12月31日、さいたまスーパーアリーナで午前中に開催される『RIZIN 平成最後のやれんのか!』のメインイベントで、川尻達也(T-BLODD)と対戦する北岡悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜)が19日、パンクラスイズム横浜にて公開練習を行った。
タケダイグウジトレーナーの指導のもと、普段のままに3セットのサーキットトレーニングを「リアルに公開」した北岡は、計測された心拍数の向上を確認して、「見られて上がるタイプだから」と笑顔を見せた。
同時代を戦ってきた川尻を相手に、練習後の囲み取材では「『ひとつの試合』である」と語った北岡。それは、いつものように全否定されることも、全否定することも覚悟のうえで『ひとつの試合』として臨む、ということだろう。
それでもなお「思うところはあるけど、“戦前”には言いたくない」という北岡の言葉は、その行間を読む必要がある。何気なく発した、「相手は『同世代』というけど、自分にとっては『先輩』というイメージ」、練習に対する「1年後、2年後に生きるもの」「70に戻すと聞いて、マッチアップとしてはあるだろうなとは思っていたけど」──などの言葉から、そのスタンスや思いが見えてくる。
両者ともに2000年にプロデビュー。「諦めが悪い」川尻と「何ひとつ諦めていない」北岡は、『やれんのか』と問われて、2018年大晦日、さいたまスーパーアリーナのメインで戦いを『やる』。
◆北岡「否定されて踏みにじられた、それを踏まえて立ち上がって挑む。そんな状況でこのオファーが来て『やれるのか』と問われるならば、『やります。俺はやるぞ』と、いうことです」
──サーキットトレーニングは普段からやっているのですか?
「(7月のRIZIN.11の)ディエゴ(ブランダオン)戦の前からやっていますね」
──効果としては?
「単純に言うとスタミナ強化ですね。近いようなことは自分でもやっていたけど、専門の方(タケダイグウジ トレーナー)にやってもらっているので。僕はあんまり数字とか詳しくないし、それについて勉強しようとも思っていないし、お任せの部分です。これをやれば体力的にいいであろうと思ってやっている感じです。
元々、本来5分3RなのがRIZINでは(1R)10分・(2R)5分で(試合を)やるうえでそのスタミナ作りをやりたいなと思って。ちょっとその(1R)10分がネックになっていたのを矢地(祐介)戦やストラッサー(起一)戦で感じていたので。でも、今回もディエゴ戦も5分3Rという話なんですけど(苦笑)。
でも、負けたんですけど(10月DEEP王座戦)武田(光司)戦でも3R目に猛攻をかけられたので、ちゃんと(その局面を)切り取ってみて効果があると思っていますし、こういうのって、すぐに結果が出るものではないので、トレーニングも、格闘技の技術とか練習も1年後、2年後に生きるものだと思っています。
とはいえ、矛盾したことを言うようですが、次の試合のことしか考えていません。だからといってこういった修練を怠ろうとは思わないし、ディエゴ戦も武田戦も負けたけど、こういうったトレーニングを続けている。……負けて全否定だけど、切り取ってみて続けていく。継続していくところは、継続していく──そういう感じです」
──身体つきを見る限り仕上がっているように見えます。
「ああ、そうですね。まあベストボディ的なものを目指しているわけではないですけど、なかなか仕上がりはきっといいと思います。でもコンテストじゃないから。それこそ対戦相手もナイスボディな方なので。やるべきことをやれば身体は仕上がるし、心技体……」
──充実していますか?
「うーん……、この2年の戦績を考えると、何も語ることはできない立場ですけど、この試合に対してとか、思うことはもちろんあるんですけど、戦前に語ることではないのかなと思っています。充実しているか、という質問に対しては、イエスではあります。ていうか、充実していないように見えますか?」
──言いたくない、ということは川尻達也選手に対しては、何か普段の相手とは違う思いがある?
「……なくはないですけど、それも『言いたくない』っていう話になっちゃうから……極力言うと、とはいえ『ひとつの試合』である、『戦い』であるということだと思います。ただ……強い、と。まあ、名前があるないは関係ないですが意味はある。
ただ……思ったよりもお互い様なのかな、と思ったんですけど。お互い様。というのは、向こうにとっても北岡悟とやることに意味づけを設けているみたいなので。でも、それは全然、僕にとっては関係のないことですが」
──「やれんのか!」のメインイベントであることについては?
「うーん……さっきの話と同じで、この試合に対して思うことはある、ということに通じる話ですよね」
──DEEPのベルトを失ったことで精神的な変化は?
「それはもう、2カ月も前の話で、もちろん(負けたことを)思ったんですけど、この試合に向けてやっていると、それはもうよくも悪くも過去(の話)だから、それを踏まえて。武田戦は直近だから直近の反省は大きいし、ディエゴ戦も反省はあるし、去年の2試合も負けだし……過去とはいえ、僕にとって大きなことだから。死にはしないけど、否定されて踏みにじられた、っていうことだから、それを踏まえて立ち上がって挑むということだし……それでも、このオファーが来て、というところですよね。会見でも言いましたが、それが『やれるのか』と言う問いならば、『やります。俺はやるぞ』と、いうことです」
──かつて同じ階級だった頃、2007年開催予定であったPRIDEライト級GPは無くなり、北岡選手は2008年に戦極ライト級GPに出場し、川尻選手はDREAMでライト級GPに出ていました。当時は川尻選手をどう感じていましたか。
「そうですね……うーん。相手は『同世代』というけど、自分にとっては『先輩』というイメージなんですよね。1歳年上で。同階級だったといっても、2011年には(川尻は)フェザー級に落としているから、実際に同じ階級だったのは4年くらいですよね……語るのが難しいですね」
──では、ライト級に戻した川尻選手をどうとらえていますか。
「ああ、ライト級……ちょっと未知数ですよね。7年違う階級だったわけだから」
──相手は70kgに戻す1発目です。70kgで戦ってきた(ストラッサー戦は75.0kg契約)北岡選手にアドバンテージになるとは思わないですか。
「アドバンテージかどうか分からないけど、さっき言った通り、“未知数”の部分はあります」
──川尻選手は「これまで交わりそうで交わらなかった」と評していましたが、北岡選手としては対戦相手として見ることはなかったですか。
「去年の63kgで負けた(ガブリエル・オリベイラ戦)後、一気に70(kg)に戻すといううわさは聞いていたので、その時からマッチアップとしてはあるだろうなとは思っていましたけど……ちょっと思うところはあるんですが、試合前にはあまり言いたくない感じですかね。すみません。違う切り口で聞いてみてください(笑)」
──では、川尻戦の前に「言いたくない」と思わせるものは何でしょうか?
「いや、相手が川尻選手ではなくても、今、僕はそんな語ることができる位置じゃないのかなと思うんですけど、こんな試合で、こんな位置で戦うということに、色々と思っています。でも、そこに関しては、ちょっと戦前には言いたくありません」
──本戦、という言い方が正しいかどうか分かりませんが、夜の部ではなく、午前に試合が、しかしメインで組まれたことに関してはどう感じていますか。
「全然、僕のなかでは(RIZIN)『14』に対して、このイベントが格下だとは一切思っていないです。一切。微塵も思っていない。誰かがZSTとSWATだと言っていましたが、違います。ほんとうに微塵も思ってない。分かっている人は分かっているから」
──この先の目標は?
「ない! この試合がすべて!」
【PLAY BACK!】2017年の大晦日の勝者と敗者のその後──
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◆「Cygames presents RIZIN.14」12月31日・さいたまスーパーアリーナ13時開場 15時開始予定
▼スペシャルチャレンジバウト(※エキシビション)3分3Rフロイド・メイウェザー・Jr(米国/プロボクシング元WBC世界スーパーウェルター・ウェルター・スーパーライト・ライト・スーパーフェザー級王者、元IBF世界ウェルター級王者、元WBA世界スーパーウェルター・ウェルター級王者)那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者、RIZIN KICKトーナメント2017優勝)
【対戦ルール】・体重は147ポンド=66.7㎏以下 ・3分3ラウンド・ボクシングルール・8オンスグローブ・ジャッジは存在しない・フルコンタクト競技として行われるが公式記録に残らない
▼RIZINバンタム級タイトルマッチ 61kg RIZIN MMAルール 5分3R堀口恭司(ATT)ダリオン・コールドウェル(アライアンスMMA/現Bellator世界バンタム級王者)
▼59kg 5分3R RIZIN MMAルール(ヒジあり)佐々木憂流迦(フリー)マネル・ケイプ(アンゴラ)
▼60kg 5分3R RIZIN MMAルール(ヒジあり)元谷友貴(フリー)ジャスティン・スコッギンス(米国)
▼70kg 5分3R RIZIN MMAルール矢地祐介(KRAZY BEE)ジョニー・ケース(米国)
▼70kg 5分3R RIZIN MMAルール(ヒジあり)ダロン・クルックシャンク(米国)ダミアン・ブラウン(豪州)
▼70kg 5分3R RIZIN MMAルール大尊伸光(総合格闘技津田沼道場)トムフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)
▼49kg 5分3R RIZIN女子MMAルールRENA(SHOOTBOXING/シーザージム)サマンサ・ジャン=フランソワ(フランス)
▼93kg 1R10分・2R5分 RIZIN MMAルール(ヒジあり)イリー・プロハーフカ(チェコ)ブラントドン・ホールジー(米国)※エマニュエル・ニュートンは怪我で欠場
▼57kg 5分3R RIZIN女子MMAルール(ヒジあり)真珠・野沢オークレア(米国)ヤスティナ・ハバ(ポーランド)
▼「宮田和幸引退試合&山本“KID”徳郁メモリアルマッチ」65kg 5分3R ※ヒジあり宮田和幸(BRAVE)山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)
▼スーパーアトム級(49kg)初代女王決定戦 RIZIN女子MMAルール 5分3R(ヒジあり)浅倉カンナ(パラエストラ松戸)浜崎朱加(AACC)
▼51kg 5分3R RIZIN女子MMAルール長野美香(CORE王子豊島)山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE 22)
▼102.5kg 5分3R RIZIN女子MMAルール(ヒジあり)ギャビ・ガルシア(ブラジル)バーバラ・ネポムセーノ(ブラジル)
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◆『Cygames presents RIZIN 平成最後のやれんのか!』12月31日・さいたまスーパーアリーナ開場8時 開始9時 12時終了予定12月16日(日)10時~一般発売
▼メインイベント 70kg 5分3R RIZIN MMAルール(ヒジあり)川尻達也(T-BLOOD)北岡 悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜)
▼68.0kg 5分3R RIZIN MMAルール(ヒジあり)リオン武(ライジングサン)朝倉未来(トライフォース赤坂)
▼61.0kg 5分3R RIZIN MMAルール(ヒジあり)ムン・ジェフン(韓国)朝倉 海(トライフォース赤坂)
▼57.5kg 5分3R RIZIN女子MMAルール(ヒジあり)渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
▼92kg 3分3R RIZINキックボクシングルール(ヒジあり)内田雄大(Team Aerts)小西拓慎(クロスポイント吉祥寺)
▼64kg RIZINキックボクシングルール 3分3R白鳥大珠(TEAM TEPPEN)ウザ強ヨシヤ(テッサイジム/team REBELS)
▼49.25kg 女子RIZINチャレンジルール(グラウンドでの頭部への蹴り禁止)5分2R川村虹花(仮面女子)あい(KRAZY BEE)
問い合わせRIZIN FF事務局 03-5772-3223http://jp.rizinff.com/