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レポート

【DEEP】石司がCOROを破り、バンタム級新王者に! メガトン級暫王座戦は酒井が戴冠、ミクロ級王座戦は大島が古瀬に秒殺一本勝ち、ライト級で江藤が北岡との接戦制す

2022/11/12 17:11
 2022年11月12日(土)に東京・後楽園ホールで『DEEP 110 IMPACT』が開催された(※選手名から見どころ記事)。 ▼第9試合 DEEPバンタム級タイトルマッチ 5分3R×CORO(K-Clann)王者 60.95kg[判定0-5] ※27-30×5〇石司晃一(フリー)挑戦者 61.05kg※石司が新王者に  DEEPバンタム級タイトルマッチ(5分3R)として、暫定王者・CORO(K-Clann)に、石司晃一(フリー)が挑戦する。両者は2021年6月以来の再戦で、そのときは1年8カ月ぶりの復帰戦となった石司が、COROに自分から組んでバックを奪いスプリット判定で勝利している。  暫定王者のCOROは、正規王者ビクター・ヘンリーがUFC参戦中のため、2022年5月の「DEEPバンタム級暫定王者決定戦」でDJ.taikiに判定勝利し、悲願のベルトを巻いた。  対するDEEP生え抜きの石司は、18戦12勝のうち8つのKO、5つの一本勝ちを誇るフィニッシャー。現在4連勝中で、前戦は2022年8月に山本聖悟にパウンド連打でKO勝利している。  ベルトを賭けた再戦で、COROがDJ.taikiにも競り勝った進化した組み力を発揮し防衛とリベンジを果たすか。それとも山本戦で2度ダウンを奪われながらも打ち合いに持ち込み逆転KO勝利した石司の強打が火を噴くか。 1R、ともにオーソドックス構え。右を振る石司。かわすCOROは左インロー。石司は右ストレートを胸に突く。右カーフは石司。さらに左ジャブ。COROは左フック! 石司は右カーフ。さらに左フック、飛び込んでの右ストレートでCOROが後方にダウン! サッカーキックはかわしたCORO。フルガードで石司を中に入れる。体を離す石司は上から蹴りもブレーク。  スタンド再開。COROの組みにダーティーボクシングは石司! アッパーを突くとボデイロックも。ここは崩されないCOROは左フック。かわす石司。COROはヒザ着きでダブルレッグへ。金網背に防ぐ石司。  2R、右フックは石司。ブロッキングのCOROだが左右は大振りに。それをかわした石司。COROはシングルレッグも切る石司が上に。サッカーキックは石司。体を離す石司はスタンド勝負も、下からレッスルアップで立ち上がりシングルレッグはCORO。亀から引き込む形になったCOROはラバーガード狙い。座る石司に、金網で立とうとするCORO。しかしヒジ打ち、横に寝かす石司。背中を着かされるCORO。石司は左右パウンドにCOROはブロックで防御。下からヒジを狙う。  3R、左ヒザはCORO! しかし石司は右を突く。ワンツーの右はかわすCORO。左ジャブの刺し合い。近づくCOROの組みは差されず突き放す石司。  COROは前蹴り。左の蹴りと石司の右が交錯。COROも左右のフック、打ち気になるとダブルレッグテイクダウンは石司! 下のCOROは金網までエビをして立ち上がろうとするが、石司は寝かす。COROは蹴り上げ! シングルレッグで背中を見せる形で立とうとするが、そこにバックにつく石司。足はかけさせないCOROは正対しハーフに。  肩固めを狙う石司。マウントになる石司は肩固めを外してパウンド連打! ゴングにガッツポーズを見せる。  判定は5-0(30-27×5)のフルマークで石司が勝利。3度目の正直でベルトを腰に巻いた。  試合後、石司は、「父親がちょっとガンで歩くのも大変なんですけど、来てくれました。自分がチャンピオンになるまで死ねないと、言っていて、心残りだったんですけど、ギリギリ見せられてよかったです。自分、身体を壊していましたが、一番悪い時でも復活できると信じてやってきました。今日はどうしても勝たなければいけない試合で固くなりましたが、許してください。前回も温存して気の抜けた試合をしてしまいました。何年も前から佐伯?代表に、『DEEPでベルトを獲るまでほかの団体に出ない』と言ってました。やるべきことをやったので、次はひとつ上のステージで挑戦させてください」と、アピールした。 (試合後のバックステージ)石司「CORO選手はDJ選手に勝っていたので、自分は全然アンダードックだと思っていました。1Rも倒されても決められず気持ちの強さを感じました。最終ラウンドも勝負に来て。  一生懸命やってきて今回はほんとうに今までで一番気持ちが入っていました。(逆転マンは)今日はそんな試合はしないと。末期ガンの父は、次は見に来れないと、長くないかもしれず、普段は出歩くこともない父が来てくれました。今回ベルトを巻けなければもうベルト姿を見せられないと思っていました。ギリギリ間に合って良かったです。  チャンピオンになるまでは他団体に出ないと決めてきました。DEEPのなかではやるべきことはやったので、日本のバンタム級は層が厚いですが、ひとつずつ倒して一番上を目指して挑戦していきたいです」 [nextpage] ▼第8試合 DEEPメガトン級暫定王者決定戦 5分3R〇酒井リョウ(レンジャージム)107.45kg[1R 0分33秒 TKO]×赤沢幸典(Tristar Gym 日本館/Team Cloud)122.20kg※酒井が暫定王者に  UFCリリースも防衛戦を行なっていない正規王者ロッキー・マルティネスに代わるDEEPメガトン級暫定王者決定戦として、酒井リョウ(レンジャージム)と赤沢幸典(Tristar Gym 日本館/Team Cloud)が暫定のベルトを争う。当初7月に対戦する予定だった両者だが、酒井の怪我により延期。11月12日の後楽園ホール大会での激突となった。  酒井は2連勝中。2021年6月にセイントの右フックでKO負けも、2021年10月にケニー中村を右フックを効かせての右ヒザ蹴りでKO。2022年3月には、大成を判定3-0で下している。  対する赤沢も2連勝中。2021年12月に3年9カ月ぶりにMMA復帰すると大成に判定勝ち。2022年7月の前戦では、アンディコングを1R TKOに下し、試合後、セコンドの秋山成勲とともにマット上に立ち、「秋山さんの青木(真也)選手との試合でセコンドについて、今回、酒井選手が怪我して出来なかったですが、観て分かる通り、こんなもんじゃないから。酒井選手とやるなら暫定王座か、12月にロッキー・マルティネスとやる準備も出来ている」と王座戦をアピールしていた。  打撃の酒井に、組み技の赤沢の構図。酒井はいかに組みを切ってスタンドの時間を作るか。赤沢はトップから攻められるか。 ◆酒井リョウ「今年の7月に試合が組まれていましたが、流れてしまい申し訳ございませんでした。赤沢選手はパワー、技術、すべて自分より上回っていると思いますが、自分には10年間、試合をしてきたという自負があります。明日は、メガトン級らしい激しく悔いのない試合をします」 ◆赤沢幸典「10年ぶりの再戦ということで、10年前はKOでやられてしまいました。今回は、やり返せるように。明日は、どちらかがチャンピオンになって、どちらかが凹む一日になると思います」  1R、ともにオーソドックス構え。左インローは酒井。サウスポー構えにスイッチからオーソに戻すと、互いに近い間合いで打ち合い、赤沢の右に酒井が左を外からかぶせて、右を打ち込むときに頭も当たったか、赤沢が後方に倒れダウン、鉄槌連打にレフェリーが間に入った。  愛息を左腕に抱いた酒井は、佐伯さんから『練習だったら10回やって10回負ける』と言われましたが、僕、本番に強いんで! でもみんなのおかげでやっとベルトを巻けました。ほんとうに心から感謝します」と語った。 (バックステージ) 酒井「今回は中村選手とか誠悟選手とか今まで戦ったメガトンの人たちがみんな協力してきてくれて練習で助けてくれました。重量級は(赤沢の練習先の)GENスポーツに強い選手が集まっていて、GENスポーツに負けないようにしようと挑みました。  3年前にやられているロッキー(マルティネスに)もう1回、挑戦して必ず倒すことを約束します。スダリオ選手についいては、正直、キックもやって自分の方が強い。練習していたこともあるんですけど、3年くらいしたらヤバいなと。やるんだったら今。RIZINファンはスダリオ選手の方が強いと思っているんで、DEEPを代表して、やると決まったら倒します」 [nextpage] ▼第7試合 DEEP女子ミクロ級タイトルマッチ 5分3R〇大島沙緒里(AACC)王者 440.kg[1R 1分24秒 アームロック] ※袈裟固めから両足に挟んでアメリカーナ×古瀬美月(K-PLACE)挑戦者 43.95kg  女子ミクロ級タイトルマッチとして、DEEPミクロ級とDEEP JEWELSアトム級の二冠を持つ大島沙緒里(AACC)が、古瀬美月(K-PLACE)の挑戦を受ける。  大島は、2020年9月のDEEPミクロ級(44.0kg)王座決定戦でにっせーに1Rアメリカーナで一本勝ちを収め、王座獲得。その後、2021年のDEEP JEWELSアトム級GP1回戦で富松恵美に一本勝ち、準決勝でパク・シウに腕十字で1R 一本勝ち、決勝で青野ひかるに判定勝ちでアトム級王座も獲得している。  対する古瀬は、2020年8月のRIZINで浅倉カンナに1R TKO負け。出産休養を経て、2021年9月にDEEP JEWELSで復帰もにっせーに2R パウンドによるTKO負けで再起ならず。2021年12月の村上彩戦でも腕十字で一本負けで3連敗となった。  しかし、2022年3月に古林礼名に1R リアネイキドチョークで一本勝ちで約2年ぶりの白星を掴むと、2022年9月の前戦で山崎桃子に左フックを効かせて、組みでも上回る判定での完勝で2連勝。大島への挑戦者に抜擢された。  大島は戴冠後もRIZINで浅倉カンナと山本美憂にスプリット判定勝ちし、DEEP JEWELSアトム級では5月に須田萌里をキムラロックで極めるなど、階級を越えて強さを見せている。  MMA9勝3敗の大島の黒星は、2020年のプロデビューイヤーに黒部三奈にTKO負けと、パク・シウに判定負け。2021年3月からは6勝1敗と大きく勝ち越しており、直近の黒星は、2022年3月にHIMEのテイクダウンデイフェンスと打撃に苦しみ、判定負けとなっている。  そのHIMEが49kgでRIZINのスーパーアトム級を目指しているなか、2勝で挑戦権を得た古瀬は、ミクロ級でそのリーチと打撃を活かして、グラップラー大島の組みを断ち切るか。それとも大島が二冠王者の実力を見せつけるか。 ◆大島沙緒里「2年以上、上の階級で試合をしてきたので、今回は久しぶりに自分の階級で試合ができるのがとても楽しみです。明日は頑張るのでよろしくお願いします」 ◆古瀬美月「ずっと目標にしていたチャンピオンの一歩手前まで来れたので、明日はメインの2つのタイトルマッチに負けないくらいいい試合をしてチャンピオンになりたいと思います。応援、よろしくお願いします」  1R、オーソの大島にサウスポー構えの古瀬は大島の詰めに左の蹴りを合わせるが、金網に詰める大島はすぐに足技で投げてテイクダウン、そのままマウント、腕十字へ。  ここは外した古瀬に袈裟固めから左腕を両足で挟みアメリカーナ。さらにパウンドしながら腕を絞ると、古瀬がタップした。大島が圧巻の勝利。 [nextpage] ▼第6試合 DEEPライト級 5分3R×北岡 悟(パンクラスイズム横浜)70.65kg[判定0-3] 28-29×3〇江藤公洋(和術慧舟會 HEARTS)70.65kg  元DEEP&戦極ライト級王者の北岡悟(パンクラスイズム横浜)が今回も強豪相手の試合に臨む。2018年大晦日の川尻達也戦のスプリット判定勝ち後、勝ち星から遠ざかっている北岡。  2020年7月のiSMOS.1での小金翔戦のドローを挟み、ホベルト・サトシ・ソウザ、ジョニー・ケース、久米鷹介、大原樹理、鈴木琢仁、上迫博仁といった元王者やコンテンダークラスと対戦し、いずれも敗北。キャリアの後半に向かい、ときにかつての練習相手とも厳しい戦いを続けている。  対する江藤公洋(和術慧舟會HEARTS)は、ONE Championship本戦で1勝1敗後、Road to ONEで青木真也に極めさせずも判定負け。  2021年9月の修斗でグンター・カルンダに判定勝ちすると、2022年4月の「RIZIN TRIGGER 3rd」で雑賀“ヤン坊”達也にケージレスリングで上回り、バックマウントからのパウンドで2R TKO勝ち。組みの強さを見せている。  ともにケージの鬼ともいうべき組み力を持つ両者の戦いで、スタンドからドミネートするのは北岡か江藤か。 ◆北岡悟「頑張ります!」 ◆江藤公洋「明日は自分が培ったものすべてを出してしっかり勝ちにいきたいと思います」  1R、北岡はサウスポー構えから左ミドル、さらにミドルハイで江藤の右腕を赤くさせる。しかし、江藤も右ミドルを腹に返すとジャブ、右ミドル、右ボデイも。  北岡は左ロー、江藤は右ミドルを腹に入れると詰めるが北岡も左にサークリング、ワンツーの右フックで中央まで戻す。  左ローを突く北岡。左右とコンビネーションで入る。右ミドル、ハイの江藤にブロッキングの北岡。江藤の前蹴り。避けて前にステップする北岡は左インロー、バックフィストでも牽制。  2R、詰めるのは北岡。左ボディストレート、左ミドルも。そこに右ストレートを突く江藤。北岡の蹴りに右を狙う。江藤の右ハイをぎりぎりブロッキングする北岡。左右から右フックが江藤をとらえる。  右前蹴りは江藤。北岡はシングルレッグに! そこにボディを抱えて後方に投げようとする江藤だが、回らない北岡はシングルレッグへ。左で小手に巻き金網使い立って戻す江藤!  ヒジを狙い詰める江藤。北岡は左ミドル。右前蹴り、さらに右の相打ちに互いにバランスを崩すが、すぐに立つ両者。江藤が追ってゴング。  3R、先に詰める江藤の左に右をかぶせる北岡! さらに強い左ミドルからシングルレッグも、切る江藤。詰める江藤に再びシングルレッグの北岡。ここも切る江藤は前に。右前蹴り、右ハイも。右の高いヒザが顔面をかすめる北岡は左フック。しかし江藤は右前蹴りで詰めると、北岡の入りにヒザ。  しかし北岡は右を上下に突いて前に! さばく江藤も右ミドルを腹に。北岡の左右がフックになるところに中央を突く江藤! さらに前蹴りも。北岡も右から左をヒット! 江藤がバックフィストを見せたところでゴング。  判定は3-0(29-28×3)で江藤が勝利。試合後、5連敗の北岡は江藤に長い時間をかけて語りかけ、江藤セコンドの大沢ケンジとも言葉をかわした。 [nextpage] ▼第5試合 DEEPフェザー級 5分3R×中村大介(夕月堂本舗)66.20kg[判定0-3]〇神田コウヤ(パラエストラ柏)66.0kg フェザー級の中村大介(夕月堂本舗)は、2022年はすでに4戦目。2月に小見川道大の引退試合で一本勝ちで介錯を務めると、2022年3月の山本空良戦で互いに攻守を入れ変える熱闘をスプリット判定で落として黒星。  7月に実力者ユータ&ロックの組みをサブミッションに切り返して判定3-0で勝利、42歳にして健在ぶりを見せている。  26歳の神田コウヤ(パラエストラ柏)は、3連勝で2021年12月に王者・牛久絢太郎に挑戦し、スプリット判定で惜敗し、戴冠ならず。2022年5月のDEEPで青井人の右に腰を落としたものの3Rに逆転のTKO勝ちで再起を遂げている。  強いレスリングとリーチある打撃の神田か、独特のスタンドと“丸まり力”&サブミッションの中村か。 ◆中村大介「最近はもう毎回一緒で、こうして身体が作れて強豪選手と戦えるのがほんとうに幸せだと思っているので、明日は誰よりもDEEPを楽しんで、自分のプロレスリングをやりたいと思います」 ◆神田コウヤ「お互い、前戦は強い選手に勝って、今回の戦いが組まれているので、ぜひ生で皆さん見てください」  1R、サウスポー構えの神田。オーソドックス構えの中村は右ロー。神田も右ローを打つが、中村のローが金的に入り中断。再開。右から左ハイと対角に突く神田。しかし中村は右ストレートを当てて前に。  低いガードから出所が見えづらい伸びるジャブを突き中村。しかし神田もワンツー。かわす中村は間合いを詰めて右ストレート。さらに左ジャブ。神田も右ジャブを突くが、押し戻す中村はヒザ蹴りを突いて神田の打ち返しをスウェイでかわし右ヒザ。  近づき腰に組む中村に、神田も左ヒザを当てると左右で前に中村は回ってさばいたところでゴング。  2R、圧力をかけて前に出るのは中村。右ジャブの神田に、左テンカオを突く中村。神田の左ヒザ。しかし、中村も左ジャブを当てる。右ジャブは神田だが単発。そこに右クロスを狙う中村。しかし神田も金網に詰めると左のヒジ狙い。中村は腕を取りに行くが切る神田。中村の蹴りがローブローとなり中断。  再開。中村は右ストレート、右ヒザもそこに押し込んだ神田に中村は下に。すぐに立つが、ワンツー&ボデイを突く神田は左ヒジ! さらに右で首後ろを掴み左縦ヒジを叩きこむ。左額から出血した中村はノーガードで前に出るが、近くなると神田が左ヒジ!  3R、中村にドクターチェック後、再開。右ミドルを突く中村はすぐさまカウンターの右ストレートも。右テンカオを突き前に。詰めてスイッチし右ヒジも突く神田。右ミドルの中村に左の蹴りを効かせる神田。さらにボデイへのヒザで中村は後退。ラッシュに下がる中村だが神田の右に、カウンターの右は中村! 下がる神田になおも右! ヒザが落ちるが組む神田に中村はブルドッグチョーク! 頭を抜く神田。  打点の高いヒザを突くが、中村も右のカウンター! 神田も下がりながらワンツーで押し戻し、右ヒザ! 金網まで詰まる中村にヒジ狙い、中村が中央まで戻してゴング。  判定は3-0(30-26, 30-27×2)で神田が勝利。「こんにちは、まだ至らないところはありますけど、この試合に向けてかなり強化してきました。練習してくださった皆さん、応援してくださった方々、ありがとうございます。DEEPフェザー級で一番強い中村選手に勝ったので、またベルトに挑戦させてください」と王座挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 DEEPライト級 5分3R〇川名 TENCHO 雄生(北海しゃぶしゃぶ/Y&K MMA ACADEMY)70.70kg[1R 1分04秒 TKO]×高橋“Bancho”良明(パラエストラ八王子)70.25kg  川名雄生は、2020年7月にキャプテン☆アフリカを1R KOに下し、修斗世界ライト級王者に就くと、2020年9月にRIZIN参戦。DEEP同級王者の武田光司、矢地祐介に連敗後、2021年9月の修斗では西川大和を相手に防衛戦に臨み、5R、ドクターストップによるTKO負けで修斗王座陥落。2022年2月にDEEPに初参戦し、石塚雄馬の右オーバーハンドを浴びてTKO負け。4連敗と後が無い状況だ。  パラエストラ八王子の高橋は、2015年のPANCRASEハワイ大会で勝利後、ビジネスマンとして活躍。2018年10月のメモリアル300大会で3年ぶりの復帰戦をブラジルのルシオ・アブレオと戦い、カウンターの右ヒジ一発で切り裂き逆転勝ち。そこから3年の時を経て、2021年10月にPANCRASEマットに復帰も平信一に2R 右ストレートを浴びてKO負け。今回、2014年大晦日の「DEEP DREAM Impact」以来のDEEPケージ参戦となる。 ◆川名 TENCHO 雄生「水抜きの岩盤浴中に、いかつい人が来て、あわやその人と一戦交えるかもしれない緊張感のなか、しっかりコンディションを整えて来たので、明日は勝ちたいと思います」 ◆高橋“Bancho”良明「川名選手と熱い試合が出来るのがとても楽しみです。久々のDEEPで暴れて盛り上がる試合をするので楽しみしててください」  1R、ともにオーソドックス構え。川名は出入り。高橋の右に下がるが、川名は左のカウンター! 腰を落とした高橋の立ち上がりにさらに左右ラッシュ! 金網に詰めて右を当てると、高橋がまたも腰を落とす。そこに川名はラッシュすると、レフェリーが間に入った。  2年4カ月ぶりの勝利を掴んだ川名は「やっと…4連敗してやっと1勝を掴みました」と涙。「この掴み取った1勝を噛みしめて次に進みたいと思います」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP バンタム級 5分2R×雅 駿介(CAVE)61.65kg[1R 3分19秒 リアネイキドチョーク]〇鹿志村仁之助(セロ・ロンゴ・ファイトチーム)60.85kg  雅は元ムエタイオープンライト級王者&スック・ワンキントーンライト級王者&WMC日本ライト級王者。2021年2月のDEEPでMMAデビューし、ヒロヤを相手にケージムエタイを駆使して判定勝ち。  しかし、7月に元英雄伝説アジア王者のRYUKIにパウンドでTKO負け。2022年1月の石渡伸太郎引退興行では、風間敏臣のハンマーロックで一本負けで2連敗も、4月の大阪大会で中本龍平に判定勝ち。7月のDEEPでも海飛に判定勝ち、9月のDEEP浜松でも植田雄太を1R パウンドでTKOに下しており、現在3連勝中。ムエタイファイターさながらに約2カ月間隔で連戦を続けている。  対する鹿志村もMMA戦績は雅と同じ4勝2敗。柔道&柔術ベースで、茨城県のストライプル茨城から進学の為に上京し、IGLOOで柔術を磨く。2019年のアマチュアPANCRASEプロ昇格トーナメントライト級優勝。2020年2月に魔破DATEに一本勝ちするも、同年7月に狩野優にTKO負け。  2021年に「格闘DREAMERS」の1次オーディションを通過も辞退。2021年10月に再びPANCRASEで上田厚志にキムラロックを極めて一本勝ち。2022年3月にハンセン玲雄を2R 三角絞めで極めてANCRASE2連勝。4月には沖縄のMCCS Fight Night 2022で滝田J太郎にリアネイキドチョークで一本勝ちで3連勝。2022年6月にライト級で「ROAD TO UFC」に緊急参戦。キ・ウォンビンに1R TKO負けも存在感は示した。  米国セロ・ロンゴ・ファイトチーム所属となり、米国修行から帰国。ライト級からフェザー級、そして今回のバンタム級と階級を下げて戦う寝技師・鹿志村は「世界を目指すため今後は、バンタム級で試合します。でもやる事は何も変わりません。極めます!」とSNSに意気込み。  対する雅は、ハイペースに試合をこなし、難敵・鹿志村戦のオファーも受け、ケージムエタイに磨きをかけて4連勝を目指す。 ◆雅 駿介「DEEP 110、鹿志村くん楽しもう(フィストバンプして)。最高の日にします。押忍」 ◆鹿志村仁之助「イグルー所属ですが、ニューヨークのセロ・ロンゴ・ファイトチームでMMAは移籍し、DEEP初参戦で僕も楽しみですし、みんなも楽しませられたらいいなと思います」  1Rからオーソで右ストレートで詰める雅。下がる鹿志村にダブルレッグテイクダウンでバック。しかし、腰をずらして正対した雅は上を取り立ち上がり。  組んで腕を手繰ろうとする鹿志村に首相撲ヒザ! さらに右を当てるが、シングルレッグに入る鹿志村が上で組み、脇を潜りスタンドバックから引き込み、両足を差し入れるとリアネイキドチョークへ。雅を首を巻かれながらも腰をずらして右足の上に乗るが、それでも鹿志村が絞めて、タップを奪った。 [nextpage] ▼第2試合 DEEPフェザー級 5分2R×TATUMI(ネックス)66.05kg[1R 1分55秒 TKO]〇五明宏人(トラフォース赤坂)66.20kg  トラフォース赤坂の五明宏人は、2019年度の全日本空手道選手権大会男子個人組手で優勝の実績を持つ空手家。2022年5月のプロデビュー戦で佐藤勇駿に判定勝ちすると、8月にはゲオ・レバナに左ストレートを効かせての高速ラッシュで42秒、TKO勝利を収めている。  対するネックスのTATSUMI(巽大佑)は、プロMMA18勝8敗。アマチュアではルーキー時代の朝倉未来に腕十字で一本勝ちの戦績を持つ。  福田泰暉、井上晧平、左海清之を相手にRNC等で3連勝も、2022年8月のDEEPでトライフォース赤坂の西谷大成を相手に得意のネルソンから首を極めに行くも下になり判定負け。今回も因縁のトライフォース赤坂勢との対戦となる。 ◆TATUMI「対戦してくれる五明選手、ありがとうございます。前回、東京で負けているのですごく気合が入っていて、道表そうかなと思って。“バチバチにしたい”“ボコボコにしたい”なんか違うなと思って、あるYouTuberの言葉がすごく胸に響いて、“バラバラにしたい”という言葉を、明日五明選手をバラバラにしいたいと思うので、応援よろしくお願いします」 ◆五明宏人「トライフォース赤坂の五明です。今日の効果計量の全ファイターの身体つきを見て、やっぱり格闘技は最高だなと思いました。これがエンタメじゃなくて、ほんとうの格闘技ということでいい試合を見せたいと思います。押忍」  1R、サウスポー構えから詰めて左右ラッシュの五明。遠い間合いからは左ロー、左ハイも。さらに金網に詰めて左フックを当てるとTSTSUMIがダウン。立ち上がるも、五明がラッシュしてレフェリーが間に入った。五明は3戦全勝2KO。  試合後、「サンキュー! 自分はちょっと言いたいことが、いくつかあって怒っていて、いまフェザー級、名前ばかりが先行して実力がともなっていない選手がたくさんいるので、僕がDEEPを代表したいと思います。必ず成り上がりたいと思います。SNSで僕をチェックしてください」と語った。 [nextpage] ▼第1試合 DEEPバンタム級 5分2R〇KENTA(K-Clann)61.55kg[判定3-0]×朝比奈龍希(トラフォース赤坂)61.40kg  KENTA(K-Clann)は2勝1敗。岩見凌と亀田一鶴をいずれもリアネイキドチョークで極めている。朝比奈は2022年9月のコマネチ竜太戦でダブルレッグテイクダウンを決めて着地で手を着いた竜太が負傷。TKO勝ちを収めている。 ◆KENTA「前回のナンバーシリーズにひき続き、後楽園メインに兄貴分のCORO選手が出ますので、勢いをつけるためにも第1試合目からどーんと盛り上げて勝ちたいと思います」 ◆朝比奈龍希「明日は、第1試合からしっかりインパクトを残して盛り上げるいい試合をします」  1R、右を振り組むKENTA。朝比奈の背負いを潰してバックに。右足を先に、左足もかけてリアネイキドチョーク狙い。KENTAは凌ぐ。  2R、朝比奈の打ち終わりに右を突くKENTA。朝比奈も右ストレートでKENTAのアゴを上げさせる。しかし1R同様にKENTAがバックテイク、チョークを狙い、背後からパウンドも入れてゴング。判定3-0(20-18×3)でKENTAが勝利した。
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