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【K-1】大和哲也が熱闘制して防衛、与座優貴・菅原美優が王座奪取、京太郎が石井慧に完勝、和島大海・軍司泰斗・金子晃大・KANAが防衛に成功、玖村将史がダウンを奪い鈴木真彦を撃破、vs.RISE対抗戦はK-1の2勝1敗

2023/03/12 14:03
K-1 WORLD GP 2023 ~K’FESTA.6~2023年3月12日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館 ▼第21試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇大和哲也(大和ジム/王者)判定3-0 ※29-28×2、30-27×林 健太(FLY SKY GYM/挑戦者)※大和が2度目の防衛に成功。  大和は2005年7月プロデビューの35歳。キックボクシングでNJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2017年4月から新生K-1に参戦。トップクラスには苦戦が続いたが、2022年4月に山崎秀晃を初回KOして第6代王座に就くと、9月には佐々木大蔵を判定に破り初防衛に成功した。戦績は44勝(32KO)20敗1分。  林はK-1参戦経験のある父を持ち、2013年8月からK-1 JAPAN GROUPに出場。強打を武器に2018年12月のK-1ライト級世界最強決定トーナメントで優勝すると、2019年3月には卜部功也に大番狂わせの勝利で第3代K-1ライト級王座に就いた。2020年12月の初防衛戦で王座を失うとスーパー・ライト級に転向し、佐々木大蔵と鈴木勇人には敗れるもヴィトー・トファネリ、不可思、小嶋瑠久に勝利。そして前戦で不可思との再戦を制し、今回の挑戦に漕ぎつけた。逆転KOが多い激闘派だ。戦績は22勝(14KO)9敗2分。  1R、前に出ていくのは林でワンツーを伸ばしていく。大和はロープを背負うも左ボディ。林はフック&アッパーのコンビネーションを繰り出し、大和はロープを背負いながら左ミドルを蹴る。大和は左ミドルを蹴りつつ、右アッパー、左右フックで迎え撃つ。細かく手を出す林へ右クロスを叩き込んでダウンを奪う。前へ出る大和がジャブ、右ストレート。林がワンツーで押し返していき、大和が左フックと右ストレートを狙っていく。  2R、大和の左フックに右フックを打ち返す林。このラウンドも林が前へ出て行きジャブ、右ストレート、左ボディ。大和も右アッパーで応戦して左フックを打つ。大和は左ミドル、左ハイも。林は左ボディを狙い撃ちにし、ヒザも入れる。右ストレートから左ボディ、手数を出していく打ち合いを続ける両者。林はヒザも突き刺す。大和の手数が徐々に減ってきた。  3R、林のヒザに右フックを合わせる大和。続く左フックは相打ち。両者アッパーを突き上げ、フックを至近距離で打ち合う。ヒザと右ローを混ぜるのは林。大和の右クロスが再びヒットも、林は下がらず打ち返す。超接近戦でフックとアッパーを交換する両者。残り10秒、大和が林をロープ際まで追い詰めて終了。至近距離での圧倒的な手数でド突き合った両者、判定はダウンを奪った大和の勝利となった。  大和はマイクを持つと「30周年大会盛り上がりましたでしょうか。夢がかなうと言いましたがひとつ言い忘れたことがありました。夢は叶うんですが、一人では叶わないんですよ。いろいろな人の支えがなければ叶いません。最後に一個、夢を叶えたいと思います。皆さん、指を一本立てて上にあげてください、格闘技サイコー! K-1サイコー! K-1サイコー!」とファンと共に叫んだ。 [nextpage] ▼第20試合 K-1 WORLD GPライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R×朝久泰央(朝久道場/王者)判定0-3 ※29-30×3〇与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)※与座が第6代王座に就く。朝久は初防衛に失敗。  朝久は福岡在住で、兄・朝久裕貴と共に兄弟で活躍するファイター。現Krush王者のレオナ・ペタスには2敗を喫しているが、大沢文也、大岩龍矢、安保璃紅、山本直樹らを撃破し、2020年3月には当時のK-1ライト級王者・林健太から番狂わせの勝利を奪った。これを機にスーパー・フェザー級からライト級に転向。9月には弘輝をハイキックで粉砕、12月には蓮實光もヒザ蹴りでKOした。2021年は7月にゴンナパーを延長Rで破り、第5代K-1ライト級王座に就いている。2022年2月、王者としての第一戦で与座に敗れ、怪我で長期欠場に。無尽蔵のスタミナから繰り出す攻撃と変幻自在のファイトスタイルで現在7連勝中。戦績は18勝(4KO)8敗。  与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。その後は久保政哉、喜入衆に連勝したが、2021年3月の『KNOCK OUT』で宮越慶二郎に判定2-1で惜敗。12月にKrush初参戦を果たし、蓮實光を左ハイキックで豪快KO。2022年2月の第2戦でいきなり朝久泰央と対戦すると、延長戦で勝利する番狂わせを起こした。8月には篠原悠人をKO、12月にはエークピカートに判定勝ちと負けなしの快進撃。戦績は13勝(6KO)2敗。  1R、朝久の右ローからスタート。与座は左ミドルと左インローを蹴る。朝久は右へ回り込みながら右ローを徹底的に蹴っていく。与座も右ローを蹴り、パンチも出し始める。  2Rも朝久は右ロー狙い。与座も左の三日月を突き刺す。与座の右カーフに朝久は左ローを蹴り返す。与座が左ローから左三日月、さらに右ロー。朝久は右ローを蹴り続けるが、与座のローに朝久のバランスが悪くなり始める。ローキック合戦から朝久がパンチを繰り出すと与座はさらなる回転速いのパンチを繰り出していく。  3R、与座が左ボディから左ロー、朝久はパンチで前へ出ようとするが与座の右ロー、左フックをもらう。与座が右ローの連打で前へ出ると朝久は左右フック。与座はローを蹴ってのパンチ、朝久もパンチで対抗する。与座の強烈なローの音が響き、両者の意地と意地のぶつかり合いのようなローキック合戦。  判定は3-0で与座が新王座に就いた。朝久は与座とハグすることなくリングを降りていった。魔裟斗は「与座は強い。まだまだ底が見えてない。どこまで行くのか楽しみです」と評した。  ベルトを巻いて男泣きする与座は「今日までいいろいろあってたくさん遠回りしてきて格闘技を辞めようかなと思った時もあったんですけれど、格闘技を続けてきてよかったなと思います。今日の動きではデカいことは言えないですが、今日王者になったのでこのベルトにふさわしい王者になって実力でK-1を引っ張っていける選手になっていきます」とエース宣言。そして、K-1王者を目指して格闘技に復帰するという弟にエールを送った。 [nextpage] ▼第19試合 K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇和島大海(月心会チーム侍/王者)TKO 延長R 0分25秒 ※セコンドからのタオル投入×ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム/挑戦者)※和島が初防衛に成功。本戦の判定は29-28、29-29×2。  和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントでは準優勝。その後3連続KO勝ちを飾ると、2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、9月は前評判の高かったメレティス・カコウバヴァスを1RでTKO。戦績は18勝(15KO)4敗。  ジョムトーンはラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座を14歳で獲得すると、フェザー級、スーパー・フェザー級、ウェルター級の4階級制覇を達成。WBCムエタイでも世界フェザー級、世界スーパー・フェザー級、世界スーパー・ライト級と3階級を制覇。WMCでも世界フェザー級王座を獲得している超一流選手。  日本では2004年11月に新日本キックの2階級制覇王者・菊地剛介にK-1ルールで判定勝ち、2011年10月に大和哲也にムエタイルールで判定勝ち、2019年8月には日菜太からダウンを奪っての判定勝ちを収めている。また、増田博正やT-98、アトム山田にも勝利。2022年9月にK-1初参戦を果たすと、アビラル・ヒマラヤン・チーターに初回KOち、12月には森田奈男樹にも2RでKO勝ち。戦績は208勝(48KO)42敗4分。  1R、サウスポー同士。ジョムトーンが左ローを蹴ると和島もすぐに蹴り返すが、さらにジョムトーンが蹴り返す。和島が前に出ると下がり、距離を保つジョムトーン。和島のパンチはかわし、伸びるワンツーを繰り出す。和島はジョムトーンのパンチに左ハイを合わせたが、これは肩口で止まった。ゴング直前の打ち合いで、ジョムトーンの左フックで和島がダウンしかける。  2Rもローの蹴り合い。和島の左ローでジョムトーンが横にずれた。しかし、ジョムトーンが左ボディをめり込ませる。見合いが続いたが、和島の左ローにジョムトーンの軸がブレる。ジョムトーンも左ストレートで前に出て行き和島を後退させる。和島も左に左を合わせに行った。  3R、パンチで前に出るジョムトーン。和島はジャブと左ロー。和島の左ローがヒットするが、ジョムトーンもワンツーを伸ばす。和島が左ローの3連打、さらにジャブ。ジョムトーンの左ストレートはかわす。和島の左ローが確実にダメージを与えていき、ジョムトーンは苦しそうだ。  判定はドロー、延長戦へ。和島はいきなり左ロー。さらなる左ローで棒立ちになるジョムトーン。ここでスタンディングダウンのカウントが数えられるが、ジョムトーンのセコンドからタオルが投入され、和島のTKO勝ちとなった。ジョムトーンは立ち上がることが出来ず、担架で運ばれた。  和島はマイクを持つと「ジョムトーン選手めっちゃ強かったです。どうですか、このベルト似合うようになってきましたか? 拍手ちっちゃくないですか(笑)。ちょっと嫌なんですけれど強い選手とやっていかないといけないんです。そこで皆さんにお願いがあるんですが、強い選手とやっていくには影響力が大事で、K-1さんにもSNS頑張れと言われています。強い選手とかもっといい試合とか見せていくので、Twitterとインスタのフォローをよろしくお願いしMAX!」とほのぼのとアピールした。 [nextpage] ▼第18試合 スーパーファイト -69kg契約 3分3R延長1R〇野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPウェルター級王者)KO 1R 2分00秒 ※右ストレート×ジャバル・アスケロフ(ロシア)  野杁は2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者に。  翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して2階級制覇。2021年のMVPを獲得した。2022年6月の『THE MATCH』で海人との国内頂上決戦に敗れ、怪我のため今回が約9カ月ぶりの再起戦となる。戦績は47勝(23KO)11敗。  アスケロフはキックボクシングファンにはお馴染みの強豪選手で、110勝(55KO)36敗2分の戦績を持つ37歳。Alpha Fight Series世界-70kg王座、Russian Challenge世界-71kg王座など合計8つのタイトル獲得歴がある。強力な左右フックとローキックが武器。  2009年4月に初来日を果たし、K-1 WORLD MAX世界トーナメントに出場。1回戦でジョルジオ・ペトロシアンに敗れたが、同年7月には日菜太に勝利している。GLORY、ONE Championship、武林風、YOKKOなど世界各国のメジャー団体を渡り歩き、アンディ・サワーや佐藤嘉洋に勝利した他、ブアカーオ、マイク・ザンビディス、シッティチャイ、チンギス・アラゾフなど70kg級の強豪たちと拳を交わしてきた。2022年はオーストラリアでジョナサン・アイウルから勝利を収めている。  1R、野杁はいつものようにガードを固めたまま前に出て、ローを蹴って左ボディ。攻撃やフェイントを散らしていく。ロープを背負ったアスケロフと至近距離で打ち合いになると、野杁がショートの左フックでアゴを捉えてダウンを奪う。  立ち上がったアスケロフに真っ直ぐな右ストレートを打ち抜くと、アスケロフは突然糸の切られたマリオネットのようにその場で崩れ落ちた。  衝撃的なKO勝ちを飾った野杁は「6月のTHE MATCHでたくさんのファンに期待していただいたんですが期待を裏切ってしまって申し訳ございませんでした。今回69kgという階級で初めての挑戦だったんですが、どうですか? この階級で僕、強くなっていますよね? これから先、世界に喧嘩を売って強豪選手と対戦して、改めて野杁が世界最強と言われるように証明し続けるので改めてよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第17試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇ジョーダン・ピケオー(オランダ/Krushスーパー・ウェルター級王者)KO 3R 0分06秒×アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場/第4代HEATキックミドル級王者)  ピケオーは2015年5月に初来日し、佐藤嘉洋をKOして注目を集めた。同年7月の『K-1 WORLD GP -70kg初代王座決定トーナメント』では決勝でマラット・グレゴリアンに敗れるも、1回戦と準決勝はKO勝ちして準優勝。その後は日菜太、木村“フィリップ”ミノル、野杁正明といった国内強豪たちを軒並み撃破し、日本人相手に無敗を誇っていたが2020年3月に久保優太に判定負け。2016年4月に奪取したKrushスーパー・ウェルター級王座は5度の防衛に成功している。戦績は47勝(21KO)8敗1分。  アビラルは2016年1月に来日。2020年1月にHEATキックルールミドル級王座を獲得し、9月には初防衛にも成功している。12月のK-1両国大会で初参戦を果たすと、1Rに木村“フィリップ”ミノルから打ち下ろしの右でダウンを奪い、2Rに逆転TKO負けを喫したものの大きなインパクトを残した。その後は連続初回KO勝ちで波に乗っていたが、2021年7月のK-1では和島大海のローキックで3RにKO負け。10月にHEATでTKO勝ちして再起、2022年2月にはK-1で松下大紀に初回KO勝ち。5月にはHEATでムエタイのラーシーシンに初回KO勝ちしたが、9月にジョムトーンに初回KO負け。戦績は14勝(13KO)4敗。  1R、ピケオーは長く鋭いジャブから右ストレートを伸ばす。ピケオーの圧力にロープを背負う場面が多いアビラルだが、右カーフをコツコツと蹴り、左フックを狙う。アビラルがヒザを突き上げるとピケオーもお返しのヒザ。アビラルは至近距離で左ハイを放つ。  2R、前に出てくるピケオーにジャブと左フックのテンカオ。ピケオーも豪快は右ハイを蹴る。前に出るピケオーにアビラルの左フック、右アッパー、右ストレートがヒットする。ピケオーは下がらず打ち返していくが、アビラルのパンチをまともにもらってしまう。ピケオーが左から右フック、ピケオーはガードが低く、アビラルの左フックをもらう。しかし、ピケオーが逆襲して左右フックでアビラルにコーナーを背負わせると左フックから右ストレート、左ボディからの右ストレートを打ち抜いてダウンを奪った。  3Rが始まってすぐ、左フックのダブルでピケオーが豪快なダウンを奪う。アビラルは失神したか動けず、ピケオーのKO勝ちとなった。  ピケオーはマイクを持つと「3年間ずっと長かったです。皆さんに会いたかったです。厳しい試合になることは分かっていましたが勝つことができました。ピケオーが帰ってきました」と高らかに宣言した。 [nextpage] ▼第16試合 K-1スーパー・ヘビー級 3分3R延長1R〇京太郎(チーム未完/第2代K-1ヘビー級王者)判定3-0 ※30-27×2、30-29×石井 慧(クロアチア/チーム・クロコップ/第3代IGFヘビー級王者)  京太郎は2006年5月にJ-NETWORKでキックボクサーとしてプロデビュー。2008年4月にK-1初出場、6月にはK-1 JAPAN GPで準優勝。2009年3月、第2代K-1ヘビー級王者決定トーナメントでメルヴィン・マヌーフ、グーカン・サキを破り日本人初のK-1ヘビー級王座に就くと、2010年4月の初防衛戦ではピーター・アーツをKOした。K-1活動休止後はボクシングに転向し、2013年7月に56年ぶりに復活した日本ヘビー級王座に就いたほか、日本人初のWBC世界ヘビー級ランキング入り、2017年1月にはOPBF東洋太平洋ヘビー級王座を獲得。同年5月にはWBOアジア太平洋ヘビー級王座も獲得した。  2020年11月にK-1への復帰を発表し、2021年3月に実方宏介をKO。しかし、復帰2戦目となった9月大会ではシナ・カリミアンに惜敗。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」では準決勝でムハマード・サッタリに判定で敗れた。戦績は19勝(10KO)6敗。  石井は北京オリンピック柔道男子100kg超級金メダリストで、MMA戦績26勝13敗1分。第5代HEAT総合ルールヘビー級王者。2021年9月のK-1に電撃参戦すると、初のK-1ルールで愛鷹亮と延長戦にもつれ込む接戦の末に判定勝ち。12月大会にも参戦してRUIから判定勝ちを収め、2022年4月は「K-1無差別級トーナメント」に臨んで1回戦で実方宏介をKOするも負傷でトーナメントを棄権した。その後、クロアチアでMMA1勝、日本ではボクシングで1勝1敗。  1R、サウスポーの石井は左ローを蹴り、右へ回り込んでいく。京太郎が近付くと左ミドル。京太郎の右ストレートをブロックして左ロー。京太郎のワンツーで石井の身体が一瞬沈み、京太郎は一気に攻めていく。ガードを固めて耐える石井は左ローも返す。京太郎の右が石井のガードの隙間を縫うようにヒット。ゴングが鳴ると、石井はロープを両手でつかんだ。  2R、京太郎のパンチを両腕ブロックして耐える石井。右フックを繰り出しても京太郎はステップでかわしていく。京太郎は右ミドル、右フック、そしてガードの上からでも連打を決めてブロックする石井を下がらせる。京太郎のパンチにローを合わせる石井だが、フックは空を切る。前に出続ける京太郎はジャブでブロックを前に向けさせての左フック。石井も左をカウンターで繰り出すが京太郎がかわす。  3R、右へ回り込みながらなおも左ローを蹴っていく石井。京太郎の前進に合わせてのテンカオも突き刺す。左右ボディを叩く京太郎には左ミドル。京太郎の3連打、4連打をブロックしつつ、バックハンドブローや左フックを繰り出す石井だが空を切る。京太郎も疲れを感じさせる動きになり、石井は最後まで攻め込む姿勢を貫いた。  判定は3-0で京太郎が勝利。2人は抱き合って健闘を称え合った。京太郎にはかつて拳を交えたピーター・アーツがプレゼンターとしてトロフィーを渡した。 [nextpage] ▼第15試合 K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/総本部)判定2-0 ※30-30、30-29×2×ヴュー・ペッコウーソン(タイ/挑戦者)※軍司が初防衛に成功。  軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2021年12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦し、延長戦の末に判定勝ちで第5代王座に就いた。2022年2月には武尊とエキシビションマッチで拳を交え、続く3月には斗麗を延長戦の末に退けた。そして8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では優勝。12月にはワン・ジュングァンを判定で破り、2022年を5戦全勝で終えて『K-1 AWARDS 2022』ではMVPを獲得した。戦績は21勝(6KO)5敗1分。  挑戦者のヴューは初来日。23歳で64勝(11KO)10敗1分の戦績を持ち、BBTVフェザー級王座、オムノーイスタジアム認定スーパー・フライ級王座、タイ国プロムエタイ協会バンタム級王座を獲得。2017年からムエタイの2大殿堂のひとつであるルンピニースタジアムに上がり、2020年からはテレビマッチ=7チャンネル(BBTV)でも戦っている。タイでは今大会で-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者・金子晃大に挑戦するコンペットと並ぶ天才と称され、コンペットの直接対決では3勝1敗と勝ち越し。現代ムエタイ軽量級の最高峰に位置している。  1R、じりじりと前へ出る軍司はヴューに蹴られても構わず前へ出てコーナーやロープを背負わせる。コーナーでは軍司が左右ボディの連打。右の三日月も蹴る。ヴューはジャブを突き、右ボディストレート。  2Rも前に出て詰めていく軍司に右ローを蹴るヴュー。前に出る軍司へ左右フックを打つヴューだが軍司は圧力を弱めない。ヴューもジャブを突いて前蹴り。軍司は左ロー、右ボディからの左ボディ。  3Rも軍司は前へ出て詰めていき、左ボディを入れる。ヴューはジャブと蹴りを迎え撃つ。軍司はヴューにロープに背負わせてボディから顔面へ連打をまとめる。ヴューも打ち返すが、軍司がしっかりヒットを奪っていく。終盤、軍司の左フックが強くヒットし、一気に仕留めにいったがヴューにエスケープされた。  判定2-0で勝利した軍司は「今日はKOして圧倒的に強いフェザー級王者を見せたかったんですが、それが出来なかったので凄く悔しいです。僕は今年の目標がフェザー級の世界最強を目指しているので、K-1だけじゃなく他団体の選手でも強い選手がいっぱいいると思うのでやりましょう」と、他団体の選手とも戦って最強を証明していきたいとアピール。  解説の魔裟斗は「安本強い選手でしたからね。見たいです。海外勢より安本の方が手ごわいかもしれないですね」と、斗麗に勝利した安本晴翔の名をあげた。 [nextpage] ▼第14試合 K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者)判定2-0 ※30-30、30-28、30-29×コンペット・シットサラワットスア(タイ/Sitsarawatser Gym/挑戦者)※金子が初防衛に成功。  金子は第2回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-55kgで優勝し、2006年9月にKrushでプロデビュー。無敗のまま6戦目で軍司泰斗を破りKrushバンタム級王座を奪取、第3代王座に就いた。卓越したテクニックと攻撃力で9連勝を飾っていたが、2020年3月に玖村将史に判定で敗れ初黒星。  2021年3月に1年ぶりの復帰を果たすと連続KO勝利を収め、2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝してK-1王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』ではRISE王者・鈴木真彦に判定負けを喫したが、9月にジョーダン・スウィントンをわずか40秒でKOして再起。12月にはキリルアンもKO。戦績は16勝(10KO)2敗。  コンペットはルンピニースタジアム認定フライ級&バンタム級の2階級制覇、元タイ国プロムエタイ協会ライトフライ級王者、BBTV(7チャンネル)フライ級・ライトフライ級・フェザー級の3階級を制覇したムエタイ6冠王。ここ数年はフェザー級トップ選手として君臨し、上の階級の選手とばかり試合を組まれたことも。“フィームー”と呼ばれる離れて戦うテクニシャンタイプであるが、激闘の多さで有名な7チャンネルで戦ってきた、打ち合いも出来る万能型である。2022年9月のK-1には面一を果たすと、玖村将史を判定2-1で破って見せた。戦績は81勝(12KO)17敗3分。  1R、ローの蹴り合い。コンペットが蹴ってくると必ず攻撃を返す金子。コンペットの右ローに金子は右カーフを狙い撃ち。ローの蹴り合いが続く。金子は左ミドルも。両者手数が少ないながらも緊張感のある展開。  2R、じりじりと前に出る金子が右カーフ、右ローを蹴っていく。コンペットは右ミドルを2発。金子がワンツーで入るとコンペットはかわしての右ストレート。コンペットは右ロー連打から右ストレートと攻撃をまとめ、右のパンチを多用し始める。しかし、足が流れており金子の右カーフが効いていそうだ。  3R、前に出る金子がジャブ、右ボディからの左フックをヒットさせる。コンペットは右ローを蹴り、右のショートで対抗。またも金子のスイングの大きい右フックがコンペットの顔面を捉える。ジャブを当てていく金子にコンペットは右ロー、そこへ金子が左ボディ、さらに右ストレートとヒットを奪っていく。  判定は3-0で金子が勝利。コンペットに完封と言っていい内容で初防衛を果たした。金子はマイクを持つと「タイからわざわざコンペット選手ありがとうございました。コンペット選手が初めて来た時だったら勝てなかったですけれど、今回やるとなってトレーナーの皆さんやジムの仲間の協力のおかげで勝てたから良かったと思うんですけれど、勝つ姿を見せたくてやってきたんですが、まだまだなというのが分かりました。僕に勝った鈴木選手に玖村選手が勝ったので僕がしっかり防衛してもっと強くなったところを見せたいと思います」と、玖村の挑戦を受けて防衛すると宣言した。 [nextpage] ▼第13試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/第6代Krushスーパー・バンタム級王者)判定3-0 ※30-28×3×鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級王者)※対抗戦は2勝1敗でK-1チームが勝利。  玖村は2018年1月にKrushデビューを飾り、同年に行われた「第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメント」で優勝して王座に就いた。2019年6月には「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」に参戦するも決勝で武居由樹に敗れる。2020年3月には無敗の金子晃大と注目の大一番を戦い、勝利を収めた。9月の2度目の防衛戦では軍司泰斗を退け、今年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では決勝で金子に敗れて王座戴冠ならず。6月の『THE MATCH 2022』では那須川天心のライバル・志朗から右フックでダウンを奪い勝利を収めたが、9月にコンペットに判定負け。12月にはKO勝ちで再起を飾っている。戦績は21勝(11KO)5敗。  鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てたが、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の決勝で志朗にダウンを奪われて連勝がストップ。その後、那須川天心との再戦で敗れるが、江幡塁を初回KO、拳剛も初回KO、2022年4月には江幡睦にダウンを奪って判定勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではK-1スーパー・バンタム級王者の金子晃大に判定勝ち、8月には植山征紀に判定勝ちと5連勝を飾ったが、12月に志朗との再戦に敗れて連勝ストップ。戦績は34勝(19KO)6敗。  1R、ローの蹴り合いから、鈴木はスーパーマンパンチのように右を繰り出す。積極的に右ローとパンチを出す鈴木に、玖村は一発当てては離れる、鈴木の攻撃をしっかりよけると相手をよく見た戦い方。鈴木は右ローの空振りが目立つ。玖村がジャブで鈴木のアゴを跳ね上がらせ、鈴木は前に出て打ちに行くが玖村はバックステップでかわす。  2R、鈴木はジャブにカウンターのジャブを浴びて尻もちをつき、ダウンを喫する。すかさず逆転を狙って強引にパンチで攻めていく鈴木。玖村も迎え撃つが、しっかりジャブを突いてカウンターを奪う。右ストレートを打つがジャブをもらい続ける鈴木。逆転狙いの大きなパンチは空を切る。玖村は鈴木の右ストレートには右を合わせにいく。ローを空振りして玖村のパンチをもらう鈴木だが、強引に前へ出て攻め込んで行く。  3R、逆転を狙う鈴木が左右フック、右ストレートで前に出る。そこへカウンターを合わせにいく玖村。玖村はジャブをしっかり当て、鈴木はタイミングのいいジャブに仰け反る。攻撃の手を緩めない鈴木だが、玖村はしっかりガードを固め、ジャブでカウンターをとっていった。  判定は3-0でダウンをとった玖村が勝利した。大歓声を受けて玖村はマイクを持つと「対抗戦という素晴らしいマッチメイクをしてくださった関係者の皆さん、ありがとうございました。RISE王者なのにK-1のリングに来てくださった鈴木選手に感謝しています。55kg、他団体ツートップに勝ったのでK-1で55kg一番強いってことでいいですよね。今日も勝ち越したと思いますが、みんなでK-1の強さを見せつけたいと思います。KI-1が最強なのでこれからもそれを証明していきます」と高らかに宣言。  リングを降りると、応援していたゆうちゃみが駆け寄り玖村の頭をなでる。その後は笑顔でツーショットに収まった。 [nextpage] ▼第12試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R×斗麗(WIZARDキックボクシングジム)判定0-3 ※28-29、29-30×2〇安本晴翔(橋本道場/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)  斗麗はオランダの名門Mike's Gymでも練習を重ね、2018年12月に16歳の若さでプロデビュー。2021年2月に6戦無敗でKrushフェザー級王者・新美貴士に挑んだが、判定で初黒星を喫した。今年8月の「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で第4代K-1フェザー級王者・椿原龍矢を判定で破り、準決勝ではワン・ジュングァンにも判定勝利して決勝へ進出したが、軍司泰斗にKOで敗れ準優勝に終わっている。12月の再起戦では玖村修平を破った。戦績は12勝(4KO)3敗。  安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座、2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月にKNOCK OUT-REDフェザー級王座、2021年9月にWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。2022年7月からRISEに参戦し、10月に山川賢誠を初回KO。しかし12月のSBとの対抗戦では川上叶に延長戦で敗れた。戦績は26勝(15KO)2敗2分1無効試合。  1R、安本が左右のローとハイを蹴って上下に攻撃を散らす。斗麗は前蹴り、安本の蹴りには右ストレートを合わせる。安本の左ボディからの右ローが強烈に決まる。安本が左右のラッシュで斗麗をコーナーへ追い詰めるが、いったん離れる。斗麗が前に出てくると右ミドル。斗麗も負けじと左フックからの右ストレートで安本を脅かす。  2R、安本は右ボディストレート、ワンツー、右ローとスピードのある攻撃を繰り出していく。安本が左右フックで攻めると斗麗も左フック。安本は右の三日月。この試合も安本のペース・距離で進んだ。  3R、安本が強打で襲い掛かり、斗麗はスリップ。左フック、左ボディ、さらに右フックで安本の猛攻に斗麗はガードを固める。斗麗はストレート、勝負をかけるスイングの大きい左フックで攻める。これに安本も左フック、ヒザで応戦する。斗麗の右フックがヒットするが、安本がワンツーのお返し。斗麗が前に出て意地を見せた。  判定は3-0で安本が勝利。2人は笑顔で言葉を交わし、抱き合って互いを称え合った。 [nextpage] ▼第11試合 K-1ウェルター級 3分3R延長1R〇寧仁太・アリ(K-1ジム総本部チームペガサス/Krushウェルター級王者)判定3-0 ※30-28×2×實方拓海(TSK japan/WMC日本スーパーライト級王者) 「K-1vs.RISE対抗戦」の幕がこの試合で開く。  1R、サウスポーの實方に寧仁太は右ミドル、右ロー。さらにワンツーを伸ばす。寧仁太が攻め込んだところへ實方が右フックをヒット。下がる寧仁太だがすぐに体勢を立て直す。両者長い距離での攻撃を出し合ったが、ヒットはなかった。  2R、實方の左ストレートに下がった寧仁太だが、すぐに右ストレートで前へ出て實方を下がらせる。實方は右カーフ、寧仁太はジャブを突く。両者とも距離が遠いせいか、なかなかヒットを奪えない。實方が左ストレートから左前蹴り、前に出て攻勢の實方だったが、ラウンド終了間際に寧仁太が實方のジャブに左フックを合わせてダウンを奪う。  3R、實方はサウスポーの定石である右回りからの左ストレート、右カーフ。寧仁太はジャンプしての蹴りから飛びヒザと派手な動きを見せる。いきなり飛びヒザを放って實方をヒヤッとさせる寧仁太。實方は左ストレートでの逆転を狙って前へ出るが、寧仁太はヒザ、右のボディストレート。オーソドックスに構える實方はサウスポーに戻ると寧仁太が顔面へヒザを突き上げる。寧仁太のワンツーに實方は左ストレートを返すがこれもヒットせず。  判定は3-0でダウンを奪った寧仁太がまずはK-1に勝利をもたらした。 [nextpage] ▼第10試合 K-1クルーザー級 3分3R延長1R×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 2R 2分50秒 ※右フック〇ステファン・ラテスク(ルーマニア) 谷川は第1回&第3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝の実績を持ち、極真会館にも挑戦して2016年第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級4位、2016年第48回全日本空手道選手権大会7位入賞の成績を収めた。2017年5月にキックボクシングでプロデビューし、2020年3月よりK-1 JAPAN GROUPに参戦。2021年7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」でも決勝進出を果たしたがサッタリにKOで敗れた。8月にはK-Jeeとのクルーザー級日本最強決定戦で勝利。戦績は10勝(4KO)6敗1分。  ラテスクはジュニア時代にISKA世界クルーザー級王座に就き、プロではまだ無冠だが12勝(6KO)2敗の戦績を誇る。2022年12月に初来日を果たすと、マハムード・サッタリを強烈な左フックでKOして初黒星を付け、大きなインパクトを残した。その端正なルックスと将来性を感じさせる戦いぶりから、現地では“GOLDEN BOY”と呼ばれているという。身長187cmでオーソドックス。20歳。  1R、谷川は右ローを蹴っていくがラテスクが強烈な左フック。さらに左ボディ、右ボディから薙ぎ払うような左フックでダウンを奪う。左右フックで畳みかけるラテスクにクリンチで逃れる谷川。ラテスクは空振りが続く。谷川は右ローを蹴り続け、ラテスクのフックをブロック。するとここで谷川の右ローに下がるラテスク。明らかに疲労しているラテスクに谷川の右ロー、右ミドルが決まる。  2R、左右フックを叩きつけるラテスクに右ローをしつこく蹴る谷川。ラテスクがフックを打つたびに、谷川はブロックして右ローを蹴る。前に出るラテスクに下がりながら右ローを蹴る谷川。距離を詰めて膠着状態から左フックをヒットさせる谷川。右ボディからヒザを突き刺し、ダウン寸前まで追い込んだ谷川だったが、ここでロープを背負って絶体絶命だったラテスクが起死回生の左フックからの右フックをヒットさせ、谷川がダウン。そのまま立つことが出来ず、ラテスクのKO勝ちとなった。谷川は後一歩のところで勝利を逃した。  ラテスクはマイクを持つと「日本で戦うチャンスをいただいてありがとうございます。タイトルマッチに挑戦したいと思います」と、クルーザー級タイトルへの挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第9試合 K-1クルーザー級 3分3R延長1R×AKIRA Jr(フィリピン/若獅子会館総本部)KO 3R 1分08秒 ※右ストレート〇星龍之介(POWER OF DREAM)  AKIRA Jrはフィリピンと日本のハーフで、関西を中心に活躍する重量級ファイター。これまでRKSクルーザー級と蹴拳スーパー・ミドル級の2本のベルトを獲得している。2022年8月11日、K-1九州大会でK-1初参戦。K-1クルーザー級のトップ戦線で活躍するANIMAL☆KOJIをKOし、12月には加藤久輝もKO。クルーザー級で頭角を現わしている。戦績は15勝(6KO) 8敗1分。  星は極真会館『第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』で第6位に入賞するなど空手で活躍してキックボクシングに転向。Krushで2連続KO勝ちし、今年1月のビッグバンでは3戦目にしてBigbangヘビー級王者・坂本英則もKOしている重量級級のホープ。  1R、まずはローの蹴り合い。星が左ローを蹴るとAKIRAも必ず蹴り返す。ジャブを突くAKIRAに星はガードを固めて左インローも蹴る。星もジャブを突き、ローの蹴り合いが続く。星のワンツーにグラついたAKIRAだが負けじと打ち返し、星も応戦。両者一歩も退かない。両者の右がヒットする。  2Rもローの蹴り合い。前に出ようとする星をAKIRAがジャブと前蹴りでけん制する。攻めあぐねている様子の星だが、星がワンツーと右カーフで優勢の場面を作る。星の右ストレートからの左フックにグラつくAKIRAへ星が畳みかけるがまたもラウンド終了のゴング。  3R、ジャブを突くAKIRAに星は右ロー。星のワンツーがヒットし、下がるAKIRA。星が左ハイからのワンツーでダウンを奪う。何とか立ち上がったAKIRAだが、レフェリーが様子を見てストップ。AKIRAはその場に崩れ落ちた。星が無傷の3連勝をマークした。  マイクを持った星は「強くてやる前に倒すか倒されるかの試合になると思っていたので倒せて嬉しく思います。まだ自分のことを知らないファンの方々がいっぱいいると思います。これから重量級、K-1を面白い試合をして盛り上げられるように頑張りますので覚えて帰ってください」とアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 K-1 WORLD GP女子フライ級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者)KO 2R 1分31秒 ※右カーフキック×フンダ・アルカイエス(トルコ/挑戦者)※KANAが2度目の防衛に成功。  KANAはK-1女子部のエースとして活躍。2016年4月に第2代Krush女子フライ級王者となり、同王座は2017年1月にメロニー・ヘウヘスに奪われるも、同年12月に奪回。2019年12月に行われた初代女子フライ級王座決定トーナメントで優勝し、初代K-1女子フライ級王座も手にした。2020年11月にノンタイトル戦で壽美に判定で敗れ、しばらくリングから離れていたが2022年2月に復帰、RANからダウンを奪って勝利すると、6月のK-1女子大会でスーリ・マンフレディと倒し倒されの激闘を演じて最後はKO勝ち。12月には元Enfusion女子ストロー級王者オロール・ドス・サントスを初回KOした。戦績は20勝(9KO)3敗。  挑戦者のアルカイエスは初来日。35歳で戦績は42勝(14KO)7敗のベテラン選手。これまでWBCムエタイ女子世界フライ級王座、WAKO女子世界同級王座、FEA女子世界同級王座と世界タイトルを3つ獲得し、WBCムエタイ女子欧州同級王座とWMCムエタイ女子欧州同級王座も手にしている。リズミカルなパンチと蹴りを織り交ぜたコンビネーションを得意にするオールラウンダーで、KANAが対戦を熱望するアニッサ・メクセンとムエタイとGLORYで2度対戦した経験を持つ。  1R、KANAは右カーフを蹴り、動きを止めると右ストレートから左右ボディでアルカイエスをコーナーへ追い込みスタンディングダウンを奪う。左右フックで追い込むKANAだが、このラウンドはKOを逃した。  2Rも右カーフを蹴って前へ出るKANA。左右フックから左インローにつなぐKANAは左右ボディでアルカイエスを追い込んでいく。そして右カーフを蹴るとアルカイエスはダメージに耐え切れず片足を上げる。そこへKANAが左右ボディ。ダウンカウントが数えられるが、もはやアルカイエスは戦意喪失。レフェリーがKANAのKO勝ちを宣した。  圧倒的な強さで快勝したKANAは、K-1ガールズたちとグータッチすると「毎日自分のことを成長させてくれる大宮司さんありがとうございます、応援してくれる皆さんありがとうございます。美優ちゃん、おめでとう。まずしっかり一部のメインでKOで倒せて嬉しいです。でも自分が目指しているのはここじゃないので。今年、世界最強のアネッサ・メクセン実現させます。世界最強の舞台を必ず日本で実現させます。K-1最高!」と、改めて目標とするアネッサ・メクセンとの対決をK-1のリングで実現させることを誓った。 [nextpage] ▼第7試合 K-1 WORLD GP女子アトム級タイトルマッチ 3分3R延長1R×パヤーフォン・アユタヤファイトジム(タイ/Ayothaya Fight Gym/王者)判定0-2 ※29-29、28-30×2〇菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/挑戦者)※菅原が第2代王座に就く。パヤーフォンは初防衛に失敗。  パヤーフォンは20歳にして68勝(11KO)14敗1分の戦績を持つ、元WPMF世界女子ピン級王者。2017年11月に初来日するとムエタイの試合で3連勝。2019年10月にKrush初参戦でKrush女子アトム級王者・高梨knuckle美穂に挑戦し、延長戦の末に判定3-0で敗れたものの高梨を苦戦させた。2020年2月、MOEに判定勝ちすると2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」の1回戦でMIO、決勝では菅原美優を破り、タイ人女性初のK-1王座に就いた。従姉妹は大人気の韓国の4人組ガールズグループ「BLACKPINK」のメンバーであるLISA。本人もタレントの岡田結実に似ていることが話題となった。  菅原はK-1アマチュアを経て2019年1月にプロデビュー。2戦目で初黒星を喫したがその後は負けなしで、2020年11月の「女子アトム級王座決定トーナメント」決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就いた。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している。5連勝の後、2021年5月のMIOとの初対決で判定負けするも、11月のタイトルマッチでの再戦ではダウンを奪っての判定勝利でリベンジ&初防衛に成功した。2022年2月には優を退けて2度目の防衛に成功。6月のK-1女子大会では「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」で松谷綺を破るも決勝でパヤーフォンに敗れた。10月の再起戦ではチャン・リーをKOして3度目の防衛に成功している。戦績は10勝(1KO)3敗。  1R、まずは菅原が右ロー、顔面前蹴りで先制。すかさずパヤーフォンが右フックを連打する。菅原が顔面前蹴りを出すとすぐに右フックを返してくるパヤーフォンはニヤリと笑みを浮かべる。前蹴りと右カーフの菅原にパヤーフォンはインファイトを仕掛けるが、クリンチが多い。パヤーフォンが左フックから入ってくると菅原も打ち合いに応じる。  2R、ジャブを突いて左ハイ、左前蹴りを出す菅原。パヤーフォンも前蹴りから入っていくが、顔面を捉えるのは菅原の前蹴りだ。パヤーフォンの左ミドルからバックハンドブロー。身長差があるためパヤーフォンがインファイト仕掛けるとバッティングとなってしまい中断。再開後、左ミドルから左ボディストレートを打ってきたパヤーフォンに、菅原が右ストレート。パヤーフォンが右ミドルを蹴る前に菅原は左前蹴りで防ぐ。パヤーフォンが打ち合いに行くと菅原も応じる。  3R、右ミドルを蹴る菅原にパヤーフォンも左ミドルで前へ出る。菅原はワンツー、右フック。パヤーフォンは左ミドル。攻撃を出してはクリンチ状態となり、ついにパヤーフォンに痛いイエローカード(減点1)。その後も前に出るパヤーフォンに菅原がショートでパンチを出し、試合終了。  判定は2-0で菅原が勝利。勝ち名乗りを受けると顔をくしゃくしゃにして涙を流す。ラウンドガールも思わずもらい泣き。菅原はベルトを巻いても涙が止まらない。 「戦ってくれたパヤーフォン選手ありがとうございます。パヤーフォンちゃんがいたから強くなれました。またよろしくお願いします。ここまで来るのにたくさんの方に支えられて感謝の気持ちでいっぱいです。もうすぐお父さんとお母さんの誕生日なのでいい誕生日プレゼントになったかと思います。いつもありがとうございます。一人娘で好きなこといっぱいやらせてもらっても心配かけないようにもっと強く成るのでよろしくお願いします」と、泣きながらマイクで語った。 [nextpage] ▼第6試合 K-1バンタム級 3分3R延長1R△石井一成(ウォー・ワンチャイプロモーション)ドロー 2R負傷判定△ヨーシラー・チョー.ハーパヤック(タイ)※当初は判定3-0(29-28×2、29-27)でヨーシラーの判定勝ちとされたが、5日後に裁定を変更  1R、前に出る石井にサウスポーのヨーシラーはロープを背負うが、左ストレートで前へ出る。そして左ミドル。石井はステップで距離を詰めていき得意の左フック。ヨーシラーの左ミドルを腕にもらう石井だが、石井も右ローを蹴り返す。石井が連打に行くとヨーシラーもコーナーを背負いながら打ち合う。左ミドルを右腕にもらってはすぐにパンチを打つ石井。ヨーシラーは右フック、左フックもヒットさせる。石井の左フックにヨーシラーは左ロングフックをヒットさせる。  2Rが始まってすぐ、石井の右ハイをキャッチしたヨーシラーが、足を離すとすぐの左フックでダウンを奪う。前に出るヨーシラーがロープを背負う石井に強打を叩き込んでいくが、石井は再び前へ出て左フック。右フックの相打ちの後、ヨーシラーはすぐに左ストレート。前に出てくる石井に左ミドルを当てていくヨーシラー。石井は飛び込んでの左ボディ、そこからパンチをまとめに行くがヨーシラーも打ち合って一歩も退かない。  3Rも前に出る石井は左ロー、右アッパー、ワンツー、ヒザと攻めていく。得意の左ボディをヒットさせる石井だが、ヨーシラーは左ミドルを蹴り続ける。ステップで動くヨーシラーへ石井が飛び込んでの左ボディ、さらに左右ボディ。前へ出てパンチでの逆転を狙って前へ出て攻め続けるが、ヨーシラーを崩すことは出来なかった。ヨーシラーの判定勝ち。 [nextpage] ▼第5試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇江川優生(POWER OF DREAM)KO 1R 1分50秒 ※左フック×カン・ユンソン(韓国/木浦スタージム)  リングサイドでは武居由樹が見守る。1R、江川は圧をかけ、ユンソンにコーナーやロープを背負わせる。江川は得意の左ボディ、左フック。江川の左ローがローブローとなって中断。再開後、右ローを蹴るユンソンに江川が左フックから左右フックをまとめて左フックでダウンを奪い、そのままKO勝ちした。  ユンソンにほぼ何もさせず圧勝を遂げた江川は「ギリギリのオファーに関わらず対戦を受けてくれて感謝しています。試合2~3日前のオファーで試合がなくなるんじゃないかとドキドキしていたんですが、相手が見つかってこういういい試合が出来てよかったです。2連続KOですがもっともっと倒して上に行けるように頑張っていきます」と、対戦相手に感謝すると共にさらなる飛躍を誓った。 [nextpage] ▼第4試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 2R 1分37秒 ※右ストレート×國枝悠太(Never mind / 9+ nine plus lab.)  1R、ジャブを突く國枝に大岩は左インローを蹴る。ロープを背負う大岩に國枝のワンツーがヒットする。大岩も前へ出始めると狙いすました右オーバーハンドや右ローを蹴っていく。ラウンド終了間際、大岩がパンチでラッシュを仕掛けると國枝はノーガードでパンチをもらい続ける。  2R、國枝はジャブ、大岩はそのジャブに右フックを被せに行く。大岩が前へ出て左ミドル、大岩のワンツーにロープまで吹っ飛ぶ國枝。さらに圧を強めて矢のようなワンツーを放つと、國枝が吹っ飛んでダウン。そのまま大岩のKO勝ちとなった  マイクを持つと「鎖野郎の大岩です。鎖復活しました。まず國枝選手、感謝しかない試合でした。格闘技はリングに上がるまでが本当に大変で、一人じゃ何もできなくていろいろな人のサポートを受けて試合が出来ます。皆さんありがとうございます。K-1は倒してこそK-1だと思っています。それを最低限クリアーできたと思います」と話した。 [nextpage] ▼第3試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R×鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-2 ※29-29、29-30×2〇パコーン・P.K.センチャイムエタイジム(タイ)  1R、体格で上回る鈴木に積極的に仕掛けていくパコーンは右ストレートを顔面とボディに打つ。サウスポーの鈴木は左ミドル、右前蹴りと逆ワンツー。鈴木が入ってくるところに左フックを合わせるパコーン。鈴木の前足を内外から蹴り、左フックを狙う。鈴木は左ミドルを蹴るがパコーンの手数にペースがつかめていない様子。  2R、鈴木が前に出るところへパンチや蹴りを合わせていパコーン。鈴木は踏み込んでワンツーもパコーンはテンカオを突き刺していく。さらに右ミドル、右インロー。パコーンの左テンカオを何度ももらう鈴木は右フックをもらって後退。パコーンの出鼻を挫くような戦い方に鈴木はいまだペースをつかめていない。  3Rも鈴木が前へ出てくるところへ右ミドルを蹴るパコーン。鈴木は連打でパコーンをコーナーに追い込む。左右の連打を出す鈴木にパコーンは右ミドル。前へ出た鈴木か、下がりながらも攻撃を当てたパコーンか。判定は2-0でパコーンの技術の勝利となった。 [nextpage] ▼第2試合 K-1ミドル級 3分3R延長1R〇松倉信太郎(team VASILEUS)KO 2R 2分25秒 ※右フック×イゴール・シウバ(ブラジル/ブラジリアン・タイ)  1R、前へ出るのは松倉。シウバはよく動いて右ローや前蹴りを繰り出すが松倉はよく見てかわす。飛び込んでの右ボディ、右ヒザ。右カーフと左ミドルも蹴る。  2Rになると両者動き出す。シウバも前へ出て大きな振りの左右フック。松倉は右の強打を狙いつつ、右カーフを蹴る。前蹴りからジャブを出したシウバに松倉はすかさず右ロングフックをリターン。この一発がクリーンヒットし、一発KOとなった。  松倉はマイクを持つと「前回9月に負けてドン底だったんですがいろいろな人に背中を押してもらって。人生いろいろなことがあると思うんですが、アイツが生きるなら俺も生きれるかなって少しでも思ってもらえればと思います。僕はK-1に世界王者になるために戻ってきました。年来もあるし、ダメージも溜まってきたので早めに世界王者を決めてほしい。神保選手が負けてしまいましたが僕がミドル級を引っ張っていきます。そろそろトーナメントよろしくお願いします」と王座決定トーナメントの開催をアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 K-1ミドル級 3分3R延長1R×神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)判定0-3 ※27-28×3〇ヴィニシウス・ディオニツィオ(ブラジル/ブラジリアンタイ)  1R、両者かなりの接近戦で左右フックとボディを打ち合う。神保はジャブを突き、アッパーを突き上げ左ボディ打つ。ディオニツィオは強い右を放つが、神保がショートのワンツーを打ち抜いてダウンを奪う。神保は冷静にブロックを固めるディオニツィオの空いている箇所へパンチを打ち込んでいく。しかし、不用意に真正面に立った神保へディオニツィオがワンツーを返したところで神保がダウン。ディオニツィオのラッシュに打たれる神保だがゴングに救われた。  2R、ディオニツィオがワンツーで前に出れば神保もワンツーで押し返す。ディオニツィオの強烈な右フック、左ボディを被弾する神保だがジャブを返して気合いで打ち返すが、ディオニツィオの手数が止まらない。攻め疲れが見えるディオニツィオはノーガードになって「打ってこい」と挑発。神保は右アッパーを放つがダメージからか動きが鈍い。両者手数が減る中、ディオニツィオが右フック、神保は左フック。  3R、神保は接近戦を仕掛けてワンツー&アッパー、ヒザ蹴り。ディオニツィオはノーガードになって神保の攻撃を受ける場面もある。頭と頭がくっつくくらいの接近戦を仕掛ける神保が細かくパンチを出していき、ディオニツィオも左右フック。ディオニツィオは神保を押して距離を作ると連打。神保はすぐに距離を詰めて左ボディを打つ。  判定は3-0でディオニツィオが勝利。K-1ミドル級新設の提唱者で、同階級をけん引すると目されていた神保の連勝を「6」でストップしてみせ、ミドル級戦線の中央に躍り出た。 [nextpage]▼プレリミナリーファイト K-1スーパー・バンタム級 3分3R〇愛瑠斗(健成會)KO 2R 2分58秒 ※左ストレート×光佑(WSRフェアテックス三ノ輪)  1R、互いに右カーフを蹴り合う。愛瑠斗は前蹴りとサイドキック、ハイキックと多彩な蹴り技を使う。光佑は左フック、左ボディ。愛瑠斗の縦横無尽な動きが目立った。  2R、サウスポーになった愛瑠斗が左ローに手応えを感じたか、一気にラッシュ。左ミドルの連打、右カーフ、左ミドルと飛び跳ねるように攻撃を繰り出していく。コーナーへ詰めての右ストレートでグラつかせた愛瑠斗はもう一度の右ストレートでダウンを奪う。  立ち上がった光佑だがダメージは深く、愛瑠斗の左三日月からの左ストレートでマットに沈んだ。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト K-1フェザー級 3分3R△橋本雷汰(BFA-SEED)ドロー 判定1-1 ※29-30、30-30、30-29△山本 陸(K-1ジム総本部チームペガサス)  1R、サウスポーの橋本はジャブと左ミドル、山本は左フックを強振する。ジャブから左ストレートを伸ばす橋本。距離を作っているのは橋本だ。  2R、橋本の左ストレートがビッグヒットし、山本は大きく仰け反る。山本はお返しに右ハイキック。ジャブを多用する橋本に山本は前へ出て接近戦を仕掛けていく。  3R、ジャブと左ストレートで組み立てる橋本はよく動いて的を絞らせない。そこに山本は距離を詰めて左右フックの距離に持ち込みたい。またも左ストレートをクリーンヒットさせる橋本だったが、山本は一歩も退かず前へ出て攻める姿勢を見せ、判定は三者三様のドローとなった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト -64.5kg契約 3分3R×竜義(VAINQUEUR GYM)判定0-3 ※29-30×2、28-29〇上野空大(K-1ジム大宮チームレオン)  上野は左三日月と右ローを主体にヒザ、左ボディも織り交ぜる。竜義は序盤は左ボディなど接近戦を仕掛けていたが、上野に蹴られ右ローも混ぜるようになり展開を変えた。  2R、上野の蹴りにパンチを合わせにいく竜義。ローの蹴り合いとなり、距離が1Rよりもかなり近くなり、竜義が左ボディを中心としたフック系のパンチを回転させる。上野はヒザで応戦も被弾が目立つように。  3R、ローの蹴り合いとショートのパンチの打ち合いとなり、竜義は左右ボディを叩く。上野は右ローから左ハイも繰り出し、離れると右ストレート。終盤は両者ほぼノーガードで互いのパンチを被弾しながら打ち合い、判定3-0で上野が竜義を振り切った。
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