマウントから脇を開けさて腕十字へ。三角絞めにも移行できるように足を回しながら、最後は両足をかけて腕十字を極めた。 ▼第1試合 バンタム級 5分2R○石井逸人(61.1kg/TRIBE TOKYO M.M.A.)[判定3-0]※20-18×2,20-17×ガッツ天斗(61.0kg/パラエストラ綾瀬)2018年度同級新人王&技能賞 1R、ともにオーソドックス構え。右ローから入る石井。どっしり構えるガッツはカウンター狙い。石井は右ハイをガードの上から打ち、右ロー! しかしガッツも右ローを返す。石井の右ミドルはキャッチするガッツも足を抜く石井。ガッツも右ローが当たり始める。 しかし石井は右ストレートをヒット! 組みに行く石井だが体を入れ替えるガッツは左を差すが石井は小手に巻いて大外刈! ガッツもすぐに立ち上がる。石井は右ロー。金網際で払い腰テイクダウン! そのままマウントを奪いヒジを放つと、ガッツもケージを蹴って反転させる。 2R、最終ラウンド。右ロー当てるガッツ。石井は右のオーバーハンド。ガッツは右ロー。金網に詰まりながら石井は左ミドルを返す。左ボディストレートを当てるが遠い。ダブルレッグをドライブしてテイクダウンは石井! すぐにハーフガードから腰を切りパスガード狙い。脇を差し抑え込む石井に金網を切り左で脇差し立とうとするガッツは亀に。がぶりからチョークを狙う石井だが頭を抜くガッチ。 すぐに追う石井は金網際で再び払い腰テイクダウン。パウンド入れながらマウントへ! ケージを蹴って亀の体勢まで持っていくガッツに石井は腕十字狙い。 2018年9月の清水清隆戦のTKO負け以来、10カ月ぶりの試合をバンタム級に転向し、TRIBE TOKYO M.M.A.に移籍して臨んだ石井が、判定勝利した。 ▼オープニングファイト 第2試合 ライト級 5分2R×鈴木淑徳(70.2kg/オフィス淑徳軍)[1R 4分30秒 TKO] ※カット○SASUKE(69.8kg/マスタージャパン) ▼オープニングファイト 第1試合 ストロー級 5分2R×新井 丈(52.2kg/キングダム立川コロッセオ)[2R 1分52秒 リアネイキドチョーク]○内田タケル(52.0kg/パラエストラ松戸)
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