最善でなかったとしたら、それを修正する必要がある
この日もジムから、シャロン湾ビッグブッダ(大仏)までの30分ほどのランニングでスタミナを強化してきた。
最後に94段の階段を上り終えた挑戦者は、「ここに走ってくると、いいスタミナの確認になります。今日、ビッグブッダに来る選択も、来ない選択もありました。1週間の練習でとても疲れていましたが、私は今日、ここに来ました。それは、自分を試してみたかったんです。いまの自分の心、体調、フィジカルがどうなっているのかを確認したかった。人生にはこれが大切です」と、クレベルは言う。
「起こることのすべてには関係性があります。私がひとつとても信じていることは、おそらく最も重要なこと──自分が“どれだけ”したか、ではなくて、自分が“どのように”やったか。何が欲しいかではなく、どのように手に入れるか。そのために何をするか。自分がやりたいことだけをやるのではなく、やらなければいけないこともやる。すべての献身や努力にはそれだけの価値があります」
望むものをいかに手にするか。それは勝利のなかでも自身の弱さと向き合い、改善する積み重ねだという。
「私はいつも言っているのですが、自分の試合で最善を尽くさなかったり、自分が父として、子として、先生として、人として、最善でなかったとしたら、それを私は修正する必要があり、何が正しくて、何が間違っていたかを学ぶ必要があります。人生とはおそらくそういうことだと思います。進化のために、いつも私はそれを探しています。
そして私は間違いなく、私の全力を尽くして、王座を掴み取ります。いつも言っているように、常に自分をさらに追い込めるようにしています。私やあなたが勝利を信じていて、チャンピオンになれると信じていて、やるべきことをしたら、最終的には神様がそれを決めます。自分がやることは、試合までの期間に全力を尽くし、試合のときに自分の100%の状態で臨めるようにすること」
ファイトマネーをその進化のために費やしてきた。
「自分がいまここにいられることに感謝します。タイのメンバーが私の練習の手助けをしてくれたことにも感謝しています。チャンスを与えてくれて感謝します。神様が人生を導いてくれていることに感謝します。いつもメッセージや応援ありがとうございます。いつも私は皆さんとともにいます。押忍」
クレベルがそうしてきたように、牛久もまた王座戦に向けて、周囲とともに献身や努力を積み重ねて来た。その言葉は11日に紹介したい。「互いが」最善を尽くすのがほんとうの「試合」だ。11月23日の「ベルトの行方は、誰も知らない」が、ひとつだけ確かなのは、「最後にベルトを巻くのは一人のみ」ということだ。