「石の拳」リネカーの圧力とアンドラージの多彩な打撃
ONEバンタム級王者のリネカー(32歳)はUFCで6連勝後にTJ・ディラショーに敗れるも、マルロン・ヴェラ、ブライアン・ケレハーに連勝。2019年4月にコーリー・サンドヘイゲンに大接戦のスプリット判定で敗れ、UFCリリース。
ONEでムイン・ガフロフ、ケビン・ベリンゴン、トロイ・ワーゼンを下すと、2022年3月に当時の王者ビビアーノ・フェルナンデスに挑戦し、2R 左フックでKO勝ち。王座を奪取している。MMA35勝9敗のベテランで、現在3試合連続KO・TKO勝ち。
対する“ワンダーボーイ”アンドラージ(24歳)は、タイガームエタイ所属で立ち技の「Kunlun Fight」や「WLF(武林風)」で活躍するなど、キックボクシングで28勝1敗の戦績を誇る。柔術も学び、2020年7月のONEデビュー戦では、マーク・アベラルドを2R、リアネイキドチョークで極め、2戦目でランカーの佐藤将光に判定勝ち。
2021年12月には、中国のリー・カイウェンに左前蹴り・左ヒザを効かせてのパウンドで1R TKO勝利。さらに2022年2月にジェレミー・パカティウをカウンターの左ヒザで1R KOに降すと、2022年6月にクォン・ウォンイルにも左三日月蹴りで1R KO勝ち。3試合連続KO・TKO勝ちで、MMA7連勝中(8勝2敗)だ。
オーソドックス構えから“石の拳”の圧力で上下にも打ち分けてKO勝ちを量産してきた王者と、左右どちらでも強打を持ち、立ち技でのMMAムエタイも装備するアンドラージは、パンチのみならず蹴りでのKO勝ちも多く、頭を下げてくる相手には脅威のヒザも待っている。ブラジル人同士の王座戦はKO決着必至の戦いとなりそうだ。