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【UFC】アデサニヤが王座陥落、ペレイラがMMA8戦目でUFC王者に! ウェイリーがエスパルザ下し王座奪還、ポイエーとチャンドラーが大激闘、エドガーが引退試合でKO負け、フッカーがプエレス止める、レイエスが4連敗、ブランチフィールドが4連勝

2022/11/13 09:11
 2022年11月12日(日本時間13日)米国ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)にて『UFC 281: Adesanya vs. Pereira』が開催された。MSGのチケットは完売。シルヴェスター・スタローン、マイク・タイソンも来場するなど満員の観客で埋まった。 UFC 281: Adesanya vs. Pereira 速報 2022年11月12日(日本時間13日)マディソン・スクエア・ガーデン米国ニューヨーク州ニューヨーク 【メインカード】 ▼UFC世界ミドル級選手権試合 5分5R×イスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)王者 23勝2敗(UFC12勝2敗)185lbs/83.91kg[5R 2分01秒 TKO] ※左フック→左右ラッシュ〇アレックス・ペレイラ(ブラジル)挑戦者 7勝1敗(UFC4勝0敗)UFC4連勝 184.6lbs/83.73kg※ペレイラが新王者に  UFC世界ミドル級選手権試合・5分5R。王者アデサニヤに、4位のペレイラが挑戦する。  MMA23勝1敗、唯一の黒星はライトヘビー級に上げて王座統一戦を狙ったヤン・ブラホヴィッチ戦の判定負けのみ。その後も、マーヴィン・ヴェットーリ、ロバート・ウィテカー、ジャレッド・キャノニアを相手に3試合連続判定勝ちで5度の王座を防衛している。  対するペレイラは、キック時代に2度、アデサニヤを下している元GLORY二階級王者。UFC3連勝中でノーランカーだった2022年7月の前戦で4位のショーン・ストリックランドを1R KOに下して王座挑戦を決めた。  1R、いきなり前蹴りで飛び込んだペレイラ。かわしたアデサニヤは左右をスイッチし、右ロー。サウスポー構えになると左ローはペレイラ。さらにオーソで互いに右ロー。ペレイラは右カーフから左ハイを対角に突く。  手が下の構えのアデサニヤはサウスポー構えでフェイントし、ペレイラの左をかわす。さらに左ハイはアデサニヤ。ブロッキングするペレイラは圧力をかける。  右から左の二段蹴りでハイをブロック上に突くアデサニヤ。近い距離で前に出るペレイラはテイクダウンを警戒していないか。  右ハイ、左の高いヒザはペレイラ! 右で差して組むアデサニヤは頭をアゴ下につけるが離れ、右ストレート! 左フックにペレイラは動きが止まるもブザーに救われる。  2R、詰めるペレイラにケージ背にヒザを突くアデサニヤ。ペレイラの右ハイはダックでかわす。ともにジャブで刺し合い。グローブを掴んで距離を測るアデサニヤ。サウスポー構えから左ストレート、左ハイをガード上に当てる。  詰め続けるペレイラは左ジャブから組むが、アデサニヤは体を入れ変えるとボディロックからテイクダウン狙い。離れると右ストレートを突く! 左ジャブを当てるペレイラは詰めるが、サークリングするアデサニヤ。  左を上下に突くペレイラは左ヒザも。かわして組んで右を差すアデサニヤは、押し込み、引き出そうとするが、大内はかからず。ペレイラはヒザを突くと離れるアデサニヤ。詰めるペレイラはシングルレッグからダブルレッグテイクダウンでブザー。2Rを取り返したか。  3R、左の蹴りを上下に打ち分けるアデサニヤ。オーソに戻すと右カーフキック。さらに右ストレート。右から左を突いて前に出るペレイラ。そこにボディロックから回してテイクダウンはアデサニヤ! 立ち際にバックに回るアデサニヤは左足をかけてパウンド。  片ヒザ立ちのペレイラに背後からパンチを打つアデサニヤ。再び左足をかけて、立ち上がりのペレイラを腰を掴んで崩すと、ペレイラは足関節に。それを潰したアデサニヤが上に。下から両手首を持つペレイラに外して左フックを打ち込むアデサニヤ。いったん体を放して、踵落としでトップのままアデサニヤがブザーを聞いた。UFCで初テイクダウンを決めたアデサニヤのラウンド。  4R、右ローを打つアデサニヤ。ペレイラは左ジャブ。アデサニヤの左に左を狙う。左ジャブが伸びるアデサニヤ。詰めるペレイラだが、ワンツーを当てて押し返すアデサニヤは左前蹴りをボディに突き刺す!  アデサニヤが詰めると右ストレート、右ローで前に。ペレイラは圧力、手数が減る。前に出るとヒザを触るフェイントからダブルレッグから両脇差しに。右差しにしたアデサニヤは首相撲も。離れて右フックはアデサニヤ。押し戻すペレイラは左ジャブから右ストレートもかわすアデサニヤはすっと懐に入ると四つ組み。崩しに残すペレイラは、シングルレッグも残す。アデサニヤのヒジはかわしたペレイラがワンツーで詰めてブザー。アデサニヤのラウンドか。  5R、右ローから入るアデサニヤ。右から左ボディのペレイラに首相撲はアデサニヤ。しかし詰めるペレイラは右! アデサニヤは組んで両脇差して押し込み。突き放すペレイラに、右を蹴ったアデサニヤが後退して後転!  右足を痛めたか、しかしステップするアデサニヤはサークリング。追うペレイラは左ジャブ、金網に詰めて左フックを当てると右アッパー! さらに左フックに、横に崩れたアデサニヤ。立て直そうとするが、なおも詰めるペレイラは右から左、さらに右を当てると、レフェリーが間に入った。  大逆転勝ちに、ペレイラは師匠のグローバーテイシエラと歓喜。MMA8戦目、UFC4戦目で“絶対王者”アデサニヤをKOに下してミドル級王座を獲得した。  ベルトを巻いたペレイラは、「とてもいい気分だよ。一生懸命トレーニングしてきた。このためにずっと練習してきたんだ。トラッシュトークもあったけど、試合前の暴言は許してほしい。健康な体で戦うことができてよかった。彼の頭の中に入り込む必要があったんだ。第5ラウンドは無理だと言っていた人たち、今の自分を見てくれ。とてもハードファイトだったけど、このように辛い試合のような練習を毎日、5R通してやってきた。次への準備はできている。(UFC5戦目でベルト獲得だが?)ほんとうにありがとう。応援ありがとう。ジョー、ありがとう。ずっと実況してほしいと願って戦ってきました」と語った。 [nextpage] ▼UFC世界女子ストロー級選手権試合 5分5R〇ジャン・ウェイリー(中国)挑戦者 23勝3敗(UFC7勝2敗)114.8lbs/52.07kg[2R 1分05秒 リアネイキドチョーク]×カーラ・エスパルザ(米国)王者 19勝7敗(UFC10勝5敗)114.8lbs/52.07kg※ウェイリーが新王者に  5分5Rの女子世界ストロー級選手権試合。王者エスパルザに、2位で元王者のウェイリーが挑戦する。エスパルザはローズ・ナマユナスと5月に対戦。膠着した接戦を制し、判定勝ちで王座に返り咲いた。ウェイリーはナマユナスにKO負けで王座陥落後、ダイレクトリマッチでもスプリット判定負け。2022年6月の前戦ではヨンナ・イェンジェイチックを2R KOに下している。  1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるウェイリー。エスパルザは左ジャブで迎え撃つ。ゆっくり追って左ミドルハイ、さらにワンツーで詰めるウェイリー。エスパルザも押し戻すとワンツーを振る。  長い距離はローで蹴るウェイリー。ワンツーをから右ハイ! さらにハイキックも、それを掴んで倒すエスパルザ。足をかけてバックを奪いに行くウェイリーは、左リストをコントロールも、落として袈裟固めパウンドはエスパルザ。首抜きすぐにスクランブルするウェイリーだが、ここもエスパルザが上に。  左ミドルを掴んでシングルレッグのエスパルザにバックを狙い上を取るウェイリー。下のエスパルザはスイープ狙いに、ウェイリーは体を放す。  2R、詰めるウェイリー。サークリングするエスパルザは右で押し返す。ウェイリーの蹴り足を掴んだエスパルザはシングルレッグ、ダブルレッグもここも腰を切りスプロールしたウェイリーは、エスパルザの右腕を両足に挟んで、チョーク! タップを奪った。  ヘンリー・セフードからも指導を受け、一本勝ちで王座に返り咲いたウェイリーは、「私は戻ってきた! 夢のような気分。ベルトを失ってから、毎日毎晩、この瞬間を夢見ていました。中国でベルトを獲ったとき、地元のファンのみんなが応援してくれました。ウェイリーは中国のものだと感じました。今回、アメリカに来て、同じように皆さんから応援してもらっているのを感じました。ウェイリーは世界のものだと感じています。失敗は誰にでもある。諦めずにチャレンジし続けることで勝利に繋がります」と喜びをあらわした。  敗れたエスパルザは、「あらゆる場面で素晴らしい選手です。元チャンピオンで強さは変わりませんでした」と語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ダスティン・ポイエー(米国)29勝7敗(UFC21勝6敗)156lbs/70.76kg[3R 2分00秒 リアネイキドチョーク]×マイケル・チャンドラー(米国)23勝8敗(UFC2勝3敗)155.8lbs/70.67kg  ライト級2位のポイエーと、5位のチャンドラーが対戦。  元ライト級暫定王者のポイエーは、2019年9月のハビブ・ヌルマゴとの王座統一戦でリアネイキドチョークで一本負けしたものの、その後、3連勝。ダン・フッカーに判定勝ち後、コナー・マクレガーに2度 KO勝ち。2021年12月の前戦ではシャーウス・オリヴェイラと対戦し、ダウンを奪うも3R、リアネイキドチョークで一本負けしている。33歳、今回は11カ月月ぶりの試合。  元Bellator王者のチャンドラーは、UFCでダン・フッカーとトニー・ファーガソンにTKO勝ち。オリヴェイラとジャスティン・ゲイジーには敗れている。36歳ながらノンストップの激闘を繰り広げている。  1R、サウスポー構えのポイエー、オーソドックス構えのチャンドラーは右インローも空振り。右ストレートで飛び込むチャンドラー。左ミドルをもらうと、右ミドルの3連打で反撃。  さらに右の蹴りを上下に突く。右の蹴りから右ストレートを当てるチャンドラー! さらにボディから右ストレートと散らすも、左を返すポイエー。チャンドラーの右をポイエーの左が相打ちに。  今度はポイエーが押し返すと、左右連打から右をガード上に当ててダブルレッグテイクダウンはチャンドラー! 金網使い立とうとするポイエーにスタンドバックにつくチャンドラー。ポイエーのスイッチにダブルレッグはチャンドラー、なおもバックからジャーマンスープレックス!   しかしここで力を使ったチャンドラー。ポイエーは立ち上がると左! さらに右でダウンを奪うと、立つチャンドラーを金網に釘付けにしてラッシュ! 大歓声にレフェリーが間に入ったが、1R終了のブザー。チャンドラーは座り込む。  2R、ワンツーから左ボディストレートで金網に詰めるとダブルレッグテイクダウンはチャンドラー! インサイドガードから細かくパウンドするチャンドラーだが、出血。ポイエーは下から三角絞めも、鼻からの流血で滑る身体で肩を回して外してかつぎパスはチャンドラー。バックを奪うと、左足をかけてアゴを上げさせると右足もかけてアゴ上から絞める。  いったん解いたチャンドラーはなおもフェイスロック。座って正対するポイエーの腰を抱き、左手でポイエーの左手を掴むチャンドラー、右手でパウンド連打! 受けながら右手を外して正対するポイエーは凌ぐ。削ったのはチャンドラーだが、スタミナはどうか。  3R、ともにサウスポー構えに。オーソに戻したチャンドラーに、サウスポー構えから前手の右を突くポイエー。チャンドラーはワンツーから右ミドル、さらにシングルレッグからハイクロッチで持ち上げテイクダウンはチャンドラー! すぐにバックを奪いに行くが、右足をかけさせないポイエーは正対し上に。  起き上がるチャンドラーの際にスクランブルでバックを奪うポイエーは両足をかけてリアネイキドチョーク! いったんは後ろ手を剥がしたチャンドラーだが、再び組み直したポイエーはフェイスロックでアゴを上げさせチョークを極めた。  試合後、ポイエーは「口の中に指が入ってアゴが上がったから抗議したんだ。何をされたか分からないくらいやられたよ。フックにもすごい驚いたよ。三角絞めもオリヴェイラとの試合を思い出した。思ったより体力があり安定した選手だった。柔術のおかげさ」と語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇クリス・グティエレス(米国)19勝4敗(UFC7勝1敗)UFC4連勝 136lbs/61.69kg[1R 2分01秒 KO] ※左跳びヒザ×フランク・エドガー(米国)24勝11敗(UFC18勝11敗)※引退試合 135.6lbs/61.51kg  チケット完売、大観衆となったマジソンスクエアガーデン。観客席には、シルヴェスター・スタローン、マイク・タイソンの姿も。  バンタム級12位のエドガーがラストマッチで、ノーランカーながらUFC3連勝中のグティエレスと対戦。  元UFC世界ライト級王者のエドガーは、マーク・ヘンリー、ヒカルド・アルメイダらと地元ニューヨークでトレーニングしてきた。今回がキャリア最後の試合となることを公言している。会場には家族が駆け付ける。  2012年2月26日には、UFC日本大会でベン・ヘンダーソンと名勝負も繰り広げた。39歳でバンタム級に落とすと、初戦はペドロ・ムニョススプリット判定勝ち。コーリー・サンドヘイゲン、マルロン・ヴェラには2連続KO負け。41歳で引退試合に向かう。  対するグティエレスも同じニュージャージー州出身。UFCデビュー戦こそハオニ・バルセロスに一本負けも、以降、6勝0敗1分け。カーフキックを武器とする。前戦は2022年3月にバトゲラル・ダナーにスピニグバックフィスト&ヒジで2R KO勝ち。  1R、「サンキュー!フランキー!」コールのMSG。ともにオーソドックス構え。身長差が際立つグティエレス。右ローのエドガーに右バックフィストを当てる。さらに長いコンパスで右カーフキック!  細かく頭を振るエドガー。間合いを保つグティエレスはスイッチしてサウスポー構えになるとエドガーの入りに左の跳びヒザ!  後方に倒れたエドガーを見て、レフェリーがストップした。  勝利したグティエレスは「たくさんのことをやってきて、母は癌闘病中で、癌で闘病中のチームメイトもいた。僕が戦えないわけがない。何もないところから来たんだ。ここにいられることは夢がかなったんだ。ガテマラ。コロンビアのみんなありがとう」とコメント。  敗れたフランキーは、ジョー・ローガンから「話せますか?」と問われ、「大丈夫だ、話そう。このスポーツが大好きだ。家族も来ている。こんな形で拍手されたくないけど、これこそがこのスポーツの醍醐味でもある。みんな大好きだ。このスポーツを愛している」と語り、ケージを出ると妻とハグをかわした。 【写真】UFCが投稿したエドガーへの「THANK YOU」の画像。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ダン・フッカー(ニュージーランド)22勝12敗(UFC12勝8敗)155.8lbs/70.67kg[2R 4分06秒 TKO] ※右前蹴り×クラウディオ・プエレス(ペルー)12勝3敗(UFC5勝2敗)155.2lbs/70.40kg  ライト級12位のフッカーはMMA21勝12敗でUFC11勝8敗。2020年2月のポール・フェルダー戦まで3連勝も、2020年6月にダスティン・ポイエーに判定負けすると、2021年1月にマイケル・チャンドラーに1R KO負け。ナスラット・マカチェフに判定勝ちで再起も、現王者イスラム・マカチェフに1R キムラで一本負け。フェザー級に落とすもアーノルド・アレンに1RKO負け。今回はライト級に戻して戦う。  TUFラテンアメリカ準優勝のプエレスは、UFCデビューから5連勝中。3つの一本勝ちは、すべてヒザ十字。2022年4月のクレイ・グイダ戦でもヒザ十字で1R一本勝ちを極めている。待望のランカーとの対戦。  1R、オーソドックス構えのフッカーに、サウスポー構えのプエレスは左ハイ。かわすフッカーは長い右ミドルをガード上に当てる。  さらに後ろ足での前蹴り。プエレスは滑り込んでロールして踵を掴んでヒールフック狙い。さらにヒザ十字からヒール狙いも、フッカーは4の字に組んで防御。足を伸ばして内ヒールに行くも、フッカーは外して立ち上がる。  さらにロールしてシッティングガードで滑り込むプエレスだが、足を切るフッカーは右ストレート! 詰めるフッカーに、プエレスはロールも届かず。  2R、詰めて右ミドルのフッカーは間合いを取って長い打撃。プエレスはシングルレッグで踵を掴んで持ち上げ金網に詰めるが、そこにノーアームギロチンはフッカー。プエレスは座り込んで外す。遠間からのシングルレッグを2度切るフッカー。  プエレスはタイミングよく前足を掴むが、スプロールして外すフッカー。右を突いてから右前蹴りに、プエレスはくの字になりガードに。さらに右を突くと、シッティングガードに。立ち上がるプエレスにフッカーは右前蹴りを腹に突くと、プエレスは腹を押さえてダウン。レフェリーが間に入った。  2R、4分06秒 TKO。試合後、フッカーは「ここで勝つことができた。さて、パース、待っててくれ、俺を倒せるヤツがいるなら来てくれ」と、2023年2月の豪州大会出場をアピールした。プエレスはUFC5連勝でストップ。 [nextpage] 【プレリミナリー】 ▼ライト級 5分3R〇ヘナート・モイカノ(ブラジル)17勝5敗(UFC9勝5敗)155.8lbs/70.67kg[1R 3分20秒 リアネイキドチョーク]×ブラッド・リデル(ニュージーランド)10勝4敗(UFC4勝3敗)155.6lbs/70.58kg  フェザー級からライト級に上げて3勝2敗のモイカノ。ダミール・ハゾビックにリアネイキドチョークで一本勝ち後、ハファエル・フィジエフに1R KO負け。ジェイ・ハーバートに再びリアネイキドチョークで再起を飾ると、アレックス・ヘルナンデスにもRNCを極めて2連勝。しかし、2022年3月の前戦でハファエル・ドス・アンジョスに5R 判定負けを喫している。ATT所属でクレベル・コイケの出稽古では練習をともにした。  対するキック出身のリデルは、UFC4連勝後、ハファエル・フィジエフに3R KO負け、ジェイリン・ターナーに1R ギロチンを極められ、2連敗中。  1R、ともにオーソドックス構え。互いに右カーフキックから。詰めるモイカノは左ハイ! ガードも一瞬動きが止まったリデル。右頬から出血。ワンツーを見せて左ミドルのリデル。モイカノは下がりながらも右を合わせに行く。  四つから組んで小外がけテイクダウンはモイカノ! その際でバックに左足をかけようとするリデルだが、右で差しているモイカノが上になり、すかさずバックへ。中腰のリデルにバックからパームトゥパームで絞り、最後は二の腕に組み変えてタップを奪った。  試合後、モイカノは「ジョー・ローガン、Fワードのオンパレードだけど言わせてくれ、最高だ! ミスを修正してきたし、急な5R戦でも受けてきた。米国のレスラーは強い言われてきたけど、俺はブラジルのレスラーだ。強いだろ!?」と咆哮した。 [nextpage] ▼ライトヘビー級→206.6ポンド契約 5分3R〇ライアン・スパン(米国)21勝7敗(UFC7勝2敗)206.6lbs/93.71kg ※体重超過[1R 1分20秒 KO]×ドミニク・レイエス(米国)12勝4敗(UFC6勝4敗)205.4lbs/93.17kg  ライトヘビー級7位のレイエスと、12位のスパンの対戦だが、スパンが体重超過でキャッチウェイトに。  レイエスは、2019年にクリス・ウェイドマンを1R TKOに下し、12連勝をマークしたが、ジョン・ジョーンズ戦での惜敗から、ヤン・ブラホヴィッチとの王座決定戦でKO負け、現王者イリー・プロハースカとの対戦でも2RKO負けと3連敗中。  対するスパンはUFC6勝2敗。2022年5月にイオン・クテラバに得意のギロチンチョークで一本勝ち。敗れた相手はアンソニー・スミスとジョニー・ウォーカーのみ。  1R、サウスポー構えのレイエス。オーソドックス構えのスパン。詰めて右のオーバーハンドを当てるスパン、さらに被弾し、足を手繰るが、そこに得意のギロチンチョークを合わせに行くスパン。  ここは警戒して引き込まれず首を抜くレイエスだが、左を打ちに行こうとしたところにカウンターの左! さらに右をかすめて、レイエスは糸が切れたようにダウンした。体重超過のスパンは2連勝。1年6カ月ぶり復帰戦のレイエスはKO負けのダメージが抜けないか、4連敗を喫した。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇エリン・ブランチフィールド(米国)10勝1敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝 125lbs/56.70kg[1R 3分37秒 キムラロック]×モリー・マッキャン(英国)13勝5敗(UFC6勝4敗)125.4lbs/56.88kg  女子フライ級12位のブランチフィールドと、15位のマッキャン。 “冷血”ブランチフィールドはMMA6連勝、UFC3連勝中。7歳から始めたキック、BJJがバックボーン。エディ・ブラボー・インビテーショナルで王者になるなどグラップリングも得意とし、6月の前戦ではJ.J.アルドリッチをスタンディングギロチンに極めて一本勝ち。23歳のプロスペクトと期待されている。  対する“ミートボール”マッキャンも3連勝中。リバプール生まれの元気娘で空手・ムエタイがバックボーン。3月にルアナ・カロリーナを、7月にハンナ・ゴルビーをいずれもバックヒジでKOに下している。  入場に咆哮するマッキャンに対し、ブランチフィールドはクールな表情。  1R、ブランチフィールドは左の蹴りで前に。マッキャンはその蹴り足を掴んで右を振る。マッキャンの打撃にカウンターのダブルレッグテイクダウンはブランチフィールド。そのままサイドを奪うと右手を両足で挟んで左手でパウンド! 腕が抜けずブリッジ出来ないマッキャン。  クルスフィックスをいったんは抜けかけたマッキャンだが、すぐに両足に挟むブランチフィールドは左腕をキムラロックに! 足をかけさせないブランチフィールド。いったんは腕を戻したマッキャンだが、ブランチフィールドは顔をまたぐと再びキムラを背中に絞り、タップを奪った。  1R3分37秒、一本勝ちのブランチフィールドは笑顔を見せず、両肩を払う仕草。完敗のマッキャンはブランチフィールドを抱え上げて勝利を讃えた。  UFC4連勝のブランチフィールドは、試合前のマッキャンの人気について「気にしていない。いいことだと思う」とクールに語ると、「相手の反撃をしっかり抑え込んで、タイミングよく極められた。上位とやらせてほしい」と語り、セコンドと向きあうとこぼれるような笑顔を見せた。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇アンドレ・ペトロスキー(米国)9勝1敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝 185.8lbs/84.28kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)18勝6敗(UFC3勝4敗)185.2lbs/84.01kg  1R、ともにオーソドックス構えから。トゥルマンはサウスポー構えにスイッチして左右で前に。ペトロスキーはヒザ蹴り、左から右を返す。頭を下げて左で飛び込み、シングルレッグはペトロスキー。金網に詰めてダブルレッグテイクダウン!  背中を見せて立とうとするトゥルマンにスタンドバックからヒジ。トゥルマンは正対して突き放し、右ハイ。トゥルマンは左ジャブ! さらに跳びヒザ、左ヒザ、後ろ蹴りも。前足にシングルレッグでドライブし、引き出してトゥルマンに尻餅を着かせてブザー。  2R、ペトロスキーのシングルレッグにギロチンチョークを合わせたトゥルマン。右にパスして抜けるペトロスキー。バックからフェイスロック狙いも外すトゥルマン。  スタンドバックにつき後方に引き込むトゥルマンに、立ち上がるペトロスキー。投げの打ち合いから上を奪うペトロスキーがマウント、ハーフからヒジ。  3R、トゥルマンの右の打ち終わりにダブルレッグからドライブして詰めるペトロスキーは、トゥルマンが突っ込んできた首をギロチンチョークにとらえてマウント。スクランブルするトゥルマンはハーフガードに片足を戻すと、左を小手に立ち上がり。しかし両脇を差すペトロスキーはボディロックテイクダウン! トゥルマンの足関節を潰してニアマウントからパウンドでブザー。  判定3-0(30-27×2, 29-28)でペトロスキーが勝利。UFC4連勝をマークした。 [nextpage] 【アーリープレリム】 ▼ライト級 5分3R〇マット・フレボラ(米国)10勝3敗(UFC4勝3敗)154.8lbs/70.22kg[1R 2分30秒 KO] ※左フック×オットマン・アツァイター(モロッコ)13勝1敗(UFC2勝1敗)155.6lbs/70.58kg  先に圧力をかけるフレボラ。後ろ蹴りはかわされる。アツァイターはジャブから右をヒット。さらに前蹴り、ヒジも突く。アツァイターの左にバランスを崩すフレボラ。  前に出て来る13戦無敗のアツァイターに、フレボラは下がりながらの左フックはかわされるが、そのままで首後ろでクリンチしながら右を当てて、ケージを背に左フックKO! [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇カロリーナ・コバルケビッチ(ポーランド)14勝7敗(UFC7勝7敗)115.6lbs/52.44kg[判定3-0] ※29-28×3×シルバーナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)11勝5敗(UFC1勝3敗)115.6lbs/52.44kg コバケビッチ「(ジャッジペーパーのミスで後方で書き直されていたことをどう感じた?)ハロー、ニューヨーク!勝っていると思っていたけどドキドkした。ATTに移籍してパルンパの指導を受け、もっともっと戦いたいと思った」 [nextpage] ▼フェザー級→145.6ポンド契約 5分3R〇マイケル・トリザーノ(米国)10勝3敗(UFC4勝3敗)147.6lbs/66.95kg ※体重超過[1R 4分51秒 KO] ※左フック×チェ・スンウ(韓国)10勝6敗(UFC3勝5敗)145.6lbs/66.04kg [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇モンテル・ジャクソン(米国)12勝2敗(UFC6勝2敗)135.8lbs/61.60kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×フリオ・アルセ(米国)18勝6敗(UFC5勝4敗)135.8lbs/61.60kg [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)6勝1敗(UFC3勝1敗)205.2lbs/93.08kg[1R 3分44秒 KO] ※右フック×ニコラエ・ネグメレアヌ(ルーマニア)13勝2敗(UFC4勝2敗)206lbs/93.44kg ※ネグメレアヌはUFC連勝が「4」でストップ。
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