Krushで絶対王者として君臨、満を持してK-1王座に挑む佐々木(C)K-1
2022年9月11日(日)横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』にて、K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rで王者・大和哲也(大和ジム)に挑戦するKrush同級王者・佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)のインタビューが主催者を通じて届いた。
佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者となった。2018年4月の2度目の防衛戦で同王座を失い、スーパー・ライト級に転向すると同年11月のK-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントでは準優勝。2020年2月のKrushで鈴木勇人を破り、ライト級に続いての2階級制覇に成功。7月に近藤拳成を相手に初防衛し、12月のK-1では大和哲也を判定3-0に降している。2021年5月には平山迅を破り2度目の防衛に成功。9月のK-1では元同門の林健太にも勝利、今年2月にはヴィトー・トファネリを破り、6月には寺島輝にTKO勝ちで3度目の防衛に成功し、破竹の10連勝を飾った。戦績は32勝(7KO)17敗1分。
自分の格闘技人生のターニングポイントとなる一戦
──まず、前回の試合となった6.17『Krush.138』での寺島輝選手とのKrushスーパー・ライト級王座の防衛戦を振り返っていただけますか?
「今回、大和選手とのタイトルマッチが決まりましたけど、大和選手が9.11『よこはまつり』への出場が決定している中での寺島選手との試合だったんですよね。周りからの声もあったし、先を見据えていないと言ったら嘘になりますけど、寺島選手に対して全力でぶつかる部分で動揺しないようにはしていましたね。そんな中、無事に勝って次に繋がったのでホッとしています」
──「周りからの声」というのは、やはりK-1王座挑戦への期待の声は大きかったということですか?
「凄く大きかったですね。期待をかけてくれるからこそだとは思うんですけど、そこで浮足立ってしまうと足元をすくわれるという経験をしてきたので、ある意味怖かったし、より一層気を引き締めなければと自分も思っていました」
──この防衛戦後のリングで大和選手への挑戦をアピールされたわけですけど、タイミングはいろいろとあったと思うんですよ。山崎選手が大和選手に負けた時点で、自分が挑戦しなければいけないという気持ちはありましたか?
「秀さんと大和選手の試合はセコンドに就いていたんですけど、秀さんが負けると思って挑んだ試合ではないですし、大和選手が築き上げてきたものが出た試合だと思います。でも、秀さんが負けてしまって、『次は俺だ』っていう想いは正直出てこなくて、ただただ悔しく胸にぽっかり穴が空いた日々を数日過ごしていました。だから秀さんの仇討ちという意味であのベルトに挑戦したいという気持ちはなかったです。
自分の中では秀さんが巻いていたとしても、K-1のベルトは常々巻きたいという気持ちは持っていましたし、そのタイミングを探りながら日々過ごしていたところはありますね。そんな中でタイミングが整ったというか、ちょうど寺島戦が10連勝目だったこともありますし、大和選手が『よこはまつり』に出場が決定したというニュースも試合の前に聞いていたので、ここで勝利をした上でアピールしたいなという想いが込み上げてきて、ああいう言葉に繋がったんだと思います」
──先輩である山崎選手がベルトを持っていた時は、こういうアピールはしづらいというか、遠慮みたいな気持ちはありませんでしたか?
「正直な話、秀さんとは十何年も一緒にやってきて、プライベートでも面倒を見ていただきながら過ごしてきたので、秀さんに挑戦するっていうのはなかなか踏み込めなかった部分ではあります。でも…遠慮はなかったですね。自分はK-1のチャンピオン、一番になることを目指してやってきたし、タイミングが合えば『ここは俺だ』って出るつもりではいましたからね」
──格闘技をやっている以上は、同門対決も時が来たら仕方がないかという気持ちもあったんですよね?
「それは常にありましたし、そういう発言をさせてもらっていたのも事実だし、それに迷いはないですね。K-1チャンピオンに挑むという準備をしていたので、そのタイミングが来るのを待っていたっていう感じですね」
──それが全てガチッとハマったのが今回だったということですか。
「そうですね。今までは発言するタイミングはたくさんあったのかなと思うんですけど、やっぱり自分が腑に落ちて発言出来るタイミングはあの瞬間だったので、結果的に今がK-1のベルトに挑戦するのに相応しいタイミングなんだと思います」
──分かりました。そのチャンピオンの大和選手なんですけど、当初はスーパーファイトで出場するつもりだったのが、佐々木選手のタイトルマッチのアピールを聞いて、挑戦を受けることを決めたそうです。
「大和選手と前回試合をした時も会見で発言させてもらったんですけど、雲の上の存在というか、戦える喜びを感じながら臨んだんですよ。結果的に勝利しましたけど、だからと言って大和選手への見方が変わったわけではないですし、こういう流れの中で2回も戦えるっていうのは凄く光栄だし、自分の格闘技人生のターニングポイントとなる一戦であることは間違いないですね」