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レポート

【Krush】大久保琉唯が期待に応えるトーナメント優勝、傷だらけで初代王座に就く。弘輝は伊藤健人に判定勝ち

2022/09/24 18:09
Krush.1412022年9月24日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント 初代Krushフライ級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R〇大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)判定2-1 ※10-9、9-10、10-9×大夢(WIZARDキックボクシングジム)※大久保が初代王座に就く。本戦の判定は30-29、30-30、30-30。 「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」の決勝戦は、1回戦で判定勝ちした本命の大久保と1回戦をわずか32秒KOで勝ち上がった大夢によって争われた。大久保は3勝無敗、大夢は7勝(4KO)1敗。 1R、大久保は大夢の蹴りをかわしてのヒザとロー、蹴りをもらっても必ず蹴り返してペースを譲らない。  2R、大久保は自分の距離に入ってくると大夢へワンツー、ミドル、ヒザで迎え撃って自分の距離に入れさせない。攻めあぐねる大夢だが、それでも強打を大久保にヒットさせて大久保は鼻血を出す。  3R、ジャブとストレート系、前蹴りの長い距離で戦う大久保。接近してくるとヒザを突き刺す。なかなか入れない大夢だが、打ち合いになるとヒットを奪う場面が目立ち始める。攻撃を繰り出すも両者決定打がなく、本戦の判定はドロー。延長戦へ突入する。  大久保はミドル&ローで距離をとり、大夢はパンチ一辺倒で前へ出る。両者パンチでのクリーンヒットはなかなかないが、蹴りをしっかり当てるのは大久保。終盤には前へ出て打ち合いを挑む大夢に大久保の右が2度綺麗にヒットする。  延長戦も甲乙つけがたい内容だったが、判定2-1で勝者は大久保。周囲の期待に応え、デビュー4戦目にして王座に就いた。  大久保は「この試合にいろいろな想いで臨んできました。自分が絶対に獲らないといけない状況で優勝できたことは本当に嬉しかったです。いろいろな人の支えがあって最後まで戦うことが出来ました。ありがとうございました」と、まさに傷だらけの栄光をつかみマイクで語った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第9試合)Krushライト級 3分3R延長1R×伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)判定0-3 ※29-30×2、28-30〇弘輝(WORLD TREE GYM)  伊藤は10勝(3KO)11敗4分と25戦のキャリアを持ち、小澤海斗、芦澤竜誠、大岩龍矢、朝久裕貴らと拳を交えてきた。2020年12月の三輪裕樹戦、2021年5月の中島千博戦、10月の山本直樹戦と3連敗を喫したが、2022年6月の南雲大輝戦でKO勝ちして連敗を脱出。  弘輝は2020年6月にKrush初参戦を果たしたサウスポーで、初陣ではSEIYAを3Rでマットに沈めた。しかし、9月の朝久泰央では1Rに飛びヒザ蹴りでダウンを奪うも、2Rにハイキックで壮絶な逆転KO負け。3月のK-1では龍華にKO負けと、勝っても負けてのKOのファイター。2021年の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」では1回戦で東本央貴に勝利も準決勝で里見柚己に敗れ、その後も大沢文也、鈴木翔也に敗れて3連敗を喫したが、2022年6月の明戸仁志戦でKO勝ちして連敗を脱出した。戦績は8勝(6KO)6敗1分。  1R、ローとミドルの蹴り合いからスタート。伊藤は左右ローで弘輝の前足を狙い撃ちにし、右ストレートを繰り出していくが、弘輝はその右ストレートに必ず強打を返してくる。  2R、伊藤は蹴りながらの右ストレート狙い、左ボディからの右フック。弘輝はカーフを蹴りながら、伊藤がパンチを繰り出してくると左ストレートを返し、この左ストレートが強くヒットする。手数で伊藤、威力で弘輝という展開。  3R、伊藤は前へ出てミドルを蹴っての右ストレート。弘輝はそれに左ストレートを返していく。手数を繰り出す伊藤だが目立ったヒットはなく、逆に弘輝は手数は少ないが強い攻撃でインパクトを残す。最後に弘輝が左ストレートをヒットさせて試合終了。  難しい判定となったが、弘輝の勝利となった。 [nextpage] ▼第8試合【株式会社 濱畑 Presents】Krushフェザー級 3分3R延長1R×覇家斗(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)KO 2R 2分29秒 ※3ノックダウン〇國枝悠太(Never mind)  覇家斗はヒジ打ち・首相撲ありのキックボクシング・ムエタイでキャリアを積み、UKF日本ライト級王座、2013年WPMF日本ライト級新人王、BOMライト級トーナメント優勝などの実績を残す。2016年10月にKrush初参戦を果たすと島野浩太朗から勝利を収めた、2018年11月のK-1では江川優生と対戦。判定で敗れるもスリリングな打ち合いで会場を沸かせた。今回は2019年3月の小澤海斗戦以来の試合となる。戦績は18勝(8KO)9敗。K-1 JAPAN GROUPでは3勝5敗。  國枝はMA日本キックボクシング連盟を主戦場にし、2021年1月からKrushに参戦。初戦は龍斗に判定で敗れたが、3月の2戦目では林京平を1Rで豪快KO。6月には鷹大も初回KOで仕留め、9月にK-1初参戦を果たしたが小澤海斗に判定で敗れた。2022年は1月に桝本翔也にKO勝ち、4月は岡嶋形徒に判定負け。戦績は11勝(6KO)7敗3分。  1R、覇家斗は右の蹴りを当てていき距離を保つ。國枝もカーフを蹴るが蹴り合いでは不利と見たか、連打で距離を詰めて打ち合いに持ち込む。連打で激しい打ち合いを挑む國枝に覇家斗も打ち合う。回転力に優る國枝が一瞬覇家斗をグラつかせる。  2R、蹴りで距離をとって戦おうとする覇家斗に國枝はまたしても連打で距離を詰めていく。覇家斗の右カーフが鋭く決まるが、國枝も右カーフを蹴って狙いすました左フックでダウンを奪った。  國枝は圧力をかけて前へ出ると、右ストレートからの左フックでダウンを追加。最後は相手をよく見て下から伸ばすような左でダウンを奪い、見事なKOかちを収めた。  國枝はマイクを持つと「見てくれましたか?僕、またKrushで倒しちゃいました。僕、K-1 JAPAN GROUPに来てから1回も大阪で試合できてないんですよ。12月大阪で試合お願いします」と、地元・大阪での試合をアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)判定0-3 ※27-28×2、26-28〇髙橋直輝(若獅子会館)  1R、ローを蹴っていく友尊。高橋は友尊の攻撃にパンチを合わせに行く。友尊は左ミドルを蹴り、左ミドルをフェイントにしての左フック。打ち合いも見られたが両者とも手数は少なめのスタートに。  2R、友尊の攻撃に合わせに行く高橋。友尊の左ローには後ろ蹴りを合わせる。友尊の左ロングフックがクリーンヒットし、大きく下がった高橋に友尊がラッシュ。高橋も足を止めて打ち合い、両者空振りが目立つも友尊が当てた数が多いか。  3Rも友尊の攻撃を待ってパンチを合わせに行く高橋。友尊が左ストレートを打ち抜いてダウンを奪うと、ようやく高橋もエンジンがかかったか左右フックで前へ出て攻めていき、友尊の左を被弾するも右フックでダウンを奪い返す。  さらに前へ出て左右フックを繰り出していく高橋に友尊も打ち返すが、勢いに後退するところへ高橋が連打、押されるように友尊が2度目のダウンとなった。反撃を見せた高橋が判定3-0で逆転勝利に成功した。 [nextpage] ▼第6試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R×蓮實 光(パラエストラ栃木)KO 2R 1分09秒 ※左ストレート〇稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン)  1R、蓮實は右カーフを蹴りつつ、右の強打を狙う。サウスポーの稲垣はジャブを突いてしっかり当て、左ストレート、ヒザを突き上げる。さらに左のハイ&ミドル。  2Rも稲垣はしっかりジャブを突いて当てていき、左ストレートやヒザ蹴りも強打。蓮實は左右フックを繰り出していくが稲垣がジャブで距離をコントロール。飛びヒザ蹴りも繰り出す。最後は稲垣が左の打ち下ろしのストレートで蓮實をダウンさせ、蓮實は起き上がろうとするも身体がいうことをきかず、稲垣のKO勝ちとなった。  稲垣はマイクを持つと「Krush、K-1ともにスーパー・ライト級は有象無象でごっちゃごちゃになっています。この前の横浜で若い65kgの施主がみんな負けましたが、65kgの若い世代は稲垣柊がいるのでこれから下剋上マッチよろしくお願いします」と、上位選手と当てて欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R〇健介(Jay's Box)KO 2R 1分42秒 ※左フック×佑典(月心会チーム侍)  1R、サウスポー同士の試合は蹴り合いからスタート。健介が飛び込んでの右フックをヒットさせると、佑典も飛び込んでの右フックを繰り出す。佑典が仕掛けた打ち合いでは健介がヒット奪い、ハイキックまでつなげた。  2R、健介が右の三日月蹴り連打から左ストレートをヒットさせると、佑典は打ち合いを挑んでいく。両者にとって危険な距離での打ち合いが行われる中、健介の左フックが強烈にヒット。佑典は崩れ落ち、立ち上がることが出来ずに健介のKO勝ちとなった。  健介はマイクを持つと「僕は岡山面から王者になることを目標に頑張っています。12月のK-1大阪、もし出られるなら絶対にKOするので出してください」とK-1出場をアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R〇鷹大(WSRフェアテックス西川口)判定3-0 ※29-29、29-28、30-29×桝本翔也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R、サウスポーの桝本は両腕ガードを固めて左カーフを狙い撃ち。鷹大はそのガードの上からでもパンチを打って行き、右ミドル&右ローを蹴る。終盤になると桝本もフックを繰り出し始めるが、鷹大のパンチが桝本の顔面を捉える。  2R、鷹大は左ボディからの左フック、3連打とパンチをまとめて打ち、ヒットを奪っていく。桝本は思い切りフックを振り回し、後ろ廻し蹴りも繰り出すが手数が少なく鷹大のパンチを被弾する場面が目立つ。  3Rはオーソドックスに構えて前へ出ていき、左ボディを叩いていく桝本。鷹大は前蹴りとミドルで距離をとるアウトボクシングを徹底し、ムエタイの崩し技で転倒させるなどして判定勝ちした。 [nextpage] ▼第3試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R×板橋武留(健成會)判定0-3 ※29-30×2、28-30〇松本 陸(TAD)  1Rは両者ジャブを出しながらの見合いが長く続く。その中でも左ローを蹴っていったのは板橋。  2Rになると両者ジャブが当たる距離となり、互いにストレートを返し合う。積極的に右のロングフック、右ストレートからの左フックで攻めるのは松本で、板橋はなかなか手が出ない。  3R、前へ出て右インローを蹴りつつ右ストレートを打つ板橋だが、松本は倍の手数を返していく。左右フックを思い切り叩きつける松本。ラスト10秒では打ち合った板橋だが、手数が圧倒的に少なく松本の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第2試合 初代Krushフライ級王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R延長1R〇大夢(WIZARDキックボクシングジム)KO 1R 0分32秒 ※右三日月蹴り×天馬(WSRフェアテックス西川口)※大夢が決勝戦へ進出。  大夢は6勝(3KO)1敗の戦績を持ち、K-1 JAPAN GROUPには2021年6月から参戦して3戦を行い、麗斗と萩原秀斗にKO勝ち、山脇に判定勝ち。天馬はこれまでムエタイルールの大会で活躍し、今回が初参戦。WMC日本ライトフライ級王座を獲得しており、4選手の中で唯一プロのタイトル獲得歴がある。戦績は5勝(3KO)3敗。  1R、大夢は右ストレートから左ハイのコンビネーションを見せると、コーナーを背負った天馬に右インローからの右三日月蹴り。これが見事に決まり、天馬はその場でうずくまる。大夢が秒殺KO勝利で決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼第1試合 初代Krushフライ級王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R延長1R×西林翔平(K-1ジム福岡チームbeginning)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)※大久保が決勝戦へ進出。  大久保は第11回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kg優勝、第37回K-1アマチュア チャレンジAクラス -55kg優勝、K-1甲子園2021 -55kg優勝とアマチュアで経験を積み、2022年2月のK-1でプロデビュー。6月の『THE MATCH 2022』ではオープニングファイトに抜擢され、那須川龍心に判定勝ちしている。戦績は2勝無敗。  当初は山脇飛翼との準決勝が決まっていたが、山脇の欠場でトーナメント・リザーブファイトの西林が本戦へ繰り上がり出場。両者は今年2月に対戦しており、デビュー戦の大久保が勝利を収めている。  1R、ジャブから左右ローを蹴る大久保は西林がミドルを蹴ると必ずローをリターン。さらにヒザ蹴り。  2R、飛び込んでの左右フック&右ストレートと動きながらパンチを繰り出す西林に、大久保はパンチをまとめての左右ローとタイミングのいいヒザ蹴りと前蹴り。大久保はジャブを多用してペースを作る。  3R、出入りを繰り返して左右フックを打つ西林だが、パンチの回転力では大久保が上回る。近距離ではアッパーを繰り出す大久保。離れ際にはミドル、西林が体勢を低くするとヒザを突き上げ、判定3-0で大久保が決勝進出を決めた。 [nextpage] ▼初代Krushフライ級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R〇松葉斗哉(昇龍會)判定3-0 ※30-28×2、29-28×瑞貴(TEAM3K)※松葉がリザーバーに決定。  1R、序盤はローの蹴り合い、ジャブの突き合い。サウスポーの瑞貴の左ミドルに右ストレートを合わせに行く松葉は、パンチを当てては回り込む機動力を見せる。  2Rになると瑞貴が距離を詰めて左右フックで勝負を仕掛ける。ヒザ蹴りも混ぜ、手数を多く出す。松葉はかわしながら右を狙うが、アグレッシブさで瑞貴のラウンドか。  3R、思い切り振り抜く左右ロングフックと右ストレートの飛び込みを見せる松葉は、至近距離での打ち合いから意表を突く左ハイキックでダウンを奪う。足元がフラつく瑞貴だがヒザ蹴りと左右フックで反撃。松葉は二段蹴りや前蹴り、胴廻し回転蹴りと多彩な蹴り技を繰り出し、判定3-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト -95kg契約 3分3R×木村太地(KBスポーツジム)判定0-3 ※29-30×3〇山口翔大(TEAM3K)  山口はフルコンタクト空手の統一大会であるJFKO全日本フルコンタクト空手道選手権で2018・2019年重量級優勝を始めとして数々の優勝実績を持ち、今年2月にキックボクシングに転向した。  両者ホールディングが多い試合となり、木村の接近戦でのパンチに苦しむ山口だったが、左右ローとヒザ蹴りで反撃。3Rには強い左ミドルで快音を響かせ、2度のローブローで警告もあったものの判定3-0で勝利をもぎ取った。
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