従来型インフルエンサーより波及効果があるか
アイオワ大1年生のベラ・ミアは、今回の契約により、ソーシャルメディア活動、公の場への出演をベースに収入を得る機会を持ったことになる。
この「NIL(names, images and likenesses)」によって、米国の学生アスリートが自分の名前、画像、肖像から利益を得ることが認められたのは最近のこと。
これまで個別の選手が企業とスポンサー契約を交わしたり、商品の広告塔となって報酬を得ることについては、原則として禁止されてきたが、NCAA(全米大学体育協会)は、学生アスリートが自分の名前、画像、肖像などから利益を得ることを認める規約変更を、2021年6月に発表。そのポリシーを2022年7月に更新し、NCAAデヴィジョン1~3のすべての学生アスリートがNILに対して補償を受けることができるようになっていた。
大学側が企業とブランド契約を結んでいる場合、競合する商品やブランドと、アスリートがNIL契約を締結することが禁止されるケースもあるが、今回のUFCとベラの契約は抵触せず、アイオワ大初、UFCのNILアンバサダーとなった。
このNIL権は、学生スポーツチームの監督やコーチだけが高収入を得るのではなく、主役の選手たち自身が活動資金などを得られるように認められたもので、インフルエンサーとしてフォロアーを増やして広告収入を得たり、企業案件のスポーツ用品などを紹介して収入を得ることも可能だ。
10代や20代に商品やサービスを展開したい企業にとっては、優秀で影響力のある学生アスリートを他社よりも早く発掘して、ブランドのイメージキャラクターやアンバサダーとして起用することは、従来型のインフルエンサーを起用するよりも効果的なマーケティング手段になっている。
そんななかでのUFCのベラ・ミアとのNILアンバサダー契約の締結は、UFCが若年層へのインフルエンサーとして、そしてファイターとして、ベラを青田買いしたということになる。果たして、ベラは今後、どのようにUFCを広めていくか。そのMMAの活動とともに、注目だ。