2023年3月11日(日本時間12日)、米国ネバダ州ラスベガスのバージンホテル・ラスベガス ザ・シアターにて『UFC Fight Night: Yan vs. Dvalishvili』が開催された。
メインイベントでは、バンタム級(5分5R)で、元王者で同級2位のピョートル・ヤン(ロシア)と、同級3位のメラブ・ドバリシビリ(ジョージア)が対戦。
打撃のヤンに対し、“テイクダウンマシーン”の異名を持つドバリシビリが、5Rにわたりタックルを仕掛け続け、UFC1位となるテイクダウンアテンプト「49回」を記録。
その猛攻にラスベガスで試合を観戦したドバリシビリの練習仲間の朝倉海も「Merab congratulations メラブ勝利 スタミナと精神力凄すぎる 生物的にまじで強い」と舌を巻いた。
UFC Fight Night: Yan vs. Dvalishvili 速報
現地時間2023年3月11日(土)、日本時間12日(日)米国ネバダ州ラスベガス /バージンホテル・ラスベガス ザ・シアター
【メインカード】
▼バンタム級 5分5R〇メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)15勝4敗(UFC8勝2敗)※UFC9連勝・134.5lbs/61.01kg[判定3-0] ※50-45×3×ピョートル・ヤン(ロシア)16勝4敗(UFC8勝3敗)136lbs/61.69kg
メインイベントのバンタム級(5分5R)戦は、元王者で同級2位のピョートル・ヤン(ロシア)と、同級3位のメラブ・ドバリシビリ(ジョージア)が対戦。
ボクシングベースのヤンは、アルジャメイン・スターリングと2度対戦し、1度目は勝利目前に反則負け。2戦目はバックコントロールされて判定負けを喫した。2022年10月の前戦では、ショーン・オマリー相手に不可解なスプリット判定で黒星をつけられている。今回はタイのタイガームエタイで調整してきた。
対するドバリシビリは、柔道、コンバットサンボベース。王者スターリングが練習仲間で、ラスベガスでは朝倉海とも練習してきた。強力なテイクダウンを武器に8連勝。2022年8月の前戦ではジョゼ・アルドを組んで削り判定勝ち。初のメインイベントで5Rを戦う。
レスリングのドバリシビリとムエタイのヤンだが、両者とも体格が近く、終始スタミナが落ちないドバリシビリと王座戦経験の豊富なヤンの5R戦。
ドバリシビリとのグローブタッチに応じなかったヤン。
1R、遠間からダブルレッグで先にテイクダウンを奪うドバリシビリ。パウンドもすぐに立つヤンに、なおもシングレッグのドバリシビリ。切るヤンは右カーフキック。ドバリシビリも右ローを返すが、ヤンは再び右ロー。ドバリシビリはシングルレッグも切るヤン、2度目は足を折り、半身となって切る。3度目は金網際で足を抜くヤン。
なおも4度目のシングルレッグもここは深追いしないドバリシビリ。ヤンは右カーフ。ドバリシビリは右カーフを返すとヤンがバランスを崩す。
そこに首をがぶり金網に押し込むドバリシビリだが、ヤンはヒジを放ち離れる。
ヤンは2度目のオープンハンドの注意。遠間からヤンは走り込んでダブルレッグに入るが切るドバリシビリががぶりヒザ。立ち上がるヤンの首を押さえヒザを突く。
2R、中央を取るヤンに先に右ローはドバリシビリ。シングルレッグで尻は着かせるが、すぐに立つヤン。ニータップも狙うドバリシビリを切るヤンは、蹴り足を掴んで右を突く。ドバリシビリは右カーフを3発!
下がるヤンはスイッチして前足を変える。そこを詰めるドバリシビリに、左ロー。しかし左右を振るドバリシビリはダブルレッグテイクダウン! すぐに立つヤンだが、足の動きは鈍い。ドバリシビリはシングルレッグ。ここも切るヤンだが、ドバリシビリは左右から右ロー。ここで蹴り足を取ってテイクダウンはヤン! しかしドバリシビリは立ち上がり四つに。組みながらローを蹴るドバリシビリ。
右ボディストレートからダブルレッグテイクダウンはドバリシビリ! 背中を向けながら立ち上がるヤンをがぶるドバリシビリ。首を抜いて立ち会うヤンはサウスポー構え。ドバリシビリの首投げをすかしてホーン。ドバリシビリのラウンドに。
3R、左ハイから入るドバリシビリ。かわすヤンはサウスポー構えだが、右の蹴りは蹴れない。左右で詰めるドバリシビリはシングルレッグ。抜くヤンをすぐに詰めて金網で足を取りに。ここは切ってヒジを振るヤン。かわすドバリシビリはなおもダブルレッグへ。ここも切るヤンだが、際の右ハイイでバランスを崩す。ヤンの左をかわして組むドバリシビリに、ダブルレッグを仕掛けるヤン。これを切るドバリシビリはシングルレッグ。押し込んで放すも、すぐにテイクダウントライを続け、スタンドバックから崩し。尻を着かせるも、ヤンは立ち上がり。
オーソドックス構えのヤンにシングルレッグで尻を着かせるドバリシビリ。足を抜くとすぐにシングルレッグを持ち上げて軸足払いに。ここも抜くヤンが逆にシングルレッグへ。ドバリシビリ前転してして立ち上がり。首投げを決めるがここもヤンはすぐに立ち上がる。
テイクダウンマシーンのドバリシビリは5R続けられるか。ヤンのカーフのダメージは?
4R、左から右で飛び込むドバリシビリ。さらに右ハイ。ブロックするヤンも左の蹴りを返す。右ボディを放つドバリシビリはシングルレッグから押し込みボディロックへ。金網に押し込み大内刈テイクダウン! 尻を着くもすぐに立つヤンは、ドバリシビリのがぶりを前に落として押し込み。ケージレスリングでも応戦する。左で差すヤンにヒザを突いて離れるドバリシビリ。
右目を腫らしたヤンを詰めるドバリシビリは、左ミドル。右ローをかわしたヤンは続くダブルレッグも取らせず。左ジャブをダブルで突く。なおもシングルレッグを2度入るドバリシビリ。ヤンは切るも受けの状態に。頭を下げて左右振るドバリシビリに、ヤンもダックしてかわすと、ドバリシビリは組んで押し込み、バック狙い。そこにシングルレッグも、足をつかんでいるドバリシビリはすぐに立ち上がり。前に圧力をかけてホーンに先にドバリシビリが両手を挙げる。
最終5R、中央に出て右カーフはドバリシビリ。スイッチするヤンをがぶり。頭を抜くヤンを詰めるドバリシビリ。ヤンは右ロー。詰めるドバリシビリは右前足にシングルレッグ。切るヤンになおもシングルレッグへ。スイッチで股に手を伸ばしたヤンだが、脇を潜りスタンドバックにつくドバリシビリがボディロックで崩し、再三立つヤンに、離れてまたもシングルレッグ。
左ジャブで金網に詰めてダブルレッグのドバリシビリは尻下でクラッチして持ち上げテイクダウン! ここもすぐに立つヤンだが、右前足をとらえたドバリシビリのシングルレッグに、ヤンは気持ちが切れたように尻を着く。何とか立ち上がるヤンだが、ドバリシビリは前蹴りも入れて右を振って、ダブルレッグへ。離れるヤンに最後はワンツーで打ち合いを仕掛けて前に。
ドバリシビリは終了のホーンに両手を挙げてガッツポーズ。判定前にケージの上で雄たけびをあげた。テイクダウンディフェンスは38のヤンに、ドバリシビリは4つを防いだのみ。押さえ込まずもテイクダウンし続けた判定は、3者50-45のフルマークでドバリシビリが圧勝。顔を腫らせたヤンと握手をかわした。
試合後、ダニエル・コーミエーのケージの中でのインタビューで、同門で現バンタム級王者のアルジャメイン・スターリングとの対戦の可能性を問われたUFC9連勝のドバリシビリは、「戦う相手は誰でもいい。スターリングはリアルチャンピオンで兄弟だ。僕はハングリー。彼が階級を上げると決めたときには、タイトルを獲りにいく」と答え、同胞のギガ・チカゼが打撃を伝授してくれたことを明かし、「ウクライナに栄光を、ジョージアに栄光を。自由に栄光を。どうか戦争を止めてくれ」と語った。
◆UFCバンタム級ランキング
C アルジャメイン・スターリング1 ショーン・オマリー2 ピョートル・ヤン3 メラブ・ドバリシビリ4 マルロン・ヴェラ5 コーリー・サンドヘイゲン6 ロブ・フォント7 ドミニク・クルーズ8 ソン・ヤドン9 ペドロ・ムニョス10 リッキー・シモン11 ウマル・ヌルマゴメドフ12 エイドリアン・ヤネス13 クリス・グティエレス14 サイード・ヌルマゴメドフ15 ジャック・ショア
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▼ヘビー級 5分3R〇アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)36勝10敗(UFC10勝4敗)258lbs/117.03kg[1R 2分16秒 TKO] ※パウンド×アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)16勝2敗(UFC5勝2敗)264lbs/119.75kg
ヘビー級8位のヴォルコフと、14位のロマノフが対戦。
ロマノフはシングレッグから電車道で金網まで押し込み、内側に引き出してテイクダウン狙いも、金網背に崩されず、切るヴォルコフは、スタンドで右前蹴りを腹に突く。
遠間からシングルレッグのロマノフをがぶり、バックに回るヴォルコフは、亀のロマノフにパウンド。いったんは立ち上がろうと体勢を戻したロマノフだが、ヴォルコフは再びバックマウントから崩して、ロマノフの身体を伸ばすと背後からパウンド。レフェリーが間に入った。
試合後、ヴォルコフは「僕から相手を指名はしない。決まった相手と戦う。あるいは指名してくれ」と語った。
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▼ライトヘビー級→215ポンド契約 5分3R〇ニキータ・クリロフ(ウクライナ)30勝9敗(UFC11勝7敗)213lbs/96.62kg[1R 3分38秒 三角絞め]×ライアン・スパン(米国)21勝8敗(UFC7勝3敗)213lbs/96.62kg
1R、右を振るクリロフにスパンは投げから上に。しかしクリロフもシングルレッグで足を手繰ると、スパンはハーフから得意のギロチンチョークへ。頭を抜いたクリロフは立ち上がるスパンのスタンドバックから崩しテイクダウン。スパンの立ち際に逆にギロチンチョークを仕掛ける。
頭を抜き下から三角狙いのスパンをかついでパス、バックに乗るクリロフだが、前方に落とすスパン。そこに右のパウンドで飛び込むスパンだが、クリロフはその右手をつかんで三角絞めに極めてタップを奪った。
試合後、クリロフは「2週間前にやるはずだった試合。出来るだけ早く決めようと思った。次はコンテンダーとやりたい」と語った。
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▼バンタム級 5分3R〇ジョナサン・マルチネス(米国)18勝4敗(UFC9勝3敗)※UFC5連勝・135.5lbs/61.46kg[判定3-0] ※29-28×3×サイード・ヌルマゴメドフ(ロシア)17勝3敗(UFC6勝2敗)136lbs/61.69kg
バンタム級14位のサイードとノーランカーのマルチネスの、4連勝対決。
30歳のサイードは2018年にフライ級でUFCデビュー。ジャスティン・スコッギンズに勝利後、バンタムに上げると5勝1敗。唯一の黒星は、ハオーニ・バルセロスに判定負け。その後、4連勝中。前戦はウズベキスタンのサイードヨクブ・カフラモノフに2R ギロチンで一本勝ちしている。4KO・TKO、5SUB、8判定勝ち。ダゲスタン出身だがハビブとは血縁関係ではない。
28歳のマルチネスはテコンドーベースで種子会社で働いていた経歴を持つ。UFC8勝3敗で、サイード同様に4連勝中。2021年3月にダヴェイ・グラントの右オーバーハンドで2R TKO負け後、ザヴィアド・ラジシヴィリ、アレッハンドロ・ペレスに判定勝ち、2022年10月の前戦ではカブ・スワンソンにTKO勝ちしている。
1R、オーソドックス構えのサイード。サウスポー構えのマルチネス。サイードは右インローを当て、右ハイキックも。ガードするマルチネスも左インロー。
サイードは右ストレート、右ハイとスピーディーに打ち込む。さらに右のブラジリアンキックを見せるサイードは右ストレートから、右足をマルチネスの前に出して右手で足を抱えてテイクダウン!
すぐにマルチネスのバックを奪うと腰をずらして正対しようとするマルチネスになおもバックにつこうとするサイード。金網際で正対し足を手繰り押し込むマルチネス。
スタンドに。組んでも構わないサイードは、右からバックヒジと縦横無尽の打撃。そこに右で差して組むマルチネスにサイードは背中を向けて首投げ前転。なおもマルチネスはクラッチを外さずついていき、両者ともに立ち上がりホーン。
2R、先に詰めるマルチネスは左ローを2発。そこにワンツーの右を合わせるサイードは、なおも遠間から右バックフィストで近づき、シングルレッグテイクダウン。
ハーフガードのマルチネスに右で脇差しパスガードを狙うが、そこにブリッジをわせるマルチネスが立ち上がり。
スタンドでまたもバックフィストからシングルレッグに繋げるサイード。左足を後方に引いて切ったマルチネスはヒジ・ヒザ! 首を上げて正対したサイードを両脇差して押し込み、左ヒザ。
離れるサイードに右カーフを当てるマルチネス! バックフィストのサイードはサウスポー構えに。その左足にもカーフを当てるマルチネスが前に。ホーンにサイードは疲弊か両ヒザに手を着く。
3R、左カーフから入るサイード。足を上げて嫌うサイードはバックフィスト。マルチネスの蹴り足を取ってテイクダウン。マルチネスはフルガードで下からヒジ。さらに腰を切り、腕十字へ!
察知し、上体を上げヒジを抜きながら足をかついでパスしたサイードはスクランブルのマルチネスのバックを奪い、すぐに4の字ロック。しかし、正対から立ち上がるマルチネスに、サイードは右で小手に巻き、払い腰へ。ここも残したマルチネスは差して押し込み、細かいヒザ。再び払い腰狙いのサイードに投げさせず。離れ際に左右を突いてホーン。マルチネスは右手を挙げたが……。
判定3-0(29-28×3)でマルチネスが勝利。クリンチで押し込みヒジ・ヒザを突き、5連勝をマークしたマルチネスは、「すごくハードに練習してきたし、バックを取られてもどう抜け出すかを練習してきたんだ。コーチに感謝するしかない」と語った。サイードは連勝が「4」でストップ。
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▼バンタム級 5分3R〇マリオ・バティスタ(米国)12勝2敗(UFC6勝2敗)※UFC4連勝 136lbs/61.69kg[1R リアネイキドチョーク]×ギド・カネッティ(アルゼンチン)10勝7敗(UFC4勝6敗)136lbs/61.69kg
バティスタはUFCバンタム級で5勝2敗、3連勝中の29歳。2つの黒星は、2019年のコーリー・サンドヘイゲンと、DEEPで大塚隆史に勝利しているトレヴィン・ジョーンズのみ。
2022年は2月にジェイ・ペリンに判定勝ちすると、6月にブライアン・ケレハーに1R リアネイキドチョークで一本勝ち。11月にベニート・ロペスに1R 三角十字で一本勝ちと3連勝中。
対するカネッティは43歳。3連敗後、2022年2月にクリス・モウティーノ、10月にランディ・コスタをいずれもフィニッシュしている。
1R、シングルレッグで金網に詰めて内側に引き出してテイクダウウンはバティスタ。ハーフガードのカネッティは下からシングルレッグでレッスルアップし、逆にテイクダウン。しかしここもバティスタはすぐに立ち上がりダブルレッグでテイクダウウンし、カネッティの立ち際に背中に乗りバックを奪い、4の字ロックへ。
いったん着地し、カネッティを後方にスープレックスで投げると、再びバックを奪い、リアネイキドチョークへ。先に左腕をのど下に巻いており、最後はパームトゥパームで絞めてタップを奪った。
4連勝をマークしたバティスタは「驚きはない。MMAだから何でも対応すべき。トップ15と戦いたい」とクールに語った。
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▼ヘビー級 5分3R〇ビトー・ペトリーノ(ブラジル)8勝0敗(UFC1勝0敗)204lbs/92.53kg[判定3-0] ※30-26, 30-27×2×アントン・トゥルカリ(スウェーデン)8勝2敗(UFC0勝2敗)205lbs/92.99kg
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【プレリム】
▼ヘビー級 5分3R〇カール・ウィリアムズ(米国)8勝1敗(UFC1勝0敗)240.5lbs/109.09kg[判定3-0] ※30-26×2, 30-27×ルーカス・ブジェスキー(ポーランド)8勝3敗(UFC0勝2敗)245lbs/111.13kg
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▼バンタム級 5分3R〇デイビー・グラント(英国)15勝6敗(UFC6勝5敗)136lbs/61.69kg[3R 4分43秒 横三角絞め] ※インバーテッドトライアングル×ハファエル・アスンソン(ブラジル)28勝10敗(UFC12勝7敗)136lbs/61.69kg
ベテランのアスンソンは7連勝後、T.J.ディラショーに判定負けも、その後アルジャメイン・スターリング・マルロン・モラエス、マシュー・ロペス、ロブ・フォントを相手に4連勝。
しかし、2019年2月にモラエスとの再戦で敗れると、そこから4連敗。ランキングからも外れ、前戦でビクター・ヘンリーに判定勝ちで4年ぶりの勝利を掴んでいる。
対するグラントは、2013年のTUF18準優勝。2019年からはUFC4勝2敗。2022年5月の前戦でルイス・スモルカに3R KO勝ちしている。
1R、オーソドックス構えのグラントは右カーフキック。スイッチして前足を変えるアスンソンはグラントの右前蹴りを掴んで右ストレートを入れてテイクダウウン。グラントの下からの三角絞めをかついでバックを奪うと、左足をかけてグラントの左足を伸ばしながらバック狙い。グラントは右手首のコントロールを外して正対して離れる。
ワンツーのグラントの打ち終わりに前手の右を入れるアスンソン。グラントは右カーフ。アスンソンはワンツーの右をオーバーハンドで突く、グラントは圧力をかけるとボディストレートから右ヒザに繋ぐ。組むアスンソンはヒジ打ち離れる。
2R、蹴りで圧力をかけワンツーの右をガード上に当てるグラント。右ローも。さらにワンツーを打ち込むが、それをかい潜ったアスンソンはシングルレッグへ。金網背に差し上げるグラントは突き放しスタンド勝負。右ロー。遠間から右関節蹴り、サイドキックも浅い。左ミドルを返すアスンソンだが単発。グラントは右後ろ廻し蹴りから前に。
左右フックもそこにボディロックするアスンソン。しかしグラントは左で差して凌ぐ。それを潰してアスンソンがバックを奪ったところでホーン。
3R、跳びヒザで前に出るグラント。右オーバーハンドは空振り。アスンソンは左ジャブで押し戻すが、圧力が止まらないグラントは、右フックを当ててアスンソンからダウンを奪取! そこにアスンソンはシングルレッグから両足を手繰りテイクダウウン! しかしグラントは亀から立ち上がり前に。左ボディ、右フックでアスンソンを詰めると、アスンソンはシングルレッグへ。ここでケージを掴んだグラントに「減点1」。
減点されたグラントは前に。左右を突き、右ハイ、さらに右バックヒジを当てると、崩れながらもシングルレッグに来たアスンソンに横三角絞めへ! 足を三角組み、アスンソンのボディを両手で引き寄せるとアスンソンが失神。グラントは2連勝をマークした。
試合後、グラントは「接戦だったけど、玉砕覚悟で行って絞めてスクイーズした。誰とでも戦う」とフィニッシュを語った。
リザルトコール時にオープンフィンガーグローブを置いたアスンソンは、「家族やチーム、UFC、神に感謝したい。19年やってタイトルショットにたどり着けなかったのが悔やまれるけど、こまでやってこれた。いまが退くときだと感じた。家族とゆっくり過ごしたい」と引退を表明した。
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▼ミドル級 5分3R〇ジョシュ・フレムド(米国)10勝4敗(UFC1勝2敗)[2R 3分00秒 ギロチンチョーク]×セドリケス・ドゥマス(米国)7勝1敗(UFC0勝1敗)
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▼バンタム級 5分3R〇ビクター・ヘンリー(米国)23勝6敗(UFC2勝1敗)136lbs/61.69kg[判定2-1] ※30-27, 29-28, 28-29×トニー・グレーブリー(米国)23勝9敗(UFC4勝4敗)136lbs/61.69kg
ヘンリーは、RIZINでトレント・ガーダムに一本勝ち、バンタム級に落とした金原正徳をKOするなど2連勝後、LOXFバンタム級王者となり、UFCで欠場選手の代役でオクタゴンデビューのチャンスを掴んだヘンリー。
2022年1月の初戦は実力者ハオーニ・バルセロスに判定3-0で完勝も、2戦目はハファエル・アスンソンに判定負けで1勝1敗。
対するグレーブリーはテコンドー指導者の父に習い、大学までレスリングを学ぶ。Contender Series 2019を勝ち上がり、UFCデビュー戦はブレット・ジョンズにリアネイキドチョークで一本負けもその後4勝1敗。2022年9月の前戦はジャビッド・バシャラートに判定負けでUFC4勝3敗となっている。
1R、右カーフでヘンリーをこかすグレーブリー。さらに右カーフ。ヘンリーは右前蹴りを腹に突き前に。さらに右ミドルも。「ナイス」とコーナーのジョシュ・バーネット。続けてダブルレッグに入るが、切るグレーブリーが左右で前に出ると左で差して押し込み。四つに持ち込むヘンリーにヒザを突き、右ヒジで離れる。
右前蹴り、さらに左サイドキックを腹に入れるヘンリー。右ジャブのダブルを突き、右ロー。そこに低いダブルレッグはグレーブリー。尻を着いたヘンリーは立ち上がるがそこにボディロックで崩すグレーブリー。ヘンリーはアームロックを狙う。
2R、左を振り前に出るグレーブリーだが、ヘンリーの左右連打の圧力にグレーブリーは組み。2度がぶるヘンリーは、グレーブリーの打ち返しにも押し戻し前に。組むグレーブリーをもろ差しから押し込むヘンリー。ヒザを突き、右ヒジ、腹に前蹴り。ラウンド中盤でグレーブリーはダブルレッグ! 背中を見せて立ち上がるヘンリーは正対。右ヒザをテンカオで突くヘンリーは猛攻! さらに左ヒザ。右前蹴り、ストレートにグレーブリーは後退。右アッパーのグレーブリーだが単発。ダブルレッグにヘンリーは左ヒジ連打! 一瞬動きが止まるグレーブリーはテイクダウン狙いも小手に巻いて残すヘンリーが前に出てホーン。ヘンリーが取り返したラウンド。
3R、グローブタッチ。左右を突くグレーブリーに、ヘンリーも左右前蹴り。グレーブリーも左ミドル。そしてダブルレッグに。ここも切るヘンリー。左から右アッパーをかわす。組むグレーブリーを切るヘンリー。左右から左フックを当てるグレーブリー。ヘンリーも左右から左ストレートを突く。右カーフはグレーブリー。ダブルレッグも切るヘンリーはがぶりも2Rのラッシュで疲弊か。しかし組んで右ヒザ。右ストレートをヒット! 盛り返したヘンリーは押し込み右ヒジ。
グレーブリーの組みにヘンリーは前転の足関節、内ヒールフックからヒザ十字へ。ここはヒザを曲げたグレーブリーがパウンドから肩固めへ、これを後転してすぐに外したヘンリーは、シングルレッグから脇を潜ってバックに。正対したグレーブリーに細かいパンチ、残り10秒で押し込むヘンリー。グレーブリーが体を入れ替えホーン。タフな試合を繰り広げた両者は、試合後、互いに跪いて健闘を称え合った。
判定はスプリットに割れ、30-27, 29-28, 28-29でヘンリーが接戦をモノに。ケージの中でのダニエル・コーミエーのインタビューに「コーミエーじゃないか」と返すと、「今日は十分じゃない。もっと出来ると思った。カーディオを強化してきたんだ。前回の試合よりは実力を証明できたと思う。ハオーニ・バルセロス戦がフロックじゃないことを見せたかったんだ」と語った。
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▼女子フライ級 5分3R〇アリアネ・リプスキ(ブラジル)15勝8敗(UFC4勝5敗)125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※30-27×3×J.J. アルドリッチ(米国)11勝6敗(UFC7勝5敗)125.5lbs/56.93kg
1R、サウスポー構えからのアルドリッチの組みに、オーソのリプスキは首相撲ヒザ。離れるアルドリッチはシングルレッグから金網に押し込みも、ここも首相撲ヒジでリプスキが剥がし、右ミドル。近づけば首相撲にとらえる。
打撃で崩さずダブルレッグに入るも首相撲ヒザで迎え撃つリプスキ。さらに右を当てて前に。ワンツーで追い込んだところでホーン。
2R、ワンツーを繰り出すアルドリッチ。しかしリプスキもワンツスリーの右フックまで繋ぐ。さらにボディストレート。アルドリッチは左インロー。リプスキはワンツー右ハイは空振りもリズムよく攻め込む。
左前手でアルドリッチの右前手を触るリプスキは、右前蹴り、ボディ打ちから顔面と散らす。顔を腫らしたアルドリッチはダブルレッグに入るが、ここも切ったリプスキは右ミドルを当てる。右ハイはブロックしたアルドリッチはダブルレッグに入るが、ここも切ってヒザを突くリプスキは手数も多い。右ミドルハイはアルドリッチがブロック。
3R、ワンツー、右ボディストレートと出入りのリプスキはコンビネーションで右をヒット。刹那足が止まったところにアルドリッチはシングルレッグで金網まで押し込むが、小手に巻いて向き合ったリプスキ。四つ組みから逆に崩すのはリプスキ。
離れるアルドリッチは詰めて右前蹴りも手数が足りない。ワンツーで押し戻すリプスキは、組んで払い腰テイクダウン! サイドを奪いホーンが鳴らされた。
判定は3-0(30-27×3)のフルマークでリプスキが勝利した。
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▼フライ級 5分3R〇ブルーノ・シウバ(ブラジル)13勝5敗(UFC3勝2敗)125.5lbs/56.93kg[2R 1分23秒 リアネイキドチョーク]×タイソン・ナム(米国)21勝13敗(UFC3勝4敗)125.5lbs/56.93kg
2Rにブルーノ・シウバが右前蹴りでタイソン・ナムからダウンを奪うと、バック奪い、リアネイキドチョークで絞め落とした。
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▼ウェルター級 5分3R〇カールストン・ハリス(ガイアナ)18勝5敗(UFC3勝1敗)169.5lbs/76.88kg[判定3-0] ※30-27×3×ジャレッド・グッデン(米国)22勝9敗(UFC1勝4敗)177lbs/80.29kg※ グッデンは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のハリスに報奨金の30%を支払う
【中止】フェザー級 5分3Rヒカルド・ハモス(ブラジル)16勝4敗(UFC7勝3敗)154lbs/69.85kg ※体重超過オースティン・リンゴ(米国)9勝1敗(UFC2勝1敗)145.5lbs/66.00kg※ラモスが規定体重を8パウンドオーバーで試合は中止に