久井「お父さんが持っていたベルトを今持っている選手で」
プロデビュー3戦目でのタイトルマッチ抜擢で、勝てば新記録となる超新星は、キャリアで上回る新田を相手にしても臆するところは一切ないようだ。その自信の言葉をどうぞ!
──少し前になりますが、9月大会でのプロ第2戦、向井貫太戦を今振り返ると?
「うーん…内容はよくなかったし、倒せたという結果だけでしたね。全然納得いってないです。対戦相手のやりづらさとかもあったし、倒しにいこうとしすぎたのもよくなかったですね」
──向井選手のムエタイスタイルがやりづらかった?
「そうですね。メッチャやりづらかったです。まあ、いろんなタイプと試合できるというのはいいんですけど」
──とは言え、デビューから2戦連続KOで、次が王座決定戦になりました。カード発表会見では相手の新田宗一朗選手とも顔を合わせましたが、印象はどうでしたか?
「もともと持っていた印象からは変わらないですけど、『勝って当たり前』みたいなことを言っていたので、ナメてんのかなというのを感じました」
──イラッときた?
「まあ、多少は。結果で返すしかないかなと思ってます」
──新田選手からすると、自分はベルトも持ってるし、戦績も全然違うので、そう思うのも当然かなという気もします。『そういう試合』であるということについては?
「キャリアとかだけで言うと、前の試合も相手は10戦ぐらいしてましたし、キャリアどうこうみたいなのは考えてないですね。相手の方が格上と見られてると思うんですけど、キャリア関係なく倒したろうかなと思ってます」
──改めて、新田選手の試合での印象と警戒するところは?
「お父さん(久井淳平=元イノベーション・スーパーフェザー級王者)が持っていたベルトを今持っている選手で…お父さんを抜かすという意味でも、倒したいなと思っています。警戒するのは一発のヒジぐらいですかね。止められて終わりとかなったらイヤなんで」
──新田選手も向井選手同様、やや掴みづらいタイプかなと思います。向井戦の経験も踏まえて、どう考えていますか?
「新田選手の対策はけっこうしてるんで、捕まえて倒す自信はあります。判定は考えてなくて、KOで倒せるかどうかというところを考えてます」
「モチベーションは上がりますけど、いつも通りやるだけかなと思ってますね。タイトルマッチだからどうこうというのは、特に考えてないです」
──お父さんからはどんなことを言われていますか?
「2人で練習をしているので、絶対獲るという気持ちでやってます。技術的なことでは、やっぱりヒジを警戒しろというのは言われてます」
──プロではREDルールは初めてですよね。自分が出すということも含めて、ヒジについては?
「もちろん練習もしてますし、ヒジの戦い方というのもあるんかなとは思ってます」
──今回は初のタイトルマッチ、初のREDルール、初の5R戦と、初めて尽くしですが、不安はないですか?
「不安は別にないですね。逆に、相手は3Rより5Rの方が後半バテてくると思うんで、そっちの方がいいかなと。自分は疲れない練習をしてるんで、そこは自信ありますし。
──では、「ヒジをもらって止められてしまう」以外に死角はない?
「あとはラッキーパンチぐらいですかね。背も高いしやりづらいかなとは思うんですけど、それぐらいです」
──実際、こんなに早くタイトルマッチのチャンスが来るとは思ってなかったですよね?
「そうですね。やるとしてももうちょっと後かと思ってました。ビックリもしたし、絶対獲らなアカンなと思いました。何年かかってもチャンスを得られない人もいるのに、こんなに早くチャンスがもらえて、本当にうれしいです」
──お父さんからチャンピオンの心得みたいなものを聞いたことは?
「『チャンピオンになるヤツは何かある』みたいなことは、常々言われてます。今回タイトルマッチが決まって、さらに言われました。新田選手に関しては、戦ってみて何か感じるものがあるかなと思ってるんですけど」
──ということは、今は特に感じてない?
「今はそうですね。でももちろんナメてかかれへんし、しっかり戦おうと思ってます」
「しますね。倒すイメージを作った後に、ベルトを巻いてマイクでしゃべってるところを想像したりはしてます」
──そこで話す内容も?
「はい、その内容ももう決めてます。あとは現実の試合で結果を残すだけですね」
──初タイトルが『KNOCK OUT』のタイトルになるというのは、想像していましたか?
「デビューした団体ですし、宮田プロデューサーにもよくしてもらっていて、違う団体に出ることは考えてませんでした。まあ、初のタイトルマッチがREDルールになるとは思ってなかったですけど(笑)」
──『KNOCK OUT』自体への印象は?
「いい団体やと思いますね。ベルトもカッコいいし、強い選手もたくさんおるし」
──チャンピオンになったら、その中に並ぶわけじゃないですか。どんなチャンピオンになりたいですか?
「やっぱり『最強』ですね。誰にも負けないような。天心とか武尊を超えるような選手になりたいです」
──その意味では、龍聖選手がそういう存在としても注目されています。彼のことは意識していますか?
「今はメチャメチャ目立ってるし、メチャ強いんで、意識はしてます。無敗でチャンピオンになってるし、超えていかなアカンなと思ってます」
──しかし3戦目でチャンピオンになれば、ある意味超えることになると思いますが。
「まあ、そうかもしれないですね」
──同時に、現在の『KNOCK OUT』では関西勢で初のチャンピオンということになります。そこについては何かありますか?
「ああ、そうですね。でもそこは特に気にしてないです。これまでプロも全部東京ですし、アマチュアの時から東京の試合の方が多かったので、アウェイ感とかもないです。前の試合も東京の選手が相手なのでもっとアウェイみたいな雰囲気になるのかなと思ってたんですけど、そんなこともなかったですし。今回も同じ感じでやれればいいかなと」
──勝ってベルトを巻くのに、最終的に必要なものって何だと思いますか?
「そこまでの過程で、ベルトにかける思いじゃないですかね。もちろんそれは勝っている自信があります」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「僕が倒す瞬間を見てもらえればと思います。絶対に倒すので。倒すパターンはいっぱい考えているので、その時の流れで倒します」