自分を見失わないようにやるべきことを日々やっていきたい
――佐々木選手はK-1のベルトに対して、どんな思いがありますか?
「K-1のベルトに対して…正直なところ、それ以上にどんどん学びたいというか、格闘技で一番強い男になりたいという思いがあるので、その結果としてK-1のベルトは(最強の)証のひとつですよね。僕にとってK-1のベルトは獲るべくして獲るものだと思っています」
──前回対戦した2020年12月のK-1両国国技館大会での試合から、今年4月の『K’FESTA.5』代々木第一体育館大会までに、大和選手に何か変化を感じましたか?
「SNSでも繋がっているので、大和選手の日々の発言や、上がっているものは拝見しているんですけど、格闘技を純粋に楽しんでいますよね。大和選手もボクシングを習い始めて、考え方とかいろんなものが変わっての今だと思うんで、本当に楽しさが伝わってくるし、そういう意味で乗っているのは間違いないと思います。結果もそうですけど、日頃の生活からも変化は感じます」
──それと、武尊選手が休養されることになって、若い世代の台頭が期待される中、このベテラン同士のタイトルマッチはまた違った意味合いを持つ試合だと思います。期待感も大きいと思うんですが、それについてはどのように考えていらっしゃいますか?
「まあ大和選手はベテランですけど、自分も年齢だったり格闘技キャリアではベテランという位置に来るとは思います。ただ、自分としてはまだまだ足りない部分がたくさんあるし、ベテランと呼ばれることには違和感があります。でもそういう見られ方をするのもプロの世界なので、期待を上回る試合を大和選手としたいなと思います」
──6月のKrushのタイトルマッチの前に挑戦者の寺島選手が「K-1・Krush関係なくこの階級では佐々木選手が最強」と言っていたんですよ。そういう評価はどのように感じていますか?
「素直に嬉しいですけど、その言葉に乗ってしまったらまた足元をすくわれると思うので、自分を見失わないようにやるべきことを日々やっていきたいなと思いますね」
──あと、Krushのベルトを長く持っているので、ここ数年は挑戦を受けるという立場での試合がほとんどだったと思うんですけど、今回は挑むという立場になります。そのへんのシチュエーションの違いはタイトルマッチに挑む上で影響はありますか?
「そこも見られ方の部分なんですけど、自分は日々格闘技と向き合っているし、立場は変わらず常に挑戦だなと思っていますね」
──分かりました。現在10連勝中でまさに満を持しての挑戦という感じがするんですけど、その前は勝ったり負けたりの時期もありました。今、この成績になった理由というかきっかけは何だと思っていますか?
「インタビューでも言っているんですけど、やっぱりタイに行ったことで自分と向き合う時間が作れたというのはあります。それから1戦1戦重ねていくことで、応援だけではなく周りの方のサポートが増えたことですよね。試合に挑むための環境を一緒に作って、一緒に戦ってくださる方が増えたことも勝利に結びついてますし、本当に1人ではリングに上がれないということを試合をするたびに感じるようになりました。そういった部分では感謝もしてますし、自分の強みであり誇りです」
──心身的共に変化したことが結果として出たということですかね?
「そうですね。結果はなるべくしてなるなというのを感じています。本当に偶然はないなと思うし、ラッキーパンチとかあるって言われるかもしれないですけど、それも必然なんですよ。大和選手もそういう発言をされていますけど、なるべくしてなったことなんだと思います。そういった部分で、日々の練習の成果が試合に結果として出ているのだと思います」