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レポート

【ONE】スーパーボールが両者にボーナスが出る大熱闘を制す、トルコのフルカン・カラバフが母国を勇気づけるTKO勝ち、ハンナ・ブレイディが猛烈KO

2023/02/17 23:02
ONE Friday Fights 52023年2月17日(金)タイ・ルンピニー・スタジアムMMAの試合結果はこちら※ABEMAにてLIVE配信 ONE公式YouTubeにてLIVE配信 ▼第12試合 62.5kg契約ムエタイ 3分3R×コンクライ・エニームエタイ(タイ)[判定0-3]〇スーパーボール・ティーデ99(タイ)  コンクライは2016年にMAX MUAYTHAIのスーパーライト級トーナメントで優勝。逆転勝利とアグレッシブなファイトスタイルで人気を博し、2020年にはISUZU CUPスーパーライト級トーナメント優勝、9月と10月にはあのセクサン・オー.クワンムアンに連勝し、オムノーイスタジアム認定スーパーライト級王座を獲得している。特に初戦ではセクサンをKOした初のファイターとなった。この年は無敗を達成し、タイ・スポーツ省が選ぶファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)を受賞したほか、ムエタイアワードでも年間最優秀選手賞を受賞。2021年12月にはTHAI FIGHT King's Cup 67kg級で優勝するなど好調を保っていたが、2022年に入るとセンマニー、クラップダムに連敗。その後は3連勝も現在は2連敗中。24歳で75勝15敗5分。  スーパーボールはラジャダムナンスタジアムを主戦場としていた選手で、カイムックカーオやスーパーレック、ルンキットなど一流選手たちと拳を交えてきた。2014年にプロムエタイ協会のスーパーバンタム級王座に就いて以降タイトルは獲得していないが、アマチュアムエタイの大会に出て2021年IFMA世界選手権の-63.5kg級では金メダル、2022年IFMAワールド ゲームズ ムエタイ競技でも同級で銀メダルを獲得する活躍を見せている。現在2連勝中で昨年5月にはルンキットから勝利を収めた。26歳で70勝19敗1分。  1R、両者サウスポー。ワンツーで前に出るのはコンクライ。スーパーボールはヒジを打って首相撲からのヒザに持ち込む。コンクライのワンツーに右ハイを蹴るスーパーボールは首相撲に持ち込むが、コンクライに転倒させられる。それでもスーパーボールは首相撲に持ち込んでヒジ、ヒザ、組むと見せかけて蹴りを繰り出す。  2Rもジャブを突いて前に出るスーパーボールが首相撲からのヒザに持ち込む。パンチで攻めたいコンクライはワンツーで前に出るが、スーパーボールの左ハイをもらってダウン。立ち上がり、効いてないとアピールするコンクライは打ち合いに行き、今度はコンクライの右フックでスーパーボールがダウン。  ヒジとワンツーで猛攻を加えるコンクライにスーパーボールもワンツー、ジャブ、右ミドル。コンクライの左右フックと右ヒジが炸裂する。この猛攻にスーパーボールはヒジと首相撲で対抗し、ワンツーも当てる。コンクライがパンチとヒジで前へ出て、スーパーボールが首相撲に持ち込む展開。  3Rも同じ展開となり、スーパーボールが首相撲からコンクライをコカす。離れてワンツー、接近すると左右のヒジを叩きつけるコンクライ。スーパーボールは飛びヒザで組み付いて首相撲からのヒザだ。徹底的に組みに行くスーパーボールにコンクライは組まれる前にパンチを当てようとする。コンクライは捕まれてもヒジ、スーパーボールはヒザ。どっちも譲らない展開に場内は大興奮。ゴングが鳴ると両者が手を挙げた。  判定は3-0で首相撲からのヒザで勝負をかけたスーパーボールが勝利。大喜びで観客の声援に応えた。この熱闘にチャトリ代表からはなんと両者に350万バーツ(約136万円)のボーナスが贈られ、両選手は笑顔で抱き合い健闘を称え合った。 [nextpage] ▼第11試合 58.9kg契約ムエタイ 3分3R〇デンクレイクライ・シンハ・マウイン(タイ)[判定2-1]×ソンチャナラ・トー・ブルースリー(タイ)  デンクレイクライは元ONE世界フェザー級キックボクシング王者スーパーボンのトレーニングパートナー。50勝29敗1分。対するソンチャナラは49勝20敗1分の戦績で、身長178cmとデンクレイクライよりも10cm高い。  1R、両者かなり近い距離でパンチとミドルを交換。前に出て積極的に攻めるのはソンチャナラでワンツーからヒジにつなぐ。サウスポーのデンクレイクライも負けじとヒジで応戦し、ヒジとヒジがぶつかり合う。前蹴りで突き飛ばされたデンクレイクライは一気に距離を詰めてヒジ、首相撲でヒザの蹴り合いからソンチャナラもヒジを打つ。首相撲でのヒザはソンチャナラが優勢。デンクレイクライはヒジで対抗する。ソンチャナラは右ストレートから首相撲に持ち込み、ヒザで圧倒。  2R、ソンチャナラはワンツーから前へ出て首ヒザ。離れると前蹴りでデンクレイクライをコカす。デンクレイクライも左フックを叩きつけるが、すぐに首相撲に捕まってヒザをもらう。ソンチャナラが飛びヒザにいったところでデンクレイクライが左フックのカウンター。デンクレイクライは左ボディとヒジ、さらに左フック。ソンチャナラもヒジを返すがデンクレイクライの左フック、左ボディ、ヒジをもらう場面が増えてきた。それでも前に出るソンチャナラがワンツー・左フック、デンクレイクライはヒジで応戦する。  3R、デンクレイクライはテンカオで前に出るソンチャナラを迎え撃ち、ソンチャナラは組みに行くがヒザが前よりも出ない。デンクレイクライが左ストレートをヒット、ソンチャナラは前に行くも組んではブレイクを繰り返す。デンクレイクライが左ミドルを蹴るとソンチャナラは蹴りをキャッチしてコカす。その後にはデンクレイクライがソンチャナラの蹴り足をキャッチしてコカし返した。  両者攻め疲れた様子の熱闘は2-1と割れ、デンクレイクライの勝利となった。 [nextpage] ▼第10試合 フライ級ムエタイ 3分3R×プロイパンラン・PK・センチャイ(タイ)[1R 0分57秒 KO]〇ナムフォンノーイ・ソー・ソンマイ(タイ)  1R、両者とも近い距離でいきなり打ち合いを始めると、ジャブを伸ばしたプロイパンランにナムフォンノーイの強烈な右フックがクリーンヒット。この一発でプロイパンランはマットに沈み、ナムフォンノーイの秒殺KO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第9試合 ストロー級ムエタイ 3分3R〇ティーヤイ・PK・センチャイ(タイ)[1R終了時 TKO] ※ヒジによるカット×ジェルテ・ブロマート(ベルギー)  1R、まずは右ローの蹴り合い。体格でかなり上回るブロマートは左ミドル、前蹴りでティーヤイをなかなか近付けさせないが、ティーヤイは組むとヒジ。さらにワンツーからの右ローで畳み込み、ブロマートを下がらせていく。ブロマートが首相撲に来ると組み際に縦ヒジを打ち込んでいく。この場面が何度も見られる。  2Rが始まる前に試合終了のゴング。ティーヤイの縦ヒジでブロマートが左目上から出血しており、ストップがかかった。 [nextpage] ▼第8試合 女子59.8kg契約ムエタイ 3分3R×プロイムアンジャン・スマイル・ムエタイ(タイ)[1R 1分58秒 TKO]〇アイオニー・ローレンス(イギリス)  1R、前に出るローレンスをワンツー、前蹴りで迎え撃つプロイムアンジャンだが、パワーの差は歴然でどんどん押されていく。組み付いたプロイムアンジャンにはローレンスがヒジを打つ。ミドルをキャッチしての右ストレートを打つローレンスにプロイムアンジャンをワンツーで反撃するが、ローレンスの左ヒジをもらって後退。ローレンスが一気に連打で畳みかけ、ロープを背負わせての連打を次々と命中させたところでレフェリーがストップした。 [nextpage] ▼第7試合 50.8kg契約ムエタイ 3分3R×ヨッブアンガン・ラッキーブアンターン(タイ)[2R 0分52秒 KO] ※右ボディストレート〇クンスック・ソー・デチャパン(タイ)  1R、左右フックと左ボディのパンチで攻めていくのはクンスック。右ローも蹴る。ヨッブアンガンは下がりながら左ミドルを蹴る。互いに蹴り足をキャッチしての攻撃をよく使う。左フックからの右ボディ、左右フックとクンスックの攻撃が目立った。  2R、クンスックは右ローから右のボディストレート、顔面にパンチを集めておいての右ボディストレート、左ボディとボディへ次々と強打を叩き込んでいく。これでついにヨッブアンガンの動きが止まり、最後は右フック、左アッパー、そして右ボディストレートのコンビネーションでクンスックが鮮やかなKO勝ちを奪った。 [nextpage] ▼第6試合 69.8kg契約ムエタイ 3分3R×リボ・ソー・ソンマイ(タイ)[3R 0分37秒 TKO] ※右インローキック〇フルカン・カラバフ(トルコ)  リボは15歳からルンピニースタジアムで活躍し、現在23歳。KOが多いサウスポーのハードパンチャーで「Mr.ノックアウト」の異名を持ち、2015年にはルンピニーのスター・オブ・ザ・イヤーを受賞している。  対戦相手のカラバフはムエタイとキックボクシングの両方でタイトルを持っており、こちらもハードパンチャーだという。  1R、サウスポーのリボは序盤から強烈な左ミドルを蹴っていくが、カラバフは構わず前へ出て左フック、右ストレート。組むとリボは軽々と首相撲で崩してカラバフを転倒させる。リボはカラバフの右ミドルをキャッチすると引き付けながらのヒジ。かなり体格で上回るカラバフは右の強打を繰り出すが、リボは“打ってこい”と挑発して右を返す。ラウンド終了間際、リボは仁王立ちになって“来いよ”と挑発。右フックのカウンターが遅れて逆に右フックをもらうが、それでも仁王立ち。  2Rも左ミドルをどんどん蹴っていくリボ。またも首相撲でコカし、立ち上がってきたカラバフへ左ボディ。そしてまた鮮やかにコカす。思い切り右を放ってくるカラバフを左フックで迎え撃つリボ。カラバフはスイッチもしてジャブ、ストレート、フックを繰り出していくが、リボは鮮やかにかわしていく。しかし、攻撃の手は出さずにディフェンスに徹した形だ。ラウンド終了間際、カラバフの右インローでリボがダウン気味に転倒。  3Rも前に出ていくのはカラバフ。そこへ左ミドルを蹴るリボ。しかし、リボが左フックを突き上げるとカラバフがグラつく。リボが一気にラッシュを仕掛けるも、カラバフが右インローを蹴るとリボがダウン。右足を抱えて悶絶する。どう見ても立つことは出来ず、カラバフのTKO勝ちとなった。  カラバフには5万ドルのボーナスが贈られ、カラバフは涙を流した。 [nextpage] ▼第3試合 フライ級ムエタイ 3分3R〇デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)[判定3-0]×テミルラン・ベクムルザエフ(ロシア)  1R、デッドゥアンレックは右カーフを蹴り、相手が前に出てくると左ミドルを合わせる。圧をかけるベクムルザエフがタイにコーナーを背負わせて右ストレート。デッドゥアンレックの右カーフにバックキックで対抗するベクムルザエフ。さらにスピニングエルボーも繰り出す。デッドゥアンレックは右の蹴りのフェイントから右ストレートを打ち、首相撲に捕らえると頭を下げさせてのヒザ蹴り。ブレイクになるとベクムルザエフが左右フックの連打を繰り出す。  2R、ベクムルザエフはワンツーから左ミドル、デッドゥアンレックも右ストレートから左ミドルを見舞う。右ハイを軽くヒットさせるデッドゥアンレックは右ストレートでベクムルザエフを下がらせるが、すぐにベクムルザエフが前へ出て左右フックでコーナーへ追い詰める。デッドゥアンレックは首相撲からのヒザで対抗。デッドゥアンレックはミドル2連発、さらに左ミドルを2連発、次は右ハイ2連発と徹底した蹴り。1Rほど容易にはベクムルザエフを入らせず、入ってくると首相撲からのヒザに持ち込む。  3Rもベクムルザエフが前に出てくるところを左右ミドルとヒザで迎え撃つデッドゥアンレック。ベクムルザエフはバックキックで対抗するが、やはり離れてミドル、接近してヒザとデッドゥアンレックが自分のペースで進めていく。首相撲からのヒザをあからさまに嫌がって下がるベクムルザエフ。思い切って打ち合いに行くも頭を下げすぎたところへ顔面にヒザをもらう。  判定3-0でデッドゥアンレックが勝利を収めた。 [nextpage] ▼第2試合 58.9kg契約女子ムエタイ 3分3R〇ハンナ・ブレイディ(アルゼンチン)[1R 2分07秒 KO] ※右ストレート×クレア・ランキン(スコットランド)  1R序盤から両者至近距離でワンツーの応酬。ランキンは右ローを蹴って前に出ると左ボディからヒザ。ブレイディも負けじと飛びヒザ、左右の縦ヒジとアグレッシブ。パンチの連打とヒジでロープに詰めていくブレイディにランキンは戦意喪失気味。右ヒジ、右アッパーと一方的に打たれ続け、最後は右ストレートの強打でランキンがマットに沈んだ。
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