キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】工藤“red”玲央「僕がチャンピオンになるのは決まってる」vs.古木誠也「チャンピオンになるからには、それにふさわしい存在にならないといけない」

2022/11/28 19:11
【KNOCK OUT】工藤“red”玲央「僕がチャンピオンになるのは決まってる」vs.古木誠也「チャンピオンになるからには、それにふさわしい存在にならないといけない」

初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座を争う工藤(左)と古木(C)KNOCK OUT

 2022年12月11日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2022 vol.8』にて、初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座決定戦3分3R延長1Rで対戦する、工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)と古木誠也 (G-1 TEAM TAKAGI)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 工藤はファイヤー原田の愛弟子としてJ-NETWORKで活躍。ジムの閉鎖とともにTEPPEN GYMに移籍してファイヤー譲りの根性に加えて技術を磨き、10月にはダイナマイト柿崎を右フックでKOして現在3連勝中。戦績は12勝(8KO)11敗5分。

 古木はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴を持ち、9月大会で前田翔太に初回TKO勝ち、11月大会では5戦目にして元KNOCK OUT-REDバンタム級王者・響波を右フックで初回KOに破り今回の王座決定戦へ進出した。戦績は4勝(3KO)1敗。

工藤“red”玲央「格闘技の神様が決めてくれるはず」

 本人が「5年に一度のツキが来てる」という言葉通り(?)今年3連勝でタイトル獲得のチャンスを掴んだ工藤だが、その相手は11月大会で響波を一撃KOにより下した古木誠也に決定した。工藤は古木の存在をどう見ているのか? そして初戴冠のチャンスをどう受け止めているのだろうか?


──最近の試合前インタビューでは、最後に「もっと●●のこととかも聞かれるのかと思った」と言われることが多いので、先にお聞きします。今日話したいことは?

「サッカー・ワールドカップのこととか、ポケモンが新しく出たじゃないですか。趣味のこととか聞かれるのかなと思って」

──一応、試合に向けてのインタビューですからね(笑)。ワールドカップは見てるんですか?

「そんなに熱狂的というわけでもないですけど、一応見てます。ドイツ戦は起きてる時間だったので見ましたよ。深夜まで起きて見たりはしないですけど」

──なるほど、人並みですね(笑)。ポケモンは買ったんですか?

「『スカーレット』の方を買いました。発売日に買ったんですけど、始めたのはさっきなんですよ。始めようと思ったらコントローラーが壊れてて、今はコントローラーも入手困難なんですよ。人気だからなかなか売ってなくて。ようやく買えて、始められたって感じです」

──そうなんですね。……では試合のことをお聞きしてもいいでしょうか?(笑) まずは前回のダイナマイト柿崎戦を振り返ると?

「まあまあよかったんじゃないですかね」

──まあまあですか。

「そんな緊張もせず、リラックスして戦えたので。周りから倒せ、倒せと言われてたので、力みはありましたけど」

──しかし最後は見事なKO勝利だったじゃないですか。「工藤拳」も、その前の試合ではしゃがむところまでは見せてましたが、今回はダウンを奪うところまでいきました。

「そうですね。前回はうんこ座りでおわっちゃったんで」

──うんこ座り(笑)。今回の手応えはどうでしたか?

「あの時はけっこうよかったんですけど、今は工藤拳が20個ぐらいに増えてるんで、今となっては普通に倒しただけって感じですね」

──20個に増えたんですか! 試合後の一夜明け会見では「工藤拳は8つある」と言っていましたが。

「先週か先々週かが調子よくて、1週間で10個ぐらい作ったんですよ。今週は2個だけなんですけど」

──際限なく増えていくものなんですね(笑)。そのパターンだけでも、相手を惑わせられる?

「僕はそんな卑怯な手は使いたくないので、惑わせてるつもりはないんですよ。あの動きに対して、僕なら冷静に対処できると思ってますし。あれは自分が一番動きやすいというか、その後に打ちやすいというか、そういう動きなんです」

──ああ、「自分が落ち着くためにやっている」とも言っていましたね。

「そうです。相手を騙すとか、そういう目的じゃないんですよ。あと、勘違いしている人が多いんですけど、工藤拳はパンチだけじゃないんですよ。蹴りもあるので」

──えっ、そうなんですか? 蹴りだと「拳」じゃないのでは? 「工藤脚」とか……。

「いや、それはカッコよくないので、全部まとめて工藤拳です。いやそれこそ、しゃがむっていうのは脚だけの動きじゃないですか」

──それはそうですけど、その後に出るパンチが工藤拳なのかと思ったもので。

「でもそのためには脚の動きが大事なわけですよ。工藤拳のキーポイントはパンチじゃなくて、脚なんです」

──奥が深いですね……。柿崎戦の後に、響波vs古木誠也の勝者と王座を懸けて対戦することが決まって、古木選手がKO勝ちで上がってきました。あの試合についてはどう思いましたか?

「普通に『すごいな』と思いましたよ。『俺だったらもっと早く倒せた』とか、そんな生意気なことを言うつもりもないし、純粋にすごいと思いました。

──どちらかが勝つだろうなという予想とかはしてたんですか?

「うーん……どっちかが勝つだろうなとは思ってましたよ」

──そりゃそうですよ!(笑)

「あーでも、『古木選手とだったらいい試合になるだろうな』というのは思ってましたね」

──ただ、響波選手だったらリベンジマッチになっていたところでした。そこは考えなかった?

「そうなんですけど、負けた昔の僕とはもう違いますからね。そこを意識してもしょうがないので。響波戦の時(2020年2月)もけっこうチケットを売って、お客さんにたくさん来てもらってたんですよ。それでこの前、「背が高い方が勝ったら、2年半前のリベンジになるよ」みたいなことを言ったら、みんなその試合のことを覚えてなかったんです。人間ってそういうものなんだ……と思って」

──そうでしたか。

「結局みんな、僕を見に来てるので、相手のことはどうでもいいんですよ。だから自分と響波選手で、勝手に『再戦だ』『リベンジだ』って盛り上がっても、お客さんはそんなところ見てないっていう。ちょっと悲しかったんですけどね(笑)。だからリベンジとかは関係ないです。僕のレベルもあの頃とは全然違うので」


──なるほど。では相手に決まった古木選手のことは、今どう見てるんですか?

「空手出身なので、多彩な蹴りをいっぱい出してくるのかなと思って。勝手な想像ですけどね」

──でも響波戦ではパンチ一発で見事なKO勝利でした。

「でも『ラッキーパンチだった』って言ってませんでした? 分かんないですけど、僕はけっこう人のことを信じちゃうんで。『たまたま当たった』って言ってたから、そうなのかなと。あの顔はウソつかないですよね?」

──いや、知らないですけど(笑)。謙遜の可能性もあるじゃないですか。

「でも僕は信じてますけどね。『あれは練習してて、狙い通りでした』とは言ってなかったんで。でも、たまたまでも勝ちは勝ちですからね」

──では、一番警戒するのは蹴りだと。

「そうですね。でも相手のことを気にしてもしょうがないので、自分のやるべきことをやるだけですよね。相手は誰でもいいので、自分の底上げをするだけです」

──その結果、工藤拳も20種類に増えたと。

「はい。いや、22個かな?」

──さらに増えた(笑)。それは番号とかつけてるんですか?

「まだつけてないんで、それは試合が終わってからやろうかなと思ってます。実況で『あ、工藤拳15番だ!』とか言ったら面白いじゃないですか。

──いや、面白いですけど、出た時に瞬時に見分けられるかどうか……。

「そうですよね(笑)。まあ、僕は必ずチャンピオンになるので。『3月の代々木第二でのビッグマッチにはチャンピオンとして出る』って、ずっと言ってるじゃないですか。これはその通りになるので」

──確かに言ってましたね。こうして実際にタイトルマッチが決まって、相手が決まっても、その自信は全く変わらないと。

「変わらないですね。自信というか、僕がチャンピオンになると決まってるので。結局は格闘技の神様が、どっちがふさわしいかと決めてくれることだと思ってるので。僕はふさわしいと思ってますし」

──ここで勝てば『KNOCK OUT』のチャンピオンです。そこへの思いは強いですよね?

「もちろんです。応援してくれる人たちの夢を、ようやく僕が叶えられるので。今回もたくさん応援に来てくれますし、その人たちの夢も僕が叶えると思ってます」

──では最後に、当日自分のここに一番注目してくれというポイントはどこですか?

「下がらない姿勢ですね。僕は迷ったらダメなんで。本当に気持ち全開に出して突き進むので、そのファイトスタイルを見てほしいですね。突き進んで、倒して勝つので。そしてベルトを巻きます」

──分かりました。ありがとうございました!

「応援よろしくお願いします!」

──いえ、僕は一応、中立なので「どちらも応援します」なので……。

「ああ、そうですか。まあいいや、とりあえず勝ちます!」

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