『ONE Fight Night 6: Superbon vs. Allazov』速報
2023年1月14日(土)『ONE Fight Night 6: Superbon vs. Allazov』がタイ・バンコクのインパクトアリーナで行われた。
▼メインイベント フェザー級キックボクシング世界選手権試合 3分5R×スーパーボン(タイ/王者)[KO 2R]○チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン/ベラルーシ/挑戦者)※アラゾフが新王座に就く。スーパーボンは2度目の防衛に失敗。
メインイベントでは、ONEフェザー級キックボクシング世界タイトルマッチとして、王者スーパーボン(タイ)に、フェザー級キックボクシングWGP覇者のチンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン/ベラルーシ)が挑戦。
スーパーボンはブアカーオの弟子にあたり、2009年10月にムエタイでゲーオ・フェアテックスに勝利。Kunlun Fightで2016年世界トーナメントを制して世界にその名を轟かせた。あらゆる体勢から繰り出すミドル&ハイキックを得意とし、首相撲でも強さを発揮するテクニシャン。2020年7月のONEではシッティチャイ・シッソンピーノンからも勝利を収めている。2021年10月にジョルジオ・ペトロシアンをハイキックでKOしてフェザー級王座に就くと、2022年3月にはマラット・グレゴリアンを退けて初防衛に成功。
アラゾフは、アマチュア時代に197勝(117KO)3敗という驚異的な成績を残し、13歳でタイにてプロデビュー。2017年6月に『K-1 WORLD GP』に初来日すると『第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント』で優勝し、第2代王座に就いた。2018年3月には日菜太をKOして初防衛にも成功している。
-70kg級の世界トップグループに位置するが、グレゴリアンとは1敗1無効試合、シッティチャイには1敗、ペトロシアンにも1敗と現在『ONE』で活躍する世界3強にはいずれも敗れており、2021年4月のONE初参戦ではケールに判定2-1で敗れたものの、2022年の「フェザー級キックボクシング ワールドGP」では優勝を果たした。
1R、ローの蹴り合いが続く中、頻繁にスイッチして右ストレートを繰り出すアラゾフ。スーパーボンは右ローを蹴りながら様子を見る。アラゾフは一発当てては一度距離を置く。両者とも慎重な出足となった。
2R、アラゾフが左ハイからスーパーマンパンチ気味に飛び込んでの右をクリーンヒットさせ、一気にパンチをまとめる。ジャブからの右フックがアゴをとらえてスーパーボンがダウン。
何とか立ち上がったスーパーボンだったが、再び右フックでダウン。最後もアラゾフが突進から右を直撃させて3度目のダウンを奪い、アラゾフがKO勝ち。長期政権を築くと思われていたスーパーボンを陥落させた。
アラゾフは「6カ月タイでトレーニングしてこの試合に臨んだ。しっかり当てたいと思っていたパンチを当てることが出来た」と勝利を喜んだ。
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▼コ・メイン フライ級キックボクシング世界選手権試合3分5R ○スーパーレック・キアトモー9(タイ)[判定3-0]×ダニエル・プエルタス(スペイン)※スーパーレックが新王座に就く。
ONEフライ級キックボクシング世界王者のイリアス・エナッシ(オランダ/モロッコ)が、フライ級契約体重61.2kg(※水抜きなし)への体重調整が不可能であるため王座を返還。これにより同級世界王座は空位となり、コ・メインで、当初エナッシと対戦予定だったスーパーレック(タイ)が、ダニエル・プエルタス(スペイン)とフライ級キックボクシング世界王座を争うこととなった。
スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得した名選手。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。
ONEでは2020年7月大会でONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤックを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。9月にはファディ・カレッドにも難なく勝利して2連勝で、2021年2月にイリアス・エナッシが保持するONEフライ級キックボクシング世界タイトルに挑んだが、判定3-0で敗れている。2022年の「ムエタイ・フライ級ワールドGP」では決勝へ進出するも、パンパヤックと両者が体重オーバーとなり、パンパヤックが判定2-1で勝利するも優勝者は無しという珍事となった。戦績は129勝30敗4分でKO数は不明。
プエルタスはISKA K-1ルール世界-60kgと-65kgの2階級を制覇、2019年には武林風の-67kgワールドカップトーナメントで優勝。2018年9月にはK-1に来日し、武尊と対戦して初回KO負けを喫したことがある(日本での名はダニエル・ピュータス)。戦績は36勝(12KO)9敗。ONEには今回初参戦。
1R、スーパーレックはワンツーをガードの上からでも打ち、プエルタスが前へ出てくるとその分下がって距離を保持。序盤こそプエルタスのボディをもらう場面があったらスーパーレックだが、プエルタスをテンカオや右ローで迎え撃つ。タイミングのいい右ヒザが何度も突き刺さり、右ローでもプエルタスがバランスを崩す。プエルタスも右アッパーを突き上げた。
2Rも相手が出た分だけ下がって距離を保つスーパーレック。右ミドル、ワンツー、から右ヒザ。プエルタスの左ボディにも右ヒザをカウンターで突き刺す。すかさず右ローも蹴る。プエルタスは前へ出てパンチを当てに行くが、スーパーレックは抜群のタイミングで前蹴り、右ヒザ、右ローでダメージを与えに行く。プエルタスは左ボディからの左右連打で左ストレートをクリーンヒットさせ、スーパーレックは一瞬腰が落ちる。
3R、つかみを注意されたスーパーレックが、プッシングから右ストレートを打ち込むとプエルタスは大きくグラつく。一気にパンチを連打するスーパーレックにプエルタスは防戦一方に。右ハイ、ヒザ、右ストレートと畳み込むスーパーレックにプエルタスも左ボディ、右フックを打ち返す。ラッシュを見せたスーパーレックだが仕留めることは出来なかった。
4Rは右ローを多用するスーパーレックにプエルタスは右アッパー、左ボディ。スーパーレックは下がりながら左右ミドル、左右ローを蹴り、ヒザを突き刺すがかなりの消耗が見える。前に出るプエルタスにスーパーレックはミドルを合わせてヒザ。最後は右ハイもヒットさせたが、プエルタスは下がらずスーパーボンのボディを攻める。
5Rも前に出るプエルタスにつかんでのヒザを繰り出したスーパーボンにイエローカード(減点1)。再開後、前に出るプエルタスへスーパーボンは右ハイを連発。さらに左ミドル。プエルタスのパンチはボディワークでかわすが、左ボディをまともにもらってしまう。前に出て攻めるプエルタスにスーパーボンは劣勢も、最後はヒザ蹴り連打で盛り返した。
判定は3-0でスーパーレックの勝利。苦戦を強いられたスーパーレックは手を挙げられると全身で喜びを表現した。
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▼コ・メイン フライ級サブミッショングラップリング世界選手権試合 10分1R〇マイキー・ムスメシ(米国)[判定3-0]×ガントゥルム・バヤンドゥレン(モンゴル)
フライ級サブミッショングラップリング世界タイトルマッチとして、マイキー・ムスメシ(米国)が初の世界王座防衛戦で、ガントゥルム・バヤンドゥレン(モンゴル)を迎え撃つ。
ムスメシはBJJムンジアル4連覇を誇り、競技柔術における軽量級の世界最強の評価を受ける実力者。2022年4月にONEデビューし、今成正和からリアネイキッドチョークで一本勝ち。
2022年10月に1勝1敗と長年のライバルであるクレベル・ソウザに判定勝ちし、初代グラップリング フライ級世界王者となった。
当初は2022年のサンボ世界選手権58キロ級優勝のサヤン・ヘルテックがムスメシに挑戦予定だったが負傷欠場となり、サンビストで柔術黒帯のバヤンドォーレンと戦うことになった。
1R、両手で持って引き込んだムスメシ。金網に押し込むバヤンドゥレン。ブレーク。中央でシッティングから引き込み、腕十字狙いから左足を手繰ってヒザ十字、内ヒールと“マイキーロック”を仕掛けるムスメシ!
極まっているが、内掛けの三角の足を解いて耐えるバヤンドゥレン。サドルロックに組み直したムスメシ。内がけに変えるムスメシはリアネイキドチョークのように腕を組んで絞ると足首が上を向くが、タップしないバヤンドゥレン。
外掛けで捻るムスメシ。ヒザを抜かせないが、バヤンドゥレンもロックを解除しに。足を解いたムスメシは、押さえ込みから上体を起こしてきたバヤンドゥレンにアームインギロチンチョーク。
首を抜いたバヤンドゥレンに今度は右足狙いからカーフスライサー、バックからリアネイキドチョーク狙いも、バヤンドゥレンが首を防いでゴング。
バヤンドゥレンは足を引きずりながら立ち上がり、ムスメシとハグ。マイキーは信じられないとう表情で両手を広げた。判定は3-0でムスメシが王座防衛。バヤンドゥレンはモンゴル国旗と帽子をかぶり、コールを受けた。
試合後、ムスメシは「20回くらいは極められる場面もあって、音もしたけど彼は耐えた。次? レジェンドと言われる人とも戦いたい。タイは大好きな国なんだ」と、最後はタイ語で語った。
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▼ムエタイ&MMA ミックスルール アトム級 4分4R(1R、3Rがムエタイ、2R、4RがMMA)スタンプ・フェアテックス(タイ)アニッサ・メクセン(フランス/アルジェリア)
アトム級WGP覇者のスタンプとメクセンが、ムエタイとMMAの混合ルールによるスーパーファイトで激突の予定だったが、メクセンが計量・ハイドレーション検査に参加せず、試合出場不可に。エカテリーナ・ヴァンダリーバがハイドレーション検査を合格するも、体重超過。キャッチウェイトでの試合が対戦相手と合意されなかったため、試合中止。計量及びハイドレーション検査に合格したスタンプとアンナ・ジャルーンサックが、ストロー級キックボクシングでの試合に合意したため、スタンプとアンナとの試合が成立。
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▼キャチウェイト(215lbs)5分3R〇アウンラ・ンサン(ミャンマー)[1R 1分29秒 TKO] ※パウンド×ジルベルト・ガルバォン(ブラジル)
ンサンは2022年2月にヴィタリ・ビグダッシュに判定負けも、11月の岡見勇信戦で1R TKO勝ち。対するガルバォンは、柔術黒帯&ルタリーブリ黒帯。2019年6月のデリダー戦のTKO負け以来、3年7カ月ぶりの復帰戦。もともとキャッチウェイト(215ポンド/97.52kg)での契約試合となる。
ミャンマーからの移民も多いタイでも大人気のンサン。2022年2月にヴィタリ・ビグダッシュに判定負けも、11月の岡見勇信戦で1R TKO勝ち。対するガルバォンは、柔術黒帯&ルタリーブリ黒帯。2019年6月のデリダー戦のTKO負け以来、3年7カ月ぶりの復帰戦。もともとキャッチウェイト(215ポンド/97.52kg)での契約試合となる。
1R、ともにオーソドックス構え。いきなり左右の大振りで前に出るガルバォンだが、ブロックしたンサンは、そこにカウンターの右アッパーを当てて、ダウンを奪う。引き込み気味のガルバォン。付き合わないンサン。
スタンドでさらに左右振り右で差して押し込むガルバォンに、ンサンは右上腕を押し当て、ヒジ。前方に押し倒すと、ハーフからパウンドラッシュ! レフェリーが間に入った。
試合後、キルクリフFCのシャツをガルバォンと交換したンサン。セコンドに感謝の言葉を述べると、米国デンバーでの試合を希望。5万ドルのボーナスも獲得したンサンは、最後にミャンマーの言葉で「ミャンマーに平和を」と大観衆に語りかけた。
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▼キックボクシング フライ級→キャッチウェイト 3分3R〇ロッタン・ジットムアンノン(タイ)※体重超過[判定3-0]×ジドゥオ・イブ(中国)
ロッタンがハイドレーション検査を合格するも、体重超過。そのため、キャッチウェイト136.5 LBSにて双方合意。ロッタンの報酬の25%が対戦相手に渡される。
ロッタンは2018年3月にスアキムを破り日本でも名が知られるようになり、同年6月にRISEに初来日。那須川天心とRISE世界フェザー級王座を争い、延長戦の末に敗れるも那須川を追い詰めて一躍人気選手となった。
同年9月からONEに参戦し、2019年10月にボルター・ゴンサルベスを破りONEムエタイ世界フライ級王座に就いた。前回2022年11月にはジョセフ・ラシリを判定3-0で退け同王座4度の防衛に成功。
キックボクシング世界王座との二冠を狙うロッタン。当初はダニエル・プエルタスとの対戦が予定されていたが、プエルタスがコーメインイベントで空位となったONEフライ級キックボクシング世界王座をかけてスーパーレックと戦うことになったため、相手がイブに変更になった。イブはプエルタスに判定2-1で敗れており、今回がONE2戦目のサウスポー。
1R、さっそく圧をかけて前へ出るロッタンが左フックから顔面とボディへパンチを打っていき、イブはワンツーを打ち返す。ロッタンが右フックのショートから左につなげてさらに右ストレート。イブの左ローがローブローとなって中断。再開後も距離を詰めて右を打ち込んでいくロッタンへイブが右ハイをヒットさせる。これで火が付いたかロッタンが顔面とボディへパンチを打ちながら前進し、右ローに合わせた右フックでダウンを奪う。ロッタンの猛攻にガードを固めて亀になるイブ。意外とクリーンヒットはもらっていないイブだが完全に勢いに押される。
2Rも前に出て積極的に攻めていくロッタン。左右のボディ、左右フック。イブはハイキックを放つがロッタンは両手を広げて“効いてないよ”。ワンツー、ローで対抗するイブだがロッタンの猛攻は止まらない。サウスポー構えから左ローを連打するロッタン。イブは右目上から激しい流血もロッタンにカウンターを合わせに行く。イブのスイッチに合わせてロッタンもスイッチして対応する。
3R、前蹴りと右ボディストレートでボディを攻めるロッタンにイブもサウスポーから左ストレートでロッタンを仰け反らせる。ロッタンは飛びヒザ蹴りを繰り出し、ジャブを何度も当てる。そこへイブが左ストレート。行き過ぎるのは棄権と判断したか、ロッタンはジャブを多用してヒッティングを優先。しかし、ボディを打ちに行ったところでイブの左をもらう。ロッタンは下がって被弾を避け、最後はイブが攻勢をかけた。
試合が終わると両者は笑顔で抱き合い、ロッタンはイブの血をTシャツで拭う。ロッタンはイブの勇敢さを評価したか、試合内容にも満足そうだ。最後は攻め込まれる場面もあったが判定3-0でロッタンの勝利となった。
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▼キックボクシング 女子ストロー級 3分3R×アンナ・ジャルーンサック(=スーパーガール/タイ)[判定1-2]○スタンプ・フェアテックス(タイ)
アトム級WGP覇者のスタンプとメクセンが、ムエタイとMMAの混合ルールによるスーパーファイトで激突の予定だったが、メクセンが計量・ハイドレーション検査に参加せず、試合出場不可に。エカテリーナ・ヴァンダリーバがハイドレーション検査を合格するも、体重超過。キャッチウェイトでの試合が対戦相手と合意されなかったため、試合中止。
計量及びハイドレーション検査に合格したスタンプとアンナ・ジャルーンサック(スーパーガール)が、ストロー級「キックボクシング」での試合に合意したため、スタンプとアンナとの試合が組まれた。
ムエタイやMMAのオープンフィンガーグローブではなく、ボクシンググローブのキックルール戦。
1R、開始と同時にアンナがパンチで詰めに行きスタンプが右ロー&右カウンターで迎え撃つ。リーチで優るアンナは右ストレートを打ち込んで何度も距離を詰めるが、スタンプは落ち着いて右ロー、そして右のカウンターを当てて行く。アンナは右ミドルも蹴る。互いに思い切り右を繰り出していった。
2Rもグッと前に出るアンナが右ストレートでスタンプを吹っ飛ばす。フラッシュダウン気味に倒れたスタンプだがすぐに立ち上がる。
アンナは思い切り踏み込んでの右ストレート、スタンプも右を打ち返してクロスファイアが繰り広げられる。アンナの右ローをもらったスタンプは“かゆいよ”とばかりに足をさする。圧力に押されるスタンプだが左右ボディを叩く。
3R、抱き合った両者。スタンプは苦しい展開か、アンナの蹴り足をキャッチしての攻撃で注意を付ける。スタンプの右ミドルにアンナは右ロー。プレッシャーをかけてくるアンナにスタンプは右ロー。どんどん前へ出て右を打つアンナにスタンプの右ストレートがクリーンヒット。
アンナもすかさず打ち合いに行き激しいパンチが交錯する。離れるスタンプ。追うアンナ。アンナの思い切り打つ右に対して、スタンプはパンチの回転力を活かした右をまたもクリーンヒットした。
急遽の対戦にも関わらず激戦を繰り広げた両者は、笑顔で互いを称え合う。判定は2-1と割れ、スタンプが勝利を収めた。スタンプは5万ドルボーナスを獲得し、涙した。
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▼ONEフェザー級 5分3R〇ゲイリー・トノン(米国)[1R 1分53秒 キムラロック]×ジョニー・ヌネス(米国)
トノンの蹴りからの詰めに、バックヒジから体を入れ替え押し込むヌネス。首投げ狙いのトノンにボディロックするヌネス。妻ミーシャ・テイトがセコンドで指示する。
キムラクラッチで前転してケージウォークでヌネスを回して、上を取るトノンはしっかり固めて腕を絞り、タップを奪った。
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▼キャッチウェイト(150lbs)5分3R×キム・ジェウォン(韓国)[判定0-3]〇佐藤将光(日本)
修斗から2019年にONEに参戦し3連勝を飾った佐藤は、今回、緊急参戦。2021年2月に強豪ファブリシオ・アンドラージに判定負けを喫したが、同年11月の「VTJ 2021」で河村泰博に1R TKO勝ち。2021年3月にチームラカイのマーク・ステファン・ロマンに判定負け。再起戦となる。
対するジェウォンも2019年からONEに参戦。2021年9月に元二階級王者のマーティン・ニューエンを1R 失神KOに下すなど、13勝中、9KOを誇るストライカーだ。カイ・タン、シャミル・ガサノフには敗れたものの、2021年11月の前戦では元王者のケビン・ベリンゴンを1R KOを下している。
オーソからの左ボディ、相打ちのタイミングの右クロスなど思い切りのいい強打者を相手に、MMA職人の佐藤は再起を飾ることができるか。
1R、ともにオーソドックス構え。ジェウォンの圧力に、佐藤はステップしスイッチしながらバックステップ、前蹴り、右で牽制。ジェウォンは圧をかけながらもカウンター狙い。
ワンツーで飛び込む佐藤。その右を当てて、右カーフも当てる。佐藤の右にアゴが上がるジェウォン。ヒザを触りに行く佐藤。左ヒジも狙う。
押し戻すジェウォンは佐藤のシングルレッグ狙いに左カウンターを狙う。佐藤は右の飛び込み。そこに右を狙うジェウォン。左インローを返す。右ハイを打つ佐藤。ブロックするジェウォン。佐藤の入りに右ヒジを突く。
右ミドルハイを当てる佐藤は右ストレート。そこに右を合わせに行くジェウォン。佐藤は左ジャブを当てるが、消極的と両者にイエローカード。
2R、シャオリンレフェリーのアグレッシブにの声の中、跳びヒザは佐藤。右ストレートを当てて左で差して左足をかけるが、突き放すジェウォン。出入りの佐藤は右を突く。右ストレートを当てる佐藤に、左ボディを当てるジェウォン!
さらに左インロー。左ヒジに佐藤に右ストレートを当てる。ダブルレッグに入る佐藤を切って、金網を蹴って右を打つジェウォン。
さらに右の上下。佐藤の右にジェウォンも鼻血。そこで佐藤は右カーフを当てる! さらにその動作で右カーフもヒットさせる。ダブルレッグにトライし、深追いせずすぐ離れる佐藤。
互いに右が交錯。佐藤の右の飛び込みがヒット! ジェウォンの左ローをかわすが、インローを当てるジェウォン。佐藤は右カーフ。カウンターを避けて頭を振って佐藤は右を振る。ゴングに佐藤は右手を挙げる。
3R、左インローのジェウォン。右の跳び込みの佐藤。左ハイはかわされるが、シングルレッグをしっかり前足で掴むが、回したところで足を抜くジェウォン。ワンツーの右に佐藤のアゴが上がるが、そこで前に出る佐藤は左を差して押し込み、離れ際に左右。しかし、ジェウォンはボディロックで背後につく。
アームロック狙いから正対し、ヒジを狙う佐藤。「前に出ろ」の声に右を突く佐藤は前に。金網まで詰めると、ジェウォンの左目尻からのカットにチェック。再開。
細かいステップで常に顔を振る佐藤。前足を取りに行くが、そこにヒザを合わせるジェウォン! 佐藤も左フックをひっかけ、左の蹴り。組む佐藤にヒザを狙うジェウォン。詰める佐藤の右の打ち終わりに、ジェウォンはワンツーの右! 佐藤が詰めたところでゴング。
判定は3-0で、緊急参戦の佐藤が勝利! 佐藤は「いい年にしましょう!」と語った。