キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】工藤“red”玲央「僕がチャンピオンになるのは決まってる」vs.古木誠也「チャンピオンになるからには、それにふさわしい存在にならないといけない」

2022/11/28 19:11

古木誠也「まだ出せてない技がたくさんあります」

この試合への出場権を懸けた11月の響波戦では見事なパンチで自分より15cm身長の高い響波を一撃KO。キックボクシング6戦目で初のタイトルを目前にした今、古木はどう思っているのか?


──響波戦は見事な勝利でした。改めて試合を振り返ると?

「とりあえず、勝てて安心しました。トレーナーとやってきたことが形になったのが、勝利につながったんだと思います」

──一夜明け会見では、「狙っていたわけではなかったが、普段の練習が出た」というお話をされていましたね。

「そうですね。意識したわけではなくて、自然と形に出たという感じです」

──響波選手とは15cmの身長差がある対戦でした。その攻略はどう考えていたんですか?

「やっぱり身長が高いし、絶対ヒザを狙ってくるだろうというのは予想していたので、倒しにいくというわけではなく、ガードを意識してジックリ戦っていくという感じでした。それで倒せたのでよかったと思います」

──対峙してみて、パンチが入りそうだという感じはあったんですか?

「いや、全く。ガードを意識していたので、そんなにパンチを狙っていたわけではないです」

──しかし実際は一発で決まりました。その瞬間はどう感じましたか?

「やっぱり安心したというか…『よかった!』と思ってホッとしました」

──試合後にはリング上でマイクでの挨拶もありました。その時、実況・解説陣、特にゲスト解説の谷川貞治さんが「慣れてないところがいいねえ」と言っていました。実際、あの時はどうでしたか?

「分かると思うんですけど、自分はしゃべるのがすごく苦手なんですね。それに試合後にマイクでしゃべるというのが初めてだったのもあって、緊張しかなかったです」

──緊張するというのは会見でも?

「そうですね。カメラがあったり、人に見られていると思うと緊張してしまいます。響波戦のカード発表会見が初の記者会見でもありましたし」

──しかし次の試合は王座決定戦でもあり、そういう機会は増えそうですよ。

「そうなんですよね…。まあ、慣れていくしかないかなと思ってます。しゃべるのは、試合より緊張するので」

──先日の勝利によって、12・11後楽園大会での王座決定戦が決まりました。前戦から3週間ほどでの連戦になりますが。

「ダメージもないですし、問題ないですね。期間が短いのは自分にとってはあまり関係ないというか、普段からいつ試合が決まってもいいように、トレーナーと練習しているので。試合が決まったから追い込みをするというわけじゃなくて、試合が決まってなくても毎日のように追い込んでいるので。代打とかでいつ呼ばれてもいいように準備しているので、試合間隔とかは関係ないですね」

──キックでは6戦目で王座獲得のチャンスが来ました。

「こんなに早くチャンスがもらえると思ってなかったので、本当にありがたいです」


──予想外に一発で倒せて、会見やマイクも初めて経験して、タイトルマッチも初めて決まった……ということで、めまぐるしい感じなのでは?

「そうですね。初めてのこと尽くしなので大変ではありますけど、これからしゃべる方も慣れていきたいと思います」

──さて、王座決定戦では工藤“red”玲央選手との対戦となりました。印象は?

「ベテランでタフだし、パンチもありますし、厳しい戦いにはなりますけど、いつも通りに自分の試合に持ち込むだけです」

──このところ工藤選手は3連勝で、前回もKO勝利と好調です。そのあたりはどう見ていますか?

「試合を重ねるごとに強くなっていってるなと思いますね」

──前回の試合でダウンを取った動き、「工藤拳」というらしいですが、あれについては?

「油断しないようにしたいですね。ああいう動きも出してくるだろうなという想定はしているので、ガードを固めるのは当たり前ですけど、しっかり対処したいと思います。自分も試合になると緊張してアガってしまうというのもあるんですけど、練習はしていても出せてない技がいっぱいあるので、試合を楽しみながら、そういう技もいろいろ試していきたいと思います」

──空手でたくさんの試合経験がありますが、キックボクシングでは、そこでも想像しなかったような相手の動きなども多く出てくるのでは?

「ありますね。キックと空手では距離感が全然違っていて。空手は距離を詰めてお互いに殴り合う、我慢比べみたいな感じなんですけど、キックは一発でやられちゃったりもするので、全体的に違いますね」

──そこは楽しめていますか?

「キックは面白いですね。緊張感もぜんぜん違いますし、試合はワクワクします。1日も早く試合がしたいと思ってます」

──先ほど、「自分の試合に持ち込む」という言葉がありました。どういう展開が理想ですか?

「先ほども言った通り、けっこうアガっちゃうので、落ち着いて試合をするのが理想です。倒す、倒さないは関係なく、落ち着いて試合を楽しみつつ、いろんな技を試せたらと思います」

──それは、これまでの5試合ではどれぐらいできていますか?

「いや、全然できてないですね。この前の響波戦ではトレーナーの指示は全部聞けていたと思うんですけど、技は全然出せてないです」

──ということは、キックボクシングでの伸びしろはまだまだある?

「まあ、もう少しは成長できると思います」

──いよいよ、次で勝てばチャンピオンです。それを考えると……?

「キックを始めた時点でチャンピオンを目指してはいたんですけど…やっぱり早いですね。デビューしてまだ1年経っていないんで、本当に早いと思います」

──巡り合わせもありますが、自分の力で勝って呼び寄せたものでもあるわけですよね。

「自分の力というか…トレーナーのおかげですね」

──チャンピオンになると、試合以外にもいろいろ要求されるものがあると思いますが……。

「ですよね(笑)。でもチャンピオンになるからには、それにふさわしい存在にならないといけないなとは思います。もっと圧倒的な強さを見せたいですね」

──タイトルマッチということで、応援の方もたくさん?

「来てくれると思います。みんなの応援は力になりますし、当日みんな来てくれると思うとつらい練習も乗り越えられるし、頑張れます。勝ってみんなを喜ばせたいというか、恩返ししたいですね。今はジムにチャンピオンもいないので、ジムにベルトを持ち帰るというのも励みになります」

──では最後なんですが、今回の試合で一番ここに注目してほしいというポイントはどこでしょう?

「自分も体の強さには自信があるので、タフさを見てもらいたいですね。あといろんな技を試したいので、そういうところも見てもらえたら」

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