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【Bellator】ゲガール・ムサシが王座陥落! 柔術世界王者のロバトJrが新ミドル級王者に。デイリーが復活勝利。キック&柔道女王キーホンツが勝利

2019/06/23 16:06
6月22日(日本時間23日)、英国ロンドンのSSEアリーナで「Bellator London」および「Bellator 223」が行われた。 「Bellator London」メインでは、Bellator世界ミドル級選手権試合が行われ、8連勝中の王者ゲガール・ムサシに、サウロ・ヒベイロの黒帯で2007年ムンジアル優勝のラファエル・ロバトJrが挑戦した。 当初、2019年1月に対戦予定だった両者だが、ムサシの負傷欠場により延期、今回のロンドン大会での激突となった。33歳にして45勝6敗2分のムサシに対し、35歳のロバトは2014年9月にMMAデビューしてから10戦負け無し。BJ・ペンに次ぐ2人目の米国人黒帯ブラジリアン柔術世界王者でもある。 試合は、1Rからテイクダウンを奪うロバトに対し、ムサシはスタンド勝負。4Rには右アッパーでダウンも奪うが、ジャッジはテイクダウンからバックコントローでドミネートしたロバトを評価し、判定2-0でロバトが新Bellator世界ミドル級王者に輝いた。 また、「Bellator 223」では、ここまでジョン・フィッチ、マイケル・ペイジに連敗中だったポール・デイリーがエリッキ・シウバから右アッパーでダウンを奪い判定勝利。2017年9月のロレンツ・ラーキン戦以来の白星を掴んでいる。 ほか試合では、ライトビー級で日本でも馴染み深いメルヴィン・マヌーフが、2015年11月の加藤久輝戦以来となる3年7カ月ぶりの勝利を判定でつかみ、女子フライ級ではオランダのキック(Bellatorキックボクシング女子初代フライ級王者)&ジュニア柔道王者(2003年 U15オランダ全国大会優勝)のデニス・キールホルツが袈裟固めからのパウンドでTKO勝利し、MMA戦績を3勝2敗としている。 ▼Bellator世界ミドル級選手権試合 5分5R×ゲガール・ムサシ:(王者/オランダ)[5R判定2-0]※47-47,48-47×2○ラファエル・ロバトJr(挑戦者/米国) 1R、ともにオーソドックス構え。近めから右をダブルで突くロバト。さらに左ミドルもヒット。ムサシは左ボディストレートを突く。ロバトは得意の右前蹴りを打点高く、ムサシの鼻先をかすめる。左奥足ローはムサシ。ロバトも左ハイで牽制。しかし圧力をかけていくムサシはワンツー! 頭を傾けながらも右をもらったロバトは首相撲にとらえ、右ヒザを突く。ケージまで押し込むムサシ。体を入れ替えたロバトは右で差してダブルレッグ狙い、あるいは四つに組み直して手前に引き出そうとするが、ムサシは金網背に左でオーバーフック。体を入れ替えると離れ際に左ボディを突いて前進! 下がるロバトだが、ニータップからテイクダウンを奪うことに成功。ハーフから左で枕に巻き、右で脇差しマウント狙い。下のムサシは胴で腕を回し、頭を胸につけバタフライガードで凌ぎ、足を越えさせず。しかし、左で脇差しに変えて右にパスガードしたロバト。マウントを狙うが、そこで跳ね上げフックしている足を戻しマウントは許さないムサシ。ならばとロバトはサイドからニーオンでピン刺し、マウントへ。ムサシがスクランブルで立ちに行くと、そこにギロチンチョークを合わせるロバト! ムサシが頭を抜くと、ロバトが上からヒジを落としてゴング。 2R、跳び蹴りで近づくロバト。さらに右前蹴りからダブルレッグも、切るムサシにロバトは引き込みへ。ハーフガードから右で差して、ハーフにからめていた右足をそのままムサシの左足に外側からかけてバックをうかがう。ムサシはその顔にヒザ蹴りを放つが、そのバランスが崩れたところをロバトは小外がけで後方にテイクダウンを奪う。尻餅をつくムサシは、すぐに金網際まで這い、上体を立てるが、両足を引くロバトはいったんは背中を着かせるが、バタフライガードから上体を金網に立てたムサシ。 その立ち際をギロチンも狙うロバトに、腕をはがしながら立つムサシ。スタンドへ。左ハイを打つロバト。ブロックするムサシの動きに合わせてボディロックするロバトだが、左で小手に巻いたムシサが小手投げ! なおも右を差したまま外掛けで立とうとするロバト。一転、ハーフから前方に崩してスイープを狙うが、手を前についたムサシが耐えると、そこをさらに前方に煽って崩したロバトがバックへ! ムサシはすぐに立って金網を背につけてスタンド。左は小手に巻いたまま正対する。 なおも右を深く差しているロバトは腰を入れながら前方にムサシを崩すと、ここも立ったムサシはケージ背にヒザ蹴り。左での差しに変化したロバトは押し込むが、両者離れ際にヒジ打ちをねらう。スタンドで今度は圧力をかけるのはムサシ。左の長いジャブを刺して当てる。さらに前蹴りからワンツー。サークリングするロバトはムサシの左ボディ打ちを回ってかわす。向き合い、いきなり右をジャブ代わりに伸ばすロバト。追うムサシに対し、徹底して金網づたいにサークリングし、ゴング。組みのロバトに打撃を打ちたいムサシ。ケージサイドではホイス・グレイシーもロバトの戦いを見守る。 3R、左ローはムサシ。しかしロバトは前足にシングルレッグへ。左足を持ち上げると、軸足を払ってテイクダウン! 背中を見せつつ金網まですぐに走るムサシとバックを追うロバトはムサシの右脇を潜り、スタンドバックへ。バックから払い腰を狙うロバトに金網に頭をつけてバランスを保つムサシ。ロバトは背後からボディロックし投げ、引き込みを狙うが、ムサシは倒れない。ついにバックから引き込んだロバト。レッグドラッグの体勢で上を取るとパウンド! さらに強い左のヒジ打ち! たまらず下から蹴り上げるムサシの足についていくロバトは片足をパスして、左で脇差しパスガードを狙うが、ムサシも右で小手に巻き、左足をフックガードでなかなか超えさせない。しかし、ロバトはついに右足でまたぎフルマウントへ! 抱きつくムサシを剥がしてヒジ打ち狙い。すぐに亀になるムサシについていくとバックへ。足で胴を4の字にロックし、リアネイキドチョークを狙う。 背後のロバトの右手を掴んで前に落とそうとするムサシ。クローズドのまま前方に落ちたロバトに、ムサシがパウンドを狙うと、足を解くロバトは右手でムサシのヒザ裏をすくい、スイープ狙い。さらに両足で三角に組もうとするが、抜けたムサシは上から中腰でパウドを狙う。なおもシングルレッグを狙うロバトを潰してパウンドを放つムサシ。亀の状態からヒップアタックでニーシールドガードに持ち込むロバト。中腰で潰しながらムサシがパウンドを入れて、3R終了のゴング。ロバトは疲労からか、しばらく正座してからコーナーに戻る。 4R、先に中央を取るムサシ。圧力をかけると右ロー。回るロバトにジャブ、右ストレート。ガードするロバトは組みを混ぜて飛び込む。さらにニータップも、ここは切るムサシ。頭を下げて左ジャブを突くロバトに、右アッパーを狙うムサシが前進。しかしロバトは首相撲ヒザ突き離れる。さらにダブルレッグも、切るムサシが右アッパー。追うムサシに左に回るロバト。ムサシの右ストレートはその外側の左にかわす。互いに右を振りながら金網に詰まったロバトは左ハイキック。それを掴んだムサシだが、ロバトも足を抜く。ダブルレッグを切られガードを取るロバト。スタンドのムサシは足を1発蹴るも離れると、レフェリーがブレーク。スタンド再開。 圧力をかけるムサシは右から左で前進し金網に詰めると右アッパー! ロバトは尻餅をついてダウン。しかし目はムサシを離さず、ガードの姿勢を取る。中腰からパウンドを放つムサシ。草刈で足首をつかみ、下からムサシの頭を鉄槌で叩くロバト。さらに得意の外がけからサドルロックを狙うが、すぐに後ろを向いて足を抜くムサシ。その際で立ってバックを狙うロバト。走って間を取るムサシにロバトはガードのまま。レフェリーに立てと要求される。 追うムサシに回るロバトは左ミドルハイ。さらにムサシのジャブに合わせて前足にシングルレッグはロバト。しかしムサシはここも足を抜く。下からガードに誘うロバトに、つき合わず離れてスタンドを待つムサシ。スタンド再開。左で飛び込むロバトの打ち終わりに右ストレートを打ち下ろすムサシ。さらに圧をかけてワンツー。ガードするロバトとスタンドで向き合ったところで4R、終了のゴング。 5R、最終ラウンド。両手を合わせた両者。左ハイで牽制してから先に前に出るのはロバト。ニータップで押し込みながら左を突く。そこに4R同様に右アッパーを狙うムサシ。かわすロバトは、金網につめてダブルレッグでクラッチを尻下で組むとテイクダウン! 上体をケージで立てるムサシの腰をつかみ、ムサシが縦ヒジを落とそうとするとすぐに両足を浮かせてムサシの支点を無くす。さらに両足でムサシの両足を束ねて前方に引き、背中をマットに着かせると左で差してマウント狙い。上体を立てようとしたムサシの首をがぶってから、バックを狙うロバト。ついにバックマウントへ! 4の字で胴をロック。腕を潜ろうとするムサシを潜らせず、ついに右腕をアゴ上からとらえ、手の平を合わせたパームトゥパームの形でリアネイキドチョークへ! ここは極めさせないムサシ。しかしロバトも背後からパウンド。再三チョークを狙う。さらにバックから鉄槌を連打! 残り20秒、ボディトライアングルから手数は減るロバトだが、ムサシも正対はできず。背後から細かいパンチを入れて、試合終了のゴング。両手を挙げたのはロバトだが……。 明確に取ったラウンドは、4Rのムサシのダウン奪取と5Rのロバトのドミネートか。ほかは打撃のムサシ、組みのロバトと、どのラウンドも一進一退だったが……判定は1者47-47のドロー、2者が48-47でロバトを支持し、挑戦者がムサシを下し、Bellator世界ミドル級王座を奪取。ロバトはひざまずいて歓喜。泣きながら対戦相手のムサシと周囲に感謝の言葉を述べた。 ▼ライトビー級 5分3R○メルヴィン・マヌーフ(オランダ)[判定3-0]※29-28×3×ケント・カウピネン(英国) ▼ウェルター級 5分3R○オリヴァー・エンカンプ(スウェーデン)[1R 4分54秒 リアネイキドチョーク]×ウォルター・ガハージャ(英国) ▼160ポンド契約 5分3R○アーロン・チャルマース(英国)[2R 4分05秒 三角絞め]×フレッド・フリーマン(米国) [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R○ポール・デイリー(英国)[判定3-0]※29-27×3×エリッキ・シウバ(ブラジル) 1R、ともにオーソドックス構えから、スイッチして左を伸ばすシウバ。ガード固めてじりじりと圧力をかけるデイリーにシウバはダブルレッグテイクダウン! 金網際でボディロックからバックを奪うシウバは両足フック。リアネイキドチョークを狙う。 2R、左フックから右アッパーで詰め、さらに右アッパーでダウンを奪うデイリー! 金網に詰めて左右の連打、バックヒジも! ダブルレッグに来たシウバを切り、デイリーの右アッパーは空をきるが、強烈な左ボディを当てる! 跳びヒザ、前蹴りで突っ込むデイリー。 シウバも押し返し首相撲からヒザを突き返す。シウバのダブルレッグを切るデイリー。引き込み自らガードを取るシウバ。デイリーのパウンドに一瞬、動きが止まるがクローズドガードの中に入れる。デイリーもここは疲れたか。インサイドガードから細かいパウンド。 3R、サウスポー構えになるシウバ。オードソドックス構えに戻すと首相撲からヒザ狙い。はがすデイリーは大きな右を強振もかわすシウバ。デイリーは右ミドルを当てる。さらに右ハイはシウバがブロック。四つから押し込むシウバだが、自ら離れる。右ボディはデイリー。さらに左ボディから跳びヒザ! そこをダブルレッグテイクダウンはシウバ。しかしデイリーも亀になり立つ。判定は3-0でダウンを奪ったデイリーが勝利。36歳、戦績を41勝17敗2分とした。 ▼140ポンド契約 5分3R○ジェイムス・ギャラガー(アイルランド)[判定3-0]※29-28×3×ジェレマイア・ラビアーノ(米国) ▼ミドル級 5分3R○ファビアン・エドワーズ(英国)[判定3-0]※30-27×3×ジョナサン・ブスク(フランス) ▼女子フライ級 5分3R○デニス・キールホルツ(オランダ)[3R 2分38秒 TKO]×ブライオニー・タイレル(英国) ※再三投げてテイクダウン奪うキーホルツが首投げから袈裟固め&アームバーに固め、パウンド。 ▼ミドル級 5分3R○コステロ・ファン・スティーニス(オランダ)[2R 1分34秒 TKO]×マイク・シップマン(英国) ▼ミドル級 5分3R○チャーリー・ワード(アイルランド)[2R 3分23秒 TKO] ※パウンド×ジャスティン・ムーア(英国) ▼ライト級 5分3R○チャーリー・レアリー(英国)[判定3-0]※30-25×3×クリス・バンガード(スコットランド) ▼女子フライ級 5分3R○ケイト・ジャクソン(英国)[1R 4分15秒 TKO]※マウントからのヒジ打ちでカット×レナ・オブシニコヴァ(ウクライナ) ▼160ポンド契約 5分3R○テリー・ブレイザー(英国)[3R 2分17秒 アメリカーナ]×アレッサンドロ・ボッチ(イタリア) ▼フェザー級 5分3R○ルーク・アード(英国)[判定3-0]×ネイサン・ローズ(英国) ▼ライト級 5分3R○アルフィー・デイヴィス(英国)[判定3-0]※29-27×3×ジョージ・カネラ(ブラジル) ▼ウェルター級 5分3R○ジャスティン・バーリンソン(英国)[1R 0分09秒] ※口頭アップ×ウェンデル・ルイス(英国) ▼ウェルター級 5分3R○ガロー・ボーファンド(英国)[判定3-0]※29-28,30-27×2×キース・マッケーブ(アイルランド) ▼ミドル級 5分3R○ケヴィン・フライヤー(英国)[判定2-1] ※29-28, 28-29, 29-28×ジョン・レッドモンド(アイルランド) ▼バンタム級 5分3R○フランス・ムランボ(南アフリカ)[2R 4分22秒 ギロチンチョーク]×ネイサン・グレイソン(英国)
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