2022年11月11日(金)、米国のCage Fury Fighting Championshipsが、フロリダ・タンパのセミノールハードロックカジノで開催された『CFFC 114』に、神龍誠(神龍ワールドジム)と平田直樹(フリー)が出場した(ABEMA配信)。
▼CFFCフライ級王座決定戦 5分4R〇神龍 誠(日本)15勝1敗1分[4R 0分28秒 ニンジャチョーク]×ディエゴ・パイヴァ(ブラジル)9勝5敗
神龍は現在空位となっているCFFCフライ級の王座決定戦に臨み、平田は自身初のバンタム級に挑戦する。
22歳の神龍はMMA14勝1敗1分。全国中学生レスリング選手権大会で準優勝後、中学卒業で2016年にプロに転向。DEEPフライ級で活躍し、2019年6月のDEEPフライ級暫定王座決定戦で、柴田“MONKEY”有哉に判定勝利を収め、DEEP史上最年少となる18歳で王者に。2022年5月に藤田大和との王座統一戦で3R ニンジャチョークで一本勝ちし、統一王者になっている。
2022年7月のRIZINで所英男に判定勝ちするなど、現在8連勝中の神龍が今回、『CFFC 114』で対戦するのは、MMA9勝4敗のディエゴ・パイヴァ(ブラジル)。
7つの一本勝ちを誇るデミアン・マイアの黒帯は、現在5連勝中の29歳。3つのリアネイキドチョークと、三角絞め、腕十字、そしてトーホールドでのフィニッシュが記録されている。
地元ブラジルのJungle Fightなどで活躍したパイヴァは、LFA参戦のマルシレイ・アウベス、Titan FC参戦中のガストン・マンズールらに勝利。黒帯柔術家らしくバックからの攻めに強みを持つが、神龍陣営は、動画も確認した上で、勝負できると考えての参戦だという。
CFFCは、米国東海岸を拠点に2006年に創設されたMMA団体。これまでに、現UFC世界バンタム級王者アルジャメイン・スターリングや、UFCライトヘビー級5位のアンソニー・スミス、現UFC解説のポール・フェルダーらを輩出しており、UFCへの登竜門団体のひとつといえる。
神龍マネジメントサイドは、今回のタイトルマッチで王者になった場合、UFCへのステップアップを交渉しており、軽量級担当からは「フィニッシュ勝利」を求められているという。
神龍はSNSに、「CFFC参戦きまりました! 初の海外戦でタイトルマッチ。世界へのアピール&年末に闘いたい選手もいるので、このチャンス掴んで二冠王になります」と、DEEP王座との二冠、さらに大晦日RIZINフライ級参戦も視野に入れていたが、堀口恭司と扇久保博正戦が決定したため、UFCへのステップを第一とした。
1R、サウスポー構えの神龍。オーソのパイヴァに跳び込んで組みに。右で差して払い腰で投げる神龍は離れる。
右フックの神龍。詰めるパイヴァは左で差してシングルレッグもそこにニンジャを合わせることで抱えることになった神龍が下に。ギロチンチョークでスイープの神龍が上に。中腰でパウンド! 下から手首を掴み腕十字、三角狙いのパイヴァ。
腕を抜き、鉄槌。蹴り上げを外して左右のパウンドは神龍。左差してディープハーフのパイヴァに小手巻きから立ち上がる神龍だが、血が見える。
押し込むパイヴァはシングルレッグでテイクダウン。片足を挟んで背中を着かせると、神龍は下から両腕を抱えてスペースを無くす。右目尻のカットは神龍。
2R、右目のカットで腫らす神龍。右で関節蹴り、カーフの神龍。パイヴァの右をかわしてシングルレッグに入るとパイヴァの右腕を超えてハーフの中に。パイヴァは下からキムラクラッチを組みに。回って外したところに腕十字も狙うが、すぐに外して立つ神龍はアッパーから左!
下になるパイヴァ。インサイドガードからオーバーフックされた右腕を外して上体を立ててパウンド! 荒い息のなか、ハーフでアームインギロチンチョーク狙い。首を抜きハーフから潜り立ち上がるパイヴァだが、小手に巻きバックを取らせない神龍は投げて上に!
フィニッシュを狙う神龍は、フルガードのパイヴァに立ってパウンドで飛び込むとニーシールドのパイヴァに鉄槌! 得意のニンジャチョーク、パワーギロチンもパイヴァが外してゴング。
3R、パイヴァの右をかわす神龍。右ジャブを突く。中央を取るパイヴァに左ミドル、右ロー。さらに左ハイ! 組んできたパイヴァをかわしてサイドバックに。亀のパイヴァに腰を抱える神龍。正対際にマウントを奪うが、足を戻すパイヴァ。
ハーフからニーシールドのパイヴァ。潰してヒジを連打する神龍。しかしパイヴァも足を戻してフルガードに。インサイドガードの神龍は、体を離すもパウンドにパイヴァもすぐにガードの中に。右を振り片足を抜いた神龍。パイヴァが下から左足を手繰るも潰したところでゴング。
4R、出血は止まった神龍。右目を大きく腫らしたパイヴァにドクターチェック後、再開。右を振り前進するパイヴァはシングルレッグへ。その首を掴み、ハイエルボーギロチンから引き込み、ニンジャチョークでケージ際で右回転する神龍は2回転半してセットするとタップを奪った。
CFFCフライ級のベルトを肩に掛けた神龍は、ケージのなかで「めちゃくちゃ最高です。日本のチャンピオンとして俺は世界に出てきて、初めてですけど挑戦できて、ベルトを獲得できて最高です。次はUFCしかないでしょ、見とけよ!」とマイクで語った。
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▼バンタム級 5分3R〇ハンター・スターナー(米国)2勝0敗[判定3-0] ※29-28×3×平田直樹(日本)3勝2敗
平田直樹が北米『CFFC 114』にバンタム級で初参戦。
24歳の直樹は平田樹の実兄で、DEEPフェザー級で3勝1敗の直樹は、柔道をベーに、2020年10月のプロデビューから3連勝。2021年6月の前戦で、牛久絢太郎の王座に挑戦経験もある神田コウヤに判定負けも接戦の内容だった。
妹の樹とともに「ABEMA格闘チャンネル 海外武者修行プロジェクト」で渡米し、米国で数カ月に及ぶ修練を積んだのち、現在もニューヨークを拠点として練習を重ねている。セコンドには、その樹とアルティメット・ジムのネスタ・マルテがつく。MMA3勝2敗。1年5カ月ぶりの試合となる。
対する26歳のスターナーは、アマチュアで7戦全勝後、2022年10月の「Cagezilla FC 69」でプロデビュー。判定勝ちを収めている。プロMMA1勝。
1R、サウスポー構えのスターナーが圧力をかけ左を見せてから右カーフを蹴る。右ミドルを当て返した平田は、左前蹴りも。掴もうとするスターナーから足を抜く。
平田は右ミドルをキャッチされ、足を取りに行くもかわすかわすスターナー。そこに平田は右を振るがかわすスターナーも左を突いて金網に詰めて平田のシングルレッグをがぶってダースチョークへ。
すぐに頭を抜き、がぶりから平田が押し込み。左で差すスターナーに腕を巻き込んでボディロック&小外掛け狙い。残すスターナーにダブルレッグ、シングルレッグに切り替える平田。そのシングルにニンジャチョークも狙うスターナー。左で差して体を入れ替えると、平田が離れる。
左ローを当てるスターナーに右ミドルハイをガード上にかすめる平田。さらに右ミドル。そしてダブルレッグからシングルレッグも切るスターナーはダブルレッグへ。そこにアームインギロチンを合わせる平田。クローズドガードの中に入れるが、スターナーは、中腰まで持ち上げ首を抜くと、その際で上になるスターナー。
右で差していたスターナーを寝かせた平田はマウント、バックマウントで左右パウンド。身体を伸ばしてコツコツ叩くが、残り1分30秒で強打はせずコントロール、肩固め狙い。マウントに移行すると下から抱き着くスターナー。身体を伸ばしてヒジを打つ平田。左腕を巻き込むスターナー。外して肩固めも残り5秒でサイドに出るもゴング。
2R、右ミドルを軽く打つ平田。さらに強い右ミドル。シングルレッグを切るスターナー。右ミドルハイも。スターナーはワンツーの左ストレートで前に。ここは平田が切る。大きな左で前に出るスターナーをかわしてシングルレッグを狙う平田だが差し上げるスターナーは、右を差して頭をアゴ下につけて押し込み。
平田は少し動きが緩慢になる。金網まで押し込むのはスターナー。差された左を絞り、引手にしてつかみ、右を後ろ頭の奥襟から小手に巻き、大内刈で投げる平田だが、足をはずしてすかしたスターナーと片ヒザを着いて五分の体勢に。
立って戻したスターナーは右ヒザを突いて離れる。左前蹴りを腹に入れるスターナー。平田の低いダブルレッグはスプロールして気いるスターナー。なおも平田は右で差して金網まで押し込みシングルレッグも、横に回るスターナーは、後方に足を飛ばしてスプロール。平田はドライブ出来ず。スターナーが1発ヒザを突くと、平田は離れる。
残り1分半。左ミドルを当てるスターナー、さらに左ミドルハイ。平田は右ヒジを見せてから足を手繰りに行くが切るスターナーがワンツーで前進。さらにスターナーの左に後退しながら前手の右フックをかぶせるが、バランスを崩したのは平田。
さらに右ジャブに動きが一瞬止まる。遠間からの低いタックルを切るスターナーはバック狙いて鉄槌も立つ平田が金網背に右で小手に巻き凌いでゴング。
3R、先に圧力をかけるのはスターナー。左ミドルを当てると左ストレートも突いて、平田のタックルを切ってがぶり。頭を抜いた平田はレッスルアップではなく、尻を着いて引き込み。左ヒジを入れてから離れるスターナー。
右ミドルの平田にワンツーの左を突くスターナー。差してきた右を脇に挟み引手に変えて、右は小手に巻いて内股をしかけるが、足を抜いて飛んで投げられないスターナーは離れる。
左ミドルを突くスターナー。さらにワンツーの左で前に。平田が頭を下げると左ミドルを突く。スターナーの右ジャブに下がる平田は、カウンターの右も単発。見切るスターナーは組みへ。切る平田。
左ミドルをかわす平田だが手数が減る。スターナーの左の飛び込みに金網まで下がる平田。軸がブレてスタミナ苦しいか。そこにワンツーから組みも混ぜるのはスターナー。頭をつけて金網に押し込み、ダブルレッグに切り替えるとそこにギロチンチョークを合わせに行く平田。
引き込むも金網に押し込み、左足で平田の右足を押さえて頭を抜き上に。残り30秒。腰に足を当ててから金網背に立ち上がり、右で差してボディロックから小外がけでテイクダウンを仕掛ける平田。片ヒザまで着かせるがすぐに立つスターナーは金網背に。
平田は右で差して押し込み右ヒザをこつこつ突いてゴング。自陣コーナーで座り込む直樹に、樹はTシャツをかぶせるもまだ腕は通せない直樹。樹は立てと指示。
1Rは平田も、2、3Rはスターナーのラウンドに。果たしてジャッジは29-28×3でスターナーが勝利した。