空手
レポート

【極真会館】男子は西村界人がコバレンコを破り連覇達成。女子は鵜沢菜南が初優勝、佐藤七海が3連覇を阻まれる

2022/11/20 15:11
極真会館「第54回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」2022年11月20日(日)東京体育館 来年11月に開催される極真会館最大行事『第13回全世界空手道選手権大会』の日本代表選手選抜大会として行われる今年の全日本選手権大会。以前は128名により2日間にわたるトーナメントだったが、コロナ禍もあり、今年は69名によるワンデートーナメントで日本一の座が争われた。 ▼男子決勝戦×コバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)延長 判定4-0○西村界人(東京城北支部)※西村が優勝。2連覇を達成。  男子の決勝戦は2022年第53回全日本王者の西村と、2020年第52回全日本王者コバレンコの顔合わせとなった。両者は2年前の全日本決勝でも対戦し、コバレンコが初優勝を飾っている。  コバレンコは下突きと右下段、西村も突いて左下段を蹴る。コバレンコはコンパクトなモーションで左右の下段を蹴り、下突きをねじ込む。隙あらば足掛けも狙う。突いて左下段を蹴る西村はコバレンコの突きにヒザ蹴りで応戦。下突きを打たれるとすぐにヒザを返す。コバレンコもヒザ、西村は押してのヒザ。巨体を躍らせるように左右のヒザを突き出す西村に、コバレンコは回り込みながら下突き。  本戦の判定は0-0。延長戦へ突入する。細かく突いて左下突きにつなぐコバレンコは、左下段と左内股も蹴る。それに西村は左下段で対抗。回り込むコバレンコを逃さず左下段。西村は押し、ヒザ蹴りで前へ出て左下段。コバレンコがこれに下がる。打ち合うコバレンコだが西村が押して下がらせてのヒザ、突きで前へ出た。  判定は4-0で西村が勝利。巨体を躍らせるようにしてヒザで前へ出たこと、押しを織り交ぜたことが差となったか。西村がかつて敗れたコバレンコにリベンジし、2連覇を達成した。 西村は「自分一人の力ではここまで来れませんでした。応援・サポートしてくれた皆さんに恩返しが出来て嬉しい気持ちでいっぱいです。最後は確かに細かい技術の面もありましたが、最後は気持ちの勝負になると思いました。僕をここまで強くしてくれるきっかけとなったコバレンコ選手には感謝しかないし、来年の世界大会決勝でもう一度戦って決着をつけたいと思います。連覇がかかった試合でしたが初戦から決勝まで挑戦者の気持ちを忘れずに一戦一戦全力で戦えたことが結果につながったと思います。終わったと同時に、来年の世界大会への戦いは始まっていますし、強い日本チームで勝って必ず日本が優勝、最後は自分が世界チャンピオンになります」と、来年の世界大会での必勝を宣言した。 [nextpage] ▼女子決勝戦○鵜沢菜南(千葉下総支部)再延長 判定4-0×佐藤七海(東京城西国分寺支部)※鵜沢が初優勝。 女子決勝は2年前と同じ佐藤と鵜沢の顔合わせとなった。前回は佐藤が勝利して全日本初優勝を飾っている。  突きの連打を繰り出す佐藤に鵜沢は左右の下段で対抗。自分からも突きを打ちに行く鵜沢に佐藤もフル回戦で応戦する。佐藤の突き連打に左中段廻し蹴りを返す鵜沢。佐藤が打ち合いに行くと鵜沢は下段を蹴りながら打ち合う。この下段にバランスを崩す佐藤。鵜沢の蹴りをかわして左下段を蹴る佐藤が突きを連打して本戦終了。判定は0-0で延長戦へ。  両者とも左回り込みながら機会をうかがい、どちらかが突きの打ち合いを仕掛ける。佐藤の突き連打に内股蹴りで対抗する鵜沢、佐藤も左下段を蹴る。終了間際、佐藤の右横蹴りが顔面に入るが技ありにはならず、判定1-0(佐藤に1本)で再延長へもつれ込む。  佐藤が突きをフル回転させていき、鵜沢が下段で迎え撃つ。鵜沢が突きで仕掛けてヒザと左中段廻し蹴り。佐藤は打ち合いを仕掛けるが鵜沢も負けじと打ち合い下段も蹴る。胸を合わせての攻撃で佐藤に注意2、鵜沢に注意1。  判定は4-0で鵜沢が初優勝。佐藤は史上初の女子3連覇を阻まれた。 鵜沢は「絶対に優勝するぞって想いと、再延長まで行ったら絶対に自分が勝つと思っていました。最後の最後まで冷静に、特に再延長では下段と突きだけにこだわらずに技を出せたのが勝因だと思います。来年世界大会があるのでそこで優勝して、さらに強くなっていい組手が出来るように頑張ります」と、さらなる飛躍を誓った。 [nextpage] ▼男子3位決定戦×荒田昇毅(千葉中央支部)判定0-5○大秦稜司(京都支部)  互いに右下段を蹴り合い、荒田は左のストレート、下突き。大秦が右下段で荒田の巨体をグラつかせるが、すぐに荒田が左下段の連打で逆襲。左右の内股を蹴って崩していく大秦。荒田は突きを返すが大秦の左下段、右内股に足が上がり、バランスを大きく崩す。明らかなダメージが見えるが、荒田も必死に食らいつく。判定5-0で大秦が3位入賞となった。 ▼女子3位決定戦○知念琉花(神奈川横浜北支部)判定5-0×山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)  左手を伸ばし気味にどっしりと構えた知念が上段前蹴りで技ありを奪う。山﨑は出入りして突きを打つが知念は離れる。山﨑の突きにヒザ、前蹴りで応戦する知念。山﨑は最後突きの連打を見せたが判定5-0で知念の勝利となった。 [nextpage] ▼準決勝第1試合○コバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)判定4-0×荒田昇毅(千葉中央支部)  コバレンコの左中段廻し蹴りをもらった荒田はカモンゼスチャー。コバレンコの重く速い突きにパワフルな左下突きで対抗する。荒田は左下突きを狙い撃ちにし、左下段を蹴る。コバレンコは押しも混ぜて右下段廻し蹴り、左右に動いて突きを打つと荒田も応援して熱戦に。コバレンコのヒザ蹴りに右下段を返す荒田。  熱戦の3分間が終了し、判定は4-0でコバレンコの勝利となったが、敗れた荒田にも大きな拍手が沸き起こった。コバレンコが決勝へ進出。 ▼準決勝第2試合×大秦稜司(京都支部)判定0-5○西村界人(東京城北支部)  巨大な壁となって立ちはだかる西村は左下突きと左下段廻し蹴り。大秦の右中段廻し蹴りをキャッチするとそのまま倒し、下段突きを決めて技あり。大秦は左下段と右内股で西村の右足を狙い撃ち。西村は大秦の蹴り足をキャッチして転倒させようとし、大秦はそのたびに抱え込んでしまい3度の注意で減点1。判定5-0で西村が決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼準々決勝第1試合<Aブロック>○コバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)判定5-0×清水祐貴(東京城北支部)  開始早々、コバレンコが顔面殴打で注意1。コバレンコは足掛けを狙いつつ右下突き、左右下段廻し蹴りで一歩も下がらず壁のようになって攻める。清水は突きながら内股蹴りとヒザ蹴りで応戦するが、最後にコバレンコが得意の足掛け下段突きを決めて判定5-0で準決勝へ進出した。 ▼準々決勝第2試合<Bブロック>×山上大輝(東京城北支部)不戦勝 ※山上がドクターストップ○荒田昇毅(千葉中央支部) ▼準々決勝第3試合<Cブロック>×加賀健弘(東京城西支部)判定0-5○大秦稜司(京都支部)  右内股蹴りの加賀に大秦は押して左右の突き。大秦は突きから左右の下段と内股蹴り、シンプルだが力強い。加賀は接近して突きを繰り出し、右内股蹴り。終了間際、加賀が3度目の胸を合わせての攻撃で注意を受け、痛い減点1。即試合終了となり、大秦が判定5-0で勝利した。 ▼準々決勝第4試合<Dブロック>×石﨑恋之介(東京城西支部)判定0-4○西村界人(東京城北支部)  西村は左の下段を集中的に蹴り、右内股でも石﨑の右足を攻める。石﨑も真正面から突いて右下段を蹴る。西村は左右下突きから押してヒザ蹴り。西村が押してヒザ蹴りを繰り返し、突きも混ぜて西村を下がらせ判定4-0で準決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼女子準決勝第1試合 本戦3分延長2分×2×知念琉花(神奈川横浜北支部)判定0-5○鵜沢菜南(千葉下総支部)  互いにストレートで突き合うが、鵜沢が回転力では上回る。知念は前蹴りも混ぜるが、さらに回転を上げる鵜沢が強い右も突き、判定5-0で鵜沢が決勝進出を決めた。 ▼女子準決勝第2試合 本戦3分延長2分×2×山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)判定0-5○佐藤七海(東京城西国分寺支部)  両者とも開始と同時にアグレッシブに突きで打ち合う。佐藤は打ち合いの中でスッとサイドへ回り込み相手の攻撃をかわし、再び突いていく。さらに両者とも下段を蹴り合う。激しく打ち合う中、佐藤が左上段廻し蹴りをヒットさせて技あり。判定5-0で決勝へコマを進めた。 [nextpage]  3回戦最後の試合では、2022年第53回全日本王者・西村界人(東京城北支部)と2012 年第44回全日本王者ナヴァロ・アレハンドロ(スペイン)の全日本王者対決が早くも実現。  西村は押しも利用して押して下がらせての突きと内股蹴り。ナヴァロは間合いが空くと飛び後ろ蹴りを繰り出す。舞台中央での突き合いとなり、ここでも西村は内股蹴りと押しを織り交ぜる。突き一辺倒のナヴァロにこれで差を付け、判定4-0で本戦決着をつけた。  1~3回戦を勝ち上がり、ベスト16に進出したのは以下の選手たち。 <Aブロック>コバレンコ・コンスタンティン(総本部道場)岡部慎太郎(東京城西支部)岩田 大(神奈川横浜港南支部)清水祐貴(東京城北支部) <Bブロック>長澤大和(北大阪支部)山上大輝(東京城北支部)荒田昇毅(千葉中央支部)山川竜馬(東京城北支部) <Cブロック>加賀健弘(東京城西支部)西村大河(東京城北支部)大秦稜司(京都支部)飯塚 翼(東京城北支部) <Dブロック>石﨑恋之介(東京城西支部)小林健人(東京城北支部)奥寺勇輝(東京城西支部)西村界人(東京城北支部)
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