2022年9月11日(日)横浜アリーナで開催される『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』の、対戦カード第3弾発表記者会見が8月3日(水)都内にて行われた。
スーパー・ウェルター級3分3R延長1Rで、アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場)vs.ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム)が決定。
アビラルは2016年1月に来日。2020年1月にHEATキックルールミドル級王座を獲得し、9月には初防衛にも成功している。12月のK-1両国大会で初参戦を果たすと、1Rに木村“フィリップ”ミノルから打ち下ろしの右でダウンを奪い、2Rに逆転TKO負けを喫したものの大きなインパクトを残した。その後は連続初回KO勝ちで波に乗っていたが、2021年7月のK-1では和島大海のローキックで3RにKO負け。10月にホームリングであるHEATでの再起戦で、藤村大輔を1Rわずか57秒でTKOに追い込み2度目の防衛に成功すると2022年2月にはK-1で松下大紀に初回KO勝ち。5月にはHEATでムエタイのラーシーシンに初回KO勝ちしている。
ジョムトーンはラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座を14歳で獲得すると、フェザー級、スーパー・フェザー級、ウェルター級の4階級制覇を達成。WBCムエタイでも世界フェザー級、世界スーパー・フェザー級、世界スーパー・ライト級と3階級を制覇。WMCでも世界フェザー級王座を獲得している。
日本では2004年11月に新日本キックの2階級制覇王者・菊地剛介にK-1ルールで判定勝ち、2011年10月に大和哲也にムエタイルールで判定勝ち、2019年8月には日菜太からダウンを奪っての判定勝ちを収めている。また、増田博正やT-98、アトム山田にも勝利。他にもアヌワット、ゲーオ、ノンオー、サゲッダーオ、シントンノーイ、イ・ソンヒョン、ダビット・キリアら強豪からも勝利した。ムエタイの戦績は206勝(46KO)42敗4分。
さらにボクシングでは初代WBC全アジア・スーパー・フェザー級王座、わずか4戦目で第41代OPBF東洋太平洋スーパー・フェザー級王者となり、2015年5月にはWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志にも同級世界7位として日本で挑戦した(2RでKO負け、内山10度目の防衛)。プロボクシングの戦績は9勝(4KO)1敗。
1989年7月生まれの33歳だが、ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王座を獲得して4階級制覇を達成したのは2020年1月のこと。まさに“生ける伝説”と呼ぶにふさわしい選手だ。
会見に出席したジョムトーンは「こうしてまたリングに帰って来られる機会をもらえて嬉しく思っているので、全力で戦いたいと思っています。以前にはもう試合をするのをやめようかと考えたこともあったんですが、今回このような機会をもらえたので全力を勝ちをモノにしたいと思います。自分のテクニックをお見せしたい。それが出来ることがとても嬉しいです」と挨拶。
ムエタイのウェルター級は-66.68kgでK-1のスーパー・ウェルター級は-70.0kg、身長もアビラルの185cnに対して175cmと体格差があるが「久しぶりの試合で大きい選手と戦うことになったんだなと改めて感じたが、自分には経験があるのでその経験の中で大きい選手とも小さい選手とも戦って来たので何も心配することはありません。全力を出し切りたいと思う」と、キャリアでその差を埋めたいとする。
最後に試合をしたのは前述のラジャダムナンでのタイトルマッチで、「タイでアンモー会長(チュワタナジムの会長でムエタイの有力プロモーター)がコロナで亡くなって、それでタイで試合をする機会が少なくなりました。いま日本の会長がこうして僕が試合に帰って来る機会を与えてくださったのでK-1に参戦することになりました」と、プロモーターが亡くなったことで試合の機会を失い、今は日本のジムに所属していると明かした。
K-1ルールに関しては「自分は長い間キックボクシングのルールで戦って来たので、K-1ルールも全く問題ありません。元々はムエタイをやっていたが、5~6年はムエタイルールで戦っていないので。ヒジを使えないのは大きいが、パンチやキックは全て使えるので全く問題ないと思っています」と自信を見せる。
さらにK-1ルールでの目標を聞かれると「自分がK-1の中で戦う目標はもちろんK-1王者になることです。まずは70kgでチャンピオンになり、その後は67.5kg、そして65kgと3本のベルトを獲りたいと思っています」と、なんと3階級制覇が目標だと言い放った。
これに対し、アビラルは「最強の相手と決まったのでサクッと勝って、これに勝ったらデカいので必ず勝ちます。相手のことはキックもパンチも出来る最強の相手だと思っています。今までやってきた中で最強だと自分でも思うので、現王者よりも強い相手だと思っているのでこれに勝ってタイトル挑戦につなげたいですね」と、過去最強の相手だと認めつつも勝ってタイトル挑戦へつなげたいとする。
ジョムトーンの3階級制覇発言には「そんなにK-1は甘くない。倒しますよ。1Rから倒しに行きます」と、自分がK-1の洗礼を浴びせると答えた。