ホーチン戦に向けて「いまは打撃をメインにやっています」
──8月27日のシンガポールでの対戦相手は、MMA15勝3敗1分のリン・ホーチン選手です。167cmの長身で手足が長く、打撃が強い、この相手をどうとらえていますか。
「やっぱりキックボクシング戦もやっているだけあって、打撃がほんとうに上手な選手です。打撃にあれだけ自信があるからどんどん前に出て来る。そこでリト・フォガットとの試合のときにフォガットがMMAのポイントをしっかり取って勝ったので、その試合を見て、ホーチンが寝技で漬けられたときの対処法があまり出来ないように見えたので、そこも考えています」
──フォガットはホーチンにケージを背負わせてテイクダウンに繋げた。その意味では打撃と組みでプレッシャーをかけていたことになります。
「そうですね。打撃をもらうことは絶対あると思うので、そこでどうもらうか。かわしながら組めたらいいなと思っていますが、そこの部分も対策だけじゃなくて、自分の引き出しを増やす必要があるなと思ってやってきました。
それで、いまは打撃をメインにやっています。ネスタ(マルテ)先生(※アンデウソン・シウバやヘンゾ・グレイシーの元専属コーチ)のジムで練習して。今回の試合のみにかかわらず、今後のことも考えて、もう少し打撃を強化したいなというところで打撃を多めにやっていますし、ホーチンが打撃主体の選手なので」
──ホーチンの散打ベースの厄介なキック、サイドキックや前蹴りをどう考えていますか。
「そこも練習していて、『しっかり見ろ』と言われています。相手の動きを見て、相手の足の位置や方向を見て、何の攻撃が来るか覚えろと。ミット中もネスタ先生が足の向きを変えて、廻し蹴りだったら、前蹴りだったらとサイドキックだったら、どっちから来るとか、そういう方向転換をしつつ、自分がどうかわすか。ブロッキングなのか、距離でかわすのか、そういう練習をしているので、その反射神経が試合でどれだけ見れるか。それに、これは立ち技での練習であって、それがMMAになったときに、打撃も組みもすべて考えないといけないので、その頭を使うのが結構、難しいと思っています」
──打撃で勝負することも?
「打撃の練習はめちゃくちゃやっていますが、だからと言って打撃で勝てる確信は無いと思うので、チャンスがあれば、です。そんなに打撃だけにこだわらずに“ごちゃ混ぜ”で戦います」
──粘り強く組んで行こうと。
「それが前回出来ずに負けたというのもありますし、ホーチンに前回フォガットがあれだけ組めたのは、レスラーだからあれだけ組んで倒せたという技術もあります。ホーチンが自分とやるんだったら距離取って、組まれたら突き放して勝てる、というのも相手の戦略にあると思うので、そのときにどれだけ自分が組めるかが大事だと思っています」
──今回の試合までの取り組みで、ラズワン戦のように諦めることはないと。
「はい。それをやったらこんなにキツい練習をして、もうこれ以上何をするんだ、というほどやっている意味がない。信じてやっています」
──今回のホーチン戦で勝利し、アトム級5位のラズワンへのリベンジも?
「はい。再戦したいですね。絶対勝てる相手だと分かっているし、負けて終わるのは嫌なので、次やってしっかり勝ちたい。次やるならすべて上回れるように。判定じゃなくてフィニッシュで終われるように、しっかり差を見せて勝ちたいです」
──そのためにも、今回の試合でしっかり勝利する必要があると。ところで、ニューヨークから直にシンガポール入りするということは、黒くなってきた髪もそのままで行くということになりそうですか。
「もうこのままで行きますね。何もしないで。こっちでは美容室で息抜きをするとかもなく、練習しかすることが無いので」
──今回のシンガポール入りの日程は?
「18日の昼にニューヨークを出て、20日にシンガポールに到着するフライトです。1回、日本に帰ろうかと思ったんんですけど、それだとバタバタになるので、そのまま飛ぼうと。こっちで最後まで調整練習をして、あと1週間をシンガポールで時差ボケとかを直しながら調整、最後の減量をする予定です。ただ、日本に4時間だけトランジットで空港に寄るので、そのときに家族が大集合します!」
──理想的な勝ち方は?
「フィニッシュが一番かなと。判定じゃなくて、やっぱり自分で勝ちを掴みたい。僅差じゃなくて圧倒的に勝ちたいです」
──最後にファンにメッセージをお願いします。
「今回はしっかり勝って、勝った姿をまた見せられるように頑張ります」