ドバイでメイウェザーの秘蔵っ子イングラム(右)と対戦することになった皇治
2022年11月13日(日本時間14日)にドバイのコカ・コーラアリーナで開催される『Global Titans: Mayweather vs dej』に、皇治(TEAM ONE)が参戦することが10月31日、発表された。皇治はボクシングルールで、フロイド・メイウェザーの“秘蔵っ子”ジャハン・イングラム(米国)と3分3R(-65kg以下契約)のエキシビションマッチで対戦する。
会見後の囲み取材で、榊原信行RIZIN CEOは実現に至る経緯について以下のように説明。
「10月の頭にBellatorとのミーティングでハワイに行ったんですが、同時にフロイドともやり取りをしていてハワイへ来てくれたんです。自家用ジェットでフラッと来た(笑)。スコットとの打ち合わせと合わせてフロイドとも話をしました。それで『ドバイに来いよ』という話になって、事件もあったのでいろいろ含めて話をする中で、ジジが負けたことを受けて皇治と自分たちの選手を出して戦わせるという話が出て来て。それを日本に戻ってから皇治に伝えました」
そのメイウェザー側から出してきた選手がイングラム。この選手に関して榊原CEOは「本物だと思いますよ。(朝倉)海とスパーリングをやる時もフロイドが可愛がっている選手で、世界王者になれるだけの素材だと。海とフロイドがやる流れだったんですが、ジムへ行ったらイングラムが準備して待っていた。フロイドの秘蔵っ子ですよね。本気で倒しに来ると思います。ジジのようなバウンサーでチャレンジするのではなく、イングラムのキャリアアップ、世界を獲るためのプロモーション、経験を積ませるのにはいいんじゃないかということでしょう。フロイド陣営は2連敗は考えてない。本気で倒しに来た」と、完全にジジを倒した皇治への報復だと説明。
「まだ22歳なので、本当に大変なことになってしまうんじゃないか。強いですよ。海とのスパーリングの時も、海に申し訳ない気持ちになりましたからね。本物を出してきたので」と、皇治にとってかなり危険な相手だとする。
同時に、皇治にとっても大きなチャンスだという。「本人は『相手強いじゃないですか』みたいなことを言っていました。それも含めて皇治が受けた。彼はいろいろなことにチャレンジしたいんですよね。なかなかない機会ですし、日本ではABEMAで配信されますし、皇治の試合を世界の人が観ることになる。キックボクサーがボクシングにチャレンジしてどこまで出来るのか、イングラムに勝つことが出来れば次につながる。ジジに勝ったのが、北米で凄い拡散されたんですよ。だから皇治のプレゼンスは上がっている。ジジの倒れ方が面白かったのも含めて笑いのネタとして北米では見られたので、それも含めて皇治は注目されつつある」と、ジジをKOしたことで北米を中心に名を上げつつあるのだという。
「今までメイウェザーサイドから日本人選手へのオファーがかかったことはない。彼らのラインナップには日本人が出る需要がないんです。でも、皇治はジジに勝ったことで特別なモチベーションがメイウェザープロモーションに生まれた。それで皇治にオファーが届いたんです」と、かなり特別なことだと言い、ファイトマネーも「皇治が言うみたいにバイトにしてはごっついファイトマネーをもらいます。円安だからドルでもらうので、迫力があると思います」と、金額は言えないがいい額が支払われるようだ。
では、今回勝つことが出来ればメイウェザー戦もあり得るのだろうか。榊原CEOは「今の段階では全くないと思います」としながらも、「皇治の今後の活躍いかんでは。フロイドは誰とでもやる。次に向けたステップ、来年以降でのRIZINでの試合も進めているので可能性はゼロではない。ファンを含めて熱を作れたらなと。皇治の試合内容を含めて、それを見たファンの熱にもよります」と、皇治が熱を作り出せれば可能性は出てくるとした。