2019年6月21日(金)東京・後楽園ホールで開催された『K-1 KRUSH FIGHT.102』の一夜明け会見が、22日(土)都内にて行われた。
ダブルメインイベント第2試合K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ウェルター級タイトルマッチで、挑戦者・神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)を判定3-0(30-28×3)で破り、5度目の防衛に成功した王者ジョーダン・ピケオー(オランダ/マイクスジム)が会見に出席。昨夜の試合を振り返った。
「自分が試合前に予想していた試合運びにならなかった。結果的に勝つことができたが、KO出来なかったのは残念だ」と、試合内容は不満の残るものだったとピケオー。
「神保は思った通りの試合をしてこなかったというのが率直な気持ち。特攻魂というのはお互いその場で立って打ち合うことをイメージしていた。彼は試合が始まるなり、距離をとって回り始めてポイントをとる試合をしてきたので、自分の想像と全く違った。自分の過去3試合は和島(大海)も木村(“フィリップ”ミノル)も立って打ち合い、野杁は多少動いたり距離をとったが打ち合う試合をして盛り上がった。
自分も盛り上がる試合をしたかったので昨日はそれを期待していた。それが彼の戦略だったのかもしれないが、最初に言っていた前へ出る、KOしに来ると言っていたのは、ファンの皆さんに嘘をついた試合だったと思う」と、神保が試合前に発言していた通りの試合をしてこなかったと沈んだ表情で苦言を呈した。
最終3Rには猛攻を加え、神保がダウン気味に崩れ落ちるシーンもあったが、「ああいう試合をしている中でリングサイドに木村がいることに気づき、アイコンタクトして“俺にやってほしいか?”と合図をしたところ、木村もそういう動きをしたので、左ボディフック、クロスを入れてダメージを受けた神保が自分に寄りかかってきたけれどもダウンはとられなかった」とのエピソードを明かす。
さらに「自分が何かしようとすると神保は逃げる動きをして、試合というよりもスパーリングのような感じになってきた。それで最終的にスパーをしてパンチを当てるイメージに自分の中でなっていった」と、終盤の流すような戦い方になった理由を説明した。
試合後にはK-1 WORLD GPウェルター級王者・久保優太への挑戦をアピールし、久保もリングに上がって挑戦を受諾する発言をした。
「久保との試合はいい試合になるだろう。過去何試合かを見たが彼にはテクニックがある。打たれたら打ち返すタイプなので、昨日みたいな打ったら逃げるような試合にはならないと思う。昨日のような試合はやっていてもどかしかったし、久保とはそうならない。激しく楽しい試合になると期待している」と、好試合になることを予感しているようだ。
以前から久保のことを研究して対策を練っているのかと聞かれると、「こうなってしまうと久保戦の戦略ははっきりとは言えない。というのも、神保は打ち合って来る、前にガンガン来ると聞いていたので、そのための戦略を練っていた。しかし蓋を開けてみると神保は全然打ち合って来ないで逃げ回る試合運びをしてきた。今までの久保の試合を見ているが、実際自分と戦う時は違う戦略で来るかもしれない。だから過去の試合にとらわれず、リングに立って目の前の久保と戦うだけだ。でもはっきり言えるのは、K-1のベルトを獲るためにガンガン打ち合って、必ずベルトを獲るつもりだ」と、やはり神保に苦言を呈し、過去の試合は参考にならないと不機嫌そうに語った。
そして「久保に言いたいのは」と切り出し、「タイトルマッチをするのでタイトルを守るために自分にベストなことをしてこい。久保はそのベルトを守るためにしっかりトレーニングを積んで来た方がいいぞ」と忠告する。
今回で5度目の防衛に成功。これは自身が持つKRUSH王座の最多防衛記録をさらに更新したことになる。次は防衛を重ねるのか、それともK-1王座に狙いを絞るのかと聞かれると「その両方だ」と言って笑った。「まずはK-1ウェルター級のベルトに集中する。その次は70kgに焦点を向けたい。自分がそこで戦いたい相手は頭の中にいる」と、2階級制覇も視野に入れていることを明かした。
また、「昨日、野杁が試合後にプレゼントを持ってきてくれてとても嬉しかった」とのエピソードを明かし、笑顔を見せる。「自分はそういうタイプの人間なんだ。笑い続けているのが楽しくて好きなんだ」と、最後は笑顔で締めくくった。<関連記事>無敵ピケオーが神保を圧倒して5度目の防衛に成功、江川優生は圧巻の初回KOで初防衛神保克哉の「倒しに行く」に対し、王者ピケオーは「明日どっちが倒れるか楽しみだ」V5戦に臨むピケオー「全てで自分が上回っているので危険なものは特に感じない」野杁と城戸にも返答