ボイド・アレン「最終的に自分の手がリング上で上がっている」
18歳の時にボクシングを始めたアレン。20代前半でプロに転向することを考えたが、 MMAの魅力に引き込まれ、ボクシングと並行してMMAの練習を始めた。
2014年8月にはEFCのフェザー級タイトルマッチでバレンド・ニーナバーとの一戦に臨むと2R終盤にリアネイキッドチョークを極めて王座獲得。
長いジャブ、アッパーを武器にプロボクシング6勝1敗1分、MMAでは16勝4敗1分をマークしている。
ONEのボカン・マスンヤネ、元UFCのドン・マッジ、BRAVEでタイトルマッチに臨むチャド・ハネコムらとトレーニングするアレンは、日本で矢地を超えて、サトシのベルトを狙う
僕はスマートファイター
──矢地祐介選手との試合に向け、体調はいかがですか。
「体調はすごくいいし楽しみにしています。日本に来ることができて、超ハッピーです」
──日本は初めてですか?
「はい。初めて来て、とっても好きになりました」
──練習環境やトレーニングは?
「南アフリカのクアン・ユニバーシティというチームで10人前後で練習して、毎日2、3セッションもこなしてやることを全てやってきたので、自分のスキルを発揮する準備をしてきた」
──矢地選手の印象は?
「よいストライカーだと思うし、オルラウンドゲームができるし、彼はフィニッシュするのが難しい感じがする、つまりタフな対戦相手、対戦するに相応しい相手だと思っています」
──RIZINファンに見てほしいスキルなどは?
「オールラウンドゲーム(総合力)を見てほしい、皆さんを楽しませる試合のできるエキサイティングなアスリートだと知ってほしいです。総合的にストライキング、レスリング、柔術など全て見せられたらいいなと思っています」
──どんな展開になるとイメージしていますか?
「試合の展開というよりは、最終的に自分の手がリング上で上がっていることになる。タイトル戦線に絡むためにここにきているし、それに相応しいパフォーマンスをしたいし、しなくてはいけません」
──直近は2022年3月のボクシングの試合ですか?
「そうです」
──MMAでは?
「2021年、EFCでブルーノ・ムクルと対戦して判定勝ちしました。ミドル級からライト級まで落としてきた選手でした」
──ボクシングとMMAを並行して行っていると。
「そうです。今現役でプロボクシングとプロMMAを両立させている。私が南アフリカで唯一、それをこなしているアスリートだと思います。先にきたオファーを優先して、どちらがきてもやれるように準備しています」
──ボクシングの戦績は?
「6勝1敗1分です」
──日本の格闘技についての印象は?
「最近はRIZINライト級の試合を見るようにしています。将来、自分が戦う可能性がある人は見ているし、サトシ選手に注目していて、タイトル戦線に入ることを目標にしているので、そこで勝てるようRIZINのライト級を研究しています」
──PRIDEやDREAMなどは見てきていますか?
「当然見ています。むしろそれを見て育った感じです。アンデウソン・シウバだったりヴァンダレイ・シウバは、今でも大好きな選手です」
──格闘技を始めたきっかけと年齢は?
「18歳でした。育った国が危険だったので自分の身を護るためにアマチュアボクシングから始めましたが、次第に自分の情熱とやりがいになってプロになろうと決めました」
──勝利した試合は一本勝ちが多いですが、サブミッションの得意技は?
「リアネイキッドチョークが好きですし、相手のバックを取ってコントロールするのが得意で、ギロチン、腕十字、足関なども得意と言えます」
──柔術の帯や、コンペティションでの勝利経験がありますか?
「柔術茶帯です。柔術の大会には出ないようにしています。プロとしてボクシングとMMAをやっているので準備がありますし、怪我するかもしれないので」
──ジムのFight Fit Militiaでは、ONEのボカン・マスンヤネとか、元UFCのドン・マッジらと練習しているのですか?
「はい、ボカン・マスンヤネ、ドン・マッジだったり、UAE Warriorsに出ている選手、BRAVEでタイトルマッチをやるチャド・ハネコムだったり、EFCチャンピオンも何人かいて、中にはUFCランカーともやったギャレス・ソルジャーボーイとかトップファイターがいます」
──ボクシングキャリアもあるなかで、MMAでの一番のストロングポイントは?
「自分の一番の武器は頭脳ですね。自分はスマートファイターだと思います。戦いの中で対戦相手を読んでいき、徐々に攻略していき、フィニッシュする機会を逃さないところだと思います」
──ボクシング以外にバックグラウンドは?
「格闘技じゃないんですけど、さまざまな競技、モトクロス、ラグビー、その前に水泳もやっていました」
──矢地選手のことをオールラウンダーと言っていましたが、逆にいうと、突出したものは感じませんでしたか?
「そうではありません。たくさんの武器をもっていて、サウスポーで、よい左ストレート、左のキックも良く、強力な右フックもあり、それで何度かKOもしている。グラウンドでコントロールするのが難しいとも思っています。見た限りでは」
──武器は頭脳だと。矢地選手は今回、「自分の得意な戦い方を押しつけ、相手に合わせない」と言っています。それをされても、すぐに対処する自信はありますか。
「ええ。分析力には長けていると思うので、リングにもアダプトして、試合の流れでフィニッシュする機会を見逃さずに持っていきたいと思っています」
──EFCで戦った相手と比べて矢地選手はどの位置に?
「矢地選手は当然、自分が戦ってきたなかでもトップどころ。自分が過去対戦した選手にはUFCファイターやチャンピオンがいて、活躍している選手と戦ってきたのですが、どんな選手でも過小評価もしませんし、矢地選手はそれ以上かもしれないです」
──多くのファンに見てもらいたい姿とは? テーマは?
「自分の打撃の技術力、教則通りの戦い方をするのを見てほしいし、計算高くグラウンドで勝負できる選手なので、そういったところを見てほしいです」