次はボクシングでTHE MATCHのような熱狂を生み出したいと話した那須川天心
2023年2月9日(木)東京・後楽園ホールにて、元RISE世界フェザー級王者・那須川天心(帝拳ジム)がボクシングのプロテストを受験、合格した。
その後の囲み取材で那須川は「いろいろな条件が違ったので、MAX出来たかと言えばそうでもないんですけれど、ちょっとキックボクシングとは違う動きだったり、身体での表現は出来たと思います。まだまだ動けるし、期待を持ってもらえるような動きが出来たんじゃないかなと思います」とまずまずの動きだったと自身を評し、「もらわないことを一番意識していました。相手もランキング1位で強い選手ですし、そういった選手とどうやって戦うかってことを意識して。1位の選手なので自信にはなりますし、これで本気度が伝わったのかなと。客観的に見て伝えることが出来たんじゃないかなと思います」とした。
ボクシングシューズには「最初の頃は凄く違和感しかなかったんですけれど、逆に今は裸足が違和感で。TEPPEN GYMでも練習するんですけれど、裸足では動けないです。蹴り方を忘れちゃったみたいな」と、完全にボクシング仕様に切り替わっているとし、「足の使い方もだいぶ変わりましたね。まだ全然これからなんですけれど、靴を履いてのステップだったり、踏み込みだったり、動きが全部違いますね」とキックボクシング時代とは大きく変わったとする。
「最初からって感じです。ゲームに例えると1回全クリアして、武器とか全部揃えて最初からやり直す。そういった感覚があります。スピードクリアじゃないですけれど、またちょっと違うものを手に入れないといけない。自分の持っているものは最大限に活かしたいって感じですね」と、最初からのスタートだが、今まで持っていた武器で使えるものは活かしていきたいという。
3Rのスパーリングに関しては「1R目は凄く堅かったんですけれど、ラウンドを追うたびに慣れてきて。ボクシングってキックボクシングと違うところは3R全力ではない。だからラウンドを追えば追うほど違う動きをしないと通用しないですし、そういう引き出しを見せたりとか。あとは相手の動きに合わせるじゃないですけれど、キックボクシングの時は相手に合わせることは一切しなかったんですよ。自分の動きをするって意識だったんですけれど、自分だけ速くでもダメだし、相手に合わせることも必要ですし、そういうところがキックボクシングと違うところがあるので。練習でスパーをやっているんですけれど、毎回違うような動きを、引き出しを増やす意識でやっています」と、考え方も変わってきた。
「まだ探り探りですね。まだ完璧に出来たわけじゃないですけれど、コツはつかんだというか。すぐに完成形は出来ない。徐々にやって作り込むしかない」とまだこれからだとし、今までと違う部分はと聞かれると「蹴りがないってことがまずそうですし、重心だったり左右の動きだったり、あとは前の手ですね。前の手の種類、誘ったり回したり下から打ったり、いろいろな体勢で打つとか」と前の手(那須川はサウスポーのため右手)で打つパンチの種類が増えたとした。
「昔から、キックボクシング時代もボクシングを教えてもらっていた葛西(裕一トレーナー)さんがよく言うのはジャブなんですよ。ジャブで全部制するようになれって言われていたので、前の手の(パンチの)種類を増やして後ろの手はおまけじゃないですけれど、そういうつもりでもうちょっと磨いていきます」