2019年7月28日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催される「RIZIN.17」の追加対戦カードが発表された。
MMAの71kg契約で北岡悟(日本/ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜)とジョニー・ケース(米国/MMA LAB)が対戦。キックボクシングでは、67kg契約で渡部太基(日本/TEAM TEPPEN)とケビン・ロス(米国/CSA Gym)が対戦する。
▼RIZIN MMAルール(71.0kg)5分3R ※ヒジあり北岡 悟(日本/ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜)ジョニー・ケース(米国/MMA LAB)
元DEEP&戦極ライト級王者の北岡悟は、RIZINでは元UFCファイターのダロン・クルックシャンク、川尻達也に勝利し、矢地祐介、ストラッサー起一(75kg契約)、ディエゴ・ブランダオン、ホベルト・サトシ・ソウザに敗れている。
対するジョニー・ケースはUFC4勝2敗。2014年9月のUFC JAPANで徳留一樹にギロチンチョークで一本勝ち後、フランキー・ペレス、フラシスコ・トレヴィノ、ヤンカブラルに連勝。ジェイク・マシューズとトニー・マーチンに敗れている。
168cmの北岡に対し、ケースは178cmの長身。さらに184cmのリーチから繰り出される、左のロングフック、そして奥の手の右ストレートが長く、多くのファイターを苦しめている。
2018年年末のRIZINデビュー戦でケースは、矢地祐介を相手に圧力をかけ、ワンツーで矢地の右目尻をカットさせレフェリーストップ勝ち。25勝のうち17勝が打撃による勝利、さらに1Rでの打撃の勝利が14勝と、決定力のある打撃を誇る。また、レスリングベースらしく重い腰を持ち、がぶりからのギロチンも得意としている。
北岡は、前戦2019年4月にサトシに2R TKO負けを喫したものの、序盤の展開は持ち味を発揮しており、UFCで大きく勝ち越しているケースを相手にどんな動きを見せるか。リーチ差を補うスタンドでのアプローチ、そして力強さもあるケースの組みに、MMAの組み技師としての北岡の真価が問われそうな、厳しいカードだ。
いずれにしても、RIZINの同級は強豪ぞろい。勝者は、10月12日(エディオンアリーナ大阪)で開幕するライト級GP参戦に近づくことになる。
矢地戦に続く、RIZIN2戦目となるジョニー・ケースは、北岡戦に向け、「さいたまアリーナで再び日本のファンに楽しい試合を披露できることができて嬉しいよばフィニッシュするファイターとしての地位を確立するためにも、自分がRIZINグランプリ優勝最有力候補だと証明するためにも、過去に様々な強敵を倒してきている北岡の様なレジェンドは最適の相手だ。10月から始まるグランプリにベラトール代表としてパトリッキー・“ピットブル”・フレイレが送り込まれたが、こういう相手達としのぎを削り合って勝ち残ってこそ、真の世界王者と言えるだろう。俺はこういう機会をずっと待っていた。だからこんな所でつまずいていられない。7月は全力で倒しに行く」と意気込みを語っている。▼RIZINキックボクシングルール(67.0kg)3分3Rケビン・ロス(米国/CSA Gym)178cm渡部太基(日本/TEAM TEPPEN)174cm
キックボクシングルールでは、米国ムエタイ界の先駆者で元Bellatorキックボクシングフェザー級王者のケビン・ロス(38)がRIZIN初参戦。
2003年からムエタイを始め、数多くのムエタイ世界王者を育成したマスター・トディの下で研鑽を積み、08年にFIDAMムエタイ世界ウェルター級王者を皮切りに、09年にはWBCムエタイウェルター級アメリカ王者、WBCムエタイインターナショナルスーパーライト級王者、USMF Proナショナルウェルター級の三冠を獲得。12年にWBCムエタイインターナショナルスーパーライト級の防衛戦で大和哲也と対戦する予定だったが怪我による手術のためドクターストップとなり、ベルトを返上した。
14年にLion Fightスーパーライト級選手権を優勝し、チャンピオンとなる。そして15年3月に大和と防衛戦を行い、1R TKOで敗れて王座陥落を喫する。16年からBellatorキックボクシングに戦場を移し、3連勝を飾ると17年9月にドメニコ・ロムルノを判定で下してフェザー級チャンピオンとなった。その後、17年12月のBellator Kickboxing 8でハムザ・イマネにスプリット判定で敗れ、18年7月にガブリエル・ヴァルガの挑戦を受け、1R TKOで王座陥落。59戦45勝14敗、14(T)KO。「魂の暗殺者」の異名を持つBellatorキックの雄が、RIZINで再起を図る。
対する渡部太基は、今回のRIZIN.17でキャリア50戦となる元Krushウェルター級王者。06年3月に行われた全日本キックSWORD FIGHT 2006でデビューし、KrushやM-1、REBELSのリングに上がる。11年1月のREBELS.6のWPMF日本ウェルター級王座決定トーナメント決勝戦で田中秀弥を1R TKOで沈めて初代王者に。13年にはRISEに参戦し、11月に初代RISEウェルター級王座決定戦でダニロ・ザノリニに判定で敗れてタイトルを逃す。14年10月からKrushを主戦場に移し、倒すか、倒されるかの激闘で記憶に残るファイトを繰り広げる。16年1月に行われたKrush -67kgタイトルマッチで牧平圭太に挑み、判定勝利で第4代チャンピオンとなり、K-1にも3度出場を果たす。
その後、18年8月にTEAM TEPPENにジムを移し、約4年振りにRISEに参戦。11月に行われたRISE 129で“ブラックパンサー”ベイノアとRISEウェルター級王座決定戦の新王座を争い、1ラウンドに目を負傷するアクシデントに見舞われ、粘り強く戦うも判定で敗れてタイトルを逃す。19年5月のRISE132では中島将志にも判定で敗れており、パワフルなパンチとハイキックを得意とするサウスポーの渡部は、その前進力をいかに勝利に繋げるか。
49戦22勝23敗2分(13KO)の戦績を持つ渡部太基は、「RIZINという最高の舞台で最強の相手と戦えることを嬉しく思います。RIZIN vs.Bellatorの流れがありますが、日本代表としてベラトールキックを迎え撃ちます。この試合で終わってもいい、覚悟を持って挑みます」と決意を記し、対するケビン・ロスも、「私は日本という国の歴史と文化に深い尊敬の念を抱いている。Bellatorキック代表として格闘技をリスペクトする日本のファンの前で皆が唸る様なパフォーマンスを見せたいと思います」と意気込みを語っている。
激闘派キックボクサーとBellatorキックからの刺客、両者ともにキャリアの生き残りを賭けて勝負に挑む。