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【RIZIN】なぜ堀口恭司は「一本勝ち」したのか? 金太郎の告白と榊原CEOが明かす「バンタム級王座返上」と「Bellator&RIZINフライ級王座」新設の可能性

2022/09/26 15:09
カーフにパンチを当てに行くのは狙っていた。堀口選手の寝技は力よりも──(金太郎)  2022年9月25日(日)夜の第2部で『超RIZIN』に続き、『RIZIN.38』がさいたまスーパーアリーナで開催された。  2部大会のトリを飾るメインイベントは、バンタム級で堀口恭司(アメリカントップチーム)が、金太郎(パンクラス大阪稲垣組)と対戦。堀口が1年9カ月ぶりの日本帰還試合で、2R一本勝ちを収めた。  試合で最初のヤマを迎えたのは、金太郎だった。サウスポー構えの金太郎に右ミドルを放つ堀口。そこに「身体が反応した」金太郎がカウンターの左ストレートでダウンを奪った。 「堀口選手がカーフを蹴ってくるっていうのはずっと(頭に)あって、そこに当てに行くっていうのは作戦のなかであったので、そこで身体が動いた」  ダウンした堀口にすかさず鉄槌を振り下ろす金太郎。しかし堀口はすぐに後転して立ち上がると、続くサッカーキックもクリーンヒットはさせず、組み技にシフトしていった。  2Rに堀口は左前手を上に上げるフェイントから、タイミング良くダブルレッグでテイクダウン。金太郎はヒザ蹴りを合わせに行くが間に合わず。  圧巻はここからの堀口のフィニッシュへの流れだ。ダブルレッグで尻を着いた金太郎は両足でフルガード、隙を見て立とうとするが、堀口は左脇を差して左足をガードを越えてハーフに。  さらにパウンドを入れながら右足も抜いてマウントを奪うと、自身の左腕で金太郎の頭を枕に抱き、金太郎の左ヒジを内側に流して頭を突っ込み、肩固めへ。首筋に巻いた左腕をタイトに頸動脈を絞める“川ちゃん固め”に近い形で絞り、「He is out!(彼は失神した)」。金太郎の動きは止まり、レフェリーがストップした。  2017年大晦日のマネル・ケイプ戦以来の肩固め。フィニッシュの瞬間を堀口は、「このままなら絞まるなと。結構得意なので。しっかり脇を絞めて入れれば極まると思ったので、ずーっと絞めてました。(極め切れるか迷いはなかったか?)全く迷いはなかったですね」と振り返る。  MMAとしての技術の幅の広さを持って、試合展開に応じて戦い方を切り替えられるのがいまの堀口の強さだ。  一度は勝機を掴みながらも、策を切り替えた堀口の組み技に敗れた金太郎は、「力が強いという感じじゃなかった。バランスが……僕もフィジカルが強いほうで、意外と(寝かされても)立てたりするけど(堀口は)バランスが良かった。1回目(の攻防で)力を使ってしまって、ちょっと力んでしまった。押しても抜けていくような感じで、力が入らないポイントでバランス良くキープされて、ちょっと焦ってしまった」と、堀口の組み技を語る。  そしてマウントを奪われて、逆サイドに抜けての肩固め。 「あれは全く覚えてないんです。どっちで絞められたのか、どのタイミングで肩固めに来たかも覚えてなくて。大事な試合はいつも肩固めで負けている気がしますね……PANCRASEのタイトルマッチも肩固めでやられて(※2019年7月のハファエル・シウバとのバンタム級王座戦)。見ていたかもしれないですね、堀口選手も」と、堀口戦同様に、先にダウンを奪いながら逆転負けした3年前の王座戦の敗北に続く一本負けの悔しさを噛みしめた。 [nextpage] 次からでもフライ級に落としたい(堀口)  一方、Bellatorのバンタム級王座戦でセルジオ・ペティスに逆転負けし、バンタム級ワールドGPでパッチー・ミックスの寝技のコントロールに判定負けと、世界の強豪に2連敗中だった堀口は、試合後、「嬉しいですね。まあ、でもちょっとパンチもらってしまったので……。テイクダウンを取って寝技で極めるっていうプランだったんですけど、自分が1R目で欲張っちゃって。打撃ばっかり打っていて。(ダウンは)フラッシュダウンで一瞬だけパッと意識がなくなって、すぐ治ったという感じで。もうちょっと自分の得意な寝技とかに持って行けばよかった。(1R終了後に)マイク・ブラウン(ATTコーチ)に『何やってんだお前、もっと最初からテイクダウンに行け!』と怒られて(苦笑)。でも相手もうまく自分の研究もしていて、タックルに入りづらい戦い方をしてきましたね」と、序盤はゲームプラン通りではなかったものの、ダウン以降は修正し、作戦を遂行したことを語った。  今後について、堀口は、「負けてるんで海外でちょっとやり返したいなというのはあります。まあ、でも『RIZINに出てくれ』って言われれば、榊原さんは組んでくれると思います」と、巻き返しを誓う。  注目は、試合前に明かしたフライ級カムバックのプランだ。 「食べても食べても大きくならない」と語っていた堀口は、勝利後も「やっぱり体重がどうしても軽いので、1階級下げようかなとは思っています。今回も体重を4kgくらいしか落としてなくて。もうちょっと落とせるので。次からでも(フライ級に)落としたいなと思っています」と、早ければ次戦でのフライ級転向を示唆した。  2015年4月にUFCでデメトリアス・ジョンソンが持つフライ級王座に挑戦した堀口は、最終5Rに腕十字で一本負けで戴冠ならずも、以降もUFCで3連勝。しかし、UFCでのフライ級戦線縮小に伴い、2017年4月からRIZINに参戦。初戦こそ58kg契約で元谷友貴と対戦も、2戦目から61kgのバンタム級で戦ってきた。  過酷なトーナメントや防衛戦も経て、日本のバンタム級での定着に寄与したダブルチャンピオンは、肩の荷を降ろして、本来の適性階級であるフライ級に戻ろうとしている。  キャリアの集大成に向かう堀口は、今後について、Bellatorのスコット・コーカー代表と話すこと、そして、志半ばで離れた世界最高峰の頂きへの再挑戦も、忘れたことはない。 「いつかUFCフライ級にもリベンジしたいという気持ちも?」と問われた堀口は、「そうですね。やっぱり負けたりしているので、まだUFCのベルトも獲っていないですし」と語り、続けて「でもまずはしっかりBellatorでベルトを巻きたいなと思っています」と、新たな階級の増設をBellatorに望んだ。 [nextpage] スコットは『Bellatorでもフライ級を作ろうかな』と言っていた(榊原CEO)  堀口のフライ級回帰について大会後、榊原信行CEOは、BellatorとRIZINが連携して、フライ級の舞台に注力する可能性を語っている。 「堀口がフライ級に落としてやってみるのはいいんじゃないかと思います。Bellatorのスコットとは建設的に話を進めているので、年末に向けてBellatorとRIZINでどういう絡みができるか早急に決めたい。スコットも『Bellatorでもフライ級を作ろうかな』と言っていたので。今日の試合で、それが一歩前進するんじゃないかと思います」と、堀口を軸にBellatorがフライ級を新設する動きがあることを明かした。  その場合、現RIZINバンタム級王者の堀口はベルトを返上することになる。 「バンタム級王座を返上してフライ転向は、RIZINという舞台においても考えられる。日本にしばらくいるというので恭司とも話しますし、大きくはスコットと、RIZINとBellatorの階級を調整した上で考えていければ」と語る榊原CEOは、Bellatorのみならず、RIZINでもフライ級戦線を充実させていくという  奇しくも現在、DEEPではフライ級GPを開催中。そこに参戦していないRIZINフライ級ファイターも「ベルト」新設となれば、熱量を増すだろう。  榊原CEOは、「ずっとフライ級を次に磨いていく階級として活躍の場を作ってきたけど、そういう意味で我々がフライ級に力を注ぐことも考えられる。逆に(堀口が)Bellatorでの軸足をRIZINに軸足を置いてフライを引っ張っていくこともあるかもしれない」と、日本に置いて層の厚い最軽量級を充実させるプランを語った。  また、堀口がバンタム級を返上した場合、空位の王座は「決定戦」となるか。RIZINバンタム級戦線には、この日、日韓頂上決戦を戦ったGP覇者の扇久保博正やキム・スーチョル、元王者の朝倉海はスーチョルとの試合を望み、元UFCの井上直樹、瀧澤謙太、元谷友貴ら強豪も並ぶ。  榊原CEOは、「バンタム級のタイトルマッチは、扇久保選手がスーチョル選手に勝っていいれば、押しも押されぬ形で挑戦者として決まったと思うのですが、扇久保選手からすれば残念な結果となった。では、次期挑戦者は? となると混沌。バンタム級王者とフライ級に関してBellatorとも確認した上で進めたい」とした。 [nextpage] 堀口選手は「裏の顔も表の顔も両方持っている」(金太郎)  堀口戦で3連敗となるも、爪痕は残した金太郎も再起を誓う。 「“倒したい”という気持ちが強すぎて……この試合を悪くいう声に“見とけよ”という思いから、必死にホンマに倒しに行こうと気持ちを決められたところもある。実際“勝負できるな”というか。自分が狙って打った攻撃は手応えがあった。かなり練習してきたことだけが出た。あれがあったから、余計に悔しい」と、大金星を取り逃がした悔しさを語る。  同時に「世界」との差も実感した。 「この堀口戦に僕も喧嘩の作戦を組んできたけど、それが全て封じられ、それで倒せなかったから、僕が負けたということ。何て言うんやろ……、そこは“分からされた” というか。『格闘技の技術』に、結果負けてしまったなと思わされた。今思えば、(堀口は)経験値というか、格闘技脳の切り替えというか。“これがダメだったらこうする” という作戦の切り替えがすごい速いのだなと思った」と、自身に足りないものが見えたという。  そして、「戦っていて堀口選手の漢気というか。“この人『スポーツ』って言ってるけど、男として尊敬できる”というか。向き合ったときに“あっ、これ全然喧嘩するつもりやな”と感じて。そういう裏の顔も表の顔も両方持っているなと思って。そういすごい強みがあって、そこに技術も乗っかっているという……。自分もそういう修行をしたいな、と思いますね」と、ファイター堀口恭司の凄みを語った。  堀口恭司戦は、MMAで戦い続ける覚悟を再確認した試合になったという。 「今回の試合で、ホンマの自分を引き出すっていう意味では、メンタル的には良かったのでいい経験ができた、堀口選手と試合できるっていういい経験をしたからには、その経験を活かして、こういう強い選手からいろんなことを学んで、また続けたいな、と思います。やっぱり自分に関わってくれて、自分のために動いてくれている家族とかトレーナー、仲間、スポンサーの人であったり日頃から支えてくれている人のためにもこれから強くならなアカンなというのもあるし、一番は、この道を自分が選んだからには、この道で結果出さないといけないから、今後どこまで行けるか分からないけど、自分の可能性を信じてまだ続けたい」  終わってみれば完敗の金太郎の奮起、新たな挑戦を表明した堀口、両者の試合は、次なるステージへと繋がるメインイベントとなった。
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