ムエタイ
レポート

【ムエタイ】ブアカーオが佐藤嘉洋を1RでTKO、9年ぶりのエキシビションでの再会は突然の幕切れ

2022/10/29 02:10
KAT PRESENTD LEGEND OF RAJADAMNERN2022年10月28日(金)タイ・ラジャダムナンスタジアム ▼キックボクシングバウト 3分3R エキシビション―ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)[TKO 1R]―佐藤嘉洋(JKF新瑞橋)※エキシビションのため勝敗は無し。  ブアカーオは8月19日に同じ『KAT PRESENTS LEGEND OF RAJADAMNERN』にて、三浦孝太(BRAVE GYM)とエキシビションマッチを行って話題となったが、今回はその第二弾。  佐藤は1998年12月にNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)でプロデビュー。8戦目でタイ人選手に敗れるまで7連勝を飾った。2001年3月からは全日本キックボクシング連盟に参戦し、11月にWKAムエタイ世界ウェルター級王座を奪取。2004年2月にはWPKC世界ムエタイスーパーウェルター級王座も奪取した。  2005年5月には『K-1 WORLD MAX』に“日本人最後の大物”として初参戦。2006年・2007年の日本代表決定トーナメントを連覇し、日本代表として世界トーナメントに出場。2008年10月には魔裟斗と準決勝で対戦し、ダウンを奪って“あわや”というところまで魔裟斗を追い詰めた。2010年の世界トーナメントでは決勝へ進出するも、ジョルジオ・ペトロシアンに敗れる。K-1活動休止後はKrush、GLORY、シュートボクシング、ホーストカップなど様々な団体に出場し、2015年5月の試合を最後に引退した。  ブアカーオとは過去4度対戦し、2006年6月の初対決ではKO負け、2008年2月の2度目の対戦では延長戦の末に判定2-1で惜敗、2008年7月の3度目の対戦では右ストレートでKO勝ちを奪い、4度目は2013年10月のMAX MUAYTHAI日本大会にてムエタイルールで対戦して判定負け。1勝3敗となっている。ブアカーオから勝利を奪った日本人選手は魔裟斗と佐藤の2人のみで、KO勝ちしたのは佐藤ただ一人。  たっぷりと時間をかけてワイクルーを舞うブアカーオを佐藤は無視。 (C)GO SPORTS 1R、じりじりと前に出て行くのは佐藤。左ローを蹴り、左右ハイを蹴るとブアカーオはスウェーでかわす。佐藤の蹴り足をキャッチして崩しての左フックを見せるブアカーオ。佐藤のジャブに右ストレート、左ボディを返していくブアカーオ。左右ボディからハイキックを放つブアカーオだが、今度は佐藤がスウェーでかわす。  エキシビションらしい技の応酬が繰り広げられていたのもつかの間、パンチで前に出るブアカーオは前蹴り。続くジャブに佐藤が左フックを返そうとすると、ブアカーオが急にスピードのある右フック一閃。佐藤はダウンし、まさかのKO決着となった。  佐藤は試合後インタビューに答え、「現役の時はラジャダムナンスタジアムに上がることがなかったので、引退してからも2大殿堂のラジャダムナンに上がれたことを嬉しく思います。引退してから自分なりに練習を積んできたつもりですが、やっぱり現役の選手は強かったなと思いました」と、ブアカーオを称えた。 [nextpage] ▼コー・メインイベント スーパーライト級 3分3R×ルンキット・ボー.ルングロット(タイ)判定0-3〇ヨードレックペット・オー.アチャリヤ(タイ) (C)RWS ルンキットは2018年10月に、ロッタンを破り16歳でラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者になったことで日本でもその名を知られるようになり、2019年3月には『RISE WORLD SERIES』に来日。-58kgトーナメントに出場したが、準決勝で志朗に敗れた。  ヨードレックペットは2015年にラジャダムナンのライト級王座、2017年にはルンピニーの同級王座、そして2021年にラジャダムナンのスーパーライト級王座に就いた。2015年11月にラジャダムナンで梅野源治にTKO勝ちしたが、2016年10月に日本で再戦してラジャダムナンスタジアム認定ライト級王座を失っている。2018年4月、KNOCK OUTに再来日すると森井洋介をTKOに破りKNOCK OUTスーパーライト級王座を奪取。同年に開催されたKING OF KNOCK OUTスーパーライト級トーナメントでも優勝した。その後はロッタンやガオナーに敗れるなど黒星が増えたが、8月はセンマニー、10月はクラップダムに勝利して調子を上げている。  1R、両者サウスポー。前に出るのはヨードレックペットで左ローを蹴れば、ルンキットは下がりながら左ロー&右ミドル。左ローを蹴るヨードレックペットは左ミドルも蹴るがこれはルンキットがカット。ルンキットはジャブでけん制し、左ロー&左ミドル。前蹴りでヨードレックペットを転倒させる。オープンスコアはジャッジ2名が10-9でルンキット、10-9でヨードレックペット。  2Rも前に出るのはヨードレックペット。1Rよりも威力を増した左ローを蹴り、左ストレートも伸ばしていくが、ルンキットはスウェーでかわす。ルンキットが組み付くとヨードレックペットは左ヒジ。ヨードレックペットの左ストレートがヒットすると今度はすかさずルンキットが左ヒジを放つ。至近距離でパンチとヒジを打ち合う両者。1Rよりもかなり激しい展開に。ヨードレックペットは左ストレートを当てて前に出る。ルンキットは左ミドルで応戦し、首相撲に持ち込むがヒザにまで結びつかない。オープンスコアはジャッジ三者とも10-9でヨードレックペット。  3R、ルンキットがこのラウンドは攻める。左ストレートから接近してのヒザ。ヨードレックペットの左フックに左ヒジを返す。組んでのヒザに持ち込むルンキットにヨードレックペットが左ヒジ。ルンキットは距離をとってジャブと前蹴り、飛びヒザ蹴りも繰り出す。ヒザ蹴りで自分が勝ったと確信したか、ルンキットは手を上げる。ヨードレックペットも攻めずに試合終了。  判定は3-0で攻めの姿勢を貫いたヨードレックペットが勝利した。
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