MMA
インタビュー

【UFC】王者アデサニヤ「僕がいなければ、彼はここにいなかった」×挑戦者ペレイラ「彼が僕をMMAに連れて来た。彼をKOするのを助けてくれたんだ」

2022/11/12 15:11
 2022年11月12日(日本時間13日)米国ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催される『UFC 281: Adesanya vs. Pereira』に向け、11日(同12日)同地にて前日計量が行われた。  メインイベントは、UFC世界ミドル級王者イスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)が、かつてキックボクシングルールでKO負けを喫したアレックス・ペレイラ(ブラジル)を迎え撃つ6度目の王座防衛戦。  アデサニヤ(185ポンド/83.91kg) 、ペレイラ(184.6ポンド/83.73kg)ともに無事に本計量をパス。公開計量では、ゆっくり両手を腰の前で叩くアデサニヤに対し、ペレイラは頭に羽をつけ、顔面を赤くペイントして戦闘スタイルでフェイスオフ。ともに視線を逸らさなかった。  アデサニヤは、試合に向けての会見で、以下のようにペレイラとの試合を語っている。 「“身勝手の極意”の状態にいる感じがするんだ。もう終わりだよ。いい気分さ。(キックボクシング時代のライバルたちがMMAに参入していることについて)みんな自分の名声を利用しようとしているけど、“ここは自分の場所”だ。ここでのやり方はわかっている。自分がゲームマスターなんだ。 (ペレイラに2度キックで負けているが)彼は自画自賛しているから、好きなだけ話せばいい。負けたのはずっと前のこと(2016年4月「Glory Of Heroes 1」と2017年3月の「Glory of Heroes 7」)だ。人生ではこれまでの歴史を塗り替えるチャンスがやってくるんだ。だから、それを掴むだけさ。  彼の成功は予想していた。自分はミドル級を制した。彼が道を切り拓いたのは僕のおかげだよ。僕がいなければ、彼はここにいなかっただろう。彼はずっと前に倒されていただろう。でも、今週末、彼は僕に倒されることになる。  UFCは彼を正しく育て、彼に合った試合を組んできた。でも、彼はレスラーと戦ったことはないだろう。彼はトップ5の選手を1人倒しただけだ。自分はUFC3戦目でトップ10と戦い、その後はヘッドライナーとしてショーを盛り上げてきた。だから、やり方が違うんだ。今は彼の時間を楽しませてあげよう。15分間楽しませてあげよう。  敵を完膚なきまでに叩きのめす。少しでも息をしていれば、彼らは復讐のために戻ってくるだろう。彼は以前、自分を殺すべきだった。でも、今度はこちらの番だ。完全に潰してやる。それともジャブやヒザ蹴りを出すか。いずれ分かることだ。  MSGでは一度だけヘッドライナーを務めたことがある。このキャンプは驚異的なものだった。シティー・キックボクシングには実戦で鍛えられた選手が揃っている。チーム全員に来てもらったから、雰囲気は全然違うんだ。緊張感があるよ。  彼がMSGの大舞台で何ができるのか見てみたい。彼はいいKOをしたことがある。彼は3ラウンド戦ったことがあるよね。どっちが先に撃つか? 彼の顔めがけて拳を放つよ。ノックダウンして倒すよ。これはMMAだ。もし彼が私に撃ってきたら、彼の首を取る。全部だ。自分の打撃について分かっているから、言うことはない。ただ、それを見せるだけだ。  この防衛戦のように、ビッグファイト、ビッグマネーのかかっている試合が好きだ。この試合はそのカテゴリーに入る試合だし、過去の因縁もある。毎試合勝たなくてはいけないが、この試合は特別な意味合いも含まれている。その雰囲気が伝わってくるし、試合展開が目に浮かぶようだ。勝たなきゃいけない試合なんだ。  誰とでも戦ってきた。誰からも逃げたことはない。体重も増やした。そして、そう、それは後々も続く。“戦うことで人々に感動を与えた男”として記憶されたいね」。  対するペレイラは、「僕はあのノックアウトのせいで彼の頭の中にいる。僕は彼を尊敬しているし、彼がしてきた仕事も尊敬している。でも、僕は今ここにいる。彼が持っているものは、すぐに僕のものになるんだ。たしかに、彼は僕がここに来るのを助けてくれた。それは理にかなっている。でも、彼をノックアウトしたとき、自分がここに来るのを助けてくれたんだ。  グラップリングもトレーニングの成果がある。100%集中しているし、準備はできている。今回は人生最大のファイトだが、以前にもここに来たことがある。ベルトを獲ること、それだけに集中しているし、ホームで戦っているような気分でやっているよ」と、臆することなく語っている。 [nextpage] エスパルザ「タフな相手と13年間戦い続けてきた」、ウェイリー「カーラvs.ローズのような退屈な試合にはならない」  UFC世界女子ストロー級選手権試合では、UFC6連勝中の王者・カーラ・エスパルザ(米国)とジャン・ウェイリー(中国)がともに114.8ポンド(52.07kg)でパス。  笑みを浮かべるエスパルザに対し、ウェイリーは、険しい表情で王者をにらみ、最後は拳でフィストバンプを前にするも、エスパルザが開いた右手を前に出すと、握手で応じた。  元王者は、会見で「ベルトを失ったことで得た教訓」を問われ、「一番大きな収穫は、失敗から学んだことだと思う。前回のタイトルマッチと比べると、MMAへの理解が深まった。自分にとって“最大の敵は自分自身”であることを学んだ。だから、何事ももっともっと上手くなって、自分のモチベーションを上げたい。オクタゴンで最高のパフォーマンスをするために自分をアピールする必要がなくなってきているのが一番の違いだと思う。私はただ、王者に戻ることができると証明した。私の周りには最高のチームがいるし、自分の強さを証明したと思う」と語った。  また、対戦相手のエスパルザについては、「カーラはいいファイターだし、尊敬している。彼女のストーリーは好きだ。彼女は幼い頃からレスリングを始め、この階級の初代チャンピオンになった。そして彼女は8年後に再びベルトを手に入れた。だからとても尊敬している」と高く評価した。  膠着したエスパルザとローズ・ナマユナスの5月の試合については「彼女の最後の試合は、彼女もローズも少しつまらなかった。考えすぎて、自分らしさが出せず、相手のゲームプランを避けているだけだった。今回は、あんな風に退屈な試合にはならないと思う。自分は前回とは全く違うファイターで、肉体的にも精神的にも準備が整っている。とてもエキサイティングな戦いになるだろうし、彼女も前回よりも良いパフォーマンスを見せるでしょう」と、互いに前戦とは異なる展開になると予告した。 「もし私が土曜日の夜にベルトを取り戻すことができれば、失敗や苦悩を乗り越え、どん底から這い上がることができるんだ、と周りの人にもモチベーションを与えることになると思う。何をするのか、どこへ向かうのかを自覚し、自分自身の道にこだわれば、ゴールにたどり着くことができるはず。  打撃、グラップリング、レスリングと、完全なMMAファイトを見せるつもり。だから、MMAの全てを見ることができるはず。カーラのベースはレスリングで、私はどちらかというとストライカーに近いのは周知の事実。今までカーラのような完全なレスラーと戦ったことがないから、この対戦では自分のグラップリングとレスリングを披露できるし、とても楽しみにしている」というウェイリー。  対するエスパルザも「ウェイリーのようなタフな相手と13年間戦い続けてきた。今回はフィニッシュしたい」と意気込みを語っている。  なお、プレリムのライトヘビー級でドミニク・レイエス(米国)と対戦するライアン・スパン(米国)が206.6ポンド(93.71kg)で体重超過。フェザー級でチェ・スンウ(韓国)と対戦するマイケル・トリザーノ(米国)が147.6ポンド(66.95kg)で体重超過し、試合はキャッチウェイトで行われるものの、対戦相手に報奨金の20%を支払うことになっている。  なお、試合は日本時間13日(日)朝8時にスタート予定のアーリープレリム、10時からのプレリムがUFC公式サイトおよびYouTube公式チャンネルでライブ配信されるほか、12時に始まるメインカード5試合を含む全試合がUFC FIGHT PASS、WOWOWでも放送され、WOWOWオンデマンドにて同時配信される。 [nextpage] UFC 281: Adesanya vs. Pereira 全計量結果 2022年11月12日(日本時間13日)マディソン・スクエア・ガーデン米国ニューヨーク州ニューヨーク 【メインカード】 ▼UFC世界ミドル級選手権試合 5分5Rイスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)23勝1敗(UFC12勝1敗)UFC3連勝中 185lbs/83.91kgアレックス・ペレイラ(ブラジル)6勝1敗(UFC3勝0敗)UFC3連勝中、元GLORY 184.6lbs/83.73kg [nextpage] ▼UFC世界女子ストロー級選手権試合 5分5Rカーラ・エスパルザ(米国)19勝6敗(UFC10勝4敗)UFC6連勝中 114.8lbs/52.07kgジャン・ウェイリー(中国)22勝3敗(UFC6勝2敗)114.8lbs/52.07kg [nextpage] ▼ライト級 5分3Rダスティン・ポイエー(米国)28勝7敗(UFC20勝6敗)156lbs/70.76kgマイケル・チャンドラー(米国)23勝7敗(UFC2勝2敗)155.8lbs/70.67kg [nextpage] ▼バンタム級 5分3Rフランク・エドガー(米国)24勝10敗(UFC18勝10敗)※引退試合 135.6lbs/61.51kgクリス・グティエレス(米国)18勝4敗(UFC6勝1敗)UFC3連勝中 136lbs/61.69kg [nextpage] ▼ライト級 5分3Rダン・フッカー(ニュージーランド)21勝12敗(UFC11勝8敗)155.8lbs/70.67kgクラウディオ・プエレス(ペルー)12勝2敗(UFC5勝1敗)UFC5連勝中 155.2lbs/70.40kg [nextpage] 【プレリミナリー】 ▼ライト級 5分3Rブラッド・リデル(ニュージーランド)10勝3敗(UFC4勝2敗)155.6lbs/70.58kgヘナート・モイカノ(ブラジル)16勝5敗(UFC8勝5敗)155.8lbs/70.67kg [nextpage] ▼ライトヘビー級→206.6ポンド契約 5分3Rドミニク・レイエス(米国)12勝3敗(UFC6勝3敗)205.4lbs/93.17kgライアン・スパン(米国)20勝7敗(UFC6勝2敗)206.6lbs/93.71kg ※体重超過 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3Rエリン・ブランチフィールド(米国)9勝1敗(UFC3勝0敗)125lbs/56.70kgモリー・マッキャン(英国)13勝4敗(UFC6勝3敗)※UFC3連勝中 125.4lbs/56.88kg [nextpage] ▼ミドル級 5分3Rアンドレ・ペトロスキー(米国)8勝1敗(UFC3勝0敗)※UFC3連勝中 185.8lbs/84.28kgウェリントン・トゥルマン(ブラジル)18勝5敗(UFC3勝3敗)185.2lbs/84.01kg [nextpage] ▼ライト級 5分3Rマット・フレボラ(米国)9勝3敗(UFC3勝3敗)154.8lbs/70.22kgオットマン・アツァイター(モロッコ)13勝0敗(UFC2勝0敗)155.6lbs/70.58kg [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3Rカロリーナ・コバルケビッチ(ポーランド)13勝7敗(UFC6勝7敗)115.6lbs/52.44kgシルバーナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)11勝4敗(UFC1勝2敗)115.6lbs/52.44kg [nextpage] ▼フェザー級→145.6ポンド契約 5分3Rマイケル・トリザーノ(米国)9勝3敗(UFC3勝3敗)147.6lbs/66.95kg ※体重超過チェ・スンウ(韓国)10勝5敗(UFC3勝4敗)145.6lbs/66.04kg [nextpage] ▼バンタム級 5分3Rフリオ・アルセ(米国)18勝5敗(UFC5勝3敗)135.8lbs/61.60kgモンテル・ジャクソン(米国)11勝2敗(UFC5勝2敗)135.8lbs/61.60kg [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3Rカーロス・アルバーグ(ニュージーランド)5勝1敗(UFC2勝1敗)205.2lbs/93.08kgニコラエ・ネグメレアヌ(ルーマニア)13勝1敗(UFC4勝1敗)※UFC4連勝中 206lbs/93.44kg
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