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【UFC】“コリアンゾンビ”チャンソンがモイカノに58秒TKO勝ち、朱里は判定負け

2019/06/23 10:06
【UFC】“コリアンゾンビ”チャンソンがモイカノに58秒TKO勝ち、朱里は判定負け

(C)Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC 

2019年6月22日(日本時間23日)、米国サウスカロライナ州グリーンビルのヴォン・サクオアース・ウェルネス・アリーナにて、「UFC Fight Night: Moicano vs. Korean Zombie」が開催された。

メインでは、フェザー級でブラジルのヘナト・モイカノと韓国のジョン・チャンソンが対戦。

モイカノは2019年2月にジョゼ・アルドにキャリア初のKO負けを喫し、対するチャンソンも2018年11月の前戦でジャイー・ロドリゲスにKO負けしており、6カ月ぶりの再起戦となった。

試合は、モイカノの左をかわしたチャンソンが右ストレート一閃! さらに返しの左フックも当ててダウンを奪うとパウンド連打でTKO勝ち。“コリアンゾンビ”チャンソンがしっかり相手の打撃をかわしての強打を爆発、見事、再起を果たした。

また、米国のアシュリー・ヨーダと対戦した日本の近藤朱里は、ヨーダのシングルレッグからのテイクダウン、バックコントロール&パウンドを打開できず。判定3-0で敗れ、UFC3連敗となった。

▼フェザー級 5分5R
○ジョン・チャンソン(韓国)
[1R 0分58秒 TKO]
×ヘナト・モイカノ(ブラジル)

MMA13勝2敗1分のモイカノは2019年2月にジョゼ・アルドにKO負けを喫して以来、約5カ月ぶりの試合。アルド戦がキャリア初のKO負けだった。14勝5敗のチャンソンも2018年11月の前戦でジャイー・ロドリゲスにKO負けしており、6カ月ぶりの再起戦となる。チャンソンも2013年8月にアルドにKO負けを喫している。

1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブから入るチャンソン。モイカノはローキックを返す。さらにモイカノは左ジャブへ。これを左にかわしたチャンソンは右ストレートをアゴにヒット! 崩れるモイカノに返しの左フックも当てるとモイカノはダウン。

倒れる際でさらに左を浴びせるチャンソン。パウンドからマウントを奪うチャンソンの打撃に、亀になるモイカノは正対を試みるが、バックマウントからのパウンド連打を受けたモイカノの身体が伸び、レフェリーが間に入った。

コリアンゾンビがしっかり相手の打撃をかわしての強打を爆発、見事、再起を果たした。

◆ジョン・チャンソン 「自分の試合をエキサイティングなものにしようと計画したことは一度もないんだけど、いつもそうなってしまう」

「5ラウンドの試合に備えてきたけど、タイトルに挑戦させてもらえたらもっとうれしい。どんどん近づいている。別に自分の試合をエキサイティングなものにしようと計画したことは一度もないんだけど、でも、いつもそうなってしまうんだ」 

▼ウェルター級 5分3R
○ランディ・ブラウン(ジャマイカ)
[3R 2分54秒 KO]
×ブライアン・バルベリーナ(米国)

※左前蹴りを腹に効かせたバルベリーナが左ボディ当て、首相撲からヒザ蹴り、さらに金網詰め、ヒジ打ち、左右ラッシュでKO。ブラウンはMMA11勝3敗に。バルベリーナは2連敗となった。

◆ランディ・ブラウン 「下馬評で不人気だったけど、まだみんなが目にしていないだけ。毎日、成長していきたい」

「最高の気分だ。みんなが俺のことを疑っていて、1年も出ていなかったし、前回の試合は負けていて、祖母が亡くなったばかりで、今日ここに来るのにかなり気持ちの波があった。今回の勝利は俺にとってとても意味のあること。すべてだ。これが俺の人生、キャリアだ。証明するのに本当に大変だった。今回の試合はかなり下馬評で不人気だったけど、まだみんなが目にしていないだけさ。まだまだ見せないといけないものがたくさんある。毎日、成長していきたい」 

▼バンタム級 5分3R
○アンドレ・イーウェル
[判定3-0] ※29-28×2、29-27
×アンデウソン・ドス・サントス

◆アンドレ・イーウェル「この階級か、それより上にいる誰でもいい、相手になるぜ」

「気持ちの入った相手と戦うってことは、俺だって真剣勝負だし、2人とも同じくらいの気合いで臨んでいるんだから、最高のショーを披露できるに決まっている。それに、グリーンビルのみんなの前で披露しないといけなかったから、今回の勝利が本当にスペシャルに感じる。自分のいるべき場所に戻してくれる。だから、俺に言えるのは、この階級か、それより上にいる誰でもいい、相手になるぜ、ってことだけさ。落ち着いていけるかどうかがすべてだった。コーナーとうまくやれていれば、人生で最高のショーを披露することができる。何もかもがうまくいくってもんさ」 

▼女子フライ級 5分3R
○アンドレア・リー(米国)
[判定3-0]※30-27×2,29-28
×モンタナ・デラロサ(米国)

◆アンドレア・リー「誰かを非難したり何かのせいにしたりはしない」 

「自分のパフォーマンスに全然満足できなかったから、もしかしたら、今日の試合は今までで最悪と言えるかもしれないと思ったけど、戻って全部を見てみないと。彼女は素晴らしいレスラーだし、テイクダウンの後に向こうがあまりできなかったのが幸いね。毎回、スタンドに戻せたし、単純に十分なパワーで打てていなかっただけだと思う。よく分からないけど。試合に向けては最高の状態だったけど、試合になって常に同じとは限らない。人生にはいろんなことが起きるし、もしかしたらそれが影響したのかもしれない。誰かを非難したり何かのせいにしたりはしないわ。もっとうまくやれたと思うだけ。もっとうまくやるべきだと思うだけよ。最高のキャンプができたのに、それを私が生かせなかっただけ。でも、私に辞めるつもりがないことを、自分にも他のみんなにも証明できたと思っている」 

▼ミドル級 5分3R
○ケビン・ホランド(米国)
[判定3-0] ※29-28×3
×アレッシオ・デ・キリコ(イタリア)

◆ケビン・ホランド「この世界では生きながらえるだけじゃダメなんだ」

「クールな試合だったな。ちょっと逆境もあった。第2ラウンドで肩を痛めてしまったけど、コーチからは“泣くな、攻め続けろ”と言われたから、とにかく必死にできることをやった。これはこれさ。オクタゴンに上がるまではKOかサブミッションを決めようと思っていたけど、だからなんだってことさ。今は生きるか死ぬか。この世界では生きながらえるだけじゃダメなんだ。次に何が来ようと集中する。もうちょっとスマートに、もう少し強くなって、ベガスでさらに良いキャンプに励みたい」 

▼フェザー級 5分3R
○ダン・イゲ(米国)
[判定3-0] ※29-27,29-28×2
×ケヴィン・アギラー(米国)

◆ダン・イゲ「俺がチャンピオンになるのももうじきだ」

「今回の試合がタフになることは分かっていたし、それは当然予想していた。ケビン・アギラーは超タフな相手だからね。力いっぱいのショットを放ったのに、彼はそれを受けても前に出てくる。あのパンチで眠らないようなら、きっと前に出続けてくるだろうと思っていたから、ファンのみんなが試合を楽しんでくれていることを願うよ。連勝中だけど、とにかくメンタルの準備が大事で、自信を持つこと。試合のたびにどんどん成長しているし、予測不能な感じになるまであと少しだと思うよ。俺がチャンピオンになるのももうじきだ。やらないといけないことがたくさんあるし、腕を磨きたいテクニックもいくつかある。もっとうまくなって、穴をなくしたい。必死に取り組んでいきたいと思っているし、チャンピオンになりたい」 

▼女子ストロー級 5分3R
○アシュリー・ヨーダ(米国)
[判定3-0] ※30-26、30-25、30-24
×近藤朱里(日本)

近藤朱里は、現在UFC2連敗中。2017年9月に白星デビューを飾ったが、2018年5月の2戦目はチリ大会でブラジルのポリアナ・ボテーリョに33秒TKO負け。MMA7戦目にして初黒星を喫すると、続く11月の北京大会でも地元中国のヤン・シャオナンに判定負けし、厳しい試合が続いている。

朱里は2014年3月に初代Krush女子フライ級王座、MMAでは2017年5月に初代PANCRASE女子ストロー級王座を獲得している。オクタゴンに入場し、空手&キックボクシングがバックボーンと紹介されると、コール前に目を瞑り集中した表情の朱里。シュリ・コンドウのコールに右手を挙げて笑顔を見せた。

対するテメキュラのアシュリー・ヨーダはブラジリアン柔術&ムエタイがバックボーンと紹介されたTeam Questのファイター。“スパイダーモンキー”のニックネーム通りの粘り強い寝技を武器とする。TUFシーズン23を経て、2016年11月のINVICTA FC20ではアンバー・ブラウンを相手に腕十字で一本勝ち。2016年12月にUFC本戦出場を決めるも3連敗。2018年11月の前戦でアマンダ・クーパーに判定勝ちし、UFC初白星を掴んでいる。両者ともにこれ以上は負けられない、サバイバルマッチだ。

1R、オーソドックス構えの朱里に対し、サウスポー構えのヨーダは左ミドルを2発から入る。ヨーダのワンツーに朱里も右を返すと、右ミドルを当てる。左のヒザから組み付くヨーダ。互いに首相撲から金網まで押し込むヨーダは右足にシングルレッグ(片足タックル)。片足で立つ朱里だが、中央へ引き出されると左を差したヨーダがテイクダウン!

すぐにパスダードしたヨーダ。頭を胸につけて潜ろうとする朱里に右ヒジを2発落とすと、朱里の頭をまたいでキムラロック狙いへ。朱里が腕をロックすると、さらにヒジを頭に3連打し、バックへ。右足をフックするヨーダ。亀の状態からヒジを浴びながらもハーフガードにした朱里は両足を戻してガードを取り、蹴り上げでスペースを作るが、そこに右手で足首を掴んだヨーダは足を捌して左にパスガードする。

サイドポジションを奪うヨーダ。左腕で枕に巻き抑えると、細かいパンチ、ヒジ。ヒザまで立てて亀になる朱里にバックに回るヨーダ。ワンフックで後方に引き込むとリアネイキドチョークを狙う。朱里は、後方の手首をつかんで潜り、正対を狙う朱里にバックでついていくヨーダが、バックマウントからパウンド。さらに腕十字に移行も朱里は腕を抜くが、ヒジを連打される。朱里がはっきりと差をつけられた1R。

2R、顔を赤くさせた朱里。ヨーダは左インローから入る。続く左ローにはジャブを狙う朱里。左ミドルから首相撲でつかみにきたヨーダに朱里はヒザを打ち返すが、左で奥襟をつかむヨーダは1R同様に金網まで押し込み右足にシングルレッグへ。ここは片足立ちで足を抜くことに成功する朱里。詰めてくる朱里に右前蹴り4発で距離を取るヨーダ。ワンツーで詰める朱里はシングルレッグも、切る朱里は右アッパー! さらにクリンチボクシングから左フック、首相撲からヒザ蹴りも。

首相撲から金網まで押し込もうとするヨーダ。そこを切り離し、左右を入れたのは朱里! しかし、続くワンツーにカウンターのシングルレッグテイクダウンはヨーダ。尻をつく朱里だが、金網際でヒザ立ちまで戻し、左足にしがみつくヨーダの頭に右の鉄槌を落とす。頭を下げさせられたヨーダだが、左足首を掴んだまま粘り強くシングルレッグからバックに回ると、みたび片足をかけて寝技に持ち込む。

両足をかけようとするヨーダの足をかけさせない朱里。ヨーダはリアネイキドチョークを狙うが、極めさせない朱里は腰をずらして正対へ。しかし、すぐにヨーダも起き上って右で脇をすくって朱里を倒すとすぐに再びバックに回り、ワンフックで引き込み、背後から細かいパンチを放つ。残り1分。亀まで戻す朱里だが、バックをキープするヨーダは背後からパンチ。残り十秒でヨーダは1R同様に腕十字に行くが、間に足を入れた朱里が防御しブザー。スタンドとテイクダウンの切り際の打撃は朱里だが、後半をコントロールし、打撃を浴びせたヨーダのラウンドか。

3R、最後のラウンドに前に出る朱里。左インローのヨーダ。朱里の左に左を合わせに行く。朱里は右ストレートを打ち込むが、シングルレッグはヨーダ。ここは切った朱里だが、近距離ではヨーダの首相撲につかまる。またも金網まで押し込み右足にシングルレッグはヨーダ。ヨーダの頭を胸の下に入れてアゴを掴んでノーアームギロチンでがぶる朱里! しかし、引き込んで首を外して右で差してリバーサルするヨーダ。

ハーフガードから立てない朱里は、またも背中を取られる。右脇をネルソンに組み仰向けにさせるヨーダはマウントを奪取! 背後からパウンドを連打する。正対しハーフガードの朱里にヒジを打つヨーダはフルマウントへ。亀になった朱里の背後からパンチを連打。パウンドを浴び続ける朱里は止められてもおかしくない状態に。背後に引き込み、両足を朱里の胴で4の字でロックすると、リアネイキドチョークを狙うヨーダ。朱里は正対できず。

背後からのパンチ、リアネイキドチョークを防御するのに精いっぱいの朱里。バックを取られたまま朱里はブザーを聞いた。最後まで極めさせなかった朱里だが、長い時間をバックコントロールされ、打撃を浴びた。判定は30-26、30-25、30-24の大差3-0でドミネートしたヨーダが勝利。朱里は厳しいUFC3連敗となった。

試合後、朱里はSNSで「結果は負けてしまいました! いろんな思いがあった試合でした! 勝ちたかったです! 対戦相手のヨーダ選手ありがとうございました! 応援してくれた方本当にありがとうございました! 仲間、先生、関わってくれてるみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです! UFCで戦えて本当に幸せでした」とコメントを記している。

◆アシュリー・ヨーダー 「グラウンドは大好きだけど、レスリングやストライキング、グラウンド・アンド・パウンドを強化している」

「自分の一番いいところを探るために、試合ではいろんなオプションを持つことにしている。確かにグラウンドは大好きだし、テイクダウンを取れて本当にうれしい。でも、レスリングやストライキング、グラウンド・アンド・パウンドを強化しているの。世界一のコーチがいてくれるし、今日は圧倒的なパフォーマンスとスコアだったことを誇りに思うわ」 

▼ライト級 5分3R
○ルイス・ペーニャ(イタリア)
[3R 1分14秒 TKO] ※パウンド
×マット・ワイマン(米国)

◆ルイス・ペーニャ「フィニッシュするためには冷静さを保つことが重要」

「俺の放った左で向こうが痛がっているのは分かったし、とにかく落ち着いていかないといけないと思った。相手を痛めつけたときはちょっと興奮しがちなんだけど、フィニッシュするためには冷静さを保つことが重要。その後は自分の打撃が当たっていくのがとてもおもしろかった。自分がいるべき場所にいると思えているし、大きく進めていると思う。ジムに戻って、いろいろと再評価して、カーディオに取り組んでいくけれど、今後、大きなことが待っているはずだ」 

▼ヘビー級 5分3R
○ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)
[1R 0分09秒 KO] ※カウンター左ジャブ→パウンド
×アレン・クラウダー(米国)

◆ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク「家族と離れて、友達とも離れて、すべてを捧げてきた」 

「この勝利は自分の人生すべてだ。今回のために4カ月もトレーニングして、毎日同じことを何度も何度もやって、家族と離れて、友達とも離れて、すべてを捧げてきた……。試合に臨んで一発のパンチでフィニッシュできたのは本当にうれしい。今年中にあと2回は試合をしたい。UFCファンをたくさん楽しませられると思う」 

▼女子フライ級 5分3R
○モリー・マッキャン(英国)
[判定3-0] ※30-27×3
×アリアネ・リプスキ(ブラジル)

◆モリー・マッキャン「私がただのボクサーじゃないってことを示せたはず」 

「この瞬間のために私もチームも必死に取り組んできた。今回の試合で私がただのボクサーじゃないってことを示せたはずよ。キックもできてテイクダウンもできるし、オクタゴンのコントロールもできる。試合のたびにどんどん良くなっている。サウスカロライナで戦うチャンスに恵まれたことが本当にうれしい。みんな最高。今回の試合前に、自問自答したの。対戦相手のあおりがあったからね。でも、私はかなり力を示せたと思うし、クレバーなパフォーマンスを発揮できたと思っている。自分のことを誇りに思うわ」 

▼ミドル級 5分3R
○デロン・ウィン(米国)
[判定3-0] ※29-28×3
×エリック・スパイスリー(米国)

◆デロン・ウィン「今日のボーナス候補なんじゃないか」

「今回のデビューは完璧だった。いろんな人から疑問視されていたけどね。でも、ノックアウトやノックダウンができなかったとしても、それでも打っていけると思っていた。前回の試合とかなり似ているけど、こっちの方がいい戦いだった。みんなに、自分が完全な総合格闘家だってことを見せたい。自分のためにやっていることだし、まだ始まったばかり。観客を楽しませたかったし、今日のボーナス候補なんじゃないかな」(※試合後「ファイト・オブ・ザ・ナイト」で5万ドルを獲得) 

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