キックボクシング
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【KNOCK OUT】鈴木千裕が豪快46秒KOでクレベル・コイケ挑戦をアピール、龍聖が現役ラジャ王者からダウンを奪う快勝、小笠原瑛作がムエタイ最新MVPを圧倒、体重超過の木村ミノルが32秒一発KO勝ち、ぱんちゃん璃奈エキシは時間切れ

2023/03/05 15:03
KNOCK OUT 2023 SUPER BOUT “BLAZE”2023年3月5日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館 ▼第13試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級 3分3R延長1R〇鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者)KO 1R 0分46秒 ※左フック×マルコス・リオス(アルゼンチン/WBCムエタイ・アルゼンチン・スーパーライト級王者)  鈴木はペルー人の父と日本人の母を持つハーフで、3歳から伝統派空手を始め、中学生でMMAに挑戦。2018年のPANCRASEネオブラッド・トーナメントフライ級で優勝を果たした。2019年5月からはキックボクシングの試合に専念し、2020年2月の西岡蓮太戦で初黒星を喫したが、その後は6連続KO勝ち。今回は2022年1月のタップロン戦以来の出場となる。MMAではRIZINで5連勝中、2022年大晦日には中原由貴を1RでKOした。  リオスは23歳の若さで69勝(40KO)2敗とキャリアも多く、KO勝ちが多い。これまでスーパーライト級で獲得したタイトルはISKAムエタイ・アルゼンチン王座、WBCムエタイ・アルゼンチン王座、WKFインターナショナル王座、WKFサウスアメリカ王座、WKFアルゼンチン王座、BOSCH TOURインターナショナル王座、SUPER 8 インターナショナル王座と7冠。その強烈無比なファイトスタイルから“WASABI(ワサビ)”のニックネームを持つ。  1月29日にメキシコで開催された『GLORY RIVALS 5』に出場し、GLORY世界フェザー級5位デニス・ウォシク(ドイツ)をスプリット判定ながら破る番狂わせを起こしたばかり。その試合ではパワフルさよりも、ムエタイスタイルの左ミドルキック&ヒザ蹴りと打たれ強いタフさが目立っていた。  1R、鈴木は左足を上下にしつつ、様子を見ていくのか思いきやいきなり左右フックで襲い掛かると左フックでダウンを奪う。さらなる左右フックの猛打で襲い掛かると、打ち合おうとしたリオスは右からの左フックで再びダウン。パンチを打った勢いで鈴木の身体が泳いでしまうほどで、リオスは潰れるように倒れて起き上がれず。鈴木の秒殺KO勝ちとなった。  鈴木はマイクを持つと「もう大丈夫、なぜって? KNOCK OUT本日のMVPは鈴木千裕だからだ! これを伝えたいんですよ、今日は。僕は学んだことがあって、当たり前だけど人は変われるんです。諦めなければ成功する。MMAでもチャンピオン、KNOCK OUTでもベルトを守り続けて二刀流を体現する」と叫ぶと、リングサイドにいた榊原信行RIZIN CEOへ向かって「RIZIN、クレベル選手とタイトルマッチやらせてください。俺は二刀流になる」とアピールした。  鈴木はリングサイドを一周して、ファンの歓声に応えた。 [nextpage] ▼第12試合 KNOCK OUT-BLACK -58.5kg契約 3分3R延長1R〇龍聖(WIVERN/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)延長R 判定3-0 ※10-8×3×ペットセーンセーブ・ソーヂョー.トーンプラーヂン(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者)※本戦の判定は29-29×2、30-28。  龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、HIROYAの指導を受けアマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー(KO勝ち)。2021年10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦で銀次を判定3-0に破り初代王座に就いた。2022年4月には初の国際戦でメディ・ジライフィ(スペイン)にも勝利、7月にはRIZINに初参戦して魁志に3RでTKO勝ち。9月の『KNOCK OUT 2022 vol.5』では小笠原裕典に1RでKO勝ち、11月にグ・テゥオンにハイキックでKO勝ちと13勝(9KO)の無敗記録を更新している。12月には巌流島ルールに初挑戦、かつて皇治を苦しめたダウサコンを左ボディで初回KOに沈めてインパクトを残した。  当初、龍聖はかつてK-1で武尊と対戦したヨーキッサダー・ユッタチョンブリー(タイ)との対戦が決まっていたが、タイ側よりヨーキッサダー欠場の申し入れがあったため対戦相手変更。  これを受け、さらなる大物の招聘が決定。ペットセーンセーブは昨年5月に19歳でラジャダムナン王座を獲得したばかりの若き王者。判定決着が多いムエタイ界の中で、これまで49勝のうち24がKOとほぼ半数がKO勝ちという超好戦的なファイターだ。昨年は10戦6勝4敗、6勝のうち3KOをマークしており、最近の試合はフェザー級(126ポンド)前後の契約体重で行っているという。  1R、ジャブを伸ばす龍聖が左ミドル、右ストレート、右ロー。ペットセーンセーブは右ローを蹴るが龍聖はバックステップでかわし、左右ボディを打ち込んでいく。サイズが小さく、背も低いペットセーンセーブへ左右ボディとヒザを突き刺していく龍聖。ペットセーンセーブはガードを固めて背中を丸めるが、龍聖はアッパーを突き上げる。打たれながらも前に出るペットセーンセーブは左右フック、右ローも龍聖の左右ボディに後退。それでもジャブを打ち返して右ローを蹴って前へ出ようとする。そこへ龍聖の右ストレート、右フック。左フックには龍聖が左ボディを合わせた。  2R、ジャブを突くペットセーンセーブに龍聖はワンツーから左ボディ。前へ向かってくるペットセーンセーブに左右ボディ、左ハイキック。左三日月も蹴る龍聖。しかし、ペットセーンセーブはどれだけボディを打たれても前へ出てきて左フックを打つ。ペットセーンセーブの右ローに反応し始める龍聖。前に来るペットセーンセーブにはヒザを見舞う。右ローを蹴られながらも左右ボディを打ち返す龍聖。  3R、龍聖の左右フックから左ボディの連打に右ローで応戦するペットセーンセーブ。さらに左ミドルを連発。龍聖はジャブを突き、左ボディを命中させる。そこへ右フックを打つペットセーンセーブ。前へ出る龍聖が左ボディ、右ストレートからの左ボディをヒットさせていき、後ろ蹴りも見せる。しかし、タフはペットセーンセーブはミドルを蹴って前へ出てくる。龍聖はパンチのコンビネーションを繰り出すが、ペットセーンセーブはすぐに組み付きブレイクが続いた。  ジャッジ1名が龍聖を支持したが、判定はドロー。延長戦へ突入する。ペットセーンセーブの左ミドルに龍聖はワンツーからヒザ、右ローには左右ボディを返す。このラウンドも前に出て来るペットセーンセーブに龍聖はジャブと左ボディ。ペットセーンセーブは組みが多い。左ミドルを受ける龍聖だが、右ストレートを連続ヒット。組みに苦しむ龍聖だったが、バックキックからの右ショートストレートでダウンを奪う。さらにワンツーを、右ストレートを打ち込む龍聖。ペットセーンセーブが組み付きKOは逃したが、龍聖は試合終了と同時にコーナーへ駆け上がった。  階級が下とはいえ現役ラジャダムナン王者からダウンを奪って勝利した龍聖は「KNOCK OUTの王者としてこの舞台へやってきたんですけれど、めちゃくちゃ気持ちが強くて相手が倒れなくて。今まで倒せていたパンチでも倒れなくていい経験になりました。ペットセーンセーブ選手、タイから来ていただいてありがとうございました。もっとしっかりKOで倒して日本キックボクシング界の未来へ進もうと思ったんですが、もっともっと練習して強くなっていくので、僕の応援で来てくれていない皆さんも今後僕を見てください」と、今後注目して欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第11試合 KNOCK OUT-REDフェザー級 3分3R延長1R〇小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)判定3-0 ※29-28、30-28、30-27×ロンナチャイ・トー.ラミントラー(タイ/2022年ムエタイMVP、ルンピニースタジアム3階級制覇)  小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得、2015年7月にはREBELS52.5kg級王座も手にした。2017年9月、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座を獲得。2021年3月にはトーナメントを制してKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者となり、2022年9月にTAKERUにTKO勝ちして第2代KNOCK OUT-REDフェザー級王座に就き2階級制覇を達成。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。戦績は40勝(20KO)7敗1分。  2022年12月にはラジャダムナンスタジアム認定フェザー級9位チャーパヤックとの対戦に臨んだが、2度のダウンを奪うもヒジでカットされての逆転TKO負けを喫したばかり。2試合続けてムエタイ強豪との対戦となった。  ロンナチャイは2014年にミニフライ級、2016年にフライ級、2017年にバンタム級とルンピニースタジアムの3階級制覇を達成。プラジャンチャイには2戦して2敗しているが、クマンドーイとサオエークには勝利。コンペットには3勝1敗1分で勝ち越している。昨年は5勝1敗の戦績で、今年1月にタイのスポーツ省が認定する2022年MVPに選ばれたばかりの25歳のサウスポー。  1R、サウスポー同士。序盤から強烈な左ローを放っていく小笠原にロンナチャイはバランスを崩す。小笠原はよく動きながら左ローを狙い撃ち、ロンナチャイが左ミドルを蹴ってくるとキャッチして左ローを蹴る。明らかにこの左ローを嫌がるロンナチャイ。小笠原は蹴り足をキャッチしてのコカしを2回連続で行い、MVPをコカしてみせ、ロンナチャイを立ち上がらせて疲れさせる作戦。ロンナチャイの左ヒジをかわしての左ボディストレートを打った小笠原は、ロンナチャイの顔を見て笑みを浮かべる。  2R、前に出るロンナチャイは左フックからの左ヒジ。小笠原は左ローを蹴っていくが、ロンナチャイは思い切り左ストレートを打って来る。左ミドルを蹴るロンナチャイを無視して左ローを蹴っていく小笠原は左ボディストレートもヒットさせる。ロンナチャイは明らかなヒジ狙い。小笠原はロンナチャイのミドルをキャッチすると蹴り足を持ったままの連打を見舞う。小笠原の左ストレートもヒットし、場内が沸く。  3R、またも足払いでMVPを転倒させる小笠原。ロンナチャイは思い切りヒジを振り切る。小笠原がジャブを突き、左ローのフェイントをすると足を上げるロンナチャイ。小笠原はワンツーから左ロー、右フックでロンナチャイを圧倒。ダウン寸前となるロンナチャイだが涼しい顔でステップを踏み、左ミドルを蹴る。さらに左ストレート。逆転を狙ってヒジを思い切り打つロンナチャイだが空振り。小笠原が優勢を保ったまま試合を終えた。  勝利の雄叫びをあげる小笠原。判定はその通り、3-0で小笠原が勝利。「KNOCK OUTどんどん大きくなって初のビッグマッチ、代々木までたどり着けてよかったです。俺が引っ張るエースと言い続けて代々木まで持ってこれたことを嬉しく思います。タイの最高峰のヤツを倒したので、KNOCK OUTをさらに大きな会場まで引っ張っていきたいと思います」と高らかに宣言した。 [nextpage] ▼第10試合 KNOCK OUT-RED -72.0kg契約 3分3R延長1R×クンタップ・チャロンチャイ(タイ/KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王者)KO 1R 0分32秒 ※左フック〇木村“フィリップ”ミノル(Battle Box/第3代K-1 WORLD GPスーパーウェルター級王者)  クンタップはルンピニースタジアムで2位、ラジャダムナンスタジアムで3位(ウェルター級)まで上り詰めた実力者で、その後は日本で活躍。WMC世界ウェルター級王座、M-1スーパーウェルター級王座、WMAF世界スーパーウェルター級王座を獲得し、新田明臣、白須康仁、石毛慎也など国内トップ選手と数多く対戦。2004年にはアンディ・サワーと対戦したほか、MMAにも挑戦して2005年に矢野卓見、2012年に星野大介と戦っている。42歳となった今も現役で、2022年10月にはKNOCK OUTで中島弘貴に勝利、12月には王座決定戦で津崎善郎を破りKNOCK OUT王座に就いた。戦績は73勝(21KO)18敗9分。  木村は長くK-1の主要選手として活躍し、2018年8月にはKrushウェルター級王座に君臨。2019年にはK-1の全大会に出場し、全試合KO勝利。2020年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」を3試合連続KOで制し、悲願のK-1王座に就いた。2021年12月の初防衛戦で和島大海に敗れて王座を失い、ボクシング転向を表明していたが、2022年12月の『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』で電撃復帰。矢地祐介を1RでKOして強烈なインパクトを残した。戦績は36勝(29KO)10敗1分。  この試合は木村の希望通り、ヒジ打ちあり、首相撲無制限のルールで行われる。木村は前日計量で体重超過、①第1R、木村は減点2から試合開始②クンタップは8オンス、木村は10オンス着用のグローブハンデとなる(本来は双方とも8オンス)③木村はファイトマネーから20%減額、で試合が実施されることに。  試合が始まってすぐ、木村のステップインしての左フックが炸裂。クンタップはダウンするとその場で痙攣、すぐにレフェリーがストップし、リングの中には担架が運び込まれた。  木村はマイクを持つと「皆さん、昨日はプロとしてやってはいけないことをしてしまいました。クンタップ選手、今日は試合を受けてくださりありがとうございました」と、まずは体重超過を謝罪。  続いて「やりたいことがあって。パッキャオ選手が日本に来ると思うんですけれど、本当にパッキャオに勝つ姿を見たかったら俺が絶対に勝てると思うのでここに宣言します。やらせてください」と、マニー・パッキャオとの対戦に名乗りを上げた。場内のスクリーンにはリングサイドにいた榊原信行RIZIN CEOの姿が映し出された。果たして、木村の想いは届くのだろうか。 [nextpage] ▼第9試合 KNOCK OUT-RED -64.5kg契約 3分3R延長1R×バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-BLACKライト級王者)KO 3R 2分11秒 ※レフェリーストップ〇不可思(クロスポイント吉祥寺/KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者)  バズーカは2020年2月のKNOCK OUT無法島GPの決勝戦で西岡蓮太に判定負けを喫するも大きなインパクトを残して“覚醒”。8月大会では丹羽圭介に判定勝ちしてKNOCK OUT-BLACKライト級王座を奪取。2021年10月にはWMAF世界スーパーライト級王座決定戦で勝利し、二冠王となった。しかし、2022年は6月のシュートボクシングでは乱戦の末に笠原弘希にヒジでカットされてTKO負け。8月には『鉄拳14』でテープパットとドロー、11月はTAaaaCHANに辛勝と精彩を欠いている。戦績は27勝(10KO)9敗3分。  不可思は様々な団体で試合を行い、合計5本のベルトを獲得。2019年6月にK-1へ初参戦、佐々木大蔵に流血TKO負けを喫して初陣を勝利で飾れなかったものの、2019年12月には大和哲也にKO勝ち。2020年3月にK-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也に挑戦したが判定で敗れ王座奪取ならず。2022年は4月に小嶋瑠久をTKO、9月に大野祐志郎をKOに破ったが、12月に林健太に敗れた。戦績は43勝(20KO)18敗2分。  今回は元KNOCK OUT王者というより、K-1の選手として出るとの意識が強いという。  1R、前に出る不可思を足払いで豪快にコカすバズーカ。さらに長い右ストレートを伸ばす。前に出る不可思は右ロー、左ミドル。バズーカは右カーフを蹴り、組み付くとボディロックから不可思を浴びせ倒す。ジャブから左ハイを放つバズーカは、ジャブから組み付くと不可思をプッシュしてコカす。ローを空振りした不可思の足がロープの外に出ると、すかさず攻撃を加える容赦ないバズーカ。不可思はジャブと右カーフ。バズーカは距離をとってロングの技で戦い、接近戦になると組んでしまう作戦か。  2R、不可思の蹴りをキャッチしてのハイキック、ボディロックからのコカしのバズーカに、不可思も組んで首相撲からバズーカをコカす。接近する不可思だがすぐにバズーカが組みに持ち込む。ジャブから右ヒジの不可思にバズーカはハイキック。バズーカもワンツーから右ヒジを打つ。組みが多く、両者がコカしあう展開に。  3R、左フックの相打ちでダウン寸前となったバズーカへ不可思が一気に襲い掛かり、バズーカもコーナーを背にして打ち合うが左フックでダウンを奪われる。立ち上がるもフラフラのバズーカ。不可思は慎重にジャブ、右ローから入り、ワンツー。フラフラのバズーカはヒジ、バックハンドブローを放つが、コーナーで不可思の連打を浴びてスタンディングダウン。  捨て身で打ち合いに行くバズーカだが不可思の右を浴び、コーナーで連打を浴びる。それでも前へ出て打ち合いにいったバズーカだがパンチを空振りして倒れ、起き上がることが出来ずレフェリーが試合をストップした。  KNOCK OUT王者にKO勝利を収めた不可思は「KNOCK OUTファンの皆さんお久しぶりです、不可思です。戦ってくれたバズーカくん、ありがとう。今K-1のベルトを獲りに行ってる最中で、なかなかこっちに遊びに来れないんですが、またK-1のベルトを持って遊びに来させてもらいます」と、次はK-1王者としてKNOCK OUTのリングに上がると話した。 [nextpage] ▼エキシビションマッチ(パンチのみ)2分2R―ぱんちゃん璃奈(フリー)エキシビションのため勝敗無し―坂本瑠華(スナイパーセキュリティー)  ぱんちゃんはアマチュアで優勝経験を積み、2019年2月にプロデビュー。パク・シウ、ペットチョンプーらを相手に無敗の快進撃を続け、2020年8月にシュートボクシングのトップ選手であるMISAKIを破ってREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)に就いた。  2021年5月、二冠王のMIREYを右ストレート一発でマットに沈めると、この試合がバラエティー番組『ノブナカなんなん』で地上波放映され反響を呼ぶ。7月には最強の敵と目されたミネルヴァ・ライトフライ級王者sasoriをも退け、9月にはRIZIN初出場で百花に判定勝ち。2022年3月には喜多村美紀に圧勝してデビュー以来無敗の13連勝(2KO)をマークしたが、練習中に前十字靭帯を断裂して長期欠場。  復帰を目指している中、那須川天心と武尊の限定サイン入りポスターを偽造して、インターネットオークションで落札者から9万9900円をだまし取ったとして、2022年12月5日に兵庫県警垂水署により詐欺の容疑で逮捕されたが、今回リングに復帰。 『BreakingDown』の“土木ネキ”こと坂本は2月12日(日)アクロス福岡イベントホールで開催された『KPKB vol.12、13』(九州プロキックボクシング)でプロデビューし、36戦のキャリアを持つベテランの小澤聡子に判定負けで黒星デビュー。1週間後の『BreakingDown7』にも出場し、あきに判定4-0で勝利している。BreakingDownの戦績は2勝1敗。  ぱんちゃんは深々と頭を下げて入場。リングに上がると声援に笑顔を見せる。一部からは「サインくださーい」との野次も飛ぶ。  1R、ジャブを突くぱんちゃんは坂本がワンツーを打つと右ストレートのカウンター。その後もジャブを突きまくる。構えを左右にスイッチして回り込む坂本だが、ぱんちゃんのジャブ、右ストレートに入り込めない状態が続く。ぱんちゃんが左右ボディから右フック、さらにボディ連打で坂本を防戦一方に追い込んで1R終了。  2R、坂本が前へ出てくるところにジャブ、右ストレートを合わせるぱんちゃん。坂本の左をもらうとぱんちゃんは前へ出て左右フック。ジャブ、ワンツーにガードを固める坂本。右を思い切り振るがぱんちゃんはかわす。頭を下げてガードを固める坂本にぱんちゃんは右アッパーを連打、ラスト1-秒で坂本も頭を下げながら左右フック連打、ぱんちゃんも打ち合ったがKOはなく、時間切れドローとなった。  坂本はマイクを持つと「ブレイキングダウンの坂本です。まず今日こんな試合をオファーしてくださったぱんちゃん、ありがとうございます」というと涙。「私の夢をかなえてくださってありがとうございます。ぱんちゃんさん、もう一度KNOCK OUTのベルトを獲ってください。私が強くなっていつかその舞台へ行くのでそれまでベルトを持っていてください」と号泣。  ぱんちゃんも涙を流しながら「KNOCK OUTファンの皆様、格闘技ファンの皆様、この度は本当に申し訳ありませんでした。許されないことをしてしまい、たくさんの方にご迷惑をおかしました。私には拳しかありません。拳しかないことを見せたかったんですがまだ未熟だなと思いました。レベルが違うと言ってしまった発言を…ごめんなさい、何を言っているか分からなくなりました。今まで不快な思いをさせてしまった格闘技ファンの皆様、本当に申し訳ありません。マイナスから頑張ります。温かいKNOCK OUTをこれからもよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 KNOCK OUT-BLACK ウェルター級 3分3R延長1R×渡部太基(TEAM TEPPEN/第4代Krushウェルター級王者)判定0-2 ※28-30×2、28-29〇スアレック・ルークカムイ(STURGIS新宿/初代KNOCK OUT-REDライト級王者)  1R、サウスポーの渡部にスアレックが右ローを蹴っていくと渡部は大きく崩れる。体勢を立て直して前に出る渡部は左ボディストレート。スアレックの右ローにバランスを崩す渡部はスアレックの右フック、右ボディ、さらに右フックをもらうとダウンしかける。スアレックはさらにパンチで追い打ち。  2R、いきなり前に出る渡部は左ストレートもスアレックに右フックを打ち返されて後退。さらに右で追い打ちをかけるスアレックはヒザもボディへ突き刺す。ロープを背にした渡部へ右フックを連続で打つスアレック。さらに右ローで渡部の身体が揺らぐ。右目上から流血しながらも左フックを打ち返す渡部に、スアレックは右フックと右アッパー。まともに被弾しながらも下がらず打ち返す渡部は左ローを蹴る。スアレックも攻め疲れが見える。  3Rも打ち合う両者。スアレックの右を被弾しながらも左フックと左ロー、ジャブを出す渡部。疲れが見えるスアレックは首相撲からのヒザ。渡部は左ローを徹底して蹴り、スアレックは右フックを返す。組みやコカし技が多くなるスアレックは組みから連続してヒザを蹴ってしまい警告を受ける。渡部は最後までパンチで倒しにいったが、スアレックは組みに行って逃げ切り、判定勝ちした。 [nextpage] ▼第7試合 KNOCK OUT-BLACK ウェルター級 3分3R延長1R×杉原新也(ワイルドシーサー前橋)判定0-3 ※27-30〇宇佐美秀メイソン(Battle Box)  宇佐美は新極真空手全日本ドリームカップ優勝、新空手全日本大会K4グランプリ優勝、新空手ガオラカップ優勝、内田塾全日本大会(ジャパンゲーム)3連覇、白蓮会館全関東選手権優勝、覇王キックボクシング大会優勝、月心会グローブ空手道選手権優勝などアマチュアで多数の優勝経験を持ち、2022年4月の『POUND STORM』にてMMAでプロデビュー。12月の『INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国』でキックボクシングデビュー戦を行い、アルバート・クラウスに勝利した21歳。  宮田充KNOCK OUTプロデューサーによると、デビュー戦でクラウスに勝利した宇佐美を警戒し、またこれが2戦目とキャリアが浅いことから対戦オファーを受ける選手がおらず、対戦相手選びが難航したという。  対する杉原はプロキャリア12勝(9KO)12敗、KNOCK OUTには今回が3度めの参戦となる。昨年4月大会では、ベテランの渡部太基に判定で惜敗したものの、真っ向勝負の打撃戦で評価を高めていた。  1R、場内のあちこちから起こるメイソンコール。サウスポーの宇佐美に杉原は左ミドルを蹴っていくが、いきなり宇佐美がラッシュを仕掛けて左をフルスイング。至近距離からのハイキックや前蹴りも放ち、右カーフから左右フック。左右ミドルで応戦する杉原には左ボディを見舞う。顔面へのフェイントから左右ボディ、そのまま顔面へ打ち込むのと使い分け、さらに至近距離からのハイキックや前蹴り。左アッパーも突き上げる宇佐美。杉原もガードが低い宇佐美に左フックをヒットさせるが、思い切りのいいパンチを繰り出していく宇佐美にどよめきが起こる。  2R、メイソンのハイキックや左アッパー、右フックにどよめきが起こる。宇佐美は左ボディ、右ボディ。杉原も打ち返すが宇佐美はノーガードでも構わず前へ出て連打していく。足を止めての左右フックの打ち合いも宇佐美は一歩も退かずアッパーも突き上げる。さらに右横蹴りをボディから顔面へ連打。ボディへのヒザ、飛びヒザ、左右アッパーと迫力のある技を繰り出していく宇佐美。  3R、左右フックとアッパーで杉原を圧倒する宇佐美。しかし、杉原もタフで前へ出る。途中から左を一切打たず、ジャブ、右フック、飛びヒザ蹴り、右カーフで攻める宇佐美。ヒザをボディから顔面、そして右フックと強い一撃を見舞う宇佐美。試合終了のゴングが鳴ると、宇佐美は不満そうな顔で首をひねった。  判定はフルマークで宇佐美の勝利となった。 [nextpage] ▼第6試合 KNOCK OUT-BLACK -59.0kg契約 3分3R延長1R〇久井大夢(TEAM TAIMU/KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王者)判定3-0 ※30-28×2、29-28×元山祐希(武勇会/元ICOインターコンチネンタル・フェザー級王者)  KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王者・久井大夢(TEAM TAIMU)はKNOCK OUTアマチュア・アダルト65kg優勝(2022年2月)、同60kg優勝(2021年8月)、同55kg優勝(2021年3月)の実績を持ち、2022年4月大会でプロデビューしてKO勝ち。9月も向井貫太にTKO勝ちして戦績を2勝(2KO)とし、3戦目で12月の王座決定戦に大抜擢されると新田宗一朗に2RでKO勝ち、わずか3戦目で王座に就いた。  その久井の相手は元山祐希(武勇会)に決定。元山は、なんとキックボクサーであった久井の父と2度対戦しており、1勝1敗の戦績。親子2代と対戦することになる。32歳で戦績は13勝(2KO)8敗2分。元IOCインターコンチネンタル・フェザー級王者。  1R、サウスポーからジャブ、左ミドルを蹴っていく久井に元山はブロックを固めて近付いての左右フック。久井は右カーフを蹴り、元山は左ローを蹴る。久井は真っ直ぐに伸びる左ストレートを当てる。ジャブ、ローと上下に攻撃を振り分ける久井は元山が前へ出てくるとテンカオを突き刺す。  2R、いきなり久井が後ろ蹴り。元山は前へ出て右ローを蹴っていくが、久井はバックステップでかわす。逆に右三日月、左ボディ。ロープに詰めた元山が右フックをヒットさせるが、久井も左ストレートで応戦。ジャブ、左ストレート、左右の三日月としっかり当てていく久井。元山も左右フックで応戦し、久井も気が抜けない展開が続く。  3Rもジャブ、左ストレートをしっかり当てていくのは久井。元山は久井のジャブや右カーフをもらいながらも前へ出て左右フックを打っていく。久井がジャブ、左フック、左ハイ、左インローと攻めるも元山は崩れない。それどころかカモンゼスチャーをして左右フックで前へ出る。久井は左ストレートで迎え撃つが、決着は判定に。  判定3-0で久井がKNOCK OUT王者総崩れをストップした。 [nextpage] ▼第5試合 KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級 3分3R延長1R×壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)KO 3R 2分13秒 ※3ノックダウン〇響波(Y’s glow)  1R、サウスポーの壱はジャブから左ミドル、響波は左の蹴りを多用する。前に出る壱はパンチから接近すると左ヒジ。これでカットを奪う。その後もヒジを狙い撃ちにするが響波は飛びヒザで対抗。蹴りとロングリーチのパンチで近付けさせないようにする響波だが、壱はジャブから入り込んで組み付くと崩して豪快に響波をマットへ叩きつけた。  2R、右ストレートから左フックで入り込んでくる壱を飛びヒザで迎え撃つ響波。それでも壱は入り込んでの左右フック。壱は組んでのヒジを狙うが響波が防ぐため、ならばとボディロックから投げ捨てる。響波は胴廻し回転蹴りを度々放つがこれは決まらない。壱のパンチに押される響波だったが、左ストレートをクリーンヒット。ここから響波の左が入り始める。慎重になる壱は距離をとって左ミドル、前蹴り。  3R、強い左ミドルを蹴る響波だったが、壱の左ストレートでダウン。しかし、ダウンしたところへ壱が顔面に蹴りを見舞ってしまい、注意を受ける。その直後、今度は響波が左フックを思い切り振るとダウンを奪い返す。打ち合いに行く壱だが、響波の左フックを浴びてまたもダウン。それでも前に出る壱はワンツー、左ヒジ。響波も左フックで応戦する。パンチで攻め込む壱へロープを背負って耐えていた響波がなんとバックスピンエルボー! この一発で壱は3度目のダウンを喫し、響波のKO勝ちとなった。  これで現KNOCK OUT王者が3人続けて敗れるという大波乱。「今回はしっかりKOで勝つことが出来ました。前回は気を抜いてしまってKO負けしてしまって。今回はREDでやったんですけれどREDの王者は壱選手が似合うと思うので、僕は前回KO負けした古木選手にリベンジしたいです」と、BLACK王者・古木への挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級 3分3R延長1R×古木誠也(G1 TEAM TAKAGI/KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者)KO 1R 2分46秒 ※右ストレート〇武蔵(NOPPADET GYM) KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者・古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴を持ち、2022年9月大会で前田翔太に初回TKO勝ち、11月大会では5戦目にして元KNOCK OUT-REDバンタム級王者・響波を右フックで初回KOに破り、12月の王座決定戦では工藤“red”玲央を初回KOして王座に就いた。戦績は5勝(4KO)1敗。  その古木の相手には、龍聖からの推薦で武蔵(NOPPADET GYM)が抜擢された。まだ17歳でK-1、RISEのジュニア大会で優勝し、プロ戦績は6勝(4KO)1敗。1月22日のビッグバンに出場して勝利している。  1R、古木の右ローに勢いよくワンツーを合わせに行く武蔵。さらに前蹴りで古木を突き放す。それでお右ローを蹴っていく古木は左フックも。左ミドルから右ローで前に出る古木。しかし、古木の右ローに武蔵が右フックをを合わせて、一気にラッシュ。古木がグラついてコーナーに追い込まれ、連打を浴びてスタンディングダウンを奪われる。  その直後、すかさず襲い掛かる武蔵に古木が左フックを振り抜き、なんとダウンを奪い返す。立ち上がると古木が打ち合いに行くが、武蔵が右ストレートを打ち抜いてダウンを奪った。倒れ方を見てレフェリーが即、武蔵のKO勝ちを宣した。心直に続いて王者になったばかりの古木が敗れるという波乱に。  喜びを爆発させる武蔵は「今回初めての参戦で自分を知らなかった人たちもいっぱいいると思いますが、インパクトを残せたと思うのこれからよろしくお願いします。KOで勝ったので次タイトルマッチお願いします」と、タイトルマッチでの再戦をアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 KNOCK OUT-RED -53.0kg契約 3分3R延長1R×心直(REON Fighting sports GYM/KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)判定0-3 ※29-30、28-30、28-29〇MASA BRAVELY(BRAVELY GYM/M-1世界バンタム級王者) KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者・心直(REON Fighting Gym)は“プロフェッショナルシスト”健太の愛弟子で、J-NETWORKフライ級新人王を獲得後、KNOCK OUT、REBELS、シュートボクシングに参戦。KNOCK OUTでは2021年に「初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント」に出場、SBでは日本バンタム級1位になっている。2022年12月の王座決定戦では無敗のホープ乙津陸を判定に破り、王座に就いた。戦績は8勝(1KO)8敗2分。  対戦相手は初参戦のMASA BRAVELY(BRAVELY GYM)大分県をベースに様々な団体に出場し、これまでM-1世界バンタム級王座、M-1 JAPAN同級王座、WPMFインターナショナル・スーパーフライ級王座、スックワンキントーン同級王座、WMC日本同級王座とムエタイで5本ものベルトを獲得。戦績は18勝(8KO)11敗1分。  1R、サウスポー同士。心直が左ローを蹴るとMASAは左ミドル。心直の右フックには右フックを返す。左カーフを狙い撃ちにする心直。両者の左ストレートが交錯する。MASAは心直のパンチを警戒してガードは固く、そこから縦ヒジを打つ。互いに相手の蹴り足をキャッチしてのパンチを繰り出し、心直は蹴り足をキャッチしての軸足払いも見せる。  2Rも左カーフを蹴っていく心直にMASAは前へ出ながら左ミドル、機を見てヒジも打つ。首相撲で左ヒジをヒットさせるMASA。この組んでからのヒジに苦しむ心直だが、ラウンド終了直前には逆に左右フックをヒットさせた。  3Rも前に出るのはMASAで組んでのヒジを狙う。MASAの左ヒジに追い込まれる心直は左フックで反撃するが、下がらされる。さらにワンツーをもらって下がる心直。MASAの左ミドルに左フックで対抗する心直だが首相撲に捕まり、ヒザを蹴られて試合終了。  MASAがKNOCK OUT王者になったばかりの心直を破る番狂わせを起こした。次はタイトルマッチでの再戦となるか。 [nextpage] ▼第2試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級 3分3R延長1R〇渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺/2018ミャンマーラウェイ 75kg級世界王者)KO 延長R 2分42秒 ※左フック×MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM/元WPMF日本ウェルター級王者)  1R、サウスポーの渡慶次にMASATOは距離を保ったまま右の三日月を狙い撃ち。渡慶次が左ローを蹴ると、MASATOは前へ出てヒザと右ミドル。徹底して右の三日月を差すMASATOに渡慶次は左フックをヒットさせるが、追撃が届かない。  2R、MASATOは飛び込んでの顔面前蹴り。すぐに右三日月。MASATOの右の蹴りになかなか入れない渡慶次も左の三日月を蹴り返すが、MASATOはしっかりスネでカットする。MASATOはテンカオを返す。右ミドルに入り込めない渡慶次はMASATOのヒザに右フックを合わせにいく。MASATOの蹴りに技に近付けない状態が続く渡慶次。前蹴りで押されていく場面も。  3R、渡慶次は左フックから左右フック連打で前へ出るが、すぐにMASATOが蹴りで距離を作る。MASATOの右ミドル、右前蹴りで跳ね飛ばされる渡慶次はもらいながら前へ出てフックを当てに行くが、すぐに前蹴りとヒザで距離をとられる。それでも前へ行く渡慶次は右フックをヒット。MASATOは下がりながら右ミドル。左右ボディを打つ渡慶次にMASATOは右膝をグサリ。この右ヒザが何度も刺さる。それでも前へ行き左右フックを繰り出す渡慶次。三日月蹴りはMASATOがスネブロック。かなり疲れが見える渡慶次がラスト30秒でついに左右フックをヒットさせ、左右フックの連打から左フックの連打でついにダウンを奪う。爆発する会場、そして本戦終了のゴング。  本戦はジャッジ1名が渡慶次を支持したがドローに。延長戦へ突入する。パンチを出しながら前へ出る渡慶次にMASATOはこれまでのように蹴りで止めることが出来ない。渡慶次がヒザ蹴りに右フックのカウンター。左ロー、左ボディ、ワンツーで前へ出る渡慶次に右ミドルと右前蹴りで対抗するMASATOだが、渡慶次の左フックで後退。すかさず左右フックを振り回す渡慶次が右フックからの左三日月でダウンを奪う。かなりの疲労を感じさせるMASATOはボディを喰らってフラフラに。そこへ渡慶次が左フックを見舞い、MASATOがダウン。渡慶次のKO勝ちとなった。  1Rと2Rの劣勢を挽回し、逆転KO勝ちを飾った渡慶次は「キックボクシング2勝目です、ありがとう。去年はMMAばかりやっていたんですけれど、1年半ぶりに東京で試合をしています。見ての通りキックボクシング超下手なので、ラウェイ、MMA、プロレスで頑張ります。キックボクシングは年1回くらいで(笑)。僕の大好きな北岡(悟)さんが久しぶりに勝ってくれて、それが本当に嬉しくて続きたくて勝ててよかったです。本気で格闘技を頑張っているんですよ。KNOCK OUTは本気で格闘技を頑張るヤツが輝ける舞台だと思っています。これからも呼んでください」と思いの丈を語った。 [nextpage] ▼第1試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級 3分3R延長1R×工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)TKO 1R 3分00秒 ※レフェリーストップ〇小倉尚也(スクランブル渋谷)  1R序盤からパンチで攻めていくのは工藤。右ロングフックをヒットさせる。すかさずコンビネーションを回転させていく小倉に工藤は伸び上がるフェイントから右ストレートをヒット。右を当て合う両者だが、小倉が前へ出ていく。  小倉が左三日月、右カーフも蹴り、左右フックとヒザで押していく。残り15秒、小倉の連打を浴び続けた工藤が右フックでダウン。立ち上がるも小倉の右ストレートを直撃され、グラついてコーナーに寄りかかったところでレフェリーが試合をストップした。  小倉はマイクを持つと「これが第1試合だ! 盛り上がってますかーーっ!」と絶叫した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第4試合 KNOCK OUT-BLACK フェザー級 3分3R〇雅治(レンジャージム)KO 1R 2分37秒 ※3ノックダウン×千羽裕樹(スクランブル渋谷) 1R、雅治はジャブ&ローを繰り出すが、千羽は構わず前へ出てパンチを繰り出していき右クロスでダウンを奪う。しかし、雅治がワンツーで反撃するとこれをモロに喰らってしまい、右フックでダウンを取り返された。  足元がおぼつかない千羽へ雅治が左右フック連打を見舞うと倒れる千羽。2度目のダウンとなり、最後は雅治がラッシュをかけてボディへヒザをグサリ。雅治の逆転KO勝ちとなった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級 3分3R〇酒井柚樹(TEAM TEPPEN)判定2-0 ※30-29×2、29-29×阿部晴翔(チーム・タイガーホーク) 1R、まずはジャブとローの交換。酒井が左ボディストレート・フック、左ミドル、前蹴りとボディを中心に攻めていき、パンチを繰り出していく。阿部は手数が少ないが、左ミドルで快音を響かせた。  2Rは阿部が左右ミドル&ローにパンチを織り交ぜ、手数を増やしていく。酒井はその蹴り足をキャッチしての左右連打を返す。  3Rになると酒井がさらに回転を上げてパンチ&蹴りのコンビネーションで圧倒的な手数・脚数を出す。阿部はミドルを蹴るもキャッチされ、その後に連打をもらってしまう。ラスト10秒で阿部が打ち合いに行き、右を強烈にヒットさせるも時すでに遅し。  酒井が判定2-0で勝利を収めたが、納得がいかなかったのか悔し涙を流した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級 3分3R〇井ノ本航希(LAILAPS東京北星ジム)判定3-0 ※30-27×3×前田翔太(WSRフェアテックス三ノ輪)  1R、両者ローとミドルの蹴り合い。右ミドルを多用する前田に対し、井ノ本は右ローを蹴り返す。井ノ本は左フックも狙う。右ミドルにリターンする右ローが強烈に決まり、前田が右ストレートでダウンを奪う。井ノ本はコカし技も多用。  2R、右ローから右フックを当てに行く井ノ本。前田は前蹴り、飛びヒザ、右ストレートと抵抗し、足を止めて打ち合う場面も。井ノ本は右ローと右フックのどちらが来るのか分からないフェイントを使って両方を当てに行く。  3R、強い右をヒットさせる井ノ本が前田に鼻血を出させる。前田も逆転を狙ってパンチを繰り出すが、井ノ本のハンドスピードが速い。井ノ本が飛び廻し蹴りを繰り出せば、前田も飛び二段蹴りを放つ。最後も強烈な右フックをヒットさせた井ノ本が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級 3分3R×竹田哲紳(クレイン)判定0-2 ※29-30、29-29、28-30〇柿﨑 瑠(クロスポイント大泉)  1R、前に出る柿崎が右ローを当てていき、序盤はロープを背負うことが多い竹田だが右ストレートを何回もヒットさせていく。しかし、柿崎が左三日月を突き刺すと強烈な右フック、さらに右ハイもかすめる。  2Rも右ローと前蹴りを出しながら前に出る柿崎に竹田はロープを背負う展開。柿崎の強烈な右フックがヒットしグラついた竹田だが、右ストレートで逆襲。右ストレートと右フックが交互にヒット。  3R、身体ごと行くような強烈な右をヒットさせる竹田は左フックもフォロー。押された柿崎だがパンチを繰り出して前へ出ると、右ミドルとヒザでボディを攻める。前へ出た柿崎と強い右をヒットさせた竹田。  判定2-0で柿崎が熱戦を制した。
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