キックボクシング
レポート

【ビッグバン】一航が完勝の初防衛、バンタム級は板橋武留が新王者、城戸康裕が約60kg差エキシビションに「無理」、NARIAGARI出場決定の矢島直弥が皇治の前でKO勝ち、ヘビー級ホープの星龍之介が3戦目でビッグバン王者をKO

2023/01/22 19:01
ビッグバン・統一への道 其の442023年1月22日(日)東京・後楽園ホール ▼第11試合 メインイベント第2試合 Bigbangスーパーバンタム級タイトルマッチ 3分3R〇一航(新興ムエタイジム/王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×愛瑠斗(健成會/挑戦者)※一航が初防衛に成功。  一航は2019年4月の『BOM』でWMC日本バンタム級王座、11月の『NJKF』でNJKF同級王座を獲得して高校生二冠王者を達成すると、2020年9月にはWBCムエタイ日本統一王座も獲得して三冠王となった。2021年2月にはRISEに参戦して大崎一貴と対戦、判定2-0で敗れるも大崎を蹴りで苦しめている。2022年2月にはK-1に初参戦し、「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場も1回戦で璃明武に敗れた。9月には鬼山桃太朗とBigbangスーパーバンタム級王座決定戦を争い、判定勝ちで四冠王に。今回が初防衛戦。戦績は15勝(3KO)4敗2分。  愛瑠斗は2020年10月のKrush-EXでプロデビューし、篠原広耀にタフファイトで判定勝ち。2021年2月のKrush-EXではカーフキックでしのをKO、5月のKrush本戦では光佑にもKOと3連勝を飾ったが、8月の「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では鬼山桃太朗に判定負け。2022年2月には「第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」のリザーブマッチに抜擢されたが、倉田永輝にKO負けを喫した。その後11月のBigbangで蘭丸に勝利し、戦績を5勝(2KO)2敗とした。  1R、一航は右の蹴りを多用。右ミドル、右インロー、前蹴りと出していく。愛瑠斗はサウスポーから序盤はパンチを狙ったが、一航が蹴りの距離のため蹴り合いに変える。じりじりと詰めていく一航に愛瑠斗はロープを背負って動く場面が多かった。  2R、愛瑠斗は右カーフを蹴り、一航は左ボディ。左ミドル、右ローを蹴って左ボディへつなぐ一航。愛瑠斗の蹴りはかわし、逆に右ミドルをヒットさせる。徐々に手詰まりにさせられる愛瑠斗。  3R、一航は首相撲で愛瑠斗をコカしていく。パンチを打ちに行く愛瑠斗だが一航の右ボディからの左フックをもらう。フックを打とうとして接近しすぎる愛瑠斗は一航の首相撲につかまり、離れると一航が左フック、右ミドル。ガムシャラに攻める愛瑠斗へ一航は左フック、組んでのヒザ蹴り。  ほぼ全てのラウンドで主導権を握った一航が判定勝ち。初防衛に成功した一航は「自分が目標としている倒せる選手、今回も全然倒すこともダウンもなく、内容がダメでしょっぱい試合してすいません。また練習して倒せる選手になって帰ってきます」と、倒せなかったことに納得がいかないようだった。 [nextpage] ▼第10試合 メインイベント第1試合 Bigbangバンタム級王座決定戦 3分3R延長1R×萩原秀斗(K-1ジム総本部チームペガサス)判定0-3 ※27-29、27-30×2〇板橋武留(健成會)※板橋が新王座に就く。  萩原は4歳から日本拳法を学び、高校1年生でキックボクシングに転向。19歳でプロデビューを果たし、2018年10月からKrushに参戦している。翌年1月には第4代Krushバンタム級王座決定戦に臨み、2020年に行われた第6代Krushバンタム級王座決定トーナメントでは準決勝へ進出。2021年は「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」に出場も1回戦で敗れた。2022年11月にはBigbangに乗り込み、右ストレートで小寺雄太をKOして連敗脱出。戦績は12勝(5KO)18敗4分。  板橋は2021年10月のKrush-EXでデビューした新鋭で、デビューから4連勝(1KO)を飾るも2022年9月に松本陸に判定で敗れた。今回が復帰戦であると共にKrush対決による王座決定戦のチャンスを得た。  1R、右カーフを狙い撃ちにしていく板橋に萩原は前へ出て右ローと左ミドルで対抗。板橋が打ち合いを仕掛けると萩原もこれに応じ、足を止めての打ち合い。ヒットを奪った板橋が畳みかけ、左フックで萩原を大きくグラつかせた。  2Rも右カーフを狙い撃ちにする板橋。萩原も右カーフを蹴り返すが右を合わされる。カーフを蹴られないように前へ出る萩原だが、板橋は下がりながら右カーフ。萩原は左ミドルを蹴り、左アッパーを突き上げる。スピードが鈍ってきた板橋に萩原は右ミドルを多用。板橋は蹴り足をキャッチしてしまい、イエローカードが提示される。  3R、いきなり打ち合いになると萩原が右ストレートからの左フックをヒット。板橋も左右フックを打ち返して右ローを蹴る。互いに右アッパーを突き上げ、足を止めての打ち合い。萩原の手数が多いが、板橋も打ち返している。その打ち合いの中、板橋が思い切り溜めを作って放った右ストレートで、萩原がダウン。再開後、捨て身の打ち合いに行く萩原に板橋も真っ向から応戦。打ち合いは最後まで続いた。  判定は3-0で板橋が新王座に就いた。「正直まだ王者になった自覚はないんですが、このベルト獲ったからにはもう負けられない。もっと練習してもっともっと上に行けるようにこれからも頑張っていきます」と、王者としての所信を語った。 [nextpage] ▼第9試合 スーパーエキシビションマッチ 2分2R―城戸康裕(谷山ジム/WBKF世界スーパーウェルター級王者)勝敗なし―実方宏介(真樹ジムAICHI/前Bigbangヘビー級王者)  スーパーエキシビションマッチには、12月にK-1との契約満了を発表した城戸康裕(谷山ジム)が登場。ホームリングでなんと前Bigbangヘビー級王者・実方宏介(真樹ジム AICHI)とスーパーエキジビション2分2Rを行う。城戸は70kg、実方は昨年9月のK-1での計量で126.05kg。エキシビションとはいえ、60kg近い差のある異色の組み合わせとなった。  1R、実方がいきなり突進して場内をどよめかせる。軽快なフットワークでリングを大きく使う城戸だが、実方の右フックに吹っ飛び、「ヤバい!」と声をあげる。リングを走り回って実方から逃げる城戸。宣言通りにジークンドーのストレートリードや横蹴りでのストッピングを見せる城戸だったが、体格差はいかんともしがたい。  2R、左ミドルを蹴る城戸だが、実方に右ミドルを蹴り返されると転倒。実方の突進を走り回って逃げる城戸。左ミドルを何度も蹴るが、実方は腕で受けて笑顔で涼しい顔。軽快な動きを見せる実方は飛び蹴りまで繰り出し、終了すると城戸は疲れ果てた表情でマットにうずくまった。  実方は「僕、1年半前に負けてからビッグバン上がってないんですけど、K-1に上げさせてもらって3戦3敗です。4月の23日に名古屋でムエタイのタイ人の選手と試合が決まっているので応援に来てください」と挨拶。  城戸は「見てて分かったでしょう? これが階級なのよ。50kgくらい差があるのは無理。本当にグラグラ効いてた。ガードの上からでも。もう2度と組まないでください」と訴えた。 [nextpage] ▼第8試合 68kg契約 3分3R×山際和希(谷山ジム/初代Bigbannウェルター級王者)判定0-3 ※29-30、28-30、27-30〇プライチュンポン・YSSジム(タイ/YSSジム/IMCインターナショナル・スーパーウェルター級王者)  山際は2009年に全日本学生キックボクシング連盟ウェルター級王者となり、プロデビュー後も順調に勝ち星を積み重ね、2015年6月にBigbangウェルター級王座を獲得。2017年2月まで11連勝を記録した。K-1 JAPAN GROUPには2013年から参戦し、2020年8月の第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントで連続KO勝ちして悲願だったKrush王座に君臨。しかし、王者として臨んだ11月の『Bigbang』でFUMIYAにKO負けを喫し、続く2021年1月の初防衛戦で加藤虎於奈に敗れて王座を失った。2022年11月にはBigbangウェルター級Explosionトーナメントで優勝。戦績は36勝(13KO)20敗4分。  プライチュンポンは『MAX MUAYTHAI』や中国で試合をしていた重量級ムエタイ戦士で、2019年11月の『KNOCK OUT』に初来日。日本ミドル級トップクラスの元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98に勝利を収めた。その後は2019年12月の『BOM』でガオナー・PKセンチャイムエタイジムとのタイ人対決では判定負けを喫している。2021年3月にはK-1に参戦し、野杁正明と対戦するも判定負け。2022年1月の『NO KICK NO LIFE』ではヒジありルールで緑川創に判定負け、同年3月には安保瑠輝也にKO負けした。戦績は61勝(21KO)39敗2分。  1R、サウスポーのプライチュンポンは左ローを蹴って左ストレートを伸ばして前へ出る。山際はまだ目が慣れていないかクリンチを多用。プライチュンポンの左ストレートに仰け反る山際。終盤、ようやく得意の右ミドルを蹴りだす。  2Rも左のパンチを繰り出して前へ出るプライチュンポン。山際は入り際が捉えられないのか、クリンチを連発してしまう。プライチュンポンの強烈な左ミドルが決まり、山際はショートでパンチを打ちたいのか踏み込むがクリンチになる。  3R、プライチュンポンの左ミドルが強く決まり、前へ出てい行く山際だが逆にプライチュンポンの左ストレートをもらう。組んだ時にアッパーを突き上げる山際だがヒットは奪えず、逆にプライチュンポンの左をもらって仰け反る。プライチュンポンはもう勝利を確信したか、前へ出る山際にクリンチを繰り返して試合終了。  山際は最後まで自分のペースを取り戻せず、判定3-0でプライチュンポンの勝利となった。 [nextpage] ▼第7試合 ヘビー級 3分3R×坂本英則(修実館/Bigbangヘビー級王者)KO 2R 1分31秒 ※左フック〇星龍之介(POWER OF DREAM)  坂本は昨年11月、愛鷹亮に勝利してBigbangヘビー級王者になったばかり。  星は極真会館『第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』で第6位に入賞するなど空手で活躍してキックボクシングに転向。現在Krushで2連続KO勝ちしているヘビー級のホープ。  1R、坂本は左フックから右ロー、星はジャブで圧力をかけつつ右ロー、左インロー。ジャブと右ローで坂本を追い詰めていく星。終盤にはロープに詰めての左フックもヒットさせる。  2R、星の右ストレートから返しの左フックで坂本が大きくフラつく。すかさずラッシュをかけた星が左ストレートを直撃させてダウンを奪う。立ち上がった坂本に左フックを見舞い、星がプロ3戦目でBigbang王者をKOした。  マイクを持った星は「今年1発目で自分としても気合いが入りすぎちゃって倒そうとしすぎたので今回は反省点だらけの試合でした。KO出来たのはよかったですけど力みすぎちゃって。あとで会長から怒られると思います」と、反省しきりだった。 [nextpage] ▼第6試合 60kg契約 3分3R〇林 京平(湘南格闘クラブ/前Bigbangライト級王者)判定3-0 ※29-27、30-27×2×仲川広汰(Ten Clover Gym 浜松)  1Rから両者パンチで打ち合う。林の右ストレートをもらってバランスを崩す仲川だが、すぐに体勢を立て直して向かっていく。  2R、左右に構えをスイッチする仲川に、林は特に気にすることもなく右でボディを打っていく。仲川は右カーフキック、林も負けじと右カーフを蹴り返す。仲川はヒザも高く突き上げる。ラウンド終了直前、林の右カーフで仲川が崩れ落ちダウンを喫する。  3R、カーフを蹴られないようにサウスポーに構える仲川だが、林は左ローを蹴ってボディも打つ。林が右カーフを狙ってくるところへ左ストレートやヒザを合わせにいく仲川。林は右ミドルを蹴っていき、仲川が前へ出てくると右カーフで転倒させる。  判定3-0でダウンを奪った林の完勝となった。 [nextpage] ▼第5試合 53.5kg契約 3分3R〇矢島直弥(TSK japan/元WPMF日本フライ級王者)KO 2R 2分34秒 ※3ノックダウン×小寺雄太(谷山ジム)  矢島は皇治がプロデュースする『NARIAGARI』に出場が決まって話題となった元二冠王。リングサイドでは皇治が試合を見つめる。  1R、頻繁にスイッチする矢島は右ローを蹴り、時折打ち合いに行くがガードが下がるところを小寺に右で狙われヒヤリ。打ち合いに行った矢島の右フックで小寺が倒れるがこれはスリップに。  2R、矢島は左前蹴りの右フックでクリーンヒットを奪い、小寺が入ってくるところに左フックを引っ掛ける。打ち合いに行く矢島に小寺も応じ、打ち合いに。左アッパーからの右フックでダウンを奪う。再び打ち合いとなり、矢島が左フックで2度目のダウン奪取。最後も打ち合いとなって矢島が突き上げるような左で倒し、3ノックダウンで矢島が皇治の目の前でKO勝ちを飾った。  矢島は「NARIAGARIの記者会見に参加させていただいて1回目の大会に参加させていただきます。後楽園6年ぶりで、6年前に57秒でKO負けしていて怖かったです。今は簡単に格闘技が見られる時代ですが会場に見に来てくれることが僕らにとって一番価値のあることなので嬉しく思います。僕も格闘技で成り上がって行きますのでよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 57.5kg契約 3分3R〇知良(RBアカデミー)判定2-0 ※29-29、29-28、30-29×竹添翔太(インスパイヤードモーション)  1R、序盤はサウスポーの定石通り右回りしながら右フック、左ストレートを狙っていた知良だが、中盤を過ぎると正面に立つことが多く竹添の右ストレートを2度もらってバランスを崩す。  2Rは互いにパンチ&ローで譲らず。知良はローから左右フック、竹添もローとワンツーで何度かパンチを交錯させる。  3R、竹添の右ストレート、ヒザが目立つ展開に。知良は左ローを狙い撃ちにするが、右フックをもらって仰け反る。手数の多さが評価されたか、判定2-0で知良が勝利した。 [nextpage] ▼第3試合 フェザー級 3分3R〇神田賢吾(ウィラサクレック・フェアテックス幕張)TKO 1R 2分21秒 ※3ノックダウン×海(チームOJ)  1R、海が開始と同時にラッシュを仕掛けるも神田の左フックでダウンを奪われる。その後も左フック、右ストレートを被弾する海。神田は左ボディも命中させ、左フックにつなげる。左フックでグラついたところでスタンディングダウン。再開後に神田の右ストレートが入ったところでレフェリーが試合をストップした。 [nextpage] ▼第2試合 55kg契約 3分3R〇松下武蔵(NOPPADET GYM/SUK WAN KING THONGスーパーバンタム級3位)判定3-0 ※30-25×3×坂本侑生(ドラゴンテイル)  1R、ジャブと左フック、右ローで試合を作る松下。バックスピンキックでダウンを奪う。左ボディから左アッパーを突き上げ、左を意識させておいて右フックでダウンを追加。坂本も右を打ち返すが松下のパンチのスピード、回転力が上回る。KOしようとパンチをフル回転させた松下だったが、坂本が耐えた。  2Rも強い右ローと左ボディを打て行く松下。強い右ボディを4度連続でヒットさせる松下はさらにヒザを突き刺す。坂本も手を出すが右ボディのリターンをもらう。  3R、いきなりヒザを顔面に突き上げる勝つ下。打ち合いに来る坂本へワンツー、右ストレート&左フック。ワンツー、ヒザで押していく松下だが、坂本もタフで当たらずも左右フックを繰り出す。判定3-0で2度のダウンを奪った松下の完勝となった。 [nextpage] ▼第1試合(特別試合)2分2R△片山大樹(フリー)ドロー 判定0-0 ※19-19×3△HIRO(フリー)  43歳の片山と52歳のHIRO、両者の体重差はなんと50kg(片山が重い)。1Rは左右フックのパワーで追いかけた片山だが、2RはバテてHIROが顔面とボディにパンチを決めてドローとなった。 [nextpage] ▼オープニング第2試合 アマチュアルール 60kg契約 2分2R×修羅斗(谷山ジム)判定0-3 ※19-20×3〇厚澤 純(ファイティングラボ大宮/トイカツ道場)  1R、序盤は修羅斗が右フックでヒットを奪ったが、後半はサウスポーの厚澤が左ミドルを蹴って左ストレートで盛り返した。2Rは修羅斗が右フックで猛攻を見せたが、厚澤は左ミドルとヒザで迎え撃ち、左ストレート、ワンツーをクリーンヒット。判定3-0で厚澤の勝利となった。 [nextpage] ▼オープニング第1試合 アマチュアルール 52kg契約 2分2R×曽我好健(治政館江戸川道場/ジュニアキック6冠王)判定1-2 ※20-19、19-20、19-20〇大久保祐(修徳会/Bigbangジュニア50kg級王者)  1Rは大久保が勢いのある右ストレート、右フックで前へ出た。曽我は蹴りで対抗。2Rは曽我が右ミドルと前蹴りで試合を作り、大久保がパンチで出てくるところに右のカウンターをヒットさせる。1Rにパンチのヒットを奪った大久保が判定2-1で勝利した。
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