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2022年10月23日(日)にマリンメッセ福岡 A館で開催される「湘南美容クリニック presents RIZIN.39」の全選手インタビューが21日、同地にて行われた。ライト級(71kg)5分3Rでは、矢地祐介(フリー)とボイド・アレン(南アフリカ)が対戦する。
今の俺に期待していない格闘技ファンの印象をひっくり返したい
──今回の試合に向けていまの心境は?
「今まで練習でやってきたことを出す場をいただけたので楽しみです」
──前回の試合以降に特に強化したことは?
「いや、もう強化したところはずっと同じ。僕のテーマはずっと一緒なんで、そんなに今までと変わったことはやっていないですね」
──前回も前々回も2戦目の相手でした。久々に未知の相手との対戦です。
「データが少ない分、不安要素もありますけど、それが逆に僕にとって今の僕がやろうとしていることに対しては、逆に良いのかなと思っているので、相手──もちろん、数少ない古い映像ですが、そのなかで相手の動きを見ましたけど、それより自分のスキルを出すというところに重点を置いているので逆にいいのかな、そういう状況だと思っています」
──相手のイメージは?
「よく分かんなくて、映像だとストライカーなのかなと思っていましたが、戦績見ると一本勝ちが多かったりして、トータルで出来るんだろうなという印象です」
──福岡でのRIZINは4年ぶりですが、矢地選手にとっても4年ぶりです。
「地方での試合はいいですね、気分転換になるというか。出稼ぎにくるじゃないですけど、いつもと違う感覚で好きですね」
──どんな展開に?
「どこの媒体でもどんな時もずっと言っているんですが、相手に合わせてしまうのが僕の良くないところなので、今回自分のやりたいことをどんどん出して押し付けるような、自分のやりたいことを押し付ける試合展開にしたいと思っています」
──今回のテーマも「ずっと一緒で自分を押し付ける」と。
「前に出て戦うということ。逆らわないで勝負しにいくというのが僕の課題でありテーマ、それが出来るようにならないと、この先が見えてこないので、大きなテーマになると思います」
──ロータス世田谷で青木真也選手とは、いつ頃からどれくらい練習していますか。
「いつ頃からだろうなあ。2年くらいになるのか? うーんちょっと定かじゃないですけど、最近は週1、2回くらいです」
──青木選手から言われたことは?
「いや、特にないですけど(笑)。『勝負しなきゃだめだよね』とは言われています」
──よく練習する選手は?
「金原正徳さん、松本光史さん、Fighting Nexusに出ている小森(真誉)くん、田村一聖さんもいるし、若手の河名マストくんとか……名前が漏れてたらいけないな…手」
──「海外の選手とやって試したい」というのはどんな部分ですか。
「自分の攻撃でいかに試合を作るかというところですかね。打撃、寝技、組み技関係無しに」
──今回はあくまで自分主体に進めると。
「はい、それがテーマです」
──「進化した姿を見せたい」というなかで一番進化したのは?
「前に出て戦っていけるのか。相手に合わせずに自分の攻撃、リズムでどんどん戦っていけるのか。シンプルに前に出ていけるか」
──あらためて矢地選手の一番の強みは?
「それは……あんまり言いたくないけど、今回の試合を見ると自ずと分かってくると思います」
──「前に出る」ことを意識というのは、それ以前にこれまで考え過ぎたことがあった?
「精神的な、性格とか、人生が格闘技で出るので、そういう部分が大人になるにつれて、コアな部分がどんどん試合、格闘技で出てきたのかなというのがあるし、相手への対策とか頭を使って格闘技するようになってから、考えすぎているわけじゃないんですけど、ちょっと“相手がこうしてきたらこう”という方にとらわれすぎちゃった。自分から作ることが後手に回っていた。“勝負するところは勝負しないとダメだ”と先輩から口すっぱく言われていて、その概念はだいぶ落とし込めているので、要所要所で出していきたい」
──「今の僕には誰も期待していない」というコメントは、悲観的すぎますが、それだけ追い込まれている?
「全く追い込まれてないですけど、良くも悪くも俯瞰的に第三者目線で自分を見れてしまうので、格闘技ファンは今の俺には期待しないだろうし、印象をひっくり返したいとは常日頃から思っています。それがやっぱり格闘技の醍醐味なので」
──「強引さを持って良さを出す」のに必要なのは?
「心構え。気持ちの面が多いと思います。スキルやテクニックはそれなりにあるので、それをどこで、どう出すか。楽しないで自分から勝負しにいく、場面・場面で勝負することを常に頭に入れて、普段のスパーリングの時から頭で意識すること。なかなか性格的な部分もあるので、変えることは、すぐには変えられない、ずっとずっとやってきて。だいぶ以前とは変わってきたという意味では手応えがあります」
──日常でメンタルを鍛える取り組みは?
「そういうのは特にしていないですけど。練習とか試合以外でそんな場面ないので。練習や試合の非日常的な部分で意識しているということです」
──終わったあとにもう一回上を狙う?
「そりゃもちろん、僕まだまだ発展途上だと思っていますし、勝ち星を重ねて、どんどん世界の強豪と戦いたいし、北米のプロモーション、BellatorやUFCを諦めてないので戦いたいでし、常に上は見ています」