MMA
インタビュー

【GRACHAN】51歳の春の「無差別級王者」を目指し、トーナメント準決勝に臨む桜井隆多「結局は“人間としての戦い”」=12月4日(日)幕張メッセ

2022/11/30 12:11
 2022年12月4日(日)千葉県・幕張メッセ国際展示10ホールにて『GRACHAN 58』が開催される。  8選手による「無差別級トーナメント」では準決勝2試合が行われる予定で、9月の1回戦では、51歳目前の桜井隆多(R-BLOOD)が19kg重いラデック・ヘルボーイ(AACC)を2R TKOに下し、準決勝進出を決めている。  元DEEPミドル級(82kg)王者で、2021年6月の試合ではGRANDウェルター級(77.1kg)王座統一戦も戦っている桜井は、五十路にしてなぜ「無差別級トーナメント」に挑むのか。 50歳を過ぎても可能性を伸ばしたい、どこまで行けるのかがテーマ ──そもそも、ですが、2021年6月にGRANDウェルター級(77.1kg)王座統一戦も戦った桜井隆多選手が、「無差別級」のトーナメントで出ようと決めたのはなぜでしょうか。 「前から『重い階級の方が試合でいけるんじゃないか』という話も周囲からあって、でもウェルター級で試合で出ていたので、当初は(無差別には)そんなに出る気はなかったのですが、なかなか試合が組めない状況もあって。もともとミドル級で出ていた(DEEPミドル級82kg)こともあって、今回の無差別級トーナメント、僕が出た方が盛り上がるんじゃないかな、と思い出ることにしました」 ──とはいえ、1回戦の対戦相手のラデック・ヘルボーイ選手は110.4kgの計量でした。19kg以上の差があることを知ってどのように感じていましたか。 「階級があるところで試合をしてきたので、体重に関してはすごく大事な部分なんですけど、結局は“人間としての戦い”なので、もともとプロレスラーを目指していましたし(※23歳でカール・ゴッチのもとで修業)、そのときは無差別で戦うことは普通だと考えていましたから、その初心に帰ってもいいかなと考えましたね」 ──格闘技はどの試合も危険ですが、無差別級ということで、そのリスクはさらに大きくなります。周囲から止められたりしませんでしたか。 「ああ、ちょっと『大丈夫?』とは言われましたが、もう残り少ない人生なので、好きなようにやらせてもらおうかなと思っています」 ──無差別級トーナメントに臨むにあたり、どんな練習環境でトレーニングされてきたのでしょうか。 「水戸(R-BLOOD)にデカい人がそんなにいないので、“無差別で戦うイメージ”をしてきました。それと練習で痩せていってしまうので、パワー系のトレーニングに切り替えて、少し重い時代のトレーニングに戻したような感じです。ウェイト、そして技術練習もしっかりやってきました。それにデカい人も2人ほどいたので、付き合ってもらいながら、みんなの意見も聞きながらやってこれました」 ──1回戦ではサウスポー構えの怪力ラデック選手を相手になかなか中に入るのが難しそうに感じました。 「そうですね。やっぱりサイズがあってリーチがあるので──自分が行くことも相手は分かっていたでしょうしなかなか最初はうまく入れなかったですね。でも、当てながら行けば入れる、入って行けばパンチも当たる──と。テイクダウウンできなければ殴るしかないと考えていました」 ──1R後半に右から左を当ててラデックの足を泳がせましたが、惜しくもゴングでした。 「行けるな、と思いましたね。2Rも同じで殴って、倒せたら倒そう、テイクダウンしようと考えていました。まあ、その前に効いてくれたんで、目が飛んでいるのを見て、ここは行くしかないとラッシュしました」 ──そして、見事にKO。「年齢はただの数字」とはいえ、五十路を超えてのMMAという厳しい競技での挑戦で、試合で見せたいものは? 「そうですね……50とかになっちゃうとどんどん可能性が低くなるので、もう過ぎましたけど(苦笑)、その可能性を伸ばせたらな、というのと、自分自身にすごく期待を持っていいるので、もうちょっとどこまで行けるのか、が今回のテーマです」 ──トーナメント準決勝の相手は前日計量時に抽選で決定という、これもまた過酷な状況です。桜井選手のほかに勝ち上がっているのは、荒東 怪獣キラー 英貴(パラエストラ大阪)、瓜田幸造(掣圏会瓜田道場)、ハシモト・ブランドンという3選手です。 「直前の抽選ですか……相手が決まったらそれを想定して練習しようと思っていましたから、自分を高めて、イメージしておくしかないですね。まあ、初戦の試合で自信にもなったので、今回もしっかり仕上げて、優勝を目指して頑張りたいと思います!」
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