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【PANCRASE】ライト級王座戦・雑賀ヤン坊が天弥を左ヒザTKO! 佐藤がTKOでウェルター級新王者に、ゴイチが内藤を70秒KO、武者がレーベンに勝利、電池がリトルに判定勝ち、大塚が浜本からダウン奪い判定勝ち、荒田がギレルメをKO

2025/04/27 12:04
 2025年4月27日(日)東京・立川ステージガーデンにて『PANCRASE 353』(U-NEXT配信)が開催された。前日計量が26日午後1時から都内にて行われ、ライト級(70.3kg)タイトルマッチの王者・雑賀ヤン坊達也(DOBUITA)は70.1kg。挑戦者・天弥(和術慧舟會HEARTS)は70.15kgで計量をパス。  しかし、バンタム級(61.2kg)タイトルマッチの王者・透暉鷹(ISHITSUNA MMA)が減量中に脱水症状で緊急搬送されて計量失格。対戦相手のカリベク・アルジクル ウルル(キルギス)も63.0kgと1.8kgの体重超過で失格。12月の両者負傷の延期に続き、今回も「キング オブ パンクラス チャンピオンシップ バンタム級」は中止となった。  また、同じバンタム級のギレルメ・ナカガワ(ボンサイ柔術)が初回計量で62.05kg。午後3時までの再計量で61.75kgと、+1ポンド規定より100gオーバーに。対戦相手の荒田大輝(パラエストラ八王子)が試合を承諾したため、61.75kgのキャッチウェイトで試合は行われる。  なお、今回初のウェルター級戦に臨む、ミドル級王者の内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)は「77.35kg」でパス。驚くべきは、ゴイチ・ヤマウチの減量幅だ。  ウェルター級(170ポンド/77.1kg)戦では、王座戦以外の+1ポンド(0.45kg)規定がリミット(171ポンド/77.56kg)のなか、試合4日前(計量3日前)の23日の時点で「87.6kg」を申告していたゴイチは、この日「77.4kg」でパス。3日間で実に「10.2kg」の減量をしていることになる。  内藤も2024年9月のDWCS後に、治療のために休養したことで90kg台だった身体を、試合2週間前に通常体重をミドル級の体重にし、最後に4kgほどの水抜きで77.35kgでパスしているが、果たして試合当日、どこまで戻してウェルターのスピードとミドルのパワーを発揮するか。 [nextpage] 『PANCRASE 353』速報 ▼キング オブ パンクラス チャンピオンシップ ライト級 5分5R ※選手名からインタビュー〇雑賀 ヤン坊 達也(DOBUITA)12勝5敗 第9代KING OF PANCRASIST 70.1kg[3R 0分54秒 TKO] ※左ヒザ→パウンド×天弥(和術慧舟會HEARTS)4勝1敗 1位/2023年NBT同級優勝 70.15kg  雑賀は、2023年12月に粕谷に判定勝ち後、2024年3月にアキラの持つライト級王座に挑戦。1R 右ハイキックでKO勝利し王座を獲得。  2024年5月には上海で行われた『ROAD TO UFC』ライト級ワンマッチに参戦し、韓国のキ・ウォンビンと対戦。初回に右を効かせてグラつかせるも、2Rの乱打戦でTKO負け。そして、2024年9月、PANCRASEに帰還し、立川大会にて久米鷹介を2R 左フックからのパウンドアウトで初防衛に成功している。  対するは、同じ9月大会での「ライト級 次期挑戦者決定戦」で葛西和希を左アッパーでのけぞらせての右ストレートでダウンを奪いパウンドアウトで撃破した天弥。  驚異的なスピードで進化を遂げ、さらなる研鑽を求めアゼルバイジャンで兄・海飛(3.15 DEEPフェザー級GP初戦で奥山貴大に判定勝ち)とともに武者修行を敢行。鋭さを増した牙を武器に、“狂犬”天弥がヤン坊の首を噛みちぎり、20歳にしてキングの座を奪い取るか。  それともPANCRASEでは2022年から5戦5勝4KOと無双状態の雑賀が、回転を増した拳で2度目の王座防衛を果たすか。倒すか倒されるかの緊迫感あるヒリついたライト級王座戦だ。  会見では、互いの印象を「超KO型のストライカー」と評した両者。その上で、挑戦者の天弥は「伸びしろがあるのはこっち」、王者の雑賀は「僕の打撃は独学だから見辛い」と打撃の違いを語っている。 雑賀「明日は防衛戦であり、日本ライト級1位のストライカーはどちらか? っていう戦いになると思います。明日はMMAファンの皆さんは俺たちを見てください。盛り上げましょう。ありがとうございます。天弥選手、お願いします」 天弥「明日、日本一のストライカーが決まると思うんですけど、これに文句ある人は今後、僕らの勝者に喧嘩を売ってくるなりなんかしてもらって構わないんで。僕はここを勝って世界で戦おうと思うので、明日お願いします」  1R、いきなり天弥の右がヒット!一瞬ぐらついたヤン坊にさらに左もヒットしたが、ヤン坊はすぐに左右のパンチを連打して四つに組むとケージに押し込む。天弥がクラッチして入れ替えると足をかけてテイクダウンを狙う。さらにヒジを入れた。両者四つでクラッチ。  ヤン坊が外掛けでテイクダウンを狙ったが、こらえた点やがケージに押し込み左のヒジをヒット。差し替えしたヤン坊が膝をボディに入れると入れ替える。離れた。  天弥のワンツーがヒットするが、ヤン坊が詰める。詰めたところに天弥の左フックがヒット。しかしヤン坊引かずにプレッシャーをかけていく。左フックがヒット。天弥一瞬バランスを崩したが、すぐに立ち上がった。1R終了。  1Rのオープンスコアは一者ヤン坊、二者天弥と割れた。  2R、ヤン坊が間合いを詰めていく。左右の連打を入れると天弥はブロッキングしてディフェンス。ケージを背負った天弥にパンチを入れるが、天弥がボディロック、テイクダウン。ヤン坊はすぐに立ち上がりケージに押し込む。天弥入れ替えて離れた。      詰めるヤン坊にジャブをヒットさせた天弥。さらにカーフキックをヒットさせ、ヤン坊の足が流れる。出た天弥にヤン坊のアッパーがヒット!  天弥タックルに入るが、ヤン坊はがぶって切った。バックに回ろうとするヤン坊。頭部に膝を入れたヤン坊。天弥離れた。パンチで出るヤン坊。右がヒット。  天弥もパンチで出たが、ヤン坊は受け止めるとケージに押し込む。押し込んでヒザを入れるヤン坊。2R終了。  2Rはジャッジ三者ヤン坊を支持。  3R、カーフを蹴るヤン坊。天弥は右関節蹴りを入れるが、ヤン坊が出るとケージまで下がる。すぐに前に出た天弥。  右のパンチのダブルを当てるが、ヤン坊は右フックから頭を押さえての左ヒザ! 顔面にヒットし、天弥ダウン!鉄槌連打!レフェリーストップ!  3R54秒、ヤン坊がTKO勝利で2度目の防衛に成功。  ヤン坊はマイクで「日本一のライト級ストライカーでいいですか? 文句ねえだろ! 文句ある人は喧嘩を売ってきてとか言えないので、いっぱいKOしにきて下さい。一生懸命、会社員やりながら頑張っています。支えてくれる家族には本当に感謝しています。  あともう1つ、日本ライト級最強のストライカー、RIZINとかで見たくないですか? 7月オファーを待ってます。外国人でも誰でもぶっ飛ばすんで」とコメントすると、定番となった「俺がヤン坊だ!」のシャウトで締めた。 [nextpage] 【試合中止】 ▼キング オブ パンクラス チャンピオンシップ バンタム級 5分5R透暉鷹(ISHITSUNA MMA)第5代KING OF PANCRASIST 12勝4敗 ※緊急搬送で計量失格カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/キルギス)1位 11勝1敗 ※63kg  バンタム級(61.2kg)タイトルマッチの王者・透暉鷹(ISHITSUNA MMA)が減量中に脱水症状で緊急搬送されて計量失格。対戦相手のカリベク・アルジクル ウルル(キルギス)も63.0kgの体重超過で3時までの再計量だったが失格に。「キング オブ パンクラス チャンピオンシップ バンタム級」は中止となった。  2024年12月大会でマッチメイクされるも、両者の怪我により延期となっていた一戦。  バンタム級王者・透暉鷹にとって待望の初防衛戦だった。『ROAD TO UFC』バンタム級準決勝で中国のバーエゴン・ジェライスーに逆転の判定負けを喫した透暉鷹。そこから再び自身の目標と向き合い、PANCRASEでの防衛戦から再出発して世界を目指すと決意していた。 (C)Zuffa LLC/UFC  カリベク・アルジクル ウルルは、現在MMA界で猛威を振るう中央アジアからキルギスの22歳。9月の井村塁戦では、無呼吸連打とも言える圧巻のラッシュで、わずか75秒で同級1位の井村からTKO勝利を収めている。  王座戦の5分5R。『ROAD TO UFC』では強みの似ているバーエゴン相手に初回に右を被弾しながらもバック奪取で取り返すも、2、3Rにクリンチ打撃とテイクダウンで下になるなど後手に回り、判定負けした透暉鷹。  対するウルルは、井村戦で右フックを効かせての跳びヒザを突き、井村の組みを切りながらの1発のヒジを効かせて連打でパウンドアウト。殺傷能力の高さを見せたが、寝技も巧みなことは知られていても、組み力がどこまでなのかは見えなかった。  透暉鷹はこの階級でキルギスの鮫を相手に自身の強みを貫けるか。それともウルルが透暉鷹の組みをも切り裂くか。注目の一戦だったが、両者計量ミスで再び試合が流れることとなった。 [nextpage] ▼キング オブ パンクラス チャンピオンシップ ウェルター級 5分5R×押忍マン(DESTINY JIU-JITSU)1位 5勝5敗1NC 76.95kg[2R 0分39秒 TKO]○佐藤生虎(UNITED GYM TOKYO)3位 4勝1NC 77.05kg  ウェルター級のキング オブ パンクラス チャンピオンシップ(5分5R)。  2024年9月に行われた王座決定戦。佐藤が劇的な逆転TKO勝利を収め王座を戴冠するも、後日押忍マンの後頭部へのパウンドが反則と判断され、試合はノーコンテストに。この因縁に終止符を打つ、正真正銘の決着戦。  前戦は、ウェルター級ならではの激しいド迫力の打撃戦となり、押忍マンが1、2Rで多彩な攻撃を駆使し、ポイントを獲得。3Rは佐藤の強烈な左ストレートが炸裂し、押忍マンを吹っ飛ばした。  共にPANCRASE旗揚げと同じ1993年生まれのファイター。己の肉体と魂を削り合う壮絶な闘いを制し、17代王者として歴史あるベルトを腰に巻くのは果たしてどちらか!? 会見では、押忍マンも佐藤も「完全決着」を宣言した。 押忍マン「明日は今日まで積み上げてきたものを全部発揮します」 佐藤「(※互いのSNSでの煽りを受けて)押忍マン選手がまたドーピングしてきても、僕がしっかりブッ飛ばすんでチャンピオンになります」  1R、オーソドックスの押忍マンに佐藤はサウスポー。詰めた押忍マンがジャブを入れるが、佐藤が左右のフックを振り回す。押忍マンの左フックがヒット。一瞬ぐらついた佐藤。押忍マン四つに組んでケージに押し込む。四つで両脇を差してクラッチした押忍マンだが、佐藤が払い腰で投げてテイクダウン。しかし勢いがつきすぎて押忍マンが上になる。  バックに回る押忍マン。ハーフバックからチョークを狙う。両足をフックし、おたつロックの体勢に。バックから殴っていく押忍マン。リアネイキドチョークを狙う押忍マンだが、佐藤が外すと残りわずかで立ち上がる。立ち際にパンチを入れた押忍マン。1R終了。  1Rオープンスコアは三者押忍マン。  2R、パンチ連打で飛び込んだ佐藤。ケージまで後退した押忍マンに左右のフックのラッシュ。その際で佐藤の頭が押忍マンの頭に当たったか。右フックと返しの左フックがヒットし押忍マンダウン! 前回の対戦のように亀になった押忍マンにパウンドの連打を打ち込む。逃れようとする押忍マンだが、連打をもらい続けてレフェリーストップ!  2R39秒、佐藤がTKO勝利で第17代ウェルター級王者に。  マイクを取った佐藤は「本当の第17代キング・オブ・パンクラシストになりました。文句ないでしょう。これからも応援よろしくお願いします」とコメントした。 [nextpage] ▼スペシャルワンマッチ ウェルター級 5分3R×内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)第15代ミドル級KOP 6勝1敗 77.35kg[1R 1分10秒 KO]○ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)29勝7敗 77.4kg  ゴイチ・ヤマウチは、Bellatorでライト級からウェルター級に転向後、3連勝。2023年3月に“MVP”マイケル・ペイジに敗れたが、2024年4月のPFLウェルター級でネイマン・グレイシーとの再戦で判定勝ちで再起。6月にアンドレイ・コレシュコフに判定負けで決勝トーナメント進出ならなかった。  これまで日本では、2019年12月29日の『BELLATOR JAPAN』の71.6kg契約でダロン・クルックシャンクに、ケージを蹴ってのリアネイキドチョークで1R一本勝ちしており、それ以来の日本マット。従弟のシュウジ・ヤマウチが戦っているPANCRASEに参戦を決めた。32歳。  試合前日に29歳の誕生日を迎えるミドル級王者の内藤由良は、PNACRASEで6戦無敗。デビュー以来、5フィニッシュと圧巻の戦績を誇る。  2024年9月にUFC登竜門大会『ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ(DWCS)2024』ミドル級に参戦し、カメルーンのアテバ・グーティエと対戦。1Rは蹴り足を掴んだテイクダウンでトップを奪ったものの、2Rに組みを切られて左右フックにダウン。パウンドアウトされている。  7カ月ぶりの再起戦にして、ウェルター級に転向する内藤は、同階級でいきなり世界レベルのゴイチと対戦することになる。  MMA36戦の強者ゴイチに、内藤は7戦のプロスペクト。柔術・ボクシング・ムエタイベースのゴイチに対し、内藤は2016年の全日本選手権86kg級5位のレスリングと3歳から始めた極真空手歴10年の経験も持つ。  オールラウンダーながら、3KO・TKOに21の一本勝ちを誇る柔術が際立つゴイチに対し、階級上から落としてくる内藤は減量に成功し、パワフルな身体でトップで寝技をカットして殴れるか。  会見で内藤は、DWCSのミドル級でUFC初戦でも勝利を挙げたグーティエとのフィジカル差を感じたことを明かし、ウェルター級転向に向けトレーナーについてもらい減量が順調であること。さらに、PFLウェルター級トーナメントを勝ち上がっている菊入正行、そしてともにウェルター級転向となる岩﨑大河とも練習を行っていることを語っている。 内藤「PANCRASEを世界に証明します。ゴイチ選手、PANCRASEにようこそ、オブリガード」 ゴイチ「PANCRASEの皆さん、こんにちは。試合できるチャンスをくれて本当にありがとうございます。明日必ずいい試合にします。内藤さん、この試合を受けてくれて本当にありがとうございます。いい試合にします、期待しておいてください」  1R、オーソドックスの内藤にゴイチはサウスポーで構える。カーフを蹴るゴイチに内藤はミドルキック。タックルのフェイントを見せる。オーソにスイッチしたゴイチ。  ジャブの刺し合いから、内藤のジャブに合わせたゴイチのジャブがヒットし内藤ダウン!ゴイチすかさず上になりパウンド!KO!  1R1分10秒、ゴイチKO勝ち。  マイクを取ったゴイチは日本語で「こんばんは。ありがとね」とコメントすると、「日本人を本当に心から愛しています。パンクラスにはこの試合をやらせてもらって本当に感謝しています。自分のエネルギーが、みなさんに伝わると良いと思っています。みなさん本当にありがとうございました」と語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R×ガブリエル・レーベン(X-Road/初参戦)1勝2敗 77.3kg[判定0-3]※28-29×3○武者孝大郎(マスタージャパン東京)1勝 77.35kg  JTTでコーチをしていたエリー・ケーリッシュがPANCRASEに紹介したガブリエル・レーベンは、ルタリーブリの“レジェンド”ホベルト・レイタオンの黒帯。桜庭和志vs.ヴァンダレイ・シウバに衝撃を受けて、日本総合格闘技の虜となり、MMAが禁止されていた当時のフランスでグラウンド打撃無しの“パンクラス”ルールを戦っていた。  そこから14年。世界中を旅して、UFC強豪のブノワ・サン・デニや、DREAMやBellator参戦のカール・アモーゾらと練習を積み、36歳にして満を持して初のフルMMAに臨むという。レーベンは本当に“未知強”なのか。このネット時代に、まだ世界も知らない青い目のバキが、PANCRASEでヴェールを脱ぐ。  対する武者は柔道で全国大会出場経験を持つ。2024年6月の渡邉ショーン戦で最後まで一本を狙う果敢な姿勢を見せ、プロデビュー戦を白星で飾った。  ウェルター級王者が決まる今大会で、強烈なインパクトを残しランカー入りを果たしたい両雄の一戦だ。 レーベン「この大会に呼んでいただきありがとうございます。エキサイティングな試合にします」 武者「フィジカルモンスターとの対決、楽しみにしてます」  1R、武者はオーソドックス、レーベンはスイッチを繰り返す。武者の右がヒットしレーベンダウン! すぐ上になった武者だが、レーベンはケージで体を起こして立とうとする。シングルレッグで寝かせようとする武者だが、ケージを使って立ったレーベン。  入れ替えて逆にシングルレッグでテイクダウン体を起こした武者から四の字バックを狙ったが、反転して武者が再び上に。レーベンはボディロックされた状態で腕を小手に巻いてこらえる。正対して離れた。レーベンが左右のフックを振ると武者がバランスを崩した。1R終了。  1R三者武者。  2R、レーベンがプレッシャーをかけるとケージを背負う武者。ダブルレッグに入るタイミングで武者が膝を出したが、クリーンヒットせずにレーベンがテイクダウン成功。体をまたいでマウントを狙うが、武者が立ち上がり入れ替えてタックルに。ケージでこらえるレーベンが入れ替えてまたダブルレッグで尻もちを着かせる。  立ち上がろうとする武者をボディロックに捕らえて寝かせようとするが、武者が起き上がりまたタックルに。レーベンが首をギロチンに抱えたものの、スタンドでバックに回られる。テイクダウンした武者だが、また小手を巻いてこらえるレーベン。武者がスタンドバックに回る。残り15秒で正対して離れるレーベン。2R終了。  2Rも三者武者を支持。  3R、武者が間合いを詰めるとケージを背負ったレーベン。武者の右が顔面にヒット。そのままタックルに入る武者。ケージでこらえながら頭部にヒジを連打するレーベン。離れ際にまたヒジを入れた。武者のパンチがレーベンの顔面を捕らえる。レーベンがパンチからタックルで飛び込みテイクダウン。  がぶったレーベン。首を抱えたが、武者が立ち上がると離れた。レーベンの右がヒット。武者がタックルに入るとレーベンアナコンダチョーク。そのままスピンして絞めたが外れた。武者がタックルでケージに押し込み、テイクダウンを奪ったところでタイムアップ。  判定29-28×3の3-0で武者が勝利した。 [nextpage] ▼ストロー級 5分3R×リトル(HIDE'S KICK!)2位 12勝13敗1分1NC 52.55kg[判定0-3]※27-30×3○船田電池(和術慧舟會HEARTS)3位/2024年NBT同級優勝 4勝 52.5kg  2014年から10年以上にわたりPANCRASEで戦い続ける会社経営者・リトル(39歳)。対するは、そのリングネーム“電池”が表わす通り、無尽蔵のスタミナで3R止まることなく戦い続ける大学生・船田(21歳/大会時)。  2024年4月の暫定王者決定戦で黒澤亮平に敗れたリトルだが、その悔しさを糧に12月には織部修也をフルマークの判定で下し、再起を果たした。  一方、船田は同じ12月大会で寺岡拓永に判定勝ちするなど、2024年4戦4勝の快進撃でランキング3位に浮上。勢いに乗る恐れを知らぬ若者と経験値に勝るベテランによる世代を超えたストロー級ランカー対決。 リトル「いつか来るぞ、来るぞと思ってた電池くんとの試合、ついに来たなという感じです。明日は最高のリトルを発揮したいと思います。よろしくお願いします」 船田「ずっとリトルさんとやりたいなと思ってたんで、明日は楽しみでしょうがないです。もう気が済むまで動きまくって、リトルさんと2人でクタクタになりたいと思います。お願いします」  1R、開始と同時に両者中央にダッシュして打撃戦にオーソドックスからロー、左ミドルを入れるリトル。船田が左右のパンチで詰めると、リトルのローをキャッチしてテイクダウン。すぐにケージを使って立ち上がるリトルだが、船田はボディロックを放さずすぐにまたテイクダウン。また立たれたがすぐにテイクダウンした船田。今度はサイドで押さえ込んだ。  動いてスペースを作り立とうとするリトルだが、船田がパウンドを入れる。亀になり立ったリトル。船田がバックからたすきに取ってグラウンドに引き込むと、ハーフバックからパウンド。立ち上がるリトル。船田は立ち際にすぐにテイクダウンを奪う。残りわずかでニーオンからパウンドを入れる。1R終了。  1Rのオープンスコアは三者10-9船田。  2R開始直後に飛びヒザを放ったリトル。ヒットせずテイクダウンしたリトルだが、スクランブルで上を取ったリトルがバックに回りヒジ連打。しかし船田が反転して再び上になるとマウント。パウンドを入れる船田。  背中を向けたリトルからバックマウントを取る。四の字バックの体勢でヒジを入れていく船田。パンチ・ヒジを入れ続ける船田。おたつロックの体勢で上になる船田。反転しようとしたリトルにおたツイスターの体勢に。首をロックしたが極まらず2R終了。  2Rも三者船田。  3R、リトルはこのラウンドはゴング直後にダッシュ出来ず。船田のタックルを切れずに下に。ハーフからパウンドを入れる船田。ハーフから左のパウンドを連打する船田。リトルの立ち際に背中に乗った船田。足のフックを外すリトルだが、再びバックに回った船田が左腕を首に回してチョーク。外したリトルだがバックを取られた体勢が続く。  残り1分で、再びおたつロックからパウンドを入れる船田。背負って立ったリトルが振りほどこうとするが背中につき続けてパンチを入れる船田。再び立ち上がったところでチョークに捕らえた船田だがタイムアップ。  ジャッジは三者ともに30-27のフルマークで船田がランキング1位のリトルを下した。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R○大塚智貴(CAVE)4位/2021年NBTストロー級優勝 7勝5敗 56.95kg[判定3-0]※29-28×3×浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉)8位/Fighting NEXUS同級第3代王者 5勝5敗 57.0kg  無骨なファイター・大塚は、2024年6月に山﨑聖哉を豪快な右ストレートで打ち抜き、ベストKO賞を獲得。  対する浜本は、MMA転向前にキックボクシングやラウェイのタイトルを獲得し、RIZINでは那須川天心とも拳を交えた打撃のスペシャリスト。  両者の視線の先にあるのは、伊藤盛一郎の持つフライ級のベルト。ただし、どちらも前戦は黒星。大塚は11月に秋葉太樹に判定0-3負け。同時期に浜本も眞藤源太にスプリット判定で敗れている。ここで敗れれば後がない、意地と生き残りを懸けたサバイバルマッチだ。 大塚「明日はこの歴史に残る大会で、すごい選手たちの中で自分の存在を証明します。よろしくお願いします」 浜本「明日は楽しみます。皆さん応援よろしくお願いします」  1R、両者オーソドックス。インローで牽制する大塚。バックブローを狙った浜本に大塚が右をヒットさせると浜本ダウン!すかさずバックに回った大塚だが、浜本立ち上がりスタンドバックに。正対しようとしたところで大塚が投げてテイクダウン。首を抱えてがぶると、バックに回ろうとしたが、回らせずに立った浜本。正対して離れる。  大塚がパンチと前蹴りで出るが、浜本は右フック・左ボディを打ち込む。大塚はタックルに。切った浜本。浜本が間合いを詰めてボディにヒザを入れると、大塚は四つでケージに押し込んでシングルレッグ。抱えあげてテイクダウンを奪った。がぶりからバックに回る大塚だが、浜本は立って正対。離れ際にパンチを入れた浜本。大塚もパンチを返し1R終了。  1Rはジャッジ三者大塚。  2R、浜本が左フックをヒットさせると、一瞬腰が落ちた大塚。ジャブを入れる浜本に対し大塚がダブルレッグでテイクダウン。すぐに立ち上がり離れた浜本。首相撲からヒザを入れる。大塚は離れ際に右フックをヒット。大塚シングルレッグに。ケージでこらえた浜本に対し、大塚はダブルレッグへ。四つで受け止めた浜本がヒザを出したがローブローとなりタイムストップ。  スタンドで離れた状態から再開。大塚がパンチを打ち込むも、浜本はすぐ首相撲に捕らえてヒザを入れる。大塚は四つでケージに押し込むと膝を着いてタックルへ。入れ替えてケージに押し込んだ浜本がヒジ・ヒザを入れたが、離れ際にパンチをヒットさせる大塚。2R終了。  2Rのオープンスコアも三者大塚。  3R、タックルに入った大塚だが、切られると立ち上がらず引き込み。浜本がガードに入りパウンドを入れていく。打ち込みながら大塚の右足を超えてハーフに。パウンドを入れる浜本。ガードに戻す大塚だが、口が開き気味で消耗が見える。セコンドからは「立てるなら立て」と指示が飛ぶが、浜本はハーフにしてパウンドを入れる。膝で押して離した大塚はその瞬間に立った。  残り1分半。浜本は組んでケージに押し込むtお膝を入れていく。シングルレッグに入る大塚の側頭部にヒジを連打する浜本。シングルレッグで担いでテイクダウンした大塚。残りわずかでバックマウントを取りリアネイキドチョーク。防いで正対した浜本に上からパウンドを入れてタイムアップ。  判定三者29-28で大塚が逃げ切った。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R ×眞藤源太(KINGCRAFT)7位 7勝2敗 56.85kg[2R 2分30秒 肩固め]○ラファエル・リベイロ(ボンサイ柔術)7勝4敗 56.85kg  2024年11月の浜本“キャット”雄大との接戦を制し、ベストバウトを獲得したイケイケファイター・眞藤。現在2試合連続スプリット勝利と競り合いの強さを見せている。  対するは現UFCファイター、フェリペ・ドス・サントスにスプリット判定まで持ち込んだ実力者・リベイロ。PANCRASE初参戦となった前戦では濱田巧にスプリット判定で涙を飲んだ。互いにダイナミックなMMAスタイルで観客を魅了するファイター同士の激突。 リベイロ「おはようございます、日本。この試合にエキサイトしています。この大きな大会で試合をする機会を与えてくれてありがとうございます」 眞藤「明日は思いっきり1Rから行きます、必ず。お願いします」  1R、両者オーソドックス。眞藤のカーフキックが入りバランスを崩したリベイロ。さらに飛び込んでボディにヒザを入れた。眞藤の指がリベイロの目に入りタイムストップがかかる。再開。ステップしながらカーフキックを入れる眞藤にリベイロが右をヒットさせる。リベイロのカーフキックでスリップした眞藤。  ケージ際で立った眞藤にリベイロがダブルレッグでテイクダウン。ガードを取る眞藤。上半身を起こして立ちに行く眞藤に対し、リベイロはパスするとサイドで押さえ込んだ。眞藤がケージを蹴って反転するも、リベイロは上をキープしてパウンドを入れる。眞藤が体を起こすとリベイロがハーフバックからパウンドを入れる。残り15秒でバックマウントを取ったリベイロだが、その体勢のまま1R終了。  1Rのオープンスコアは三者リベイロ10-9。  2R、間合いを詰めるリベイロ。眞藤はカーフキック、飛びヒザを見せる。1Rに比べてステップを減らしてリベイロの動きを見ている眞藤だが、ケージを背負ったところでタックルに入りダブルレッグでテイクダウン。マウントで肩固めの体勢に。眞藤もがくが外せずタップ!  2R2分30秒、肩固めでリベイロ一本勝ち。  リベイロは試合後のマイクで「もう一度ここで戦えるチャンスを与えてもらってありがとうございます。ここにはただ戦うためではなく、チャンピオンになるために来ました。押忍」とコメントした。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R○山口怜臣(TIGER MUAY THAI)3勝1敗 7位/2024年NBT同級優勝 61.65kg[判定3-0]※30-26、30-27×2×平岡将英(KRAZY BEE)7勝8敗 2019年NBT同級優勝 61.35kg  16名がエントリーした2024年のネオブラッドトーナメントでは、11月の決勝で荒田大輝にスプリット判定で競り勝ち、MVPにも輝いた山口。バンタム級ランキング入りを果たし、真価の問われる初戦の相手は、PANCRASEで15戦のキャリアを誇る平岡となった。  平岡は、2020年10月に関原翔に1R TKO勝ち後、井村塁、TSUNE、谷内晴柾に敗れ、連敗脱出をかけた2024年11月大会を無念の負傷欠場。それだけに、今回の試合にかける思いは並々ならぬものがある。  名古屋練習を経て、現在は日々プーケットのタイガームエタイで鍛錬を積む山口が、快進撃を続けるか。それとも、ネオブラ王者の先輩として平岡が意地を見せるか。 山口「プロの本当、一戦一戦であの身体変わるんで、まあそういう緊張感のある試合ができたらと思います。よろしくお願いします」 平岡「欠場が続いてしまっている中で、このようなチャンスをいただいたことにとても感謝しています。今年から新しい環境で練習を始めて自分自身すごく変わったと実感しています。明日は進化した姿を見せて勝ちます。応援よろしくお願いします」  1R、両者ともにサウスポー。山口がシングルレッグでテイクダウン。ガードを取った平岡に密着したままパウンドを入れる。平岡のガードを割ってパスを狙う山口。サイドに出ると強いパウンドを入れる。平岡がハーフに戻すが、山口が上からパウンドをこつこつと入れ続けて1R終了。  1Rのオープンスコアはジャッジ三者とも10-9で山口を支持。  2R、間合いを詰める山口。ケージを背負った平岡にタックルに入る。四つから入れ替えた平岡が離れる。平岡のジャブに山口がシングルレッグからテイクダウン。再びハーフで押さえ込む。パスを狙いながらパウンドを入れていく山口。下で動けない平岡。足を抜いてサイドに出た山口。サイドから肩固めを狙いながらヒジを入れる。平岡がハーフに戻したところで2R終了。  2Rのオープンスコアも三者10-9で山口。  3R、平岡がワンツーを入れるが、山口に詰められるとケージを背負う。ダブルレッグでテイクダウンを奪うが、平岡は寝かされずにケージを使って立ち上がり離れた。ジャブを入れる平岡に山口はシングルレッグからボディロックすると足を掛けてテイクダウンまたハーフで押さえ込んだ。パスしてサイドに出る山口。 半身になった平岡に強い右のパウンドを入れる。ガードに戻す平岡をすぐにパスした山口。サイドから鉄槌・ヒジを入れていく。またガードに戻そうとした平岡に左右のパウンドを入れる。立った平岡をすぐにテイクダウンしてサイドについた山口。残りわずかでニーオンから左右のパウンドを入れるがタイムアップ。  判定30-26、30-27×2の3-0で山口勝利。  完勝した山口だが、U-NEXTで解説を務める大沢ケンジと石渡伸太郎からは、フィニッシュを狙いに行く姿勢を見せてほしいという要望も寄せられた。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R○荒田大輝(パラエストラ八王子)4勝1敗 61.4kg[2R 0分51秒 KO]×ギレルメ・ナカガワ(ボンサイ柔術)1勝2敗 62.05kg ※100g体重超過  16名がエントリーした2024年のネオブラッドトーナメントで決勝まで駒を進めるも、MVPに輝いた山口怜臣にスプリット判定で惜敗した荒田。  対するは、2024年12月の渡邉泰斗戦で流れるような動きから腕十字固めを極め、ベストサブミッション賞を手にしたギレルメ。  勝利を掴むのは、前戦の悔しさを糧に過酷な鍛錬を積んできた荒田か、それとも柔術黒帯の極め力を誇る“ボンサイ柔術のホープ”ギレルメか。 荒田「前回負けて悔しい部分がいっぱい残ってるんで、明日は進化した部分をぶつけたいと思います」  ギレルメが初回計量で62.05kg。午後3時までの再計量で61.75kgと、+1ポンド規定より100gオーバーに。対戦相手の荒田大輝(パラエストラ八王子)が試合を承諾したため、61.75kgのキャッチウェイトで試合は行われる。   バンタム級だったが、ギレルメが100gオーバーし、キャッチウェイトに。  荒田は3勝1敗の21歳。パラエストラ八王子所属。昨年のネオブラッドトーナメントでプロデビューし、2連続一本勝ちを含む3連勝で決勝まで進出したが、山口怜臣にスプリット判定で敗れてプロ初黒星を喫し、準優勝に終わった。バックボーンは柔道。  ギレルメは1勝1敗の25歳。ボンサイ柔術所属。昨年の格闘代理戦争-THE MAX-に出場し、準決勝で優勝した中村京一郎にパウンドでKO負けした。昨年9月にパンクラスで行われたプロデビュー戦では、安藤武尊に1R三角絞めを極めかけるもタップを奪えず、後半スタミナ切れし逆転判定負け。12月の2戦目は同じボンサイ柔術の佐藤ゆうじに勝っている渡邉泰斗相手にバックマウントから腕十字に移行してタップアウトを奪い、プロ初勝利を挙げている。  1R、サウスポーの荒田にギレルメはオーソドックス。荒田がジャブから左ストレートを打ち込む。ギレルメがタックルに入ると上を取った荒田だが、下から三角→ヒップスローを瞬時に仕掛けるギレルメ。荒田離れて立ち上がる。ジャブ、左ストレートがギレルメの顔面にヒット。 荒田のワンツーを被弾したギレルメだが、ダブルレッグからスタンドバックに回ると投げてテイクダウン。すぐに足をフックし四の字ロックに。バックからパウンドを入れるギレルメ。バックから横三角・腕十字に移行したが、外して立った荒田。残り時間わずかだが、パンチを打ち込む荒田。1R終了。  1Rのオープンスコアはジャッジ三者とも荒田。ギレルメのサブミッションの仕掛けよりも荒田の打撃を評価する内容に。 2R、ワンツーを入れた荒田。さらにワンツーがヒットしギレルメダウン。座った体勢のギレルメにグラウンドに持ち込ませないままパンチを入れる荒田。立ったギレルメに荒田がワンツーを入れると、効いて顔を背けたギレルメを見てレフェリーストップ!  2R51秒、荒田KO勝ち。  荒田は試合後のマイクで「前回ネオブラ決勝でスプリット判定負けしたのが悔しくてめっちゃ練習しました。これからバンタム級を荒らして行くんで、荒田大輝のファンになってください」とアピールした。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×小原統哉(THE BLACKBELT JAPAN)5勝3敗 61.3kg[2R 1分39秒 肩固め]○神部篤坊(ABLAZE八王子/初参戦)6勝1敗 61.5kg  2024年2月、試合開始早々に上野惇平をフロントチョークで絞め落としベストフィニッシュを獲得した小原。5月に合島大樹には敗れたものの、11月の久保達也戦で判定勝ちし、再起を遂げている。  20歳(大会時)にしてプロ7戦のキャリアを誇り、実力者の合島と菅歩夢以外には負けなしの期待の新鋭だ。  対するはFighting NEXUSでデビュー以来5連勝の快進撃を飾った神部。11月の前戦ではFighting NEXUSバンタム級王座次期挑戦者決定戦で中桐涼輔に判定負けで初黒星も、強い組みに対応を見せている。  小原は5勝のうち小原は2つのサブミッション、神部は2つのKOによるフィニッシュと、違う武器をもつ両者の戦いになる。 小原「明日はこちらのKOか一本でフィニッシュします」 神部「Fightin Nexusから来ました。ABLAZE八王子所属の神部篤坊です。この試合は査定試合だと思うんで、初っ端から1Rから飛ばして。KOか一本してフィニッシュして、ランカーに挑戦したいと思います」  小原は5勝2敗で、3月に20歳になってからの初戦。軽量級の若いプロスペクトが日本で最も集結しているTHE BLACKBELT JAPAN所属。2023年のネオブラッドトーナメントでは決勝で1RKO負け。その後は3勝1敗で、5年ぶり復帰の合島大樹にKO負けしている。バックボーンは柔道。  神部は5勝1敗の25歳。ABLAZE八王子所属。Fighting NEXUSでキャリアを積んできており、プロデビューから5連勝し、タイトル挑戦目前まで行ったが、前戦で中桐涼輔に判定負けしてプロ初黒星を喫した。今回がパンクラス初参戦。こちらも柔道がバックボーン。  1R、サウスポーの小原に神部はオーソドックス。関節蹴りを見せる小原。神部は右ミドル。小原の左フックに合わせて組み付いた神部がテイクダウンするが、小原はすぐにアームロックの体勢へ。神部の右腕にアームロックを仕掛けつつ、左腕を両足でホールド。神部が左腕のロックを外すと腕十字へ。神部がディフェンスして立つが、小原はスタンドでバッククリンチしてテイクダウンを狙う。神部もバックを取られた体勢からのアームロックを狙う。離してシングルレッグに切り替えた神部だが、小原はヒジを打ち込み抵抗。1R終了。  1Rは三者小原。  2R、小原のタックルをがぶった神部。がぶりから寝かせようとする神部。ハーフの体勢で小原が外ヒールを仕掛ける。回転して外した神部が押さえ込むと肩固めへ。サイドに出て絞めると小原タップ!  2R1分39秒、肩固めで神部が一本勝ち。  パンクラスデビュー戦を一本勝ちで飾った神部は、試合後「緊張もしちゃって固くなっちゃったんですけど、早めにフィニッシュできたんで、次ランカーと組んでください、お願いします」とマイクで要求した。 [nextpage] 【プレリミナリーファイト】 ▼フライ級 5分3R○赤﨑清志朗(香取道場)8勝9敗 57.0kg[1R 3分39秒 TKO]×中村大信(Battle-Box)3敗 56.3kg  赤崎は11月の前戦で嶺大基に2R リアネイキドチョークで一本勝ち。中村は目怒頑丈、渡辺謙明にいずれも判定負けで白星を目指す。 赤﨑「明日はしっかりフィニッシュして大会盛り上げるための起爆剤になるような試合にしたいと思います。熱い試合結構あるんですけど、フレリミナリーからしっかり注目してもらえると嬉しいです」 中村「フィジカルでも技術でも圧倒して、もうプレミアリーから盛り上げた試合作り上げていこうと思います。よろしくお願いします  赤﨑は7勝9敗の34歳。香取道場所属。2017年にパンクラスでプロデビューし、以来パンクラス一筋。昨年まで3連敗していたが、11月の嶺大基戦でリアネイキドチョークで一本勝ちして連敗を止めている。  中村は0勝2敗の25歳。Battle-Box所属。昨年プロデビューしたが、ここまで2戦連続判定負け。大学ではアメリカンフットボール部に所属しており、そこで鍛えたフィジカルが武器。  1R、両者オーソドックス。中村がパンチからタックルに入りケージに押し込むが、倒せずに離れる。左右のフックからタックルに入る中村だが、赤﨑がヒザを合わせる。そのまま組み付いてケージに押し込む中村。自ら離れた。赤﨑がジャブを出しながら出る。中村は大振りのフックを合わせようとするがかわした赤﨑。ジャブがヒットしダウン気味に倒れた中村。すぐに立ち上がるが、赤﨑が詰めていきパンチを入れる。赤﨑一転してタックル。ボディロックから抱えあげてテイクダウンを奪うと、側頭部をマットに打ちつけた中村の意識が飛び、鉄槌連打をもらいKO!  1R3分39秒、TKOで赤﨑勝利。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R×松岡 拓(OOTA DOJO)1勝2敗 65.85kg[判定0-3]※28-29×2、27-30○関 翔渚(BRAVEGYM)1勝 66.05kg  OOTA DOJOの松岡は修斗で1勝1敗。井上翔太に判定勝ち後、歩生の三角絞めに一本負け。BRAVEGYMの関は185cmの長身で今回がプロデビュー戦となる。 松岡「プレミナリーファイトなんですけど、一試合目なんで盛り上げたいと思います」 関「一試合目から盛り上げるんで、応援お願いします」  松岡は1勝1敗の23歳。OOTA DOJO所属。昨年の格闘代理戦争-THE MAX-に一般公募枠で予選を勝ち上がり出場するも、初戦で青木真也推薦の中谷優我に3R押さえ込まれる展開で判定負け。7月に修斗でプロデビューし、新人王トーナメント初戦で判定勝ちしたが、準決勝では1R三角絞めで敗れている。今回がパンクラス初参戦。  関はプロデビュー戦となる24歳。BRAVE所属。2月のネオブラッドトーナメント一回戦にエントリーしていたが負傷欠場している。  1R、両者オーソドックス。左右のパンチを打ち込む関。カーフキック。リーチに勝る関がジャブで間合いに入らせない。松岡は被弾しながらもカーフキックを返すと足が流れる関。松岡のローにパンチを合わせる関。松岡タックルに入ったが足に触れさせずに切った関。松岡右オーバーハンド。ジャブから右を入れる関。左右の連打。パンチで飛び込んだ関を組み止めてケージに押し込んだ松岡だが、関が振りほどいて離れる。松岡の飛び込んでの右がヒット。松岡のローで左足の太ももが紫に変色している関。1R終了。  1Rのオープンスコアは、ジャッジ三者とも関のパンチを評価して関の10-9。  2R、ローで太ももを蹴っていく松岡。ジャブを入れていく関だが、松岡はジャブからローキック。関がワンツーをヒットさせるが、松岡も右オーバーハンドを打ち込む。関が左右のパンチからカーフキックをヒット。距離が近くなり、松岡もパンチを返すと、関はヒジを打ち込む。松岡タックル。スプロールして切った関だが、松岡は先に立ち上がると左右のパンチをヒットさせる。左右のフックを入れる松岡。残り僅かで胴回し回転蹴りを見せた関。2R終了。  2Rのオープンスコアは一者松岡、二者関で評価が割れた。  3R、パンチからタックルに入る松岡だが、また切った関。左右のパンチを入れる関に対し、松岡は左右のフックを振るが、やや間合いが遠くヒットしない。タックルも同じようにスプロールして切る関。パンチからヒザを入れた関。松岡が間合いを詰めてパンチを入れるが、関のパンチも被弾している。松岡のローキックがローブローとなりタイムストップ。残り1分24秒から再開。松岡が伸び上がるように左右のフックを打ち込むと、関もパンチを打ち返す。松岡のヒジがヒットし関の動きが止まる場面もあったが、両者最後まで打ち合いを続けタイムアップ。  判定三者29-28×2、30-27の3-0で関がプロデビュー戦で勝利。
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