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大晦日『RIZIN.40』「RIZIN vs. Bellator 全面対抗戦」で、Bellator軍の先鋒を務めたダゲスタンの盟友ガジ・ラバダノフのセコンドとして初来日した、元UFC世界王者のハビブ・ヌルマゴメドフが、日本での日々を“言葉では言い表せない。素晴らしい日々だった”と振り返った。
MMA史上最長である「29戦29勝無敗」の記録を持ち、UFC世界ライト級王者のまま2021年に引退を表明したハビブは今回のラバダノフの試合のサポートに向け、渡航費も宿泊費も自己負担。RIZINにもBellatorにも借りを作らない形で来日を果たしていた。
試合前日の公開計量では、予定していた壇上での挨拶は行わず。敬虔なイスラム教徒として知られるハビブにとって許容できないことがあり、いったんは会場入りした六本木ヒルズアリーナを後にするなど、大会当日までその動向は不確定なままだった。
Enjoy with my friend @ScottCoker
— khabib nurmagomedov (@TeamKhabib) December 31, 2022
at @BellatorMMA and @rizin_PR show
Japan 🇯🇵 you guys are the best🤝 pic.twitter.com/4XBnoWOeW3
Bellatorのスコット・コーカー代表によると、ハビブはMMAのルーツのひとつである日本格闘技界について、それまで多くのことを知らなかったという。
「ハビブは日本の格闘技の全盛期を知らず見たことがなかったんだ。もちろん私は1999年にK-1やPRDEも観ていて当時を知っている。ハビブは、今日の大会を見て感じて、『信じられない、こんなに盛り上がっているのか』と驚いていたよ。私は『MMAはここで始まったんだ』と伝えたんだ。当時盛り上がったからこそ、UFCがPRIDEを買収したし、(協力関係にあった)私のStrikeforceも買収された。そんな日本の盛り上がりに驚き、肌で感じて驚いていたよ」(コーカー代表)
12月31日、“聖地”さいたまスーパーアリーナを訪れたハビブは、対抗戦先鋒でのラバダノフの試合をリングサイドで観戦。1Rに決定的なダウンを奪ったラバダノフに対し、後方に倒れた武田光司が足を泳がせて立ち上がりながらもすぐに復活、フルラウンドに渡る熱闘を繰り広げたことで、試合後、マット上に上がり、武田の手を挙げて、健闘を讃えている。
ハビブは、そのまま対抗戦を大将戦までリングサイドで観戦。さいたまスーパーアリーナでのRIZINとその観客の応援、日本での日々について、「日本はとても面白かった、初めてこの国を訪れた、ただ異世界、言葉では言い表せない」と、自身のSNSにその感動を記している。
2022年を締めくくるハビブ率いる「イーグル軍団」の勝利。そのメンバーは、ハビブの父アブドゥルマナプ・ヌルマゴメドフの遺志を継ぎ、世界のMMAで活躍している。
UFCでは2022年10月にライト級でイスラム・マカチェフ(※ONEの青木真也戦でイザガクマエフのセコンドについた)がシャーウス・オリヴェラを2R 肩固めに極めて世界王者に。11月のONEと同日に行われたBellatorでは、ウスマン・ヌルマゴメドフがパトリッキー・ピットブル・フレイレを判定で下し、Bellatorライト級王者となったばかり。
ハビブはあらためて「ガジ・ラバダノフにはおめでとう。このチームの2022年をあなたのパフォーマンスで締めくくり、明るい勝利を収めることができました。今年は私たちのチームにとって最も記憶に残る年です、長い間それを覚えています。日本は素晴らしい日々だった。おめでとう、兄弟。とても良いパフォーマンスだった」と、自身の現役最後の試合のスパーリングパートナーだったラバダノフの勝利を祝福。ツイッターの最後に「日本、君たちは最高」と記している。