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【ONE】MMA5戦目でONEデビュー、修斗女王・澤田千優「海外のトップを目指していくことがMMA選手として私のやるべきこと」=2月17日(金)

2023/02/16 21:02
 2023年2月17日(金)午後9時30分(日本時間)から、ムエタイの聖地・ルンピニースタジアムで開催される『ONE Friday Fights 5』に、日本から澤田千優(AACC)が出場し、イランのサナーズ・ファイアズマネシュと対戦する。  澤田は、埼玉栄高から青山学院大でレスリングに取り組み、2018年東日本学生選手権フリースタイル50kg級優勝、全日本社会人選手権優勝、全日本選手権5位などの実績を持つ。  兄の澤田龍人を追って、2021年5月の修斗でプロMMAデビュー。3勝1分で11月に初代女子アトム級王者に輝いた。その3カ月後の2月17日に、MMA5戦目でONEデビューも果たす。  階級は、修斗の47.6kgと異なりハイドレーションテストがある基本水抜き禁止の52kg。このONEアトム級には、王者アンジェラ・リーを筆頭に、1位のスタンプ・フェアテックス、2位のハム・ソヒ(3.25 平田樹と対戦)、3位のデニス・ザンボアンガ、4位のアリヨナ・ラソヒナ、5位のティファニー・テオと、スター選手が揃っている。 「トップを海外を目指していくことがMMA選手としてやるべきこと」という澤田は、ONEデビュー戦をいかに戦うか。 マットに上がってしまえば緊張も抜ける ──2月17日の試合までわずかとなりましたが、今の気持ちは? 「怪我なく練習もできていますし、体調も良いので問題ないかなと思います」 ──MMAデビュー5戦目でONEからオファーがあったときの心境は? 「ONEにはもともと興味がありましたし、海外に出るなら出たいなって思っていたので、素直に嬉しかったです。なかなか与えられることではないと思うので、チャンスをいただけた嬉しさと、それをモノにして飛躍していかないといけないなという思いがあります」 ──海外で戦うこととなったことへの想いは? 「海外ってなると日本とは仕様が違いますし、他の大会とかを見ていても難しい部分はあると思うので、まずは出るときには何がなんでも勝つ、今までもそうですが、今回もしっかり勝ちにこだわっていかなきゃなと思います」 ──タイだと気候も異なります。 「食べ物も飲み物も気候も全然違うので、ハイドレーションテストも含め、ちょっと不安はあるんですけど、自分でしっかり調整しつつ万全で迎えたいです」 ──初のタイなんでしょうか。 「いえ、高校2年の2014年ぐらいにレスリングの試合で、チョンブリーでアジアカデットに出て3位でした」 ──今回はバンコクのルンピニースタジアムでの試合ですが、日本の女子選手でルンピニーでMMAの試合をするのは初のようです。このムエタイの殿堂にどんな印象を持っていますか。 「ルンピニー……私の知識が無いからなんですが、ルンピニーと言われて、あまりピンと来てなかったです。阿部(裕幸)先生だったり、ほかの先生方がすごいところだぞと言ってたので、それを後から聞いて凄さを感じてます。ほかの人では経験することが出来ないので縁だなと思います」 ──しかし、タイだとケージではなくリングでの試合になってしまうことに不安はありませんか。特に澤田選手のようにケージレスリングも駆使する選手にとって違和感があるのでは、と。 「そうですね。いつも試合していたのがリングではなくケージだったので、壁レスリングが思うようにはいかないとは、ほかの選手の試合でも思いますし、壁で出来ていたことが、リングで出来ないことがザラにあると思うので、しっかりリング用の練習も入れていますし、使い方もイメージして練習しているので、やったことを迷いなく出せれば問題ないんじゃないかなと思います」 ──AACCのあるゴールドジムにはリングもありますね。 「そうですね。ほかでもリングをイメージしてやっています」 ──ONEのアトム級は基本、水抜き無しの52kgで、ハイドレーションテストが待っています。修斗女子アトム級は47.6kg。いまの通常体重は? 「通常体重は51kgですね。なので減量は無いです」 ──52kgのONEアトム級で海外勢と戦うことに関しては、練習でどう手応えを感じていますか。 「まだ初めて出る階級ではありますが、試合を通して見つけないといけないと思っています。今後も52kgで戦える身体にしていかないといけないです」 ──レスリング時代は50kg級でした。海外勢に対する免疫はありそうですか。 「そうですね。レスリングのときは48~50kgで戦っていましたが、出てしまえば、というところはあったので、今回もマットに上がってしまえば緊張も抜けるんじゃないかなと思っています」 [nextpage] レスリング力だけを言えば上位に食い込める ──対戦相手であるサナーズ・ファイアズマネシュ選手の印象は? 「あまり映像が無くて、ムエタイの試合だったのですが、打撃が乱暴にガチャガチャ出て来る印象でした。前に前に打撃で出てくる。あまり下がらないので、その中でしっかり懐だったり相手の中に入って、テイクダウンで寝技でキープしたり殴ったりという自分のスタイルが出せれば勝ちに繋げることが出来るのかと思います」 ──自分も見ましたが、ヒジャブを被った女子レフェリーが裁いている試合でした。イランでは女子レスリングが解禁されたのが2015年だったかと思います。ましてやMMAを志すのはハードルが高いことのように感じます。そんな中から、MMAの試合を重ね、ONE出場を決めた選手をどう感じますか。 「ハングリー精神が強くて、気持ちが強いんじゃないかなと思いますし、何が出て来るのか、未知の部分のあるので、そこはちゃんと気を付けないといけないかなと思います」 ──ONEのアトム級は層の厚い階級です。戦いたい選手は? 「まだレベル的には到底及ばないかもしれないですが、スタンプ選手とかチャンピオンのアンジェラ・リー選手も見ていて強くて怖い試合をするので、そういうところで戦っていかないといけないという意味で視野に入れていますし、いずれ戦いたいなって思います」 ──リトゥ・フォガット選手やデニス・ザンボアンガ選手などONEのレスリングベースの選手と比べて、ご自身はどのレベルにあると感じていますか。 「リトゥ選手とは一度、イヴォルブで肌を合わせたことがあって、やっぱりパワーや重さ、圧は感じたんですが、スピードとかテクニックとかは劣らなかかったんじゃないかなという印象でした。レスリング力だけを言うと、上位に食い込めるんじゃないかなという気持ちではいます」 ──同階級の日本人選手には平田樹選手や山口芽生選手がいますが、意識もしますか。 「そうですね。やっぱり意識してしまいますね。全然、MMA歴では先輩ですが」 ──対戦したいという気持ちも? 「対戦……組まれれば挑戦しに行きたいなという気持ちはもちろんあります」 [nextpage] 藤井惠さんは「『ちーちゃんらしく思いっきり行って来な』って」 ──ONEでどんなスタイルで戦っていきたいですか。 「やっぱりまだ打撃の怖さが足りないですけど、打撃の怖さを出しつつ、テイクダウンの強さを出せるようなスタイルをもう少し固めてやっていきたいなというのが目標ですし、そのために強化していきたいです」 ──さきほどはスタンプ選手の名前も上がりました。トップであるスタンプ選手と対峙したらどこまで対抗できるとイメージしていますか。 「いまは……たぶんもらったら、1発でアウトという選手と試合をしたことがないので、イメージはあまり沸いていないですが、もらわない距離やもらっても大丈夫な位置取りをイメージすると、レスリングを出せるような試合展開になるかなという可能性は見つつ、ゆくゆくは試合をしていくなかで、来年の後半あたりには、そういう選手と試合を出来るレベルまで持っていく、上達したいなと思います……早いですかね」 ──そういう目標を描いていると。打撃は剛毅會の岩﨑達也先生から習っているのですよね。評価はいかがですか。 「はい。打撃は岩﨑先生からだけ習っています。空手を中心に指導していただき、左の突きや奥足の蹴りがよくなっているということなどは言ってもらえていますが、いざスパーリングでそれは出せないので、そこはいつもなぜ出来ないんだろう、となってしまいますね」 ──兄の澤田龍人選手とも練習をしているのでしょうか。 「毎回ではないですが、定期的に一緒に練習をしています。してもらっている感じではあるんですが……。アドバイスとしてよく言われるのは、タックル入るまでの打撃の怖さがないってことですね。しっかり蹴る、突くというのを言われます」 ──藤井惠さんからも何か言葉を受けましたか。 「はい。いつも温かく送り出してくれるのですが、今回も『思いっきり、ちーちゃんらしく行って来なね』と、言ってくれました。藤井さんのようにトップを、海外を目指していくことがMMA選手としてやるべきことじゃないかなと思っています」 ──海外ファンには、澤田選手を初めて見る人もいると思いますが、ONEの舞台でどんな自分を見せたいですか? 「私のファイトスタイルは、レスリングベースなので、しっかりテイクダウンを取って打撃をしっかり当てるというもので、今までもこれが自分の武器かなと思っています。試合で注目してほしいのは、レスリング力はもちろんなんですけど、その中でも強い打撃と蹴りを出せるようにしたいと思います」 ──今大会では、1万から5万USドルのボーナスもあります。 「もちろん、ついてくれば良いかなと思いますが、行き急ぐといつも失敗してしまうので。まずは着実に勝つこと、印象を残せる勝ちをしたいなと思います。まずはここでしっかり勝って本戦に出られるようなインパクトを与えられたらいいと思います」 ──最後に意気込みとファンへのメッセージを。 「初めての海外でMMAの試合となりますが、何が何でも勝利して日本に帰って来たいと思います。ABEMAで試合を見ていただけるので、ぜひ応援していただけると嬉しいです」
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